2015年4月22日(水)
『SO5』開発者ロングインタビュー。掲げられた命題は“王道”と“原点回帰”、そして“進化”
スクウェア・エニックス×トライエースの最強タッグで開発が進められている、人気RPGシリーズの最新作『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-』。
電撃オンラインでも記事を掲載した直後から、大きな反響を呼んでいます。トライエース作品のファンが多い電撃オンライン編集部としても、絶対に見逃せないビッグニュースということで、今回は特別に、本作の開発を手掛けるスタッフ3人に緊急ロングインタビューを敢行しました。
それぞれが本作に掛けるアツい想いや、開発コンセプトについて根掘り葉掘りと聞いてきましたので、ぜひご覧ください。
■お話を聞かせてくれた人たち
・小川浩(トライエース/ディレクター)
『スターオーシャン3 Till the End of Time』ではメインプランナーを務め、本作ではディレクションを担当。バトルをはじめ、全体の開発を指揮している。
・五反田義治(トライエース/シリーズメインコンセプター)
開発会社・トライエースの代表取締役社長にして、『SO』シリーズのシナリオや世界観設定をまとめる。シリーズの生みの親の1人として、本作のシナリオプロットを作成するなど、深く関わっている。
・小林秀一(スクウェア・エニックス/プロデューサー)
これまでに『SO』シリーズや『ヴァルキリープロファイル』などのプロモーションを担当。本作ではプロデューサーとして、開発スタッフ全体を統括している。
▲左から小林さん、小川さん、五反田さん。 |
なお、“まだ『SO5』の情報を把握してない!”という方は、初報の情報を総まとめした記事がありますので、そちらをご覧いただければと思います。
■“王道”、“原点回帰”そして“進化”──時代に応じた『SO』を仕上げるという意味
――『SO5』が開発中であると聞き、飛んできました! ずいぶん待っていたファンも多いかと思いますが、まずはどうしてこのタイミングで企画が始動したのか、そこから教えてください!
五反田義治氏(以下、五反田):前作にあたる『SO4』の発売から今年でちょうど6年が経過しますが、正直なところ、我々の中に「今こそ『SO5』を出すしかない!」みたいな、特別な意識はないんですよね(小川さんを見てうなづきあう)。
それこそ、2003年に発売された『SO3』から2009年に発売された『SO4』までだって、期間が6年空いていたわけですし、我々としては忘れていたわけでも作る気がなかったわけでもなんでもなく、単純に次の作品を作るにはこれだけの時間が必要だったということだけです。
──では、企画の立ち上げはいつくらいだったのですか?
五反田:構想自体は『SO4』の発売直後からありました。スクウェア・エニックスさんと協議を重ね、今作の形となって開発をスタートしたのは2013年くらいですかね。そこから着々と開発を進めて、こうしてお見せできるところまで仕上がってきた段階となります。
――発売するハードをPS4とPS3にした理由はなんですか?
小林秀一氏(以下、小林):昔からの『SO』ファンが一番遊んでくれるハードは何かということを考え、PlayStationハード、今回はPS4とPS3に決めました。据え置きハードにこだわったというよりは、一番『SO』の新作を待ってくれている人が多いハードはどれだろうと考えたということですね。
▲PS4とPS3の2機種で発売される本作。ファンに一番喜んでもらえるハードを選択したかったとのこと。 |
──開発スタッフに名を連ねた豪華メンバーにもめまいがしますね。五反田さんや小川さんらトライエースチームに、音楽の桜庭統さんというのは、過去シリーズ、特に『SO3』までを遊んでいたファンには感慨深いものがあると思います。
小川浩氏(以下、小川):まぁ、「おじさんが作っている」と言い換えることもできるわけですが(笑)。
五反田:確かに(笑)。今回からプロデューサーとして小林さんが立ってくれていますが、我々としてはお付き合いも長いですし、とても“新人プロデューサー”って感覚はないですね。
──ファンからしたら、今までプロデューサーを務めていた山岸功典さんから小林さんに代わったことに驚いているかもしれませんが、それこそ小林さんは、旧エニックスの時代から『SO』や『ヴァルキリープロファイル』など、トライエース作品の宣伝を担当されてきていますもんね。
小林:山岸には、もちろん今回の『SO5』についても「新作を立ち上げたい」という話はしています。笑顔で「やればいいと思うよ」と言ってもらえましたが、責任は重大ですね。
──でも、小林さんにしてみれば宣伝としてではなく、プロデューサーとして関わることになってでも、この『SO5』を実現させたかったということですよね? それだけの意気込みがあった、と。
