2015年3月28日(土)

New3DS『ゼノブレイド』レビュー。高評価を得た超名作RPGをもう一度遊ぼう!

文:りえぽん

 Wii版『ゼノブレイド』を99時間59分(280時間超)プレイしたりえぽんです。『ゼノブレイド』を遊んだことがない人は「どういうこと?」と思われるかもしれませんが、そのあたりの話は後ほど。

 Wii用ソフトとして2010年に発売され、人気を博した超名作RPG『ゼノブレイド』が、4月2日にNewニンテンドー3DS用ソフトとして発売されます。

『ゼノブレイド』

 世界や登場キャラクターが異なりますが、バトルシステムは受け継がれているWii U用ソフト『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』が4月29日に発売されますので、その前にぜひ遊んでおきたい作品です。

 この記事では、New3DS版で新しくなったポイントを中心に、『ゼノブレイド』を遊んだことがないという人にもオススメしたい本作の魅力を紹介します! Wii版『ゼノブレイド』の思い出コラムも挿入しますので、Wii版をたくさん遊んだよ! という人もぜひご覧ください。

New3DS『ゼノブレイド』

■重厚なストーリーにやりがいのあるバトル! RPG好きは遊んで損なし!!

 RPGがゲームの中で一番好き! という人は多いのでは? RPGのおもしろさは、わくわくするストーリーや魅力的なキャラクター、そしてバトルシステムの楽しさが評価のポイントとなると思います。

 『ゼノブレイド』は、New3DS版公式サイトの“ユーザーおすすめコメント”で紹介されている通り、そのすべてがプレイヤーから高い評価を受けました。Wii版の詳しい紹介は以前掲載したWii『ゼノブレイド』のレビューをご確認ください。ここではNew3DS版のスクリーンショットとともに少しだけご紹介します。

『ゼノブレイド』
▲物語は、巨大な神“巨神”と“機神”の争いから始まります。その神の躯“巨神界”で暮らすホムス(人間)の元に、“機神兵”が侵攻してきます。
New3DS『ゼノブレイド』
『ゼノブレイド』
▲“巨神界”にある街“コロニー9”で暮らしていた主人公・シュルクは、ある事件をきっかけに、機神兵に対し強大な力を持つ“神剣モナド”を手に旅立ちます。
『ゼノブレイド』
『ゼノブレイド』
▲フィールド探索からシームレスに始まるバトルは、“オートアタック”で自動で攻撃します。
『ゼノブレイド』
▲オープンワールドの広大なフィールドも魅力の1つ。豊富なサブクエストも用意されていて、クエストがてらいろいろな場所へ寄り道してしまいます。

 『ゼノブレイド』は、特にバトルシステムが秀逸です。特殊な効果を持つ“アーツ”を使うタイミングや位置取りが重要で、仲間との連携などさまざまな要素が絡むので、なかなかやり応えがあります。

 また、“神剣モナド”を持つシュルクの特殊能力“未来視(ビジョン)”がアツい! 敵からの攻撃で仲間が倒れそうになると発動し、限られた時間内にその攻撃を無効化させたり、仲間に未来を教えることでピンチを回避できます。

 ギリギリの緊張感の中で未来を変えられた時は、思わずガッツポーズをしてしまいたくなりますよ。作中の設定がバトルシステムにもしっかり生かされているところも素晴らしいんです。

New3DS『ゼノブレイド』

 ゲームを構成するすべての要素が“おもしろい!”と思えるRPG『ゼノブレイド』。RPGが好きな人なら絶対に楽しめるので、自信を持ってオススメします。

~Wii版『ゼノブレイド』思い出コラム・その1~

 冒頭の“99時間59分”。Wii版をやり込んだ人なら記憶に残っている言葉なのではないでしょうか。

 プレイタイム(時間)が表示されるRPGは珍しくないのですが、Wii版『ゼノブレイド』はセーブ画面で表示されるプレイタイムが“99:59”でカンストします。かなり急いでプレイすればカンスト前にクリアできるかもしれませんが……、本作は膨大なサブクエストや広大なフィールドが手伝って、普通に遊んでいるのに“99:59”の表示でタイムが止まってしまうプレイヤーが続出。当時ものすごく話題になりました。

