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2015年4月6日(月)

『アキバズトリップ2』開発チームが贈るネタ満載のアプリ『宇宙の寿司』をレビュー

文:ユート

 アクワイアから配信予定のiOS/Android用アプリ『宇宙の寿司』のレビューをお届けします。『ROAD TO DRAGONS(ロード・トゥ・ドラゴン)』を手掛けた横山栄介プロデューサーと『AKIBA’S TRIP2 (アキバズトリップ2)』の開発チームによる渾身の一作とは……?

『宇宙の寿司』

■宇宙を旅して寿司をにぎる? ぶっ飛んだ世界観に変な笑みがもれる

 では早速、まずは本作の世界観から。タイトル&ジャンル名から不安が募りますが、とりあえずプロローグを見てみましょう。

~ストーリー~

人類の探究心はとどまることを知らない

人が地球外の惑星にも住むようになった宇宙時代。
新たな宇宙産業が誕生したことで、地球は活気にあふれていた。
“食”に関する意識も高まり、本物の味にこだわる料理人たちにとって、
地球外の惑星で発見された“地球外生物=ギョジュウ”は
天然モノの高級食材として重宝されていた……。

そして、寿司職人の少年ジローもまた、
“寿司”を極めるため地球から旅立った。
宇宙一の寿司職人を目指して……。

 最初の数行だけ読むと、めっちゃ壮大なSF活劇のプロローグっぽいのに、気が付いたら寿司の話になっていました。確かに地球外生命体を食べるなんてロマンがあるし、PVに出てくる寿司も興味をそそる。でも、なぜ寿司なのか? それだけが引っ掛かります。それに主人公も、どうして宇宙一の寿司職人なんて渋い道を選んでしまったのか……。もっとこう、宇宙時代らしい職業とかあるでしょ、絶対。突っ込んだら負けだとわかっていながらも、突っ込まざるを得ません。

 少なくとも自分は、こんなに舞台とテーマがかけ離れた作品は見たことがありませんでした。そりゃ冒頭のプロローグ画面を見て、「ンフッ」とかいう気持ち悪い笑いもこみ上げてきますよ。そんな期待を裏切らないように、次なるゲーム画面でさらなる衝撃が自分を襲います。

『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』

 世にも奇妙な光景が目の前にありました。アジが……地上を……飛んでいる(笑)。地上にいる時点でまともなアジじゃないけど、名前はそのままなんだ? というかギョジュウって何? “魚獣”ってこと? わ・け・が・わ・か・ら・な・い。おかしい。このゲームは絶対におかしい。

 しかもゲームは、このギョジュウを倒して寿司ネタを手に入れ、お客さんたちに寿司として振る舞うのが目的。あぁ、こいつ食えるんだ。まぁ腐ってもアジ(?)だしね。宇宙って広いなぁ……。といいつつまったくブレない世界観に、完全に引き込まれてしまいました。

『宇宙の寿司』
▲星座の名を冠した惑星群には、多くの星とギョジュウが存在。これらをまわって、最高の寿司職人を目指してます。
『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』
▲ギョジュウのバリエーションも多彩。いい感じにキモくて、ワラワラ出てこられると本気で一掃したくなります。

■不思議な世界観に反してシステムはかなりガチ!

 おもしろおかしい世界観ですが、ゲーム自体はかなり本格的なアクションRPG。降り立つ惑星(マップ)ごとに客へ振る舞う寿司の目標数が設定されており、【ギョジュウを倒して寿司ネタを集めつつ、お客さんを探す】→【屋台に戻ってお客さんに寿司を振る舞う】という流れで進めることになります。

 操作自体はすごく簡単で、ボール型コントローラーを転がして移動しつつ、敵を見つけたら体当たりすれば自動で攻撃が出ます。マップに存在するギョジュウの巣を攻撃すると大量のギョジュウが現れたりするのですが、そいつらを一掃する爽快感はかなりのものです。見た目がキモイから余計に(笑)。

『宇宙の寿司』
▲画面下にあるのがボール型コントローラー。 転がした方向に応じて軽快にキャラが動いてくれます。

 ただし、各惑星群の最後の星に出現する巨大ボスはそうはいきません。超タフなうえに一撃の威力が高いため、適当につっこむと簡単にやられてしまいます。ボスを攻略するには、攻撃パターンを把握してスキを狙うハンティングアクションらしい立ち回りが重要。ザコ戦の爽快感とボス戦の緊迫感、アクションゲームの基本はしっかりと押さえられていて、遊び応えは十分です。

