2015年4月17日(金)
AC『ディシディアFF』レビュー。PSP版からの変更点や各キャラの特徴、プレイ動画をお届け!
2011年3月3日に発売されたPSP用ソフト『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』から早4年――。ついに……ついに! 待望の新作がアーケード版として、ファンの前に姿を現しました!
■『ディシディアFF』プレイ動画 その1
■『ディシディアFF』プレイ動画 その2
▲ウォリアー・オブ・ライトとクリスタルが印象的な筺体。ゲームセンターで見かけたら、思わず立ち止まってしまいそうです。 |
筆者ことライター・スズタクも大の『ディシディアFF』好きで、新作が来なかったからどうしようかとずっと不安になっていたところです。あ、ちなみに持ちキャラはバッツです!
この記事では、現在でもアドホック・パーティーで『ディシディアFF』を遊ぶくらいシリーズにハマっているスズタクが、アーケード版をプレイした感想・動画をお届けしていきます。
※記事中では便宜上、ボタン表記などをPS4のコントローラに見立てて書いています。稼働時には仕様が変わる可能性がありますが、ご了承ください。
■アーケード版でも操作感覚は家庭版と同じ遊びやすさ! さらに多人数戦を意識した調整も!
本作は、PSP版からは大きく変わり、3対3のバトルが楽しめるようになりました。多人数でのバトルはアーケードでワイワイ楽しめる要素の1つとして、とても重要だと感じましたね。
バトル自体は、先に相手チームのキャラを5回戦闘不能にしたほうが勝ちです。チームで共有のストックが5個あり、それが1回倒されるごとに1個消えていきます。なので、極端な話をすれば、うまい人が1度も倒されずにプレイすれば、初心者さんは4回倒されても大丈夫!
そして肝心の操作感ですが、2本のレバーを握って遊ぶため、過去作の家庭版『ディシディアFF』とほとんど同じと言っていいでしょう。画面の見方などはもちろん異なりますが、操作に関してはシリーズ経験者ならすぐに慣れると思います。
▲PSP版をプレイしていた人なら、あの日を思い出すかのようにプレイできること間違いなし。イヤホンジャックも搭載されており、音楽を楽しみながらプレイすることも可能です。 |
過去作ではR1+△ボタンでダッシュができましたが、本作ではR1ボタンのみで行えました。ただし、ダッシュ時にはダッシュゲージを消費し、ゲージがなくなると一時的にダッシュができなくなるので注意!
他にも、ガードがR1ボタンからL1ボタンに、回避がR1+×ボタンからL1ボタン+左スティックになっているなど、細かな変更がありました。初めに試遊した時はかなりぎこちない動きになりましたが、3戦目くらいになると操作もなじみ、スピーディな戦闘を楽しむ余裕が生まれましたね。
『ディシディアFF』のバトルといえば、忘れちゃいけないのが“ブレイブシステム”! 知らない人のために説明しますと、これは○ボタンの“ブレイブ攻撃”でブレイブ(相手のHPを減らす数値)を高め、□ボタンの“HP攻撃”で相手のHPを減らすという、『ディシディアFF』独自のシステムです。
ブレイブ攻撃をあてると相手のブレイブを減らせますが、逆もまた同じです。基本的にブレイブとHPは別々のものなので、HPが低くても高いブレイブを持っていれば、相手を倒せます。バトルでは、なんとか生き延びてブレイブを蓄えたら、相手を倒す! これに尽きます。
バトルは、高めたブレイブで一気にHPを減らす爽快感、2種類の攻撃をどんなバランスで使うかという部分がおもしろいですね。
▲○ボタンでブレイブをためて……。 |
▲ためたブレイブを□ボタンのHP攻撃で吐き出すイメージですね。 |
このブレイブシステムはアーケード版でも健在(個人的にすごくうれしい)で、ブレイブ攻撃でブレイブを高めてからHP攻撃でダメージを与える……という基本戦術は変わりません。
