2015年4月18日(土)
4月17日に渋谷ヒカリエで“Game Graphics Groove #2”が行われました。そこで行われたiOS/Android用アプリ『スクールガールストライカーズ』に関するプログラムをレポートします。
本イベントはDeNA、スクウェア・エニックス、gumiの主催で行われたゲームグラフィッククリエイター向けのセミナーで、さまざまなアプリ開発者やグラフィッカーが登壇し、非常に興味深い講演が行われました。
この記事では“『スクールガールストライカーズ』この先生きのこるには”のプログラムをクローズアップしてレポートしていきます。
Unity、Unreal Engine、Cocos2d-xなど、多くのツールが活況を呈し、コンソールだけではなく、スマホゲームの画質も大幅に上がってきています。
このイベントは、クリエイティブによるゲームの進化をさらに加速させるためのものです。
ゲームグラフィックのクリエイターが、最新のヒットタイトル開発のノウハウを余すことなく共有します。
クリエイティブの視点から、ゲーム開発の効率化や、表現力の向上、そして、新しい体験の具現化について、突き詰めていけるような情報をご紹介いたします。
プログラムには、スクウェア・エニックスでアートディレクターを担当する岡村礁氏が登壇。量も質も求められる昨今のグラフィッカーが死にやすい要因が解説されました。
▲最初の死因。昨今のアプリの流行で差別化を図れない。 |
▲静止画では2Dには勝てないので、3Dならではの存在感というものに注力したとのこと。 |
“コンセプトはずらさない”ことがとても重要とのこと。そして差別化するのなら、こだわりを持って中途半端にやってはいけないとも語られました。
▲死因その2。変に凝ったグラフィックにするよりも、多くのユーザーが遊びやすいレベルのグラフィックに落としこむことが意識されたようです。 |
▲某作品の某氏の有名な台詞になぞらえて、解説が行われました。 |
最初からとても凝ったグラフィックなどにはせず、ある程度余裕を持って制作することが大事だと述べられました。そうすることで、ユーザーが任意に設定できるアクセサリの個数やバトルの質を後から大幅にアップできたとのこと。
▲死因その3。あまりにもこだわり過ぎて、作り終わらないで死ぬ。 |
『スクスト』では、“女の子の魅力”だけに特化したリソース制作を行ったそうで、そこに期間や予算を大きく使ったそうです。引き換えに作業時間に比例した効果が見込めない、髪の毛の物理コリジョンの作業などを諦めたと話されました。
▲死因その4。ユーザーさんにお金を払う価値を感じてもらえずに死んでしまうという例。 |
▲「そもそも、ユーザーさんが欲しいと思わないものは出さない。何が欲しいかを考えました」と、岡村氏。 |
武器などを課金にしてしまうと、その後にパラメータのインフレが起きた際、ユーザーさんの資産の急激な低下が起きてしまうとのこと。実際にサービスを続けていくにはお金が必要ですが、その価値に見合うものをしっかりとユーザーさんに提供していきたいと岡村氏は語っていました。
▲死因その5。運営を継続するのに必要なリソースを準備できずに死ぬという例。 |
▲リソースを多めに用意し、効率化を図ったようです。時々、まったく関係ないミニゲームなどを披露することも。 |
昨今、サービス継続のために一番予算が必要になるのは、グラフィックリソースとなりがちだと話されました。特に縛りの少ない新規IPでは、最初から効率化を意識してくださいとのこと。
▲よくある死因番外編。 |
「グラフィッカーからすると当たり前なことでも、他の人には知られていないことが多くあります」と岡村氏。グラフィッカーや他の人、ユーザーさんが幸せになるためにも「声をあげるべきところは、声をあげていこう」と、最後に語られました。
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