2015年3月26日(木)
『シアトリズム ドラゴンクエスト』の評価・感想を掲載! 転職やすごろく場にハマるともう抜け出せない
1日1回、シアトリズム! はいこんにちは、ライターのスズタクです。『シアトリズム』シリーズにドハマりしている僕が、スクウェア・エニックスが3月26日に発売する3DS用ソフト『シアトリズム ドラゴンクエスト』のレビューをお届けします。
現在も『シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール(TFFCC)』を遊んでいる自分(500時間以上プレイ)にとって、本作は発表当時から楽しみにしていた作品で、事前に遊べると聞いた時は小躍りするほどでした。ここでは、事前プレイでわかったゲーム内容や『TFFCC』との違いを紹介していきます!
■そもそも『シアトリズム ドラゴンクエスト』とは?
まずは本作の概要から説明しましょう。『シアトリズム ドラゴンクエスト』とは、国民的RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲を用いたリズムアクションゲームです。
シリーズの始まりは2012年に発売された『シアトリズム ファイナルファンタジー』で、その後2014年に続編となる『TFFCC』が登場。つまり本作は、『シアトリズム』シリーズの3作目という位置づけになります。
簡単操作で楽しめる『シアトリズム』と、名曲ぞろいの『ドラゴンクエスト』が融合した本作は、まさに双方のファン必見のタイトル。『ドラゴンクエスト』シリーズの作曲家・すぎやまこういちさんが曲を再監修しているという、こだわりっぷりも味わえます!
▲操作方法はいたってシンプル。曲のリズムに乗って、ペンでタッチしたりスライドしたりするだけです。ボタン操作でも同様にプレイすることができます。 |
▲初代『ドラゴンクエスト』から『ドラゴンクエストX』までの楽曲を厳選して収録。ゲーム内にはバトルや成長要素もあり、やり込み度バツグンのリズムアクションに仕上がっています。 |
■テンションが高まるゲームモードとやり込み要素!
それではさっそく、『シアトリズム ドラゴンクエスト』の魅力を紹介していきましょう。『シアトリズム』シリーズを知らない初心者は、ぜひチェックしてみてください。
●3種類のミュージックステージがゲームの要
プレイヤーが遊ぶ楽曲は、バトル・フィールド・イベントの3種類のミュージックステージに分類されています。ナンバリングタイトルごとに前述した3種類の曲が最低1つずつ入っており、どの作品が好きな人でも満喫できるようになっています。
3種類のミュージックステージはそれぞれ、激しいテンポが売りのバトル系、ゆったりと流れるように楽しめるフィールド系、映像と一緒に思い出に浸れるイベント系、と特徴があります。プレイする人によって、どれが好みかは分かれるところでしょう。
▲アップテンポなリズムが特徴のBMS(バトルミュージックステージ)。現れる魔物を次々と倒していくバトル要素もあります。 |
▲フィールドを仲間とともに移動するFMS(フィールドミュージックステージ)。原作を再現したさまざまな背景も見どころ! |
▲各作品の名場面映像をバックにプレイするEMS(イベントミュージックステージ)。懐かしさと感動がよみがえる!! |
楽曲には難易度があり、ふつう・難しい・激ムズの3つが用意されています。本作では、新たに操作方法がシンプルなモードもあり、このシンプルモードにも同様の難易度があります。“シンプルふつう”にすればほぼ誰でもクリアできるので、リズムゲームが苦手な人も安心してください。
▲写真上は難易度“難しい”で、写真下は難易度“シンプル難しい”のもの。同じ場面を比較してみると、シンプルモードではスライドトリガーがタッチトリガーに変化して、簡単になっていることがわかります。 |
●ミュージックステージを使った2つのモードがアツイ!
