2015年5月14日(木)
コロプラから配信されている『白猫プロジェクト』といえば、片手で手軽に遊べる次世代インターフェース“ぷにコン”を搭載し、スマートフォンでも本格的な遊び応えのあるアクションRPGを楽しめるスマホアプリとしておなじみです。
基本無料でありながらスタミナ制を撤廃した斬新なスタイルや、王道ストーリーを豪華声優陣が盛り上げてくれるボイス演出などで、多くのファンを魅了している『白猫プロジェクト』ですが、この春からは新職業が追加されたり、主人公がパワーアップしたりと、新たな展開が続いています。
4月29日に配信された公式生放送“白猫プロジェクト生放送♯5”でも、弓の強化や各種コラボをはじめとする多数の新情報が明らかにされました。
これから先、『白猫プロジェクト』はいったいどのような方向に向かっていくのか。電撃オンラインでは、生放送でファンにもおなじみの浅井大樹プロデューサーに、直接お話を伺いました。
――2月末に第7の職業である“クロスセイバー”が実装され、3月末には第8の島“スキエンティア”が登場。主人公が覚醒を迎えたりと、この2カ月ほどで『白猫プロジェクト』の展開が大きく動いている印象があるのですが、これらは意図的に行っているのでしょうか?
浅井:ストーリー的には、初期の段階で大まかな流れを決めていて、その節目がちょうど今やってきたというところですね。
ただ遊びの部分では、僕らとしては大きなアップデートをしているといった感覚はありません。すべての職業を見わたして、このキャラをもっと目立たせてあげたいとか、不遇だと言われてしまっているキャラの特徴をしっかり引き出してあげたいといったことを、1つずつ順番にやっているのが今の状況です。
そんな中で、クロスセイバーを追加する際に双剣の特殊アクションを用意したのですが、これによって職業ごとの特性や使い勝手の違いを、お客様にも感じてもらえるようになったと思います。そこで今は他の職業にも順次、特殊アクションを追加しているところです。
――クロスセイバーのカウンター、ランサーのガードと来て、次に発表されたのが弓、つまりアーチャーですね。
浅井:はい。弓の特殊アクションは“タメ撃ち”になります。
――タメて撃つと火力がアップするという形ですか?
浅井:そうなります。それにタメ撃ちだと敵を貫通する効果もありますから、複数の敵を一度に貫通すると、ダメージを与えつつSPも回復できます。
スキルとタメ撃ちを使い分けることで、アーチャーの立ち回りがかなり変わってくるんじゃないかと思っています。そこをしっかり楽しめるように、今は調整を続けているところです。
弓のタメ撃ちですが、まだまだ調整中にはなりますが、一部動画でご紹介です!
※動画は開発中の画面です。今後変更になる可能性がございます。
#白猫弓のタメ撃ち pic.twitter.com/RMYucPhdLa
【公式】白猫プロジェクト (@wcat_project) 2015, 5月 14
――今回はアーチャーですが、先ほどのお話だと残りの職業に関しても?
浅井:そうですね。いずれはすべての職業に、なんらかの特殊アクションが用意されると思います。これまでは通常攻撃とスキルを使い分けるという形でしたが、そこに特殊アクションが加わることで、アクションRPGとしてよりいっそうおもしろいものになればと思っています。
――8つめの島“スキエンティア”ではストーリーが大きく動いてきましたが、物語としてはこの流れでひと区切りといった形なのでしょうか?
浅井:いえ、むしろここからさらに盛り上がっていくという段階ですね。この先どんどんと盛り上がっていって、そのピークを超えた先に一応の区切りがあるという、そんなイメージで考えています。
これは永遠の命題ではあるのですが、物語にエンディングを作ってもいいのかというのは、いまだに悩んでいるところです。本当の意味でのエンディングを作ってしまうと、お客様の中にはそこでゲームから離れてしまう方もいると思うので。
ただ、こうしてストーリーを重視したゲームを運営している以上、今までの伏線をきちんとまとめて物語に1つの区切りをつけるつもりです。僕自身ももともとシナリオを書いていましたから。
そのあたりでどう折り合いをつけるのかというのが、最近の悩みではありますね。
――スキエンティアのストーリーでは主人公が覚醒を迎えますが、これはストーリー的な部分とゲーム的な部分の、どちらをより重視したものでしょうか?
