2015年6月9日(火)
9月2日にPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/PC(※)で発売となる、『MGS』シリーズ最新作『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN(メタルギア ソリッド V ファントムペイン)』(※PC版の発売のみ9月16日)。
世界初となるメディア向け試遊イベント“MGSV:TPP/Global Preview Event”が、アメリカ・ロサンゼルスで現地時間5月11日~12日に開催されました。ここではそこで判明したさまざまな要素について、電撃PlayStation副編集長・おしょうがお届けしていきます。
今回開催された“MGSV:TPP/Global Preview Event”は、各国のメディアが集合し、アメリカのKONAMI・ロサンゼルススタジオで開催されました。通常、同様の試遊イベントは1日での開催のことが多いのですが、今回は2日間、しかもそのほとんどがプレイ時間という、まさに『MGSV:TPP』漬けの取材です。
1998年の『MGS』以降、全作品をプレイしている自分としては、これはもう行くしか! ということで、いざロサンゼルスへ。以降はその2日間で体験できた範囲のレポートになりますが、ストーリーに関してはネタバレを考慮して、ほぼ触れない形で記載していますのでご了承ください。
さて、プレイインプレッションの前に、『MGSV:TPP』の作品概要について軽く説明しておきましょう。『MGS』シリーズは、ソリッド・スネークが主人公の『MGS』『MGS2』『MGS4』と、その前の時代のエピソードであり、ネイキッド・スネーク(BIGBOSS)が主人公の『MGS3』『MGSピースウォーカー(MGSPW)』に大別されますが、『MGSV』は後者のネイキッド・スネーク(本作ではヴェノム・スネーク)が主人公の作品。
物語的には『MGSPW』の後のストーリーになり、すでにリリース済みの『METAL GEAR SOLID V: GRAUND ZEROES(MGSV:GZ)』がプロローグ。そして今回の『MGSV:TPP』が本編となります。
具体的には『MGSPW』で強大な軍隊や核まで保有するに至ったスネーク(BIGBOSS)が、1975年に起きた『MGSV:GZ』のある事件によって左腕や仲間、そして自らの軍隊のすべてを失い、9年後の1984年が舞台となる『MGSV:TPP』で復讐の鬼と化す……というのがストーリーの概要。
すでに『MGSV:GZ』をプレイしている方は、このへんは十分把握済みだと思いますが、未プレイの人は「やっぱり『MGSV:GZ』は事前にプレイしておいたほうがいいの?」という点が気になるかと思います。
まず今回の試遊プレイを経た結論から言うと、「ゲームプレイ的には未プレイでも問題なし。でも物語の流れ的にはぜひプレイを」といったところでしょうか。『MGSV:TPP』のチュートリアルはある意味『MGSV:GZ』よりも充実していますし、これまでのストーリーはゲーム中に入手するカセットテープや、登場人物の会話でも把握することが可能です。
ただ、『MGSV:GZ』をプレイしておいたほうが、より主人公・スネークの“復讐”の感情を身近に感じることができるのは確か。何よりPS Plusに加入済みなら、なんとPS4版『MGSV:GZ』が7月7日まで無料でプレイ可能に! もし興味があって未プレイの方がいるなら、ぜひこの期間にプレイしておくのをオススメします。
▲復讐の鬼と化したスネークとカズ。そのドラマはまさに『MGSV:GZ』が発端となっています。 |
前置きが長くなってしまいましたが、ここからはいよいよ『MGSV:TPP』の実際のプレイの模様をレポート。まずはオープニングを経て、ゲームは『MGSV:GZ』の9年後に、スネークがとある場所にて目覚めるところからスタートします。
その後、その場所でのエピソードがそのまま操作のチュートリアルとなる形で、ゲームは進行。本作がシリーズ初体験の人でも、基本的な操作を学ぶことができます。そして驚きの展開を経て次にスネークは、かつての相棒であり、スネークの軍隊の副司令だったカズヒラ・ミラーを救出するために、単身でアフガニスタンの地へ潜入することになります。
このミッションがいわば「オープンワールドのチュートリアル」的なものとなっており、ここで馬の扱いや敵兵の対処法など、今後のミッションの基本システムの大半を把握することができました。このミッションをクリアするまでが『MGSV:TPP』のプロローグといえそうです。ちなみにこのプロローグ部分だけでも、『MGS:GZ』と同等かそれ以上のボリューム! この時点で、今回の取材期間ですべてをプレイするのはとうてい無理であることを実感しました……。
▲最初からバディとして登場する馬。この馬は移動に欠かせない存在で、以降もまさにスネークの相棒として活躍してくれます。 |