小林:もちろんです。自分としても思い入れが強いタイトルですし、なんとかして形にしたいと考え、今回はプロデューサーを立候補しました。まぁ、なったからには腹をくくって、雑用係でもなんでもやりますよ!(笑)
▲『SO』最初期からにシリーズに関わってきている小林さんだけに、最新作に掛ける意気込みは大きいとのこと。 |
──では、今回の『SO5』の開発コンセプトを教えてもらえればと思います。
小川:“王道”と“原点回帰”が根底にあります。それはたぶん、トライエースにもスクウェア・エニックスさんにも共通している意識ではないでしょうか。これまでの『SO』ファンはもちろん、RPGというジャンルが好きな人に喜んでもらえる作品に仕上げたいと思っています。
小林:もちろん、“原点回帰”と言っても決して古いものを美化したり、回顧主義になったりという意味ではありません。いろいろな部分は変わってくるべきであるとは思います。
具体的には“RPGファンに納得してもらえる形で、今の時代に合わせて進化した『SO』に仕上げる”というのが目標です。プレイしてくれるユーザーさんに喜んでもらえるものを制作していくというのが、単純ながらもっとも重要になるのかな、と。
――時代に合わせて“進化”した作品、ですか。
小林:ええ。たとえば『SO4』でいえば、日本国内のみならず、海外を強く意識して作った部分があります。それは、2009年という時代というか市場が、そういう意識でゲームを作る必要があった時期だったからです。
──たしかにCGのモデリングなどは、日本国内と海外のユーザーさんで好みに差があるわけで……。海外のユーザーさんを意識すると、国内ユーザーさんの好みから外れる可能性はありますよね。失礼を承知で正直に申し上げますと、『SO4』はそういう意味では、賛否両論別れた部分があったように思います。
小林:『SO4』という作品は、開発スタッフも若い人間が多く関わることになった“まったく新しい『SO』”でした。先ほども申し上げた通り、あの時期からはどうしても海外を視野に入れてゲームを作る必要があったため、いろいろ模索していた部分はありましたね。
当時は宣伝プロデューサーとしての関わり方でしたが、それは実感しておりました。ただ、そういう意味で考えると、今回はより明確にまずは“日本国内のRPGファン”をターゲットにゲームを制作しています。そういう意味で、“原点回帰”という言葉はすごくしっくりきますね。
とはいえ、技術の進歩や日本国内のRPGファンの好みも確実に推移していますので、今までの『SO』の雰囲気は色濃く盛り込みつつ、新しい『SO』に挑戦するという意気込みで開発しています。
もちろん、海外のファンを視野に入れていないといったわけではりません。海外に向けて制作した『スターオーシャン』ではなく、『1』~『3』のようにJRPGとして勝負したいと思っております。
要するに、自分たちがおもしろいと思うものでないと、他の人におもしろいと言ってもらえるわけがないということです。
──時代の推移というか、昨今のゲームの流れでいえば、サブストーリーをDLCで補完するといった作品も少なくないと思います。『SO5』でも、そういった作り方を考えていたりはするのでしょうか?
小林:いいえ。現状ではストーリーを補完するDLCや、いわゆる“ディレクターズカット”的な完全版を作ろうとは考えていないですね。
もちろん、それらをユーザーさんが欲してくださるのなら検討する可能性はありますが、私個人の考えとしては、そういった補完要素を作る労力があるのなら、次の作品を出したほうが皆さんに喜んでもらえるのでは……という意識が強いもので。
──なるほど。ある意味、『SO5』以降の展開も考えているともとれるお言葉ですね。
小林:それは、今作っている『SO5』がユーザーさんに受け入れてもらえることが大前提になりますけどね(笑)。まずは『SO5』に全力投球して、1本の作品としてしっかり楽しんでもらえるものを作ることが命題であると思っています。
もしDLCを出すとすれば、シナリオの補完などではなく、たとえば限定コスチュームなど、あくまでも本筋に関係ないものでユーザーさんに喜んでもらえるものにしたいですね。具体的にはまったく予定はありませんけど(笑)。
▲DLCなどで物語を補完していくような形ではなく、パッケージで1本の物語をしっかりと描くスタイルをとるという『SO5』。とはいえイチファンとしては、過去シリーズキャラのコスチュームなどをDLC配信してもらいたいという願望も!? |
■過去シリーズのいいところ、そして『SO』らしさはしっかりと継承!
──では、ここからは少しゲームの内容についてのお話を。そもそも、主人公の年齢が23歳ということで、一般的なRPGと比較すると、少し年齢が高いように思いました。これにはどのような意図が?
