2015年6月11日(木)
カプコンが7月9日に発売される3DS用ソフト『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』。これまでとは一味違う、本作の英国での法廷パートについて、ライターの成宮和希がレビューしていきます。
本作は『逆転裁判』シリーズの新プロジェクトとなるタイトル。19世紀末、法の黎明期の大日本帝国と栄華を誇った大英帝国を舞台に、主人公・成歩堂龍ノ介が大逆転を繰り広げる大法廷バトルアドベンチャーです。
発売まで、あと1カ月ということで楽しみにしている方も多いのではないでしょうか? 今回は、『逆転裁判』シリーズを一通りプレイする成宮和希が、キャラクターの魅力と“陪審バトル”の内容について、掲載していきます。
主人公の”成歩堂龍ノ介”や法務助士の”御琴羽寿沙都”など、さまざまなキャラクターたちが、逆転劇を彩ります。つねにピンチに陥ったり、“死神”という異名と持っていたり、個性の強い人物ばかり。そのうちの主要人物6人を紹介します。
成歩堂 龍ノ介(なるほどう りゅうのすけ)……本作の主人公で、『逆転裁判』シリーズの主人公・成歩堂龍一の先祖。ある事件に巻き込まれたのをきっかけに弁護士を目指すことになります。
つねに大ピンチなのは血筋のようで、いろんな事件に巻き込まれます。押しに弱く、なにかあるとすぐ緊張してしまいますが、正義感と真実を追究する心は、この時代でも健在です。
まだ学生ということもあり、言動や行動がとにかく頼りない! 大丈夫かなぁと心配になります。だからこそ、プレイヤーは、この主人公をピンチから脱出させるために頑張って謎を解かなきゃと思わせるのかも。主人公としては、最高の才能だと思います。
御琴羽 寿沙都(みことば すさと)……法務助士という立場で龍ノ介をサポートしてくれます。『逆転裁判』シリーズでは珍しく(?)しっかりした印象のヒロイン。
言葉遣いや立ち振る舞いが美しく、清楚な印象でありながら、実はかなり頑固で肝が座った性格というギャップに萌えました。嫁にするなら、こういう女性がいいと思いますよ! 大変そうだけど!
亜双義 一真(あそうぎ かずま)……龍ノ介の親友。大学生でありながら、すでに弁護士の資格を持つ才人です。司法を学ぶために、大英帝国への留学を志しています。
赤いハチマキはなぜかつねにたなびいており、どこから風が吹いているのかいつも気になります。世の女性の母性をくすぐりそうな気がします。
シャーロック・ホームズ……世界でもっとも有名な大探偵。鋭すぎる洞察力と推理力は、ときに真実の向こう側へと行ってしまうことも。
ズレた推理を自信満々で披露したり、変なポーズで格好付けたりする“迷”探偵ですが、妙に憎めない人物です。現場を調べることに没頭するあまり、よく変な格好になっているのがおもしろいです。ぜひ探偵パートでホームズを探してみてください。
アイリス・ワトソン……ホームズと同居する少女。医学博士号を持ち、倫敦で大人気の探偵小説を執筆しています。その推理力は、あの名探偵をも凌駕するとも……!?
ピンクの縦ロールとスチームパンクなファッションが、かなり自分好みのアイリスちゃん。彼女に早く会いたいです!