相手のブレイブを0未満にすれば、画面右上に表示されているブレイクボーナスが手に入り、大量のブレイブを保有できる点も同じです。
過去作では、アナログパッドとの組み合わせで各攻撃を地上・空中それぞれに3つまでセットでき、使い分けられました。本作でもブレイブ攻撃は同じように使い分け可能ですが、HP攻撃は1種類しかセットできないようです。
▲相手や自分好みの戦法に応じてアビリティのセットを変更するということも可能です。 |
キャラごとにHP攻撃をいくつか習得しますが、どれを実際の戦闘に持ち込むか……。悩みどころでもあり、戦術の1つでもありますね。
■新要素“EXスキル”と生まれ変わった“召喚獣”
本作では○ボタンのブレイブ攻撃と□ボタンのHP攻撃以外に、新たに△ボタンで“EXスキル”というコマンドが使えます。
“EXスキル”にはティナの“トランス”やクラウドの“LIMIT BREAK”といった専用“EXスキル”と、“リジェネガ”や“ブレイブシェア”といった汎用EXスキルの2種類があります。
▲原作でもおなじみの“LIMIT BREAK”。チャージ攻撃のため時間が減少するなどの効果があります。 |
EXスキルは時間経過でゲージが満タンになるたびに使用可能で、役割としてはいわゆる補助効果や妨害効果です。“リジェネガ”で味方全体のHPを回復したり、“バイオガ”で相手のブレイブにダメージを与えたりと、パーティ戦を盛り上げるスパイスになりますね。
僕がプレイしている時、急にキャラの動きが鈍くなったので「なんだなんだ!?」と思ったら、相手が“バキューム”という吸引効果のある“EXスキル”を使ってました。って、そんなのもあるんかい! (笑)
もう1つ、プレイしていて印象的だったのはやはり“召喚獣”ですね。過去作で召喚獣といえば、自分か敵のブレイブに影響を与える補助的な存在でしたが、本作ではしっかり召喚獣本体がフィールドに出現し、ガッツリ暴れ回ります!
▲イフリートを呼び出した際のカットインもド迫力! |
召喚方法は、召喚ゲージ最大時に操作盤中央のクリスタル型のボタンを長押しして、詠唱ゲージを満タンまでためるだけ。この詠唱ゲージ、1人だとなかなかたまりませんが、複数人でボタンを押せば早くたまります。
▲クリスタルボタンは、しっかり押しこみましょう。 |
3人全員でボタン入力すれば一瞬で召喚できるので、パーティを組んだ人とその場で「ゲージたまった! みんな召喚ボタン押して!!」「よっしゃ!」みたいなやり取りをしていました(笑)。
肝心の召喚獣の効果ですが、これがすさまじいのひと言! 試遊ではイフリートが設定されており、呼び出すと“地獄の火炎”で画面を真っ赤に染め上げました。
召喚獣の技はブレイブ攻撃扱いで、この攻撃ではブレイブが0以下にはならない(ブレイブブレイクされない)のですが、それでも効果は絶大です。こちらが召喚した時は頼もしい味方に、相手に召喚された時は恐ろしい敵になり得ますね……。
▲イフリートの攻撃には予兆がありますが、避けるのもひと苦労です。 |
と、ここまでシステム関連の感想ばかりになりましたが、率直なところプレイしてみてどうだったのか? はっきり言えるのは、「ただただおもしろいから、まずは1回遊んでみて!」ということです。
『ディシディアFF』シリーズに備わっている“『FF』のキャラを自分の手で動かして戦える”という魅力が損なわれず、しかも大画面かつ美麗なグラフィックで遊べるんです。これがおもしろくないわけがない!
▲広大なフィールドと美しいグラフィック、月並みな感想ですが『FF』が好きなら誰でも楽しめます! |
プレイしたうえでさらに言うなら、「知り合いと一緒にプレイしてみてほしい」ですね。3人一緒に戦線に出た時の盛り上がり方は、学生の文化祭のように騒がしく、愉快です(笑)。
「友だちと一緒にゲーセンに行くのはちょっと……」というシャイなソルジャーの方々もご安心。ネット対戦にも対応しているので、全国のソルジャーたちと一緒にプレイできます!