小林:フィデルは23歳ということで、確かに一般的には少し高めの年齢設定かもしれませんね。でも、そこには明確な理由があるんです。
五反田:そうですね。23歳のフィデルは、何も知らない少年じゃなければ、酸いも甘いも経験した大人というわけでもない青年。自己は確立されてきているけど、まだまだ成長過程なんです。
小林:ある程度成熟して、自分の意志や考えなんかも持ち始めているフィデルが、『SO5』の物語のなかでどんな出会いや別れを経験し、どのようにして成長していくのか。それが本作の物語の大きな見どころとなってくるんです。
──なるほど。やはり、描かれるのは成長譚なんですね。
小林:そうですね。そこはやはり“王道”ということで。
──フィデルの成長を支えるであろうヒロインのミキですが、2人が幼なじみ設定というのも『SO』シリーズ的な王道ですよね。
小林:そうですね。『SO1』のラティとミリー、『SO3』のフェイトとソフィア、『SO4』のエッジとレイミも幼なじみでした。とはいえ、フィデルとミキの関係がこれまでの作品のキャラたちと同じになるのかどうかはわかりませんけどね。
──えっ? そこらへん、くわしく聞きたいんですけど。
小林:そこはぜひ五反田さんに聞いてください。僕にはわからないので(笑)。
五反田:ちょっと! そんなわけないでしょう? 小林さん、ストーリーは全部ご覧になってるじゃないですか(苦笑)。
▲互いへの信頼の深さが、画像からも伝わってくるフィデルとミキ。幼なじみとして兄妹のような信頼関係になるのか、それとも互いを異性として意識し合うようになるのか、興味深いです。 |
──うまくはぐらかされましたね……(苦笑)。そんな2人を演じる声優さんですが、フィデル役に石川界人さんと、ミキ役に東山奈央さんを選ばれた理由はなんでしょうか? もう収録は行われているんですよね?
小林:そうですね。お2人とも、キャラに合った演技ができる人をチョイスして選ばせていただきました。石川さんも東山さんも、人気・実力を兼ね備えていますので、とてもいい演技をしてくれています。
ただ、キャスティングにはもっとベテランの声優さんを選ぶべきとの意見もあり、悩んでいました。いざ収録で石川さんと東山さんに演じてもらったら、そんな悩みは一気に過去のものになりまして。「おお、ミキがいる。ミキは東山さんしかいないよね」ってなりました。
ちょっとベタ褒めになりましたけど、それくらい、東山さんはミキのイメージにピッタリな演技をしてくれています。
──フィデル役の石川さんはいかがですか?
小林:石川さんに関しても、そもそも彼自身が『SO4』を遊んでくれていたということで、結構ディープな意見をもらえています。精魂を込めて演じていただけているのが伝わってきますので、皆さんにもぜひご期待いただければ。
──初報では、2人に加えてリリアという謎の少女の姿も公開されましたが、この少女の情報についてはまだ秘密だらけですね。
五反田:そうですね。物語に絡む重要キャラであるのは間違いないのですが、今はいろいろ想像を膨らませておいてもらいたいですね。
──ストーリーとしては、『SO2』と『SO3』の中間に位置する時代のものなんですよね? 今回は、惑星フェイクリードでの冒険が主となるのでしょうか? 『SO4』では、いろいろな惑星を旅したりすることになりましたが……。
五反田:今からあまり深く話してしまうのも興冷めだとは思うのですが、基本的には“主人公たちが未開惑星を少しずつ探検し、未知の力に迫っていく”という、シリーズ初期のコンセプトに近いと思っていただければ。『SO4』のように、“たくさんの星々を宇宙船で開拓していく”という物語とは少し違いますね。
――ゲームはPS4とPS3のマルチで開発されているとのことですが、何か特別に苦労しているところはありますか?
小川:大きなタイトルですので、現時点では「生みの苦労」のほうが大きい、というのが実感でしょうか。ハード的な苦労に関しては、これからマスターアップに向けて除々に出てくるのではないかと思います(苦笑)。
■気になる開発状況は30%ほど? ますます進化を続ける『SO5』
──開発状況としてはどれくらいなんでしょうか? パーセンテージで表現するとなると……。
小林:僕も聞きたい。小川さん、どれくらいなんですか?
