2015年3月19日(木)
3DS『マリオvs.ドンキーコング』プレイ後の感想を掲載。低価格で無限に遊べる高い完成度のパズルゲーム
本日3月19日に発売のWii U/3DS用ソフト『マリオvs.ドンキーコング みんなでミニランド』をプレイした感想をお届けします。
プレイしたのは3DS版。3DS版はすれちがい通信に対応しているほか、一部のステージで画面サイズに合わせた調整が行われれている(※クリアに必要な仕掛けは同じ)とのことですが、基本的にはWii U版と同内容です。
また、3DS版かWii U版のいずれかを購入すると、もう一方のバージョンを無料でダウンロードできるので、非常にお得になっています。
▲写真の3DS版では下画面をタッチ、Wii U版ではWii U GamePadの画面をタッチして操作する形になります。 |
■トコトコと歩き続けるおもちゃのマリオやピーチを、ゴールまで誘導しよう!
『マリオvs.ドンキーコング』は、これまでゲームボーイアドバンスとニンテンドーDSでシリーズ作が発売されています。作品ごとにゲームの内容は微妙に異なっているのですが、シリーズが進むにつれて、“オモチャのミニマリオをゴールまで誘導する”アクションパズルゲームとして進化してきました。
それでは本作の基本となるルールを、実際のゲームプレイでご説明しましょう。ステージ上にはミニマリオ、ミニピーチといったトイキャラクターが存在しています。ミニマリオをタッチするか、ほかのミニマリオが触れるとノコノコと歩き始めるのですが、いったん歩き始めたミニマリオはひたすらまっすぐ前進して、止まることができません。
そこでプレイヤーは、画面上にあるさまざまな仕掛けを利用して、ミニマリオたちを“ゴールドア”まで誘導していくことになります。鉄骨の壁を作ってミニマリオの進む方向を反転させたり、落とし穴に鉄骨の橋をかけたりして、ひたすら進み続けるミニマリオをゴールまで導いていきましょう。
▲本作のパズル攻略は、リベットとリベットの間に鉄骨の橋をかけることが基本になります。 |
▲画像の場合、上画面の下段に表示されている鉄骨の残量はゼロなので、まず“レッドてっこつ”を回収して材料を集めることで、ようやく橋をかけられるようになります。 |
ただし、画面上に鉄骨の橋をかけるには、材料となる鉄骨が必要です。もし必要なだけの鉄骨がない場合には、先に不要な鉄骨を回収しなければなりません。
そのため実際のゲームプレイでは、ミニマリオたちが鉄骨の橋を渡ったらすぐにその鉄骨を回収して、次にミニマリオたちが渡る鉄骨を急いで作るといった、操作の忙しい局面も発生します。
頭を使ってパズルを解く楽しみと、画面をすばやくタッチして思い通りのルートを作っていくスリルを同時に楽しめるのが、本作の最大の魅力だと言えるでしょう。
▲落とし穴に鉄骨の橋をかけたり、逆に鉄骨を取り除いて下に転落させたりして、すべてのミニマリオをゴールまで誘導すればステージクリアとなります。 |
▲鉄骨は垂直や水平だけでなく、斜めにかけることもできます。ただし角度が急すぎると、ミニマリオたちが登ることができなくなるので注意してください。 |
ステージ上には鉄骨以外にも、中に入ると別の場所に移動できる“ワープどかん”や、一定時間のあいだ敵を倒せる“ハンマー”といった、『マリオ』や『ドンキーコング』のシリーズでおなじみの仕掛けがいくつも用意されています。
また大小のコインも配置されており、これらをすべて集めてからゴールすると、クリア後の評価が高くなります。まっすぐゴールへ向かうなら簡単だけど、寄り道してコインをすべて集めようとすると急に難しくなる、というステージもたくさんありますので、ぜひじっくりと頭を悩ませてみてください。
▲ステージ上にあるハンマーを拾うと、行く手をジャマする敵を叩いて吹っ飛ばすことができます。 |
ちょっと特殊なのが“チェインルール”です。ミニマリオのうち1体がゴールするとカウントダウンがスタートし、カウントダウンが終了すると、ゴールのドアが閉じられてしまいます。ドアが閉じるまでにすべてのミニマリオがゴールできないと、クリア失敗となってしまうのです。
このため複数のミニマリオがステージのあちこちにちらばっている場合には、タイミングよく同時にゴールできるように、計算して動かすことが必要になります。
▲1体のミニマリオがゴールすると、カウントダウンがスタート。カウントダウン終了までにすべてのミニマリオがゴールできない場合、その時点でクリア失敗となってしまいます。 |
▲ステージクリア後には、プレイの評価に応じてトロフィーを獲得できます。最高の“ゴールドトロフィー”を獲得するには、コインをすべて集めるのはもちろんですが、加えてゴール時の残りタイムも重要です。 |
■敵に操られている“ダークミニマリオ”をはじめ、ユニークな仕掛けを攻略せよ!
