2015年4月14日(火)
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『グランド・セフト・オートV』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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ロックスター・ゲームスから、PC用ソフト『グランド・セフトオートV』が本日4月14日に発売された。これに先駆けてPC版『GTAV』のプレイを体験することができた。この記事では、そのインプレッションと実際のプレイで判明したPC版ならではの特徴をお届けしよう。
本作は、オープンワールド・アクションゲームを代表する人気シリーズの最新作だ。2013年9月(日本は10月)にPS3/Xbox 360版が、2014年11月(日本は12月)にPS4/Xbox One版がそれぞれ発売されており、全世界で累計4,500万本以上、日本国内だけでも累計100万本を超える大ヒットを記録している。
『GTAV』の舞台はアメリカ西海岸をイメージした架空の大都市“ロスサントス”と、その周囲に広がる山あり海ありの広大なエリア。ここには奥行きのある人間ドラマから多彩なアクティビティまで、オープンワールドならではの体験がぎっしりと詰め込まれている。
ストーリーモードではフランクリン、マイケル、トレバーと、それぞれ独自に生活している3人の主人公を自在に切り替えながらプレイを進めていくという、ユニークなアプローチがとられている。加えて、自らカスタマイズしたキャラクターで対戦や協力プレイを楽しめる“GTAオンライン”も搭載。
▲主人公の1人、成り上がりを夢見る取り立て屋の青年フランクリン。 |
▲主人公の1人、元ベテランの銀行強盗だったが今は引退したマイケル。 |
▲主人公の1人、元パイロットで情緒不安定な男トレバー。 |
『GTA』シリーズはもともとPCで誕生し、これまでのナンバリングタイトルはつねにPCでも発売されてきたため、『GTAV』もPCでの発売が当初から期待されていた。
実際のところ、PS4/Xbox One版を開発する際には、次にPC版が発売されることを前提としたうえで、それを見越したゲーム全体のアップグレードが行われていたのだという。
それだけに、PS3/Xbox 360版の発売から1年半以上を経てついにリリースされるPC版は、まさに満を持して登場した“本命”と言えるだろう。
それではプレイを開始しよう。まずはゴツゴツとした岩山の山岳地帯に行ってみた。まず驚くのは、山頂から見渡した風景の美しさだ。はるか遠くにあるハイウェイを走っている自動車の様子まで、はっきりと目にすることができる。
▲山頂からは、はるか遠くに見えるロスサントスの高層ビル群まで見渡すことができる。遠くの山がもやで霞んで見える様子が、実に美しい。 |
本作は60fps(秒間60フレーム)で表示されていることもあり、画面は実になめらかでいて、美しい。
プレイ中、隣で解説してくれたロックスター・ゲームスのスタッフによると、PS4/Xbox One版の段階で、PS3/Xbox 360版の2倍もの描画距離を実現していたが、PC版ではそれをさらに上回る描画に成功したという。
とはいえ、いかにもCGといった感じで何もかもが見えすぎるのではなく、遠くに行くほど空気の層によって霞んで見える様子などもきちんと表現されており、そのリアリティは非常に高いものとなっている。
さらに注目したいのは、岩肌や草木といった大自然を表現するディテールの緻密さだ。特に地面に生えた草花に関しては、見た目がナチュラルでその数や種類も多い。
また荒野では多彩な野生動物も目にすることができるが、これはPS4/Xbox One版で追加されたものだ。PS4/Xbox One版が登場した際には、後述するFPSモードなどのさまざまな要素が追加されたが、それらはもちろんPC版にもすべて反映されている。
▲巨大なサボテンをはじめ、地面に生えている草木のディテールに注目してほしい。草花の形がリアルに再現されていながらも、ナチュラルな雰囲気で配置されている。 |
続いては山を下り、海岸からボートに乗って海上へ移動してみた。ここで圧巻だったのは、太陽の光を反射してきらめく海面や、ボートの航跡で白くうねる波の様子の美しさだ。
このような水の表現に関しては、PS3/Xbox 360版の段階でも非常に高い完成度を誇っていたが、PC版ではそのリアリティ度が格段にアップしている。
『GTAV』では海面をボートで移動したり泳いだりするだけでなく、海中に潜ってダイビングを楽しむこともできるが、PC版では海中のディテールがさらに細かくなり、より華やかになった印象を受けた。