[CHECK]バトルを彩るフィールドにも注目!
召喚獣やEXスキルなど、目立つ新要素もありますが、音楽やフィールドなども大きく変わっています。ロケテ第1弾で遊べる2ステージには、どんな特徴があったのか紹介したいと思います。
まずは『FFI』のコーネリアです。こちらは2月に開催されたJAEPOでもお披露目されましたね。草木が生い茂り、広々としているため、広範囲の攻撃や魔法があてやすいのがポイント。
ちなみに、遮蔽物が少ないので魔法を主軸に戦うキャラが目立ちすぎてしまいます。いかに狙われないように立ち回るかも重要になってきそうです。
▲『FFI』のオープニングと同じロケーションが再現されています。技術の進歩を感じますね……。 |
もう1つのフィールド『FFVII』のミッドガルは、コーネリアとは違い、高低差のある障害物などが点在しています。近接系のキャラはしっかりと障害物を把握しておかないと、高低差などで攻撃が届かないことも。
また、魔法を主軸にするキャラは地形をうまく利用することで近接特化のキャラの攻撃範囲外から死角をついて、攻撃することなどが可能です。
▲『FFVII』と言えば、このミッドガルの全景がとても印象的でした。ちなみにミッドガル全体でバトルができるわけではありません。 |
■ロケテで操作できる6キャラの性能にズームイン!
ここからは、ロケテver.で使用できた6人のキャラの操作感を掘り下げていきます。4月10日の発表会ではラムザとバッツの参戦がアナウンスされたので、今後もプレイアブルキャラの情報からは目が離せませんね!
●ウォーリア・オブ・ライト(声:関俊彦)
『ディシディアFF』シリーズの主人公的存在。剣と盾を使った攻防一体の技が特徴で、全体的にバランスのとれたキャラです。近接技や飛び道具、ガード技などひと通りあつかえるので、初心者向けの性能といえるでしょう。
過去作ではHP攻撃だった“シールドオブライト”がブレイブ攻撃になり、シールドを張った後に○ボタンを追加入力することで攻撃ができます。“シールドオブライト”でガードに成功すると防御力が上昇する他、パワーがチャージされ、チャージ段階によって強化される技もあるようです。
また、新たなHP攻撃として“ブライトセイバー”という剣でなぎ払う技が追加されており、範囲・発生速度ともに文句なしの使いやすさでした。
●オニオンナイト(声:福山潤)
剣技と魔法を使いこなす、素早い身のこなしの戦士。過去作では“EXモード”で忍者と賢者にジョブチェンジできました。
また、本作でも物理攻撃を当て続けると忍者、魔法攻撃を当て続けると賢者へとジョブチェンジが可能。さらに物理攻撃を根本からヒットさせる、魔法攻撃を射程ギリギリであてることで、通常よりも早くジョブチェンジができます。
バトル開始時の性能は控えめなものの、ジョブチェンジ後の爆発力は圧倒的で、中盤から真価が発揮されるといった印象です。
通常時の移動速度が速めなので、ダッシュを使わずとも距離を詰めることができます。また、ジョブチェンジ後の攻撃力上昇は目を見張るものがあり、相手が操作する忍者の攻撃で、たくさんあったブレイブが吹っ飛んだのを覚えています(汗)。
ちなみに、“エナジーバースト”というHP攻撃は通常時に使うと攻撃範囲が狭いのですが、ジョブチェンジ後に使うと範囲がグッとアップ!