新たなステージの楽しみであり、また悩みどころでもあるのが、そのステージに用意された多種多様な仕掛けの数々です。
この仕掛けをどのように利用するかというのが、本作のパズルを解く上でのポイントになっています。ここではそんな仕掛けの一部を、まとめてご紹介しましょう。
●マルチドア
▲通常は、異なるトイキャラクターでも1つのゴールを目指して進んでいくのですが、ステージによってはキャラクターごとに、別々のゴールが用意されている場合もあります。 |
●カギマリオ
▲ゴールにカギがかけられている場合には、まず最初にカギを持っているミニマリオをゴールへ到達させると、ドアを開くことができます。もちろんカウントダウンが始まったら、ほかのミニマリオも間に合うようにゴールさせてください。 |
●サーカスコング
▲“サーカスコング”は、やってきたミニマリオたちを上に放り投げてしまいます。このままだと、落ちてきたところをまた放り投げられて身動きが取れないのですが……!? |
▲放り投げられたところに鉄骨で足場を作ってあげると、その上に降りてふたたび歩き出せるようになります。 |
●キャノン
▲移動してきたミニマリオたちがキャノンの中に飛び込んだら、キャノンが向いている方向に発射できます。 |
●ベルトコンベヤ
▲ベルトコンベヤの上では、ベルトが動いている方向にしか進めません。スイッチをタッチすると、ステージ上にあるすべてのベルトコンベヤの進行方向が一斉に反転します。 |
本作に用意された仕掛けの中でも、特にユニークなのが“ダークミニマリオ”です。これは敵に操られている状態のミニマリオで、トゲの上も平気で移動できるほか、ミニマリオがダークミニマリオに触れると、クリア失敗となってしまいます。
ダークミニマリオをハンマーで叩くと、元のミニマリオに戻ります。その状態で一緒に誘導して、ゴールさせてあげましょう。逆にダークミニマリオを残した状態でゴールしても、クリアにはならないので注意してください。
●ダークミニマリオ
▲右下にいる全身が黒づくめのトイキャラクターが“ダークミニマリオ”です。トゲの上も平気で歩けるほか、ミニマリオが触れるとミスになってしまうという、敵のような存在なのですが……!? |
▲ダークミニマリオをハンマーで叩くと、元のミニマリオに戻ります。 |
▲このまま、ほかのミニマリオと一緒にゴールまで連れて行ってあげるのが、このステージのクリア目的となります。 |
ここで紹介したようなさまざまな仕掛けを上手に利用して、すべてのミニマリオをゴールさせる方法を解き明かしていくのが、本作のゲームプレイとなります。
先に紹介したように、ステージのクリア後にはスコアに応じてブロンズ、シルバー、ゴールドという3種類のトロフィーがゲットできるほか、新たなトロフィーを獲得するたびに、後述する“エディター”で役立つ“スター”がもらえます。
▲ステージごとに設定されているターゲットスコアを超えると、ゴールドトロフィーをゲットできます。またトロフィーを獲得するたびに、“スター”も一緒に獲得できます。 |
各ステージは、ただ単にクリアするだけで次のステージに進むことができますが、ゴールドトロフィーを集めた数によって、特別な“ボーナスステージ”がプレイ可能となるため、できるだけターゲットスコア超えを狙っていきたいところです。
▲ゴールドトロフィーが一定数だけ集まると、特別なボーナスステージが遊べるようになります。こちらはステージが広くてミニマリオや仕掛けの数が多いといった具合に、非常にチャレンジしがいのある内容になっています。 |
ゴールドトロフィーを入手するには、ステージ上のすべてのコインを集めること必要ですが、それだけではまだ足りません。できるだけ早くすべてのミニマリオをゴールさせて、残りスコアのボーナスを稼がないと、ターゲットスコアを超えることが難しくなっています。
そのため、ミニマリオが移動するルートをしっかりと考えて、同じところを往復するといったことがないように、なるべく無駄のないルートを考えなければなりません。ときには複数のミニマリオを別々のルートで移動させて、ステージ上のコインを効率よく集めていくといったテクニックも必要です。
こうやって紹介すると、かなり難しそうなゲームのように思えるかもしれませんが、1つのステージをじっくりと考えてゴールドトロフィーをゲットすると、今度はそのテクニックを応用してその次のステージが攻略できるといった、非常に考え抜かれたパズルの構成になっているので、プレイしながらどんどんと引き込まれていきます。