浅井:主人公の覚醒はアプリの更新が必要なので、シナリオとプログラムの両面で動いていました。ゲームバランス的にこういう風にお客様に遊んでもらいたいので、シナリオのほうではこうやって盛り上げようと連携をとり、ぴったり合致した形で進めることができました。それがよかったんじゃないかと思います。
ゲーム的な部分で言うと、主人公やアイリスは初期キャラクターなので、序盤以降は能力的に厳しい部分もあったと思うんですよ。でも、せっかく主人公のキャラがしっかりと立っていて物語中によく出てくるのに、そのキャラが使えないのは寂しいなと、当初から思っていました。
そのあたりでどういう風にバランスを取るべきかを考えた結果、7島、8島ぐらいまで来ているお客様であれば、覚醒した主人公を提供しても大丈夫じゃないかと。お客様からも「主人公を使いたいです」という声はいただいていましたので。
――覚醒した主人公は、ダグラスとほぼ同じぐらいの強さですよね?
浅井:そうですね。ダグラスがお客様の手元にある状態ですから、それと同じぐらいの強さであれば大丈夫だと思ったので。
▲イベントで無料配布された星4の剣士・ダグラス。 |
――主人公が覚醒するまでの展開は、今までの島とはかなりテイストが違うシリアスな雰囲気で、プレイしていても“大きな節目が来たな”というのを実感できました。
浅井:メインでシナリオを書いているライターは、本来はコメディが得意なんですが、スキエンティアに関してはシリアスでいこうと、発注の段階から決めていました。僕が言うのも変な話ですが、カッチリとシリアスにまとまったシナリオになっていて、今後の展開がさらに楽しみになりましたね。
お客様の声でも、“8島で一気に物語が動いた!”という反応が多くて。やっぱり物語が動くと喜んでもらえるんだなというのは、僕自身も勉強になりました。
――主人公が覚醒したということは、やっぱりアイリスも……?
浅井:いつかは当然、来るんじゃないかと思います。その際はもちろん、主人公と同じようにストーリーと密接にからんだ形になるはずです。
――今後のストーリーからは目が離せませんね。
浅井:ぜひご期待ください。ただ、そうしたメインストーリーの展開とは別に、お客様のほうでも非常に期待してくださっている“茶熊学園”というスピンオフ的な展開も用意しています。こちらは島級のボリュームでやっていきます。
――えっ、そうなんですか! かなりボリュームがありそうだと期待していたのですが、実際にそう聞くとうれしいですね。
浅井:ありがとうございます。登場キャラクターがかなり多いので、それだけでも時間がかかっているのですが、イベントもかなり気合いを入れて作っておりまして。
クエストもノーマルモードだけでなくハードモードもあるという、本当に島と同じような形で準備を進めていますので、ぜひ楽しみにしてください。
――では、“茶熊学園”が『白猫プロジェクト』1周年のタイミングに登場すると?
浅井:いえ、“茶熊学園”は1周年よりも前の段階で実装する予定です。1周年に関しては、また別でメモリアルな企画を考えていますので、そちらも楽しみにしてください。
▲カムイが活躍する“茶熊学園”もそろそろ登場する模様。 |
――第7の職業として“クロスセイバー”が実装されましたが、双剣を使うキャラを新職業として選んだ理由は?
浅井:新職業を作ろうということになって、20~30種類ぐらいのアイデアが出たんです。弊社にはレビューの文化があって、社内で『白猫プロジェクト』をプレイしている人たちに、その中でどのキャラが欲しいかを聞いたんですよ。それで残ったのが、クロスセイバーを含めたいくつかの職業なんです。
とあるモンスターに騎乗して戦うタイプなど、他にもいろいろな案があったのですが、中でも一番人気が高かったクロスセイバーを実装する流れとなりました。
――クロスセイバーを実装するにあたって、カウンターの特殊アクションも最初から予定されていたのでしょうか?
