2015年3月31日(火)
PS4/PS3/PS Vita『カオスチャイルド』体験版を若干のネタバレありで語る。衝撃度は科学ADVシリーズで一番だ
3月28日、PS4/PS3/PS Vitaでの『CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)』の6月25日発売が発表されました。そして本日3月31日には早速PS4/PS3/PS Vita版の体験版が配信開始! というわけで、Xbox One版でトゥルーエンドまで見たmeganeによる第1章“情報強者は事件を追う”(体験版の範囲)のレポートをお届けします。
体験版のレポートと言っても、実際はXbox One版の時に一度やってしまっているわけで、同じことを繰り返してもしょうがない。今回はすべてのルートのエンディングを見て、その上でこの第1章をプレイして感じられた部分を含めたレポートとなります。
→Xbox One版の体験版のレポート記事はこちら(2014年9月4日掲載)
→PS4/PS3/PS Vita体験版配信開始記事はこちら
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■前作『カオスヘッド ノア』をプレイしてなくてもOK!
まずは『カオスチャイルド』の位置付けから説明します。『カオスチャイルド』は、“科学アドベンチャーシリーズ”の最新作であり、『CHAOS;HEAD NOAH(カオスヘッド ノア)』の6年後の物語にあたります。と言うと、前作をプレイしていないと意味がわからないんじゃないか、と思う人がいるかもしれません。
確かに『カオスチャイルド』は、『カオスヘッド ノア』のトゥルーエンドから6年後の渋谷が舞台となっています。しかし、メインキャラクターは一新されていますし、前作から再び登場するキャラクターもごくわずかです。
▲『カオスチャイルド』は『カオスヘッド ノア』のトゥルーエンドで崩壊してしまった渋谷の6年後が舞台となります。 |
『カオスヘッド ノア』や『シュタインズ・ゲート』、『ロボティクス・ノーツ』といった科学ADVシリーズの特徴の1つとして、少年少女たちによる学園&青春ドラマが展開されるというものがあります。『カオスチャイルド』でもそれは違わず、ごくごく平和な、でもちょっと……いや、かなり癖のあるキャラクターたちが一同に集い、あーでもないこーでもないと語り合っています。
▲学園ものといえば、やはり教室で語り合うシーンは外せません。そして生徒たちがいて平和に見えるこの教室も、後に見え方がまるっきり変わることでしょう。 |
主人公の拓留が通う“碧朋学園”、そしてその学園の中にある新聞部のメンバーである乃々、華、伊藤……そして世莉架。トゥルーエンドを迎えた後に序盤から再びプレイすると、新聞部の部室に集まって交流する彼らの姿に特別な感情を持ってしまうこと間違いなしです……が、その感情にとらわれるのは製品版の発売までお待ちください。
▲新聞部の部室で事件について語る香月 華(左)、来栖乃々(中)、伊藤真二(右)。この部室で物語が色々な方向に展開していきます。 |
■6年前の“ニュージェネレーションの狂気”と奇妙なほどの一致
物語は、6年前の渋谷で起きた連続猟奇事件“ニュージェネレーションの狂気”に匹敵するほどの奇妙な事件が、ここ最近の渋谷で起こっているという所から始まります。最初の被害者は“俺氏、未来が見えてしまう件について”というニコニヤ動画の生放送番組の生主である大谷悠馬。彼は“未来が見える”という触れ込みで生放送を始め、一躍人気の生主となりました。
▲ゲーム開始直後に見ることになる第1の事件“こっち見んな”。体験版を始める時は十分な心の準備をしてからにしましょう。ポイントは規則正しいノックの音、そして何者かとの会話。 |
続いて、第2の事件はミュージシャンの高柳桃寧。不思議な歌声で魅力を振りまき、一躍人気となった彼女は、趣味であるストリート活動中に自分のお腹をカッターで裂き、その中にBluetoothのスピーカーを埋め込んで失血死していました。
▲彼女が死に至る行動を取る前に、第1の事件と同じく規則的なノック音が聞こえてきます。とん、と、とん……と。 |
体験版の範囲では第3の事件も起こります。渋谷のラブホテル街で事件の臭いをききつけた拓留と世梨架の前に現れたのは、回転ベッドに乗って天井から吊るされたロープに首を締め付けられて死亡していた柿田広宣。そして血を流して倒れていた警官と血の涙を流していた有村雛絵……。柿田もまた、とある事情があって話題となった人物でした。ここになぜ雛絵がいたのか、なぜ血の涙を流していたのか、それは物語(1周目)の終盤に明かされるのでお楽しみに。
▲拓留たちが明確に事件に巻き込まれるのは、この第3の事件から。ほんの好奇心から警察がいるラブホテルに忍び込んだ彼らは、回転ベッドの上で奇妙な光景を見る。 |