▲ボートが進むと水面がキラキラと白く輝き、波のうねりがゆっくりと広がっていく。水の表現は個人的に、このPC版の中でも特に印象に残ったものだ。ちなみに水の表現は、独立したオプション設定でディテールの度合いを選択できるようになっている。 |
そろそろ日も暮れてきたところで、ロスサントスの街へと移動しよう。ジェット戦闘機に乗って街の上空へと向かい、ビル街の夜景を空から眺めてみることにした。
実際に目にした光景は圧巻で、ロックスター・ゲームスのスタッフが「今、世界中のゲームで最も美しい夜景」と胸を張るのも頷ける。
特に驚いたのは、高速道路の左右に灯る街灯の1つ1つまで上空からくっきりと見ることができ、それら無数の灯りが集まって1つの巨大な夜景を作り上げているというのを、まざまざと実感できた点だ。これに関しては、4Kという高解像度の恩恵を受けていることも大きいだろう。
▲この画面写真は夕暮れの光景だが、ロスサントスの街を夜の闇が覆うと、灯りの美しさはさらに際立つ。もちろんただ美しいだけでなく、数多くの自動車がライトを灯して道路を走っている“生きた”夜景だ。 |
▲手前の自動車のボンネットに要注目。周囲の風景が自然な形で映り込んでいる。また、ヘッドライトの光が周囲に拡散して広がっている様子もよくわかる。 |
戦闘機からパラシュートで降下して、ロスサントスの街を歩くころには、ちょうど雨が降ってきた。雨によって主人公の洋服が濡れて少しずつその色が変わっていく様子、雨が降り続くと地面に少しずつ水たまりができていく様子なども、実に自然に表現されている。
また、キャラクターたちが着ている洋服の質感も、画面上でその素材が容易に見分けられるほど、リアルなものとなっている。このようにPC版『GTAV』は、大都市から荒野まで非常に広大なエリアを扱いながらも、そこに存在する草花や人々の服装といった細部に至るまで緻密に、そして丁寧に表現されている。
『GTAV』のグラフィックはPS3/Xbox 360版、そしてPS4/Xbox One版と、登場するたびに驚かされてきたが、今回のPC版はまさに、“究極”の『GTAV』だと言えるだろう。
▲中央のトレバーが着ているシャツと、右の男が着ている洋服では、明らかにその素材が異なっているのがよくわかる。トレバーのシャツの汚れ具合も、不快な感じが伝わってくるほどにリアルだ。 |
ここまではグラフィックの美しさについて語ってきたが、ゲームは何より、その操作感が重要だ。今回はPC版ということで、キーボードとマウスでのプレイが可能となっているが、筆者はあえてコントローラでのプレイに挑戦してみた。
ちなみに、PC版ではXbox 360、Xbox One、PS4のコントローラをPCに有線接続すれば、そのまますぐにプレイが可能だ。
コントローラを使うと当然ながら、コンシューマ版と比べてもなんの違和感もない操作ができる。自動車の運転や銃撃戦も実にスムーズだ。キーボードとマウスの操作に関しても、キーアサインなどのオプションが充実しており、それぞれのプレイスタイルに合わせて選択できる。
PS4/Xbox Oneで追加された“FPSモード”、つまり一人称視点による操作は、もちろんPC版にも搭載されている。マウスを使ったエイミングでは、FPSモードのほうがしっくりくるというプレイヤーも多いだろう。
このFPSモードに関しても、通常はFPSモード(一人称視点)でプレイしつつ、自動車を運転する時は三人称視点に、カバーポジションについた時は周囲を見わたしやすい三人称視点に、といったように状況に応じて視点を変更する設定が可能。
詳しくは後述するが、PC版はカスタマイズのオプションが非常に豊富になっているのが大きな特徴だ。
▲『GTAV』は過去のシリーズに比べて、銃撃戦の操作感が大幅に進化を遂げている。PC版ではコントローラに加えて、キーボードとマウスを使った操作も可能になり、個々のプレイヤーの好みに応じて選択できる。 |
『GTA』シリーズといえば、ポピュラーミュージックが次々に流れるゲーム中のラジオも注目のポイントだ。コンシューマ版に登場した17種類のラジオ局に加えて、PC版ではヒップホップ中心の新ラジオ局“The Lab FM”が追加されており、新たな楽曲も加わった。
さらにプレイヤー自身が好きな楽曲の音声ファイルを選択することで、ゲーム中で流せるカスタムサウンドトラック“Self Radio”も新登場。曲間にCMやDJのトークが流れるという、本物のラジオ番組のような構成で再生することも可能だ。
また、今回はプレイを体験することができなかったが、『GTAV』ではストーリーモードに加えて、自分だけのカスタマイズキャラクターで他のプレイヤーと対戦や協力プレイが楽しめる専用モード“GTA オンライン”も用意されている。