 ちなみに、Wiiで遊んだソフトの記録の確認ができる“みんなのニンテンドーチャンネル”(※現在はサービス終了)を見れば、99時間59分以上のプレイタイムを確認できました。

 New3DS版は、先日公開された“社長が訊く Newニンテンドー3DS専用『ゼノブレイド』”で、プレイタイムが999時間59分まで表示されることが明らかになりました。Wii U『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』も、300時間遊んでもきちんと表示されると公式Twitterで紹介されていましたので、たくさん遊んでも安心です!

■Cスティックでカメラが操作しやすくなった!

 New3DS用ソフトとなったことで、りえぽんが気になっていたのは画面UIと操作性です。実際にプレイしてみて、操作性はまったく問題ないと感じました。

 Wii版はヌンチャクとWiiリモコンで操作していたので、カメラの操作がCボタンと十字ボタンで行わなければならず少々やりずらい部分があったのですが、Cスティックがカメラ操作に対応したことで視点の移動がスムーズにできるようになりました。

 バトル時は、移動がスライドパッドでアーツの選択が十字ボタンのため、Wii版のクラシックコントローラ操作と同じく移動しながらのアーツの選択が難しいです。そこは少し慣れが必要かなと感じました。

『ゼノブレイド』
▲移動中のUIに関しては、ミニマップとキャラクター情報が下画面に移動してすっきりとした印象です。
『ゼノブレイド』
▲テキストの文字も基本は大きめなので見やすくなっています。ただ、装備変更画面など一部文字が小さいかなと思う画面もありました。
『ゼノブレイド』
▲マップ画面はこちら。ZRボタンですぐに呼び出せます。ランドマークに一瞬で移動できる“スキップトラベル”にお世話になります。

~Wii版『ゼノブレイド』思い出コラム・その2~

 フィールドが本当に広いので、“スキップトラベル”はかなりの頻度で使用します。実はりえぽん、Wii版をプレイしていた時に、最初はスキップトラベルは便利すぎだったので少し封印してプレイを進めていました。しかし、コロニー9(最初のマップ)の段階から移動できる範囲が広すぎて……。結果、ガウル平原で早くもスキップトラベルを解禁してしまいました。

 そしてこのスキップトラベル、メニュー画面のマップの項目からならマップをまたいで使用することもできます。当時ゲーム中盤を過ぎるまでそれに気付かず、マップの端から端をスキップトラベルして徒歩で次のマップへ移動していたんです……。

 皆さんはそんなことにならぬよう、ゲーム内のチュートリアルは要チェックです。キャラクターのバトルTIPSは会話形式になっていたりして、細かい部分まで楽しめますよ。

■立体視対応がうれしい! イベントシーンはぜひ3Dボリュームオンで

 3DSならではの機能、裸眼で楽しめる立体視。もちろんNew3DS版『ゼノブレイド』も対応しています。特にNew3DSは“3Dブレ防止機能”が搭載されているため、つねに3Dボリュームをオンにしていても、動いて揺らいでしまうことなく安定して立体視が楽しめました。

『ゼノブレイド』
▲迫力のイベントシーンはぜひ立体視で確認してみてほしいです。最初の“巨神”と“機神”の戦いも大迫力でした!
『ゼノブレイド』
▲フィールドも立体視で見ると、さらに広さが感じられます! 後半のフィールドを立体視で見たかったのですが今回はそこまでは進めなかったので、そこまでたどり着くのが楽しみです。
『ゼノブレイド』
▲街なども作り込まれているので、立体視によって臨場感がさらに増します。歩き回るだけで楽しいですよ。

~Wii版『ゼノブレイド』思い出コラム・その3~

 上の画像にあるシュルクのセリフ「穏やかじゃないですね」は、ものすごく印象に残る言葉で、ユーザーからもいろいろネタにされていました。

 なぜ印象に残るかというと、クエストを受ける時の汎用セリフなので登場頻度がかなり高いのです。さらに、序盤は操作キャラクターをシュルクにしていることが多く、ありとあらゆる街の人の悩み(クエスト)に「穏やかじゃないですね」と返すシュルクがどうにもシュールで……。

 セリフとして表示されますが、実はボイスは付いていなかったんですよね。ところが、あまりの人気(?)のため、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U/ニンテンドー3DS』のシュルク参戦動画でついにボイスが付きました。しかも動画のタイトルも“穏やかじゃないですね”でした。

■新機能“コレクション”モードでいろいろ集めよう!