一回のプレイは数分程度と短いので、たとえ失敗しても「もう一回!」と繰り返し遊んでしまうのです。
本作には80種類以上のステージが収録されているほか、任天堂から毎週、追加データの配信も予定されているそうです。しかし、それだけではありません。じつは本作には、次に紹介するエディターによって、“無限”とも言える楽しみが用意されているのです!
■“エディター”で自分だけのオリジナルステージを作って配信できる!
本作に用意されている“エディター”では、自分だけのオリジナルステージを作ることができます。『マリオvs.ドンキーコング』のシリーズでは、エディターの機能は以前のタイトルから搭載されているおなじみのものですが、本作では“Miiverse”のサービスを利用して、他のプレイヤーとインターネット上でコミュニケーションできるのが大きな特徴となっています。
▲“エディター”では、自分だけのユニークなステージを作成できます。作成したオリジナルステージは、最大で50種類まで保存できます。 |
それでは、エディターの実際の操作を見ていきましょう。エディターでは自分の思い描いたステージをイチから自作することもできるほか、地面や敵があらかじめ配置されているテンプレートを選んで、これを改良していく形で作成することも可能です。
とはいえ、テンプレートはクリアに必要な仕掛けが配置されていないため、このままではプレイできません。リベットや鉄骨、はしごにハンマーなど、さまざまなパーツをステージに配置して、仕掛けを作り上げていきましょう。
▲テンプレートそのままだと、ステージ上に鉄骨が存在しないなど、パズルとして未完成なものになっています。ここにパーツを配置して、ステージを完成させていきましょう。 |
▲種類ごとに分類されたパーツの中から配置したいものを選び、タッチペンで画面をなぞるとその位置にパーツが配置されます。ある種類のパーツを1つのステージに配置できる数には制限があるので、注意してください。 |
エディターの操作はタッチペンを使った直感的なもので、非常にわかりやすいものとなっています。ある意味、メインゲームのパズルがクリアできる人なら、誰でも作成可能だと思います。
エディターの操作よりもむしろ、どういった仕掛けのステージを作るかで悩むことのほうが多いと思いますが、そういった際にはメインゲームのステージに用意されている仕掛けを参考にするといいでしょう。
▲ステージ上のスプリングを回収して置くことのできるテンプレートを配置。スプリングを配置する際は、どの高さまでジャンプできるかが表示されていて有り難いです。 |
ステージの作成中は、いつでもテストプレイを実行できます。とりあえずパーツを配置してみて、うまく仕掛けが作動するか気になったら、すぐテストプレイで確認してみるといいでしょう。
実際に筆者が作成した時には、地面の下にスプリングを配置したため、ミニマリオが頭をぶつけてしまうというミスが発覚しました(笑)。ちょっと試してみて、うまくいかなかったら別の方法を考えるといった感じで、このステージの作成自体がまるでパズルを遊んでいるような気分になりました。
▲先ほど配置したスプリングを、テストプレイで実際に使用してみたところ。ところが上の地形が地面だったため、ミニマリオが頭をぶつけてしまった。 |
▲そこで上の地形を地面から鉄骨に変更。これでスプリングを使ってジャンプすれば、上に飛び上がれるようになりました。テストプレイって本当に大事なんですね……。 |
ステージが完成したと思ったら、テストプレイで最後の確認を行いましょう。ステージ上のすべてのコインを集めた状態で、すべてのミニマリオがゴールまで到達できれば、テストプレイは合格です。
合格したステージはMiiverseに投稿することで、他のプレイヤーに遊んでもらえるようになります。
▲すべてのコインを集めてクリアできれば、テストプレイは合格です。テストプレイ終了後に、“ごうかく”の欄にチェックが入ったステージは、Miiverseに投稿することができます。 |
エディターではステージの“テーマ”を変更すれば、パーツの色やデザイン、ステージの背景などを変化させることができます。さらに“エディターストア”では、メインゲームで集めた“スター”と交換して、エディターで使用できる新たなパーツを入手することも可能です。
……これだとスターの数がいくらあっても足りないのでは? と思った人がいるのでは? じつはスターはメインゲーム以外にも、プレイヤー同士のコミュニケーションで集めることができるのです!
