2015年3月19日(木)
ついに来週3月26日に発売が迫るPS4用ソフト『魔界戦記ディスガイア5』。今回は発売を前に、従来作をプレイしてきたライターによる先行レビューをお届けします。シリーズファンなら気になる今作ならではのシステムにザクッと切り込みます! なお、発売前ということで、ストーリーのネタバレを最小限に留めた、序盤までのレビューとなっていることをご了承ください。
『ディスガイア』シリーズといえば、クスリとくるギャグ展開を繰り広げつつ、時折シリアスな話題を混ぜてくる、緩急のあるストーリーが魅力です。本作では、キリアたち魔王がヴォイドダークに復讐するためのシリアスな物語が主軸となっていますが、その途中には盗まれたカレーを取りもどすために魔界に乗り込むなど、どこか力の抜けるお話も登場します。
▲戦闘開始前に入るストーリーのデモ。ミニキャラの動きも細かくて見ているだけでも楽しめます! |
もちろん、ただギャグを織り交ぜるだけでなく、ギャグやシリアスのなかにキャラそれぞれの物語背景を見せることで、キャラの性格や復讐にいたるまでの経緯が少しづつ判明していき、物語を進めるほどにそのキャラがより好きになっていく作りになっています。
例えばキリアは、初登場時こそ他の悪魔を寄せ付けないクールな性格を見せていますが、物語が進むとロスト軍に虐げられる悪魔を見逃せない優しい性格も垣間見られるようになります。また、極上の素材を自分で取ってきては料理を作るなどかなりグルメ屋な気質で、その料理の腕は食べた人間がうまさのあまり昇天してしまうほど。
▲灼熱魔界の魔王・レッドマグナスを前に、すごい材料による絶滅危惧チャーシューメンを語るキリア。 |
そんな悪魔らしからぬ振る舞いを見せるキリアですが、その行動にはヴォイドダークへの復讐にいたる理由なった、リーゼロッタという女性が深く関わっているようで……と、序盤のプレイだけでもクールだけどほのかに暖かく、どこか抜けてる部分があるキリアの魅力が十分伝わってきます。それと同時に、リーゼロッタとは誰か? 何があったのか気になってストーリーを先へと進めたくなってしまうのです。
さらに声優陣の熱演も素晴らしい! 感情の起伏はやや少ないものの、復讐と料理には熱がこもるキリアを演じる宮野真守さん。高飛車な典型的お嬢様タイプながら愛らしい少女の部分も見せるブリドカットセーラ恵美さん。考えるより行動! 暴力的だけどどこかにくめないレッドマグナスを演じる子安武人さん。などなど、このキャラはこの声しかありえない! というほどピッタリハマリ役でストーリーデモを見るのが楽しみになります。
▲ストーリーデモはすべてフルボイス仕様なので、声優陣の演技を思う存分堪能できます。また、予告になっていない次回予告では普段とは違った演技も! |
アイテムのレベルアップボーナスが、従来作の“潜った階層数”から“専用のボーナス獲得数”へと変わったアイテム界。とはいえ、それ以外の部分に違いはなく、今まで通りに敵を無視してゲートを潜っていくことも可能です。
イノセントや野良侵入者狙いの時などは、ステージスキップ法はまだまだ使えそう。逆に、アイテムのレベルアップが目当てのときは、敵を全滅することが大事になります。
▲ランク0には必ずアイテムレベルアップのボーナスがある模様だ。 |
というのも、ゲートをくぐるとボーナスゲージの0の部分が破壊されてしまうため、ボーナスをゲットできないからです。ボーナスゲージをためるのは大変ですが、ゲージアップ効果のあるアイテムや、壊すとゲージが上昇するギミックなどが用意されているので、従来作よりもプレイはしやすくなっています。
▲アイテム界には、持ち上げてステージをクリアするとレベルアップにボーナスがつく魚や、壊すとゲージのたまるシンボルなどが存在しランダムで登場する。 |
▲潜った階数に応じてアイテムも入手可能に。やり込みにいっそう熱が入りますね。 |
スゴロク風になったキャラ界ですが、通常のスゴロクと違って1本の道を行ったり来たりできます。このため、狙ったマスを通り過ぎても戻ってこられます。ただし、粘りすぎて制限ターンを超えてしまうと、手に入れたボーナスが半減してしまうのでご注意を。
▲装備適正は特定のマスを踏むことで増加。宝箱からはスゴロクで使える便利アイテムがゲットできました。 |
基本青マスではよいことが、赤マスでは悪いことが白はランダムでなにかが起こるようです。マスの上にいる敵がいると勝って倒さない限りその先へは進めませんが、倒すとステータスボーナスがもらえます。
強いキャラに育てるなら敵の撃破は必須になりそうです。1週が10分もかからずに終わるので、繰り返しプレイするのには最適! とはいえ、キャラ界に潜るごとに必要なマナがどんどん増えるため、マナ不足には気を付けなければなりませんが……。
本作では、スカウト屋による汎用ユニットの作成が非常に便利になっています。従来作では新規作成ユニットのレベルが1からのスタートだったため、ストーリー途中で仲間にすると育成期間が必要でした。しかし、本作では作成時にお金を払うことである程度レベルをあげた状態にでき、新職業が解放されてもすぐに実践投入が可能になりました。シリーズ経験者ならこの仕様の便利さがわかるはず!