バロック・バンジークス……中央刑事裁判所(オールドベイリー)の“死神”の異名を持つ伝説の検事。彼の立つ法廷の被告人は、たとえ無罪でも助からないとのこと。表情を変えず、優雅に龍ノ介を追い詰めていく姿は、まさに”死神”。
裁判中に風向きが有利になると、”神の聖杯”というワインを飲んで先に祝杯をあげてしまうなど、シリアスなキャラながらクスッを笑えるところがあるのがまた魅力的ですね。5年ぶりに法廷に戻ってきたようなのですが、一体どういう理由があったのか、“死神”の本当の意味とは!? 謎が謎を呼ぶ彼は、ミステリー好きの筆者にとってかなり気になる存在です。
ちなみにバロックは本気モードになると、身につけているマントを脱ぎます。その姿が実に優雅で格好いいので、ぜひ逆転を重ねて彼を本気にさせてみて下さい。
他にも、ヴォルテックス首席判事やジーナ・レストレードなど、いろいろなキャラがいます。中でも高等法院の首席判事であるハート・ヴォルテックスは、弁護士の任命権を持つ、司法の中心を担う人物です。押しつぶしそうな威圧感で、龍ノ介に難しい弁護の依頼をして来るキャラでした。
今回は、第3話にあたる英国での法廷パートをプレイ。巨大な天秤が印象的な裁判所で、厳かに法廷バトルがスタートします。心なしか、日本の法廷より緊張する気がしますね。
大英帝国の裁判では、裁判長、検事、弁護士の他に陪審員がいます。この陪審員の評決を踏まえて、裁判長が判決を下すシステムとなっています。陪審員は有罪か無罪に票を投じることができ、6人全員の評決が一致すると、そこで判決が下されてしまいます。
▲評決は炎弾によって天秤に撃ち込まれます。無罪ならば白い皿、有罪ならば黒い皿に入り、完全に傾いたときに、判決が下されます。 |
陪審員は、倫敦市内から無作為に選ばれた良識ある市民6名。それぞれ番号で呼ばれる彼らは、異なる職業に就き、異なった思想を持っています。証言などで彼らをうまく納得させ、無罪の評決を勝ち取るのが、陪審バトルのカギとなります。
▲個人的にお気に入りなのが、陪審員2号のメイドさん。「クズは処理させていただきます。ご主人様の言いつけですので」が決め台詞です。カッコイイ!! |
まずは証人を尋問します。相手の証言を“ゆさぶる”ことで新たな証言を聞き出し、ムジュンした証言を見つけたら“つきつける”で真実を暴きます。前作までは証人は1人でしたが、今作から複数の証人を同時に尋問することがあります。
その時は、証言していない他の証人にも注意が必要です。証言中、他の証人が怪しい動きをすることがあるからです。怪しい証人を見つけたら、すかさず“といつめる”! すると、といつめた証人から新たな情報を引き出すことができます。
▲怪しい動きをしている証人には、吹き出しが出ています。証言を読んでもムジュンが見つけられないときは、他の証人をチェックするといいかも。 |
証人への尋問が始まってすぐに、意外なことが起こります。証言の途中にも関わらず、陪審員が評決を投じてしまうのです。どうやら、陪審員はいつでも評決に票を投じることができるよう。
被告に不利な証言が続けば、証言を最後まで聞くことなく、判決が出てしまいます。ピンチ体質の龍ノ介は、裁判が始まって早々に陪審員全員から有罪の評決を受けてしまいます。
▲証言を聞いて陪審員が犯人だと思えば、即座に有罪に投じられてしまいます。人の心で審判が決まることが、裁判を思わぬ方向へと進ませてしまうことも。 |
でも、ご安心を。弁護士には”最終弁論”という手段が残されています。これは、陪審員を説得できるシステム。半数以上の陪審員を説得できれば、審議は続行されます。
ただし、一度評決を決めた陪審員は、弁護士の発言は聞く耳を持ってくれません。説得するには、“陪審員自身の言葉”を上手に使いましょう。陪審員が有罪にした根拠を聞き、そこからムジュンを見つけ出して“ぶつける”のです。そうすると、陪審員は「まだ審理を続ける必要があるかも」と、評決を再検討してくれます。
▲陪審員の主張はゆさぶれないので、よく読んでムジュンを見つけ出します。陪審員の主張から新しい事実が分かることもあります。 |
日本と英国の法廷バトルの違いは、“人の心”。日本の法廷バトルは、証言を最後まで聞いてムジュンを探すことができます。
ですが、英国の法廷バトルでは、証言1つで陪審員の評決がコロコロ変わります。風向きが悪くなれば、すぐに評決すべてが有罪に投じられ、一気に大ピンチになっています。いつ有罪になってもおかしくないという“不安定さ”が、ヒリヒリした展開を生んでいて、どんどんストーリーに引き込まれていきました。ミステリー好きのユーザーでなくとも、このハラハラ感はたまらないと思います。
今まで『逆転裁判』シリーズをやったことないというユーザーでも、サポートキャラクターがゲームシステムを親切に教えてくれますので、安心です。ぜひこのハラハラ感と無事逆転できた時の達成感を体験してみてください!
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