 New3DS版で追加された“コレクション”モード。ゲームに登場するキャラクターやボスなどの3Dモデルや、音楽が楽しめます。最初からすべてが閲覧できるわけではなく、“トークン”というものを消費してくじ引きのような感覚で集めていきます。

 トークンはすれちがい通信やゲームコインを使って手に入れる他、amiibo“大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ シュルク”を使えば入手できるようです。今回はトークンの入手は試せませんでしたが、“コレクション”モードを初めて開いた時に10トークンもらえるので、それでくじを引いてみました。

『ゼノブレイド』
▲コレクションのメニューはこちら。くじで入手したものを“キャラビュワー”や“サントラプレイヤー”で閲覧したり聴いたりできます。
『ゼノブレイド』
▲くじはキャラモデル・サントラのどちらも、1トークンで引けます。重複ありのランダムですが、3トークンなら重複はなくなるようです。
『ゼノブレイド』
▲試しに引いたらメリアちゃんが出ました!
『ゼノブレイド』
▲なんとメインキャラクターは装備パターンごとにモデルが用意されているようです! 色違いの装備などが収録されているかはわかりませんでしたが、集めるのが楽しくなりそうです。
『ゼノブレイド』
▲NPCもじっくり見ることができます。ズームもできるので小さなノポン族もこの通り。画面いっぱいにかわいさが堪能できちゃいます。
『ゼノブレイド』
▲“サントラプレイヤー”で再生するとこのように表示されます。1曲がループされる仕様です。ランダム再生などができないのは少し残念。

~Wii版『ゼノブレイド』思い出コラム・その4~

 『ゼノブレイド』は音楽も本当に素晴らしくて、今でもたまにサウンドトラックCDを聴いています。

 フィールドの夜の曲がどれも大好きで、ゲームをプレイしている時は、探索する時に時間変更であえて夜にしていたりしました。夜のほうが強い敵が出るフィールドもあるんですけどね……。

 戦闘のBGMもカッコいい曲ばかり! 中でも、ユニークモンスターとのバトルで流れる『名を冠する者たち』は人気の楽曲で、りえぽんも大好きな曲の1つです。画面外から敵にターゲットされて、流れてきた曲が『名を冠する者たち』だった時の絶望感もたまりません(笑)。後半の戦闘BGM『機の律動』も、聴くと熱い気持ちになれるのでオススメです!

■序盤のプレイとオススメポイントをスクリーンショットで紹介!

 ここからは8時間ほどプレイしてみたゲームのスクリーンショットとともに、『ゼノブレイド』が初めての人へまだまだオススメしたいポイントを紹介したいと思います。8時間プレイしても超序盤なので、ストーリーのネタバレなどはありません。ぜひ、これから遊んでみたいという人もチェックしてみてください。

『ゼノブレイド』
▲青空が広がるタイトル画面。しばらくすると夕方になり星空が広がる夜になります。美しいメインテーマもずっと聴いていたくて、なかなかスタートボタンが押せないのです。
『ゼノブレイド』
▲シュルクや幼なじみのフィオルン、親友のラインたちが暮らす“コロニー9”。たくさんの人々が暮らしています。
『ゼノブレイド』
▲Wii版をプレイした時もハマった“キズナグラム”。街の人々の関係が、シュルクたちの行動によっていろいろ変わります。意外な人が家族だったりして驚いたり、埋めるほど発見があって楽しいです。