『宇宙の寿司』
▲“うお座54番星系ジェフリ”のボス。巨大で、ヒレによる一撃はかなり強烈です。
『宇宙の寿司』
▲ボスが攻撃してくる時は“!マーク”が表示されるので、トラックボール下のステップボタンで回避。大技のあとはボスの動きが止まるので、そのスキに攻撃していきます。

 アクション要素だけでなく、ゲームのルールも個人的に評価したいポイント。単純にエリアを先へ先へと進むのではなく、1つのエリアで敵を倒す、客を見つける、屋台に戻るという行程が楽しいです。

 見つけた客が集まる屋台は時間経過で燃料が減っていき、燃料が0になると失敗となります。さらに、敵に攻撃されることでも燃料が減ったり、客足が遠のいたりするため、敵から屋台を守ることも考えないとダメなんです。ただ敵を倒すだけでなく、探索と防衛のバランスを考えないといけない。この仕組みがおもしろさの秘訣でしょうか。

『宇宙の寿司』
▲燃料が0になると屋台が木っ端みじんに! 敵を倒したり客に寿司を振るまったりして燃料を手に入れ、屋台に補給することが肝心です。
『宇宙の寿司』
▲挑戦するたびにマップの形状や敵の配置が異なるので、臨機応変な対応が求められます。

 経験値によってキャラクターがレベルアップするなど、RPGとしての要素もばっちり。武器に武器玉、キャラに寿司魂を装着することで、よりパワーアップさせられます。

 本作には初期キャラクターのジローの他、ガチャで手に入る9人のキャラクターが存在。それぞれ特徴が異なるので、いろいろなキャラを育成して使ってみる楽しみもあります。自分が引けたのはカルロとアンニンの2人でしたが、どちらもジローとは操作感がかなり違って楽しめました。

『宇宙の寿司』
▲ピザと女性をこよなく愛するカルロ。ピザピールのような巨大な形状の武器を手に、豪快な一撃をたたき込みます。
『宇宙の寿司』
▲巨大なおたまが武器のアンニン。彼女はスピードタイプのようで、素早い連続攻撃を繰り出します。

■隠れたメイン要素!? 図鑑のビジュアルとテキストがヤバイ!

 最後に、隠れた注目ポイントである“ギョジュウ図鑑”と“寿司図鑑”の2つをご紹介。ギョジュウ図鑑は出会ったことのあるギョジュウ。寿司図鑑はこれまでに握った寿司が記録されるものなのですが、どちらもビジュアルとテキストがかなりツボでして。まずはギョジュウ図鑑をご覧ください。

『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』

 改めて見ても、やっぱキモイよギョジュウたち(笑)。彼らの斬新なビジュアルを好き放題見られるうえ、遊び心のあるテキストも用意されているので、見ていて飽きません。それでは続いて寿司図鑑をどうぞ。

『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』
『宇宙の寿司』

 若干グロテスクな寿司もありますが、無性に寿司が食べたくなるイラスト。そして、料理漫画さながらの味のあるテキストが、腹の虫を鳴かせます。さすが寿司ゲー、無駄(?)に凝っています。普段はこの手の図鑑をじっくりと眺めたりしないのですが、新しいものが追加されるたびに見たくなるから不思議です。

『宇宙の寿司』
▲コンプリートして全部の寿司を見てみたい!

 以上。一風変わった世界観でありながら、ゲーム内容から図鑑まで尖りまくりの作品でした。本作はスタミナの概念がなく何時間でも遊び続けられるので、ぜひ配信を楽しみにお待ちください! では最後に、本作のプロデューサーの横山氏のコメントを掲載してお別れです。LOVE寿司!!

●『宇宙の寿司』プロデューサー 横山栄介氏からのコメント

 宇宙を舞台にしたゲームを考えていたら、すこしふしぎな、SF(寿司ファンタジー)アクションRPGが誕生しました!!
 どんな冒険が待っているのか、ぜひ、実際に遊んでみてくださいね。宇宙を握りましょう。LOVEカンパチ!!

※画面は開発中のものです。
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