▲作成時に追加でレベルの上限をアップ可能。ただし、追加でヘルが必要なのでご利用は計画的に。 |
説得屋では捕虜の説得が可能ですが、通常では捕虜は1人しか選択できません。しかし、専用の部隊レベルが上がれば一度にすべての捕虜を説得可能になり、捕虜を説得する効率がアップ! 捕虜が増えやすい本作では、一度に複数の説得ができるのはかなり便利な機能です。
▲説得は説得者と対象者のステータスの差で効果が変わるため、能力の高いユニットが説得すると効果はバツグン! |
また、新施設のクエスト屋では、レアリティの高い装備品や魔ビリティが習得できる秘伝書などが報酬に並ぶ上に、同じクエストを繰り返し受注可能です。一度に複数個受注できるので、とりあえず受けておいて損はなし!
なお、職業解放クエストに必要な条件は、決められた職業を使い込んでランクを上げるというもの。一度上げたランクは、転生しても消えないので、わざわざランクの高い汎用キャラを残して置く必要はありません。ここも従来作と比べて地味によくなった点ですね。
▲クエストは“アイテムを渡す”、“敵を倒してくる”など条件はさまざま。一度受けてもいつでも放棄できるので気軽に受注ができます。 |
魔界調査団は、ユニットを配置しておくだけで、メインユニットたちが戦闘に勤しむ間に自動で探索してくれます。
調査中にはアイテムを見つけたり、捕虜を捉えたりするほか、新たな魔界を見つけることもあるようです。また、無事に調査が100%に達すると、新たな魔界への道が見つかったり記念のアイテムがもらえます。探索には時間がかかるので、アイテム界に潜るときなどは必ず派遣しておくといいかも?
▲調査中に起こった戦闘で、負傷して戦闘不能になってしまうことも。探索班はいつでも帰還させられるので、危なくなったら戻すのも大事。 |
戦闘は、伝統の投げやターン制、ジオシンボルといったシステムは引き継ぎつつも、より遊びやすくなった印象です。とくに、魔物型も投げができるようになったのが便利! 持ち上げ待機や投げ受け(レシーブは可能)はできませんが、かなり使い勝手が増しています。また、特殊技も一文字スラッシュに予備動作範囲がなくなっていたり、避雷針が直線範囲技になっていたりと、従来作と比べて使いやすくなっているものも多いです。
▲箱を積み上げて足場にするなど、ギミックステージも登場! 脳ミソをフルに使って攻略しましょう。 |
▲戦闘が終了すると、ボーナスゲージ増加への貢献度合いによってMVPが決まります。MVPになればボーナス経験値がもらえるためお得! |
今作で導入されたリベンジ。リベンジモード中は、攻撃がクリティカル確定になるのに加えて、被ダメージ減少の効果があって超強力! ですが、敵がリベンジモードに入ってもなんとかなる場面は多いです。むしろ、リベンジモード中の敵を倒すとステータスアップアイテムを落とすので、敵のリベンジモードはボーナスタイム! という印象です(あくまでもストーリーを進めているステージのみの話です)。
▲攻撃を受けたり、ダメージを与えることでリベンジゲージがアップ! 物語中盤ではそこら中でリベンジの嵐が巻き起こります。 |
本作は、過去シリーズのプレイ感を損なわずに、より遊びやすい工夫がいっぱい詰め込まれています。全体的にやれることが増えていて、調査団の派遣や捕虜の説得と部隊の強化など、ユニット育成一辺倒になりにくい気がします。
育成部分でも、魔ビリティのコスト性によって複数の魔ビリティをつけられるため、ユニットの特徴に幅が持たせやすいし、1から育成したキャラほど使い勝手が増すのがいいですね。また、キャラ界が通常のマップとまったく違うスゴロク風になったおかげで短時間で周回しやすく、息抜きにプレイするのにちょうどよい感じ。総じて長時間のプレイでも飽きづらい印象です。
ストーリーは『ディスガイア』テイスト満載で拠点会話などキャラの魅力に触れる場面も多く、お話を楽しみたい人でも十分に満足いく内容になっています。
従来作のいいところをふんだんに盛り込みつつも、独自の味付けでより深みの増したシリーズ最新作。春は魔界で復讐の花を咲かせましょう!
▲定番とも言える戦闘後のイラスト。中にはこのような過激なイラストも登場! モザイク中身が知りたい人は製品版でぜひ見てみてください。 |
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