小川:ええっ? うーん、そうですね……数字で表すのってじつは結構難しいんですけど(苦笑)。まぁ、全体的に考えると30%くらいじゃないですかね。
ただ、この数字は変動が一定じゃないというか、1カ月で10%しか上がらないこともあれば、極端な話、1週間で20%上がることだってあると思いますので、あくまで参考としてお考えいただきたいです。
▲開発はこれからが本番、という雰囲気。発売日がいつ頃になるのか気になります! |
──なるほど。数字が聞ければなんとなーく発売日なども予想できるかと思ったのですが、なかなか難しそうですね。
小林:それは今後お伝えしていく情報ですので、少々お待ちください。個人的には、発表した後に数年もお待たせするようなことにはしたくないなと思っていますけどね。
小川:プレッシャーですね。がんばります……。
――では、そんな皆さんが『SO5』で力を入れている部分はどこになりますか?
小川:私としては、『SO』らしさを残しつつ、アクション性の部分をどう改革していくかに注力していますね。かつて好評を得たとはいえ、そのまままったく同じことをしてもファンの皆さんにはきっとおもしろくないと思うんですよ。
だからといって、変に奇をてらったシステムにもしても、それはそれで納得していただけないと思うので……。
小林:そういう意味では、“シームレス”による表現にはかなりこだわっているとも言えますよね。たとえば戦闘ひとつとっても、これまでのようにエンカウント後にバトルフィールドに移動して、視点もリセットされる……なんてことはなく、出会ったその場で交戦することになります。
フィールドを移動していたら敵に襲われたりするわけですけど、カメラがすっと違和感なく、戦いやすい位置に移動してくれるんですよ。
あまりにも違和感がなさ過ぎて、最初はそんなカメラワークをしていること自体に気づかなかったほどで、たぶん、そのままスクリーンショットにしてみてもシームレスとは思えないです。ちゃんと『SO』のバトルになっていました。あれには驚きましたし、同時に感心してしまいました。
小川:ありがとうございます。でも、カメラはまだまだ調整の余地があると思っています。アクション要素のキモになる部分ですので、最後までじっくり手を入れていきたい要素ですね。そういう意味では、もっとも力を入れている部分と言えるのかもしれません。
小林:他にも、いろいろなところに今までの『SO』にはない要素が細かく追加されています。それでも、遊んでみると不思議と『スターオーシャン』だ! と、すぐに“らしさ”を感じられるものに仕上がっていると思うんです。
トライエースという開発会社は、本来そういう職人気質な部分がある集団なので、クオリティは折り紙つきですよ。今回公開したスクリーンショットはすべてリアルタイムモデルとなり、バトルやイベントなどがシームレスで動きます。これからスケジュールとクオリティの両立がいろいろ大変だろうなと思います(笑)。
──新人プロデューサーの腕の見せどころですね! ちなみに、アクション部分はどのような形になるのでしょうか?
小川:基本的には、ボタンの連打でサクサクとコンボが繋がるバトルシステムです。複雑なコマンド操作などは必要とせず、直感的な操作でスピーディな戦闘が楽しめるように調整していきたいです。
──『SO4』で導入された、敵の視界の外から奇襲する“サイトアウト”のような要素もありますか?
小川:今回は“サイトアウト”とは違ったアプローチですね。詳細は今後お伝えできると思いますが、イメージとしては“『SO3』の戦闘システムをより昇華させたもの”になるとお考えください。戦闘に参加するキャラクターは自由自在に切り替えて戦えますので、かなり気持ちよく戦えると思いますよ。
小林:主人公たちが使用するスキルなども、昔懐かしいものが多数登場しますのでご期待ください。
──おお! 『SO4』は宇宙歴が始まって間もない時代の話でしたし、スキルなどはほとんどが新規のものでしたもんね。そういう意味では『SO2』や『SO3』に登場したスキルが使えるってイメージでしょうか。
小林:そうですね。たとえばこの写真なんかは……。
──並べてみると一目瞭然ですけど、これって『SO3』で主人公のフェイトが使っていたスキル“ヴァーティカル・エアレイド”じゃないですか?