▲事件が起こったホテルの部屋では目から血を流して倒れている少女、そして頭から血を流している警官の姿も。彼女たちにはここで何があったのか。この第3の事件でも第1、第2の事件と同様にノック音が聞こえてきます。 |
▲彼女は碧朋学園に通う2年生の有村雛絵。あの場で顔を合わせていたはずだが、知らぬ素振りを見せる彼女は、衝撃的なひと言を拓留に向ける。 |
犠牲になった彼らはみな、とある理由があって有名となった人物でした。そして彼らが死亡した事件は、6年前に起こったニュージェネレーションの狂気の各事件と同じ日だったのです。第4の事件も同様に6年前になぞらえて発生しますが、それは製品版までおあずけ。これらの事件が6年前と同日に起こったのはもちろん理由があります。
▲第4の事件“ごっつあんデス”。犠牲者はニコニヤニュースの記者でスクープを連発していた渡部友昭。事件が起こったのは碧朋学園の講堂で、拓留たち新聞部との対談が予定されていた。 |
■物語にスパイスと猛毒を与えるサブキャラクターたち
第3の事件が起こった後、物語に1人の男性が登場します。それは神成刑事。刑事と言えば前作では判刑事と諏訪刑事という2人が登場していましたが、本作では神成が刑事として事件に関わってきます。個人的には神成刑事の視点による物語も見てみたいと今でも思っています!
▲右にいるのが神成刑事。物語では頼れる大人として活躍します。 |
続いて、物語にはさまざまな人物が登場します。前作にも登場した信用調査会社を経営する百瀬克子、百瀬の知り合いで事件を追う久野里 澪、新聞部の顧問を務める和久井 修一。物語を単に進めていく登場人物のように見えますが、それぞれ大きな役回りを持っています。もちろん、体験版の範囲ではその様子は微塵にも見えないのですが……。
▲前作に登場した百瀬克子(モモちゃん)が本作でも登場。神成刑事や澪とともに拓留たちの味方として活躍します。 |
▲事件の影に見え隠れする組織に対して強いこだわりと憎しみを感じさせる澪。その思いは実にストレートで、表裏はあまり見られない。 |
▲新聞部の顧問を務める和久井先生。ひょうひょうとして掴みどころがなく、事なかれ主義を思わせる。 |
また、体験版の範囲では全く語られていませんが、Xbox One版の発売前に公開された情報で本作にもディソードが登場し、さらに各キャラクターがディソードを持っているというのがわかっています。
▲主人公の拓留、ヒロインの世莉架がそれぞれディソードを持っている。もちろん、体験版ではその存在自体は語られません。 |
なお、前作をプレイしていない人のために説明をすると、ディソードというのは妄想を現実に起こす力を持つ“ギガロマニアックス”たちが持つ“妄想の中の剣”で、妄想をリアルブートする(現実に引き出す)ための鍵となっています。ということは、それぞれのキャラクターが何らかの能力を持っているというわけです。また、このディソードを現実に呼び出して、武器として使用するケースもあります。
▲華が持つディソードは、まるでゲームの中に出てくる武器のよう。 |
ただ、戦う場面はありますが、本作は能力バトルものではありません。彼らがどのような理由で能力を持ち、その能力を物語の中でどう使っていくのか。それはまだここで語るべき内容ではありません。
■幾重にも折り重なった「マジで!?」がプレイヤーに襲いかかる
この体験版で遊べる第1章には、物語を彩るさまざまな事柄が顔を見せ始めます。例えば“力士シール”や“あみぃちゃん”など、まだこの時点では謎の存在のままですが、なぜ力士シールが事件現場に存在しているのか、その力士シールと拓留たちの関係は……。その他にもプレイヤーの予想を裏切る……裏切りすぎて思わず「え?マジかよ」とリアルでつぶやくようなシーンもあります。
▲物語の中で幾度となく登場し、事件現場を見つめる力士シール。この奇妙なシールが存在している理由がもちろんある。 |
▲後に名前が“山添うき”と判明する少女と老人。少女と老人が通った後には力士シールがびっしりと……。 |
▲体験版の最後に出てくる“あみぃちゃん”と“エド・ルーカス”とは。これが誰による“やりとり”なのか、どういう意図なのかは後々明かされます。 |
さらに、公式サイトに大きく書かれている「――そして。僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。」という一文。物語のラストは、「このくそったれなゲーム」を「クリアー」するということはどういうことなのかが描かれています。体験版をプレイした、もしくは興味を持ってしまったあなたは、主人公である拓留を最後まで見届ける義務があると言わざるを得ないでしょう。
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