PC版のGTAオンラインでは、最大プレイヤー数が30人(他に観戦者2人)に増えている。コンシューマ版ですでに配信済みのDLCを、最初からすべて利用可能なのはもちろんのこと、コンシューマ版のキャラクターや進行状況を引き継いで、PC版に持ち込むことも可能だという。
そしてPC版のGTAオンラインは、オンラインサーバーが世界共通となり、全世界のプレイヤーと同じルールのもとでプレイ可能になっている。ただしPC版とコンシューマ版のオンラインサーバーは共通のものではないため、機種を超えたプレイヤー同士が一緒に遊ぶことはできないので注意してほしい。
PC版『GTAV』には、コンシューマ版にはないまったく新たな機能も追加されている。ゲームプレイを録画する機能と、ビデオ編集ツール“ロックスター・エディター”だ。
ゲームプレイの録画は非常に簡単で、プレイ中にいつでも“F1”キーを押すだけで、その後のプレイが録画される。録画したプレイはロックスター・エディターを使って、ビデオクリップとして編集できる。
このロックスター・エディターの操作も実際に体験できたが、これがかなりの優れものだ。プロジェクトのタイムラインにクリップを追加し、編集点をクリックするだけで、簡単にビデオを編集できる。その操作感は、映像編集ツールとして市販されているソフトとほとんど変わりない。
▲まるでハリウッド映画のワンシーンのような映像も作成可能だ。 |
ここで重要なのは、プレイ中に録画されるのは映像ではなく、あくまでゲームプレイだという点だ。
つまりゲーム中のプレイ空間がまるごと保存されているため、ロックスター・エディターを使って編集する際に、カメラアングルを操作して主人公の表情を正面から映し出したり、その場の状況を俯瞰のカメラで見下ろしたりといったことが即座にできる。
もちろん通常のビデオ編集ソフトのように、フィルターで映像をセピア色に加工したり、決定的瞬間をスローで編集したりといったことも可能だ。
さらにスゴイのは、ゲーム中でラジオから流れるヒットナンバーの数々を、映像のBGMとして組み込むことができる点だ。
完成したビデオクリップは、YouTubeやロックスター・ゲームスのSocial Clubに直接アップロードできるが、一般公開する際も楽曲をそのまま使用できるようにライセンスを取得しているというからオドロキだ。
▲このようなスタントシーンやカーチェイス、大爆発といった決定的瞬間を録画して、ロックスター・エディターでビデオクリップに編集したら、世界中に公開できる。 |
▲編集する際にカメラのアングルを自由に変更できるので、バイクを運転する主人公の表情を映しながらカメラも一緒に移動するといった、通常のプレイでは決して見ることのできない映像も簡単に作り出せる。 |
ロックスター・エディターの機能はこれだけではない。“ディレクターモード”を使うと、さらに手の込んだ映像を作成できる。
近年、ゲームのプレイ動画を利用してキャラクターの会話シーンやアクションシーンを作成し、元のゲームから独立した1本の短編映画を作り上げてしまうクリエイティブな人々が存在している。
ディレクターモードは『GTAV』の豊富な素材をフル活用して、そうした映像を自由に作り出すことができるというものだ。
『GTAV』の広大なエリアの中から好きな場所を選んで舞台をセッティングし、時間帯や天候も自由に選択できる。そこにストーリーモードのキャラクターや一般の歩行者、野生動物などを配置し、操作して“演技”させることができる。
ちなみに、ディレクターモードで操作可能になるキャラクターは、ストーリーモードを進めることでアンロックされていくという。
考えてみてほしい。『GTAV』には大都市から森や山、海中に至るまで、ありとあらゆるロケーションが広がっている。個性豊かな外見のキャラクターが無数に存在し、高級スポーツカーから戦闘機まで、あらゆる種類の乗り物もそろっている。
さらには有名ヒットナンバーの数々を、BGMとして使用できるのだ! PC版『GTAV』は究極のオープンワールドゲームとしてだけでなく、究極の映像ツールとなる可能性をも秘めているわけだ。
▲ディレクターモードでは、主人公の1人であるフランクリンはもちろんのこと、犬のチョップを操作して、ビデオクリップを撮影することが可能になる!? |
ここまで見てきたようにPC版『GTAV』は、グラフィックの強化に加えて新機能のロックスター・エディターが搭載された、まさに究極の『GTAV』だ。
だがしかし、今回は4K解像度という非常に贅沢な環境でプレイできたものの、はたして一般のPCゲーマーは、本作の魅力をどこまで味わうことができるのだろうか?