小林:まぁ、一目瞭然でしたかね(笑)。こういった、過去作を知っているファンに喜んでもらえる要素も盛り込んでいきたいと思っています。
▲『SO3』でフェイトが“ヴァーティカル・エアレイド”を使用している様子。下の画像でフィデルが使用している技が酷似しています。 |
──では、せっかくですので過去作とのつながりについてもお聞かせください。
五反田:これはシリーズ全体を通して言えることですが、シナリオ自体は、過去シリーズを遊んでいなければ楽しめないものにはなっていません。
完全に独立しているので、これまでシリーズをプレイしていない人でも、しっかり楽しめる内容になっています。PS4で初めて『SO』シリーズに触れるという人にも安心していただければ。
小林:先ほども申し上げましたが、シリーズを遊び込んでいる人なら思わずニヤリとしてしまうもの、「おやこれは?」と引っかかってもらえるような要素も盛り込む予定ですので、ぜひお楽しみに。
小川:システム的には、これまでの『SO』にあった人気の要素については、すべてとは言えませんが、何らかの形で実装しようと思っています。
──というと、今回の第1報では紹介されていませんが、キャラ同士の交流がサブシナリオ的に描かれる“プライベートアクション(PA)”や、アイテムを生成する“アイテムクリエーション”、キャラに個性をつけるスキルなどの要素も、ばっちり継承されているってことですかね?
小林:ええ。そうはいっても、過去作とまったく同じシステムではない可能性もありますけどね。
小川:これまでのシリーズで、ユーザーさんに評価をいただいたシステムについては、削ったり大きく変更したりせずに、何らかの形で継承していければと考えています。
──個人的には、サブタイトルに深い意味が込められているのもトライエース作品の大きな特徴だと思うのですが。
五反田:深い意味……そうですね。少なくとも本作においては、サブタイトルの“Integrity and Faithlessness”には大きな意味が込められています。
──直訳すると“Integrity”には高潔、誠実のほか、完全な状態といった意味があるようですね。“Faithlessness”は不誠実や無信心といった意味がある……。“誠実と不誠実”ってことですか? うーん、すぐにはピンとこない。
小林:でも、このサブタイトルって、ある意味本作そのものを言い表すのにものすごく適した言葉なんですよ。
つい最近までもっと別のサブタイトルを仮につけていたんですけど、五反田さんが頑なに“Integrity and Faithlessness”にしたいとこだわられてまして。いざシナリオなどを読み込んで世界観を把握してみると、もはやこれ以外のサブタイトルは考えられないなって実感しました。
──かなり重要なネタバレが盛り込まれているってことですか?
五反田:ネタバレ……そうなるのかな。今の情報の中でネタ自体がわかる人がいたらすごいですけどね(笑)。
▲確かに、現在届いている情報だけでは、とてもネタバレまで推察できるとは思えませんが……。サブタイトルには重大な意味がある、ということ聞けただけでも収穫ですね。 |
──『SO3』の“Till the End of Time”も、クリア後に「これしかない!」と思えるサブタイトルでしたし、これは発売まで論争が広がりそうですね(笑)。では、最後に皆さんがひと言でこの『SO5』を表現するとなると、どんな単語が思い浮かぶかを教えてもらえますか?
小林:最後にスゴい難しい質問を(笑)。
小川:……うーん、先ほどから何度か口にしているかもしれませんけど、僕としては“王道”がしっくりきますね。
自分が関わってきた『SO』シリーズらしさを、しっかり踏襲できていると思いますし、自分の中の『SO』の王道を押さえられていると思います。それがユーザーさんに受け入れてもらえれば、とてもうれしいですね。
五反田:私もあえて繰り返しとなるのですが、サブタイトルの“Integtity and Faithlessness”ですかね。ここに、ものすごく大きな主張を込めているつもりですので、ぜひ遊んでみて、その意味を体感してもらえれば。
小林:私としては“再会”ですかね。正直、開発をスタートさせてここに至るまで紆余曲折もありましたけど、それでも『SO』が帰ってきてくれたと考えると、万感の思いがありますよ。
『SO』ファンの皆さんの中には、“ようやくまた会えた”という感覚があるかもしれませんし、正直、自分としてもそういう気持ちはありますね。
──なるほど! 本日は長い時間お話を聞かせてもらいまして、どうもありがとうございました。
小林:今はまだ多くのことを語ることはできないのですが、今後は少しずつ情報もお出しできるかと思います。発売まで少しお待たせしてしまいますが、新しい『SO』に仕上げられればと思いますので、ぜひご期待ください。よろしくお願いいたします!
(C)SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved. Developed by tri-Ace Inc. CHARACTER DESIGN:akiman
※画面はPlayStation4版で、すべて開発中のものです。
データ
- ▼『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』
- ■メーカー:スクウェア・エニックス
- ■対応機種:PS4
- ■ジャンル:RPG
- ■発売日:未定
- ■希望小売価格:未定
- ▼『スターオーシャン5 Integrity and Faithlessness』
- ■メーカー:スクウェア・エニックス
- ■対応機種:PS3
- ■ジャンル:RPG
- ■発売日:未定
- ■希望小売価格:未定