●ティナ・ブランフォード(声:福井裕佳梨)
遠距離から魔法を撃って戦うマジックファイター。ブレイブ攻撃の多くが連続入力可能で、シューティングゲームのように敵を狙い撃つことができます。また、攻撃しない時間が続くと自動的にチャージ状態になり、次に使用する技の性能が変化します。
今回の試遊で触れた中では、ティナが一番使いやすかったですね。地上ブレイブの“ファイラ”を連発し、ブレイブがたまったらHP攻撃の“メルトン”をぶっぱなすだけでも戦えました(笑)。
もう1つのHP攻撃の“メテオ”は、相手座標に隕石を降らす強力な技なのですが、チャージ状態の時のみ使えるのが難点です。そのことを知らず、通常時に“メテオ”を使って失敗モーションを連発しちゃいました。詳しくはプレイ動画 その1でも確認できます。
●クラウド・ストライフ(声:櫻井孝宏)
大剣を振って戦う近接タイプ。最大の特徴は、ほぼすべての攻撃の初段をチャージ(ため押し)できる点ですね。混戦の中でチャージするのは難しいのですが、攻撃をチャージすれば威力が上がり、射程が伸びるので、積極的に狙っていきたいところです。
近接技が中心ですが、“破晄撃”、“メテオレイン”など遠距離まで届く技も使えます。過去作では“スラッシュブロウ”からの派生で“超究武神覇斬ver.5”につなげるのが主流でしたが、本作ではそもそも派生技がない模様。
試遊時はほとんどチャージ技を生かせなかったものの、それでもそこそこ立ち回れたので、チャージを使いこなせればいったいどこまで化けるのか楽しみでした。
●ライトニング(声:坂本真綾)
高い機動力と、剣と魔法による多彩な技が持ち味。キャラ固有のコマンドとして、L1+R1ボタンでオプティマチェンジが行え、攻撃力が高いATK(アタッカー)と遠距離技が豊富なBLA(ブラスター)を使い分けられます。
ライトニングは『デュオデシム』の時と同じく、プレイヤースキルで強さがガラッと変わるキャラだと感じました。はじめのうちは技の種類を覚えるだけでひと苦労ですが、操作方法をマスターすれば強キャラになる予感がします。
また、オニオンナイトと同じかそれ以上のスピードを誇り、グイグイ接近して戦えるキャラですね。HP攻撃の“絶影”が直進する軌道のため、クセがなく使いやすいのもポイントです。
●ヤ・シュトラ(声:茅野愛衣)
シリーズ初参戦となる『FFXIV』のキャラ。ティナとは違ったトリッキーな魔法タイプで、追加効果のある技やトラップ技などを使えます。各技の持つ特殊効果をバッチリ把握すれば、今までにないキャラとして活躍しそうですね。
試遊時は追加効果を理解していませんでしたが、“ストーン”にヘヴィ効果(移動速度ダウン)があったり、“アクアオーラ”にバインド効果があったりします。
キャラの移動能力を阻害する効果はかなり強力だと思うので、うまく相手に付与できれば戦局が有利になりそうです。ざっくり操作したところ、単独で攻めるよりも仲間の後方でサポートとして戦ったほうが強いと感じました。
■シリーズファンから見たアーケード版の印象は?
初めて『ディシディアFF』のアーケード化を聞いた時、「ゲームシステムはどうなるの?」「一般的な格闘ゲームのようなコマンド入力法になったり?」など、さまざまな想像が頭に浮かびました。
正直なところ、期待と不安が半分ずつといった心境だったのですが、試遊をしてみると心の中にあった不安は吹き飛びましたね。まぎれもなく、これは『ディシディアFF』です。
ただ、雰囲気や操作感は『ディシディアFF』なのですが、本作は1対1ではなく3対3だというのも忘れてはいけないポイントです。
操作に慣れてくると、ついつい過去作のように1対1の感覚で戦ってしまうのですが、そんな時に横や背後から攻撃を食らってギョッとすることがありました(笑)。『ディシディアFF』のエッセンスは引き継いでいるけど、戦い方に関しては知識を洗い直したほうがよさそうです。
まだまだ書き足りないことはありますが、とりあえず僕の中での第一印象として本作は文句なしのクオリティです!
今までアーケードゲームにのめり込んだ経験はありませんが、これを機にゲーセン通いになる可能性大です。この記事を読んでいる皆さんも、まずは開催中のロケテへGO!!
※筐体やゲーム画面は開発中のもの。
(C)2015 KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
データ
- ▼『ディシディア ファイナルファンタジー』
- ■メーカー:スクウェア・エニックス
- ■対応機種:AC
- ■ジャンル:対戦アクション