この問いに対してロックスター・ゲームスのスタッフは、明確に回答してくれた。PC版では最も美しい『GTAV』を目指すだけでなく、どんなPCでも美しい『GTAV』が楽しめることを目指して制作されたのだという。
PC版『GTAV』の動作環境は、必要動作環境はもちろん推奨動作環境でも、今時の3DグラフィックスのゲームをプレイするPCとしては、そこまでのスペックを求められない。
これなら、最新スペックでなくてもプレイを楽しめる他、『GTAV』のためにゲーミングPCを導入するという選択も、十分にアリだろう。
さらに本作には、非常に詳細なオプション設定が用意されている。先に紹介した操作面のカスタマイズだけでなく、グラフィックの表示項目に関しても、PCの性能に応じてさまざまな選択が可能になっている。
▲PCならではの自由なオプション設定によって、街を歩く通行人の人数なども、PCのパフォーマンスに合わせて調整できる。 |
オプションの項目には歩行者の人数やバリエーションといったものまで用意されているほどだ。これらのオプションを調整すれば、自分自身の環境に最適なパフォーマンスを見つけることが可能だ。
今回試遊させてもらったような4K解像度で快適にプレイできるマシンは、PCゲーマーの憧れではあるが、個人で実現するにはさすがに敷居が高い。
だがロックスター・ゲームスのスタッフによると、一般的なゲーミングPCでもフルHD(1920×1080ピクセル)、60fpsでのプレイが快適に楽しめるという。オプション設定を全て“ノーマル”に設定しても、グラフィックのクオリティはPS4版を上回っているそうだ。
『GTAV』のゲームとしてのクオリティの高さは、すでに発売されているコンシューマ版に対する全世界の圧倒的な評価によって証明されている。
そしてPC版『GTAV』はこれまで見てきたように、その最強バージョンと呼ぶにふさわしい。PCゲーマーはもちろんのこと、1人でも多くのゲームファンに、ぜひ体験してもらいたい作品だ。
今回のプレイにあたっては、PCハードウェアメーカーとして広く知られるASUS JAPANの協力により、4K解像度(3840×2160ピクセル)の31.5型ワイドディスプレイでゲームを楽しめる、非常に贅沢な環境が提供された。
もちろん、それだけの高解像度で最新ゲームを動かすには、それにふさわしい強力なPCが必要だ。今回はNVIDIAのハイエンドGPU、GTX 980を搭載したビデオカードが3枚も使用しているという、現時点では最強クラスのゲーミングPCが用意されていた。
▲プレイに使用したPCの詳細。かなりのモンスタースペックだ。 |
●必要動作環境
・OS: Windows 8.1(64ビット)、Windows 8(64ビット)、Windows 7(64ビット)Service Pack 1、Windows Vista(64ビット)Service Pack 2(※)
※Windows Vistaの場合にはNVIDIAビデオカード推奨
・プロセッサ: Intel Core 2 Quad CPU Q6600 2.40GHz(4 CPU) / AMD Phenom 9850 Quad-Core Processor 2.5GHz(4 CPU)
・メモリ: 4GB
・ビデオカード: NVIDIA 9800 GT 1GB / AMD HD 4870 1GB (DirectX 10、DirectX 10.1、DirectX 11)
・サウンドカード: DirectX 10 100%互換
・HDD: 65GB
・光学式ドライブ:DVDドライブ
●推奨動作環境
・OS: Windows 8.1(64ビット)、Windows 8(64ビット)、Windows 7(64ビット)Service Pack 1
・プロセッサ: Intel Core i5 3470 3.2GHz(4 CPU)/ AMD X8 FX-8350 4GHz(8 CPU)
・メモリ: 8GB
・ビデオカード: NVIDIA GTX 660 2GB/AMD HD7870 2GB
・サウンドカード: DirectX 10 100%互換
・HDD: 65GB
・光学式ドライブ:DVDドライブ
(C) 2015 Rockstar Games, Inc.
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