 『ゼノブレイド』はNPCたちもそれぞれ時間にそって行動していて、“人々が暮らしている”感覚があります。同じ場所でも時間帯によっているNPCが異なり、クエストなどで目的の人物を見つけるのに苦労することも。ゲーム内の時間は自由に変えられるので、いちいち待っていたりする必要はありませんが、“キズナグラム”を埋めるために走り回っていろいろな人に話しかけてしまいます。

『ゼノブレイド』
▲最初の街だけでもサブクエストの量が半端じゃないです。クエストは残したくない性分のりえぽんは、なかなか先に進めなくなりますが、おもしろい話のサブクエストが多いのでついクリアしてしまいます。
『ゼノブレイド』
▲最初のマップなのにレベルの高い敵がフィールドにいます。うっかり近づいて全滅することもよくあります。全滅してしまってもペナルティはありませんが、急に襲われるとドキドキします。
『ゼノブレイド』
▲序盤の強敵ユニークモンスター“穴蔵のバグワム”。「そういえば、Wii版でもこいつに全滅させられたなぁ」と思いつつ戦いを挑んでみたら、案の定全滅しました。

 バトルは覚えることが多いので最初は大変かもしれませんが、アーツの連携や位置取りなどがわかってくるとものすごく楽しくなります。戦闘中に仲間がよくしゃべるので、仲間が増えるといろいろなキャラクターの組み合わせで戦闘してみるのもおもしろいです。Wii U用ソフト『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』も戦闘システムの基本は踏襲されているので、今からどんな仲間たちのやり取りがあるのか楽しみです!

『ゼノブレイド』
▲キャラクターは装備で見た目が変わるのですが、イベントシーンも装備の見た目が反映されます。わりと物語的に重要なシーンですが、画面にはかわいい服を着たメガネフィオルンが!
『ゼノブレイド』
▲コロニー9から洞窟を抜けた先にある巨神脚“ガウル平原”。コロニー9のマップも十分広いのですが、ガウル平原はさらに広い! 最初の谷間を抜けて広がる平原の、遠くに見える場所まで歩いて行けるのです。
『ゼノブレイド』
▲フィールドには絶景ポイントもあり、ものすごく高い場所から周りを見渡せます。高所から飛び降りることもでき、うっかり落下死することもよくあります(笑)。

~Wii版『ゼノブレイド』思い出コラム・その5~

 装備品でキャラクターの見た目が変わるゲームはそう珍しくはないのですが、『ゼノブレイド』は装備のデザインが機械的でカッコいいものや、女性は露出が多いセクシーなものなどいろいろあって装備品を見た目で組み合わせる楽しみもあります。

 そんな中、仲間キャラクターのダンバンはスキル“粋の境地”で“装備を付けていないほうが強くなる”という特殊な性能を持っていまして、基本的にほぼ裸。イベントシーンでだいたい裸のダンバンさんを見るとついおかしくて笑ってしまうんです。

 しかし後半の強敵との戦闘では“粋の境地”がかなり有効なことがわかり、最終的には他キャラクターのスキルがセットできる“スキルリンク”でシュルクまで裸になっていたという。そしてイベントシーンがさらにカオスに……。

■携帯ゲーム機でこのボリュームのRPGが遊べる幸せ

 長時間遊べるボリュームたっぷりなRPGは今ではたくさんありますが、New3DSという携帯ゲーム機でこれだけ楽しめる要素が詰まったRPGが遊べるというのは、とてもうれしいことです。RPG好きにはもちろん、がっつり遊べるゲームを探している人には本当にオススメできます! Wii版を遊んだ人も、ぜひ立体視でフィールドを見てもらいたいです!

 「Wii版を遊んだことがないし、New3DSも持っていないけどどんなゲームか気になる……」と少しでも思った人は、本体ごと買ってしまってください! プレイすればきっと、『ゼノブレイド』がどうしてこれほどまでプレイヤーに支持されているのかがわかりますので。りえぽんも、Wii版をやり込みましたが、『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』の前にNew3DS版のクリアを目指したいと思います!

New3DS『ゼノブレイド』

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