浅井:僕自身では当初、クロスセイバーはカウンターではなくて、手数で圧倒するっていうイメージだったんです。
そのためアタックゲージみたいなものを用意して、ゲージを維持している間は与えるダメージが大きくなるけど、ゲージがなくなると威力が半減するといった具合に、攻撃し続けないといけないというスタイルの職業にしたいと。
でも社内のプレイヤーたちがクロスセイバーに持っていたイメージは、アサシン的なものだったんです。後ろに回り込んで一撃必殺をやりたいとか。一撃必殺はさすがに強すぎるので、いろいろあってカウンターに落ち着いたんですけど。
カウンターに決まってからも、ただ斬るだけではぜんぜん気持ちよくなくて。カウンターのモーションだけでも5~6回は作り直していますね。
▲タイミングよく操作することでカウンターを繰り出せるクロスセイバー。 |
――他の職業と違って、クロスセイバーは操作感がふわっとしてますよね。あれは意図したものですか?
浅井:はい。普通に作ってしまうと武闘家と何が違うの? という感じがありまして。移動距離を少し長めにするなど、他の職業とは違う触り心地についてもかなり苦労して調整しました。
――操作に慣れるまでちょっと時間がかかるかな、と感じました。
浅井:攻撃が出るまでに時間がかかる上にジャンプするので、最初はいったいどうやって戦うの!? みたいな感じになるかもしれませんが、慣れると使い勝手がよくなってくると思います。
――そんなクロスセイバーに対して、ユーザーさんの評価はどうでしたか?
浅井:今のところは「双剣が強すぎる」とか、逆に「双剣はダメ」という極端な声は出ていないので、そういう意味でゲームバランスは取れているのかなと思っています。
星4キャラのタコパスも、最初はネタキャラだと思われていたようで、引いた人はガッカリしていたみたいですけど、こちらとしてはちゃんと性能を調整して出していましたから。最近はけっこう強いんじゃないかと言われるようになったので、うれしい限りです。
――クロスセイバーの特殊アクションであるカウンターの反響はどうでしょう?
浅井:現状では、カウンターでなければならないという局面がないので、使いたい人だけが使っているという状況ですね。スキルを使えばいいじゃん、と言われてしまっているので、今後はもっとちょっと使い分けができるようになればいいなと。そこは僕らが頑張らなければいけないところですね。
――主人公以外のキャラクターのパワーアップに関しては、“神気解放”が今後のキーになってくると思うのですが、ペース的にはどのような順番で?
浅井:基本的にはフォースター☆プロジェクト(※)順になると思います。神気解放はちょっとだけ調整して終わり、では済まされないと思うので、しっかり調整してやっていきたいと思っています。
※フォースター☆プロジェクトはクエストをクリアすることで人気投票に参加できる恒例のイベント。人気が高いキャラは次回のガチャで星4キャラとして登場する流れとなり、投票結果でガチャのキャラが入れ替わっていく仕組みになっています。
そもそも“神気解放”は初期の登場キャラクターを使い続けているユーザーさんへの救済策という一面もあるので、新しいキャラというよりも、初期のキャラクターを中心に調整していく予定です。
――魅力的なキャラが増え続けていますが、ユーザーさんの反響が大きい新キャラは誰ですか?
浅井:直近だとカスミの人気が高いですね。実は2Dのイラストの段階では普通のキャラクターだと感じていたのですが、社内に3Dの腕のいい人間がいまして、彼が作った3Dモデルを見た時にこれはイケるんじゃないかと思いました。
性能的なものも含めると、マールの人気が高いですね。やっぱりHPがマックスの時のインパクトで、お客様には人気が高いです。
あと人気が高いのはヴィヴィですね。タイムアタック用のキャラクターというところで、スピード感のある拳キャラというコンセプトで作ったんですけど、人気が出てくれてうれしいです。ヴィヴィみたいに、他とは触り心地の違うキャラの人気が出るというのは、アクションRPGならではだと思います。
――ニコ生の放送ではカムイさんが大活躍していますが、最近はタコとか料理人とか、不思議なキャラもいますよね?
浅井:スタッフ的には、ホントはああいう方向も好きなんですよ。まだまだネタキャラは控えていますので、全体的なバランスを考えつつ、今後もやっていきたいと思っています。
――協力プレイ、メインストーリー、本格アクションとしてのゲーム性、驚きのコラボ、やり込み要素など、『白猫プロジェクト』にはいくつもの魅力がありますが、現時点で不足していると感じている要素はありますか?