▲ステージのテーマを変更してパーツの色やデザインが変わると、配置そのものは同じでも、ステージの印象がまったく異なるものになります。 |
▲基本的なパーツは最初から使用できますが、ダークミニマリオなどのちょっと特殊なパーツは、“エディターストア”でスターと交換することで入手できます。自作のステージに新しい仕掛けを配置したくなったら、利用しましょう。 |
■“コミュニティ”には投稿する人も、遊ぶ人も楽しくなる仕組みが満載!
本作の“コミュニティ”では、インターネットを通じてMiiverseに投稿された、他のプレイヤーが自作したオリジナルステージを遊ぶことができます。つまり、インターネットに接続可能な環境があれば、いろんなプレイヤーの作成したステージをいくらでも遊ぶことができるのです!
▲コミュニティでは、他のプレイヤーが作成したステージを遊ぶことができます。Wii U版で作成したステージを3DS版で遊ぶことも、その逆も可能なのがうれしいですね!(※機種間の使用の差により、まれに片方の機種で遊ぶことができない場合もあります) |
“コミュニティ”には、ステージを投稿する人にもメリットがあります。あなたの投稿したステージを他のプレイヤーが遊ぶと、そのたびにスターを1個入手できるのです。つまり、誰もが遊びたくなるような魅力的なステージを作成すれば、多数のスターが手に入るというわけです。
スターの入手方法はそれだけではありません。オリジナルステージを遊んだプレイヤーは、そのステージを作成したプレイヤーに、自分のスターをあげて応援することができます。ここでもらえるスターは、自分が作成したステージに対する評価だと言えるでしょう。
一方でスターをあげたプレイヤーの側には、Miiverseの投稿に使用できる“スタンプ”がもらえるというメリットも用意されています。
▲オリジナルステージを遊んでおもしろかったら、作成したプレイヤーさんに自分のスターをあげて応援しましょう。そのスターで新たなパーツを入手して、また新しいステージを作ってくれるかもしれません! |
▲スターをあげたプレイヤーは、Miiverseの投稿で使える“ハンコ”をランダムで入手できます。「このステージを遊んだらおもしろかったよ!」といった投稿の際に便利です。 |
他のプレイヤーからスターをもらってモチベーションがアップしたら、手に入れたスターを新しいパーツに交換して、新たなオリジナルステージを作成する。すると他のプレイヤーは、また新しいステージを遊ぶことができる。
“コミュニティ”ではこのように、プレイヤー同士で刺激しあうことで、みんながハッピーになれるような仕組みが整えられているのです。今回は発売前にプレイしたのでコミュニティ自体は体験することができませんでしたが、発売後にどういったやり取りが繰り広げられるのか、今から楽しみです。
本作はシリーズを重ねているだけあって、アクションパズルゲームとしての完成度はもちろんのこと、エディターの操作性といった面でもしっかりと練り込まれている充実した内容になっています。
そこに“コミュニティ”の要素が加わることで、ある意味、“無限”に遊べるといっても過言ではないと思います。価格が安い上に2つの機種で遊べるというお買い得な本作だけに、ぜひ多くの人がプレイして、コミュニティを盛り上げてほしいと思います!
(C)2015 Nintendo
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