本作には、純粋にミュージックステージだけを遊べる“ミュージックプレイ”の他に、“チャレンジモード”と“すごろく場”というゲームモードも存在。チャレンジモードはプレイできる楽曲を増やすためのもので、すごろく場は『ドラゴンクエスト』シリーズおなじみのミニゲームを本作用にアレンジしたものです。
どちらも非常に奥深く、遊び始めるとやめ時がわからないのが恐ろしいところ(笑)。これらについては、あとで詳しく触れていきます。
▲マス目状に配置された楽曲をプレイし、ミュージックプレイで選べる曲を解放していくチャレンジモード。 |
▲『ドラゴンクエストIII』や『ドラゴンクエストV』に登場したすごろく場が、装いを新たにして本作にも登場します! |
●歴代キャラを仲間にして自分だけのパーティを作ろう
各作品の主人公を筆頭に、ナンバリングタイトルからさまざまなキャラが出演しているところもポイント。プレイヤーはこれらのキャラから4人を選んで、自由にパーティを編成できます。最初からすべてのキャラが選べるわけではなく、“オーブ”を6色集めるごとに新たな仲間を増やせます。
歴代キャラはただ仲間になるだけでなく、ミュージックステージで経験値を得ることでレベルアップします。もちろん呪文や特技も覚えるので、RPGの『ドラゴンクエスト』を遊ぶような感覚で楽しめちゃいます!
▲レベルアップして強くなれば、BMSで多くの敵を倒せたり、FMSでより遠くまで移動できたりします。キャラの育成は、大きなやり込み要素の1つですね。 |
■ゲームを始めたらまずはチャレンジモードから手をつけるべし!
さて、実際に『シアトリズム ドラゴンクエスト』をプレイした感触はどうだったのか? ここからは、遊んでわかったゲームの流れや細かい要素・システムなどを語っていこうと思います。
ゲームを開始すると、冒険の書を作成した後に初期メンバーを選べます。各作品の計22キャラから4人まで選べ、残りは前述のようにオーブを集めると仲間にできるようです。ちなみに、開始時に選べる22人がすべてではなく、他にもドシドシ登場するのでご安心を!
▲豊富なキャラの中から4人しか選べないという悩ましき試練! 考え抜いた末に、僕は勇者レック(『VI』の主人公)、勇者エイト(『VIII』の主人公)、ヤンガス、ドワーフ(『X』の種族)の4人にしました。 |
初期メンバーを決定すると、プロローグやミュージックステージのチュートリアルに続きます。チュートリアルは非常に親切に作られているので、説明に従ってプレイすれば自然と各要素が頭に入ると思います。
せっかちな僕は、すぐにミュージックプレイでいろいろな曲に触れようとしましたが、残念なことに最初からすべての曲が解放されているわけではありませんでした。選べる曲はチャレンジモードで増やせるので、ゲームを始めたばかりの人はとりあえずチャレンジモードをプレイするといいですよ。
▲開始直後はメインメニューで選べる項目が少なめ。焦らずチュートリアルに従いながらプレイしていきましょう。 |
ミュージックプレイやチャレンジモードをこなしたり、リズポ(ステージクリアでたまるポイント)をためたりすると、メインメニューにミュージアムやすれちがい通信、すごろく場といった要素が追加されていきます。体感ですが、約2~3時間ほど遊んでいればひととおりの要素は解放されると思います。
メニューの項目が増えると何から手をつければいいか迷いがちですが、まずはチャレンジモードで全曲を解放するのがいいかと。遊べる曲が増えればミュージックプレイも充実して、本作の一番おいしい部分をひとまず堪能できますからね。すごろく場やミュージアムなどは、ある程度遊んでからのぞくといった順序でも問題ないです。
▲ミュージアムでは、『シアトリズム』シリーズで恒例のコレカや実績などが確認できます。ミュージックプレイで曲をあらかた楽しんだら、これらのコンプリートを目指してみましょう! |
●チャレンジモードにはミッション要素も!?