浅井:僕自身としては、“遊び”の部分はまだぜんぜん足りないと思っています。僕はコンシューマゲームも大好きなのでよく遊びますけど、アクションRPGとしての『白猫プロジェクト』に、それと匹敵するだけの手触りや遊びごたえがあるかというと、まだまだ不足していると感じますから。
ボス戦でもっとギミック的な要素を用意したいというのは、現在すでに開発と話しあっているところです。またボス戦だけじゃなく、通常のステージにももっとアクションを追加したいですね。何かアイテムを運搬したり、乗り物に乗って進んだりとか。アイデアはいろいろあるので、1つ1つ実現していきたいと思っています。
例えばボス戦1つとっても、超巨大なボスの身体の上で戦うようなシチュエーションは楽しいと思いますし、相手の放つ弾をタイミングよく打ち返してダメージを与えるような遊び方も考えられます。
僕としては「スマートフォンでここまでアクションをしっかり遊べるゲームって、他にないよね」と言われたいと思っているんです。せっかく、スマートフォンという運用型のプラットフォームでアクションRPGを作っているわけですから、どんどんと新しいアトラクションを追加していかなくてどうするんだ、という点ははすごく意識しています。
――遊びの1つの形として、ユーザー同士での対戦という考え方もありますが、それについてはどのように考えられていますか?
浅井:ゲーム内で他のお客様と直接一緒に対戦するというのは、慎重にならなければいけないと思っています。1人で遊びたいというお客様も、もちろんいらっしゃいますから。
ただ、“闘会議2015”でやらせていただいたタイムアタック大会が、ちょっと不手際はあったんですが、かなりの盛り上がりを見せてくれたので、ああいった形で他のお客様と競っていただくというのは、今後もやっていけたらと思っています。
僕らとしてはとにかく、新しい遊びを継続して提供していくというのを、常に意識しています。それともう1つ、キャラクターに非常に愛着を持ってくださっているお客様もいらっしゃいますので、神気解放のような形でその部分でのフォローをしっかりやっていく。その2つが大事だと考えています。
――星たぬきのぬいぐるみがクレーンゲーム機用の景品として登場しましたが、今後も『白猫プロジェクト』のグッズ展開は盛んになりそうですか?
浅井:どんどん出てくると思います。それだけでなく、先日は“ねこまつりカフェ”をやらせていただきましたけど、ああいった形でゲームの世界をリアルに感じられるものを、もっともっとやっていきたいと思っています。
ねこまつりカフェに関しては、開発側からこんなことをやりたいっていう要望がたくさん出て、それをイベントスタッフが全部やってくれたんですね。そういった細かいこだわりが、盛り上がりにつながったのかなと。
正直なところ、あそこまで大規模なものになるとは思っていませんでした。でも、いつのまにかシナリオライターがミニシナリオを書いて声優さんがナレーションを行うなど、みんなで楽しんでいるうちに規模が広がっていった感じですね。
他にも、お客様とスタッフが一緒に集まることのできるリアルイベントをやりたいとか、ニコ生を地方の公開放送でやりたいといった話も出ています。それから『白猫プロジェクト』には海外版もありますから、国外のお客様とも一緒に楽しめる機会をぜひ作りたいですね。
――少し気が早いのですが、7月で『白猫プロジェクト』がサービス開始1周年を迎えます。やはりお祭り的な何かを期待してもよろしいでしょうか?
浅井:運営チーム的には、そろそろ1周年に向けて盛り上がっていこうというところです。ただ運営チームとしては1周年だからどうこうっていう意識はあまりないんですよ。むしろ目の前のことを1つ1つちゃんと作って、リリースしていくことが重要だと思っています。
でもその一方で「1周年だから当然何かやるんでしょ!?」っていうお客様の期待感はしっかりと受け止めて、それにお応えしなければとも思っています。そういう意味で、しっかり1周年を盛り上げていこうという意識は運営チームにありますし、実際にかなり大きなことをやる予定です。
僕は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』でも1周年を経験していますけど、その時は準備不足の部分がありました。もっと早い段階から、お客様と運営チームが一緒になって1周年を盛り上げていくべきだったと反省しているんです。
『黒猫のウィズ』は先日2周年を迎えましたが、今後も3周年、4周年とさらに盛り上がっていくと思います。『白猫プロジェクト』もそれに負けないように、1周年をしっかりと盛り上げていきたいと思っていますので、ぜひご期待ください!
(C)2014-2015 COLOPL, Inc.
※画像に使用している一部キャラクターは、ガチャからの登場期間が終了している場合があります。
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