ゲームを始めてすぐに選択できるようになるチャレンジモード。この中の解放チャレンジでは、各作品のBMSとFMSを組み合わせたマス目状の盤面が現れます。マスに表示された楽曲をプレイすると、その曲がミュージックプレイでも遊べるようになる仕組みです。
マス上の楽曲にはミッションも設定されており、BMSだとボスの撃破、FMSだと一定距離の移動がクリア条件になっています。ミッション条件とあわせて推奨レベルも表示されるので、ミッションクリアを目指す場合の参考になりそうです。ちなみに、クリア報酬はアイテムなどでした。
▲カギのマークが付いているマスは、隣接するプレイ可能な曲をクリアすると選べるようになります。基本的に、盤面の上のほうにある楽曲ほど推奨レベルが高いですね。 |
盤面の縦列は各作品の曲で統一されており、列の一番上にはナンバリングタイトルのボスが待ち受けるBMSがあります。これをクリアすると、その作品のEMSも解放され、ミュージックプレイで選択可能になります。解放チャレンジの曲だけで50曲以上はあったので、かなり長時間プレイできました。
●オーブ集め&キャラ育成に適したすごろく場!
チャレンジモードをプレイしているとすごろく場が解放されたので、もちろんこちらも挑戦してみました。
すごろく場はすごろく券を使ってプレイするミニゲームで、遊び方はみんなが知っている普通のすごろくと同じです。すごろく場をクリアするとオーブが手に入るので、仲間集めに最適なモードと言えるでしょう。
▲最初に選べるすごろく場は3種類。クリアすると新たなすごろく場が追加されていきます。 |
単なるオーブ集めのためのミニゲームならすぐに飽きようものですが、そこは天下の『ドラゴンクエスト』! 本作のすごろく場には、プレイヤーのやる気を刺激するさまざまな仕掛けがありました。
まず注目したのが、すごろく場の中にあるミュージックマス。止まったマスにミュージックステージがあった場合、クリアすればショートカットが行えます。さらに挑戦前にサイコロを振り、出た目の数だけ経験値が倍加するというおまけ付き!
僕がプレイした時は運よく6の目が出て、曲をクリアした時に膨大な経験値を得られ、キャラが一気にレベルアップしました。
▲オーブを集めるかたわらで、キャラ育成もできる。一石二鳥!! |
すごろくを遊ぶうえで、ゴールにピタリと止まれず泣くなんてことは日常茶飯事……。しかし、本作のすごろく場では“まほうのサイコロ”という便利なアイテムがあります。
このサイコロを使えば、“奇数の目を出す”、“必ず5の目を出す”といった効果を得られるんです! ゴール寸前や止まりたくないマスがある時などに、超絶役立ちます。
そんなまほうのサイコロは、宝箱マスやよろず屋マスで手に入ります。よろず屋マスではゴールドで購入する形になるので、すごろく場を遊ぶ際は所持ゴールドも気にしたほうがよさそう?
▲まほうのサイコロは最大で8つまで所持できます。ここぞという場面で活用しましょう! |
苦労してゴールした後にも、驚きが待っていました。ゴール時にはダブルアップボスバトルが用意されており、クリア報酬を賭けてBMSに挑戦できます。BMSの中でボスを討伐すればクリア報酬が倍になりますが、失敗すればゼロに……。
スリリングなダブルアップもあって、すごろく場はとても意欲を促進させるミニゲームに仕上がっています。
▲最後まで気が抜けないすごろく場。すごろく券がたくさんあれば、一晩中でも遊べそうなミニゲームです(笑)。 |
●“転職”と“さくせん”でよりカスタマイズが奥深く
仲間になるキャラはそれぞれ職業に就いており、ゲームを進めればダーマの神殿で転職できます。『TFFCC』ではキャラのレベルをリセットして1から育て直すことができましたが、それに似た感覚で、キャラごとに転職を繰り返して育成を楽しめます(転職するとレベル1になります)。どうやら上級職もあるようで、“○○のさとり”があれば転職可能です。
また、パーティメンバーには“さくせん”を設定できます。おなじみの“ガンガンいこうぜ”や“いのちだいじに”がありますし、“めいれいさせろ”にすればどの呪文・特技を使用するか細かく選べます。
▲覚えた呪文・特技は転職すると使えなくなりますが、職業ごとの固有スキルは引き継げます。転職を繰り返して、最強パーティを作りましょう! |
■『TFFCC』とはBMSの操作感覚が大きく変わる!
『シアトリズム』シリーズファンの目線で見た場合、本作は『TFFCC』とどういった点が違うのか? 僕がプレイしていて一番違いを感じたのは、BMSの操作感覚です。『TFFCC』では左から右へトリガーが横移動していましたが、『シアトリズム ドラゴンクエスト』では上から下へ落ちる縦移動になっています。
この変化はけっこう大きく、慣れるまでだいぶ時間がかかりました。『TFFCC』の感覚を引きずっていた僕の場合、サークルより手前で入力してしまうことが多かったです。なので、BMSは若干“タメを作る”ようにプレイしていました。
▲目線の動かし方が『TFFCC』と違うため、BMSは遊んでいて新鮮味が強かったです。『TFFCC』ユーザーは、BMSは別モノだと思って挑んだほうがよし! |
また、EMSも『TFFCC』から若干変わり、サークルに向かってトリガーが流れていく仕様になりました。FMSに関しては、ほぼ同感覚と言えます(たるトリガーが追加されたとか、細かい変化点はありますが)。
ちなみに今回のレビュー用にプレイした段階では、楽曲の“練習”や“プレイデモ”、“ミュージックプレイヤー”といった機能がありませんでした。これらは『TFFCC』でお世話になったシステムだったので、なくなったとしたら残念です。
▲EMSのサークルは位置がたびたび変わるので、目で追う必要があります。BMSほどではないですが、EMSも『TFFCC』とは操作感覚が異なります。 |
■シリーズを1作でも知っているなら遊んでみるべき!!
『シアトリズム ドラゴンクエスト』の総合的な評価ですが、『ドラゴンクエスト』シリーズを1作でもプレイしたことがある人なら、手に取っても損をしない作品だと断言します。
あくまで個人的な考えですが、『シアトリズム』シリーズは純粋なリズムゲームとして楽しむものではないと思っています。もちろんリズムアクションとして完成度は高いのですが、プレイを通じて感じられる当時の思い出や、知らない作品への興味のほうが重要な意味を持っているかと。
▲ミュージックステージの背景は、どれも原作を意識した作りになっています。特にFMSは、歩いているだけで思い出が呼び覚まされます! |
僕が『ドラゴンクエスト』シリーズで好きなのは『VI』と『VIII』なのですが、今回のプレイで『VIII』のFMS“広い世界へ”を遊んだ瞬間、PS2のコントローラを握って草原を駆けた記憶がぶわっとよみがえりました(ああ、キラーパンサーによく乗っていたなぁ……)。この感動を得られただけでも、プレイしてよかったと感じています。
逆に、未プレイの『X』の楽曲を遊んだ結果、『X』に俄然興味がわいたというのもあります。このように思い出を懐かしみ、未体験の作品への道しるべに成り得るのが本作なのだと考えています。
▲曲自体のよさも相まって、プレイ中にジーンとくることも……。音楽の力って偉大!! |
『ドラゴンクエスト』シリーズに少しでも触れた人なら、僕と同じような感動をきっと味わえるはずです(むしろ味わって!)。いきなり手を出すのが難しいなら、配信中の体験版を遊んでみるのがオススメですね。そして気に入ったあかつきには、すれちがい通信でスズタクと握手!!
▲ルビス様のありがたいお言葉で、このレビューを締めようと思います。あ、本作に性格診断はありませんので(笑)。 |
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