その後は新たなマザーベース(スネークの部隊の拠点)も登場し、ここからのプレイで、初めて本作のゲームの基本的な流れを把握することができました。
まずマザーベース⇔ミッション地域の移動に利用するヘリの内部は、空中司令室(ACC)となっており、ここでミッションのさまざまな準備をすることになります。ここで出撃するミッションを選択し、次に装備品、バディ(相棒)、車輌を選択。さらに降下時間と降下場所を選択してミッションへ、となります。ちなみにこのときに流れるBGMはシリーズおなじみのあのメインテーマ! 否が応でも出撃の緊張感とあわせて気分が高揚します。なおミッションスタート時は、登場キャラクター名などのクレジットが流れるのも特徴。いわば1つのミッションがドラマの1話のような作りになっているわけですね。
選択項目についてもう少し詳しく解説すると、装備品はプライマリウェポン(サブマシンガンやアサルトライフル、ロケットランチャーなど)、セカンダリウェポン(ハンドガンや義手となるバイオニックアームなど)、サポートウェポン(手榴弾など)、アイテム(暗視ゴーグルなど)、ツール(多彩な機能を備えたiDROIDや双眼鏡など)をそれぞれ選択。
バディは初期状態だと、移動手段となるD- Horse(馬)のみですが、いずれD-Dog(犬)なども選択可能になります。車輌もミッションが進み一定条件を満たせば、ミッション開始時から持ち込むことが可能に。なお、バディの装備や支援ヘリの武装などもここで設定可能で、マザーベースでの研究開発しだいでさまざまな装備・武装が選べます。なお、拠点となるマザーベース自体のカラーリングもカスタマイズ可能!
そしてミッション領域に降り立ったあとは、ミッションごとの目的にあわせて行動していくのですが、ミッション中はいつでもGMP(資金)を消費することで武器や弾薬などの補給を受けることが可能。さらにミッション中であっても、マザーベースの人員配置の変更や、武器やアイテムの研究開発の指示を出すことができます(マザーベースの詳細は後述)。
つまり、ミッション中に麻酔銃の弾切れなどの事態が発生したとしても、いつでも補充することが可能で、新しく開発した武器もすぐに現地へ届けてもらうことができるということ。さらに、例えば同じアフガニスタンで展開するミッションであれば、ミッション終了後に帰還せず、そのまま次のミッション発生ポイントに移動して新たなミッションに挑戦、ということも可能になっています。いわば、現地で延々と任務を遂行し続けることもできるわけですね。
▲過去作では、すべての武器・アイテムは基本的に現地調達でしたが、今回はひんぱんに補給が可能なので、単独潜入任務も快適? |
ミッションの目的を果たしたあとは、安全な場所まで移動するとミッションクリアとなり、リザルトが表示されます。なお、1つのミッションが終了したあとでも、さまざまな行動が可能です。先ほども説明したように次のミッションに続けて挑んでもいいですし、“サイドOPS”と呼ばれるさまざまな小目的を達成することもできます。
このサイドOPSは、機密書類の入手や捕虜の救出など、さまざまな内容が用意され、ときにはメインミッション以上に重要なものも発生。さらにミッションやサイドOPSの目的以外にも、敵兵や捕虜をフルトン回収してマザーベースの人員を増強する、各地にあるダイアモンドなどを回収して資金・資源を獲得する、動物をフルトン回収する、薬効植物(武器やアイテムの研究開発に必要)を採集するなど、できることは膨大。
フルトンを強化すれば、やがて巨大なコンテナごと回収して大量の資源を入手したり、車輌などを回収することもできるようになります。
もちろん、ミッションクリアごとにマザーベースに帰還するのもアリ。マザーベースに帰還すると兵士たちの士気がアップするほか、マザーベースやACCでしか実行できない項目もあります。ミッションの現地でひたすら活動を続けるか、こまめにマザーベースに帰還して一息入れるか、プレイヤーごとにスタイルが変わってきそうな感じです。
ちなみに、このようなミッションクリア型のゲーム性で、プレイスタイルの幅が広いとなると、『MGS』シリーズの大きな魅力の1つであるドラマ性は薄めで、イベントシーンなども少ないのではないか? と懸念する人もいるのではないかと思います。が、その点は心配ご無用!
これは実際にプレイしてビックリしたのですが、単なる武器回収ミッションだと思っていたら、ミッション中に重要なストーリーイベントが発生したり、単なるサイドOPSだと思ったらイベント&ボス戦が発生したり、マザーベース帰還時にイベントが頻繁に発生したりと、イベントシーンもかなりの頻度で登場します。物語に期待している方は、そちらの面でも期待してOKです!
ストーリーといえばイベントシーンだけでなく、『MGSV:GZ』にもあったカセットテープも見どころ(聴きどころ)の1つ。これはイベントシーンなどで直接語られない事件の背景や1984年当時の世界情勢、前作までの登場人物の動向などを、膨大な数のカセットテープとして聞くことができるのですが、物語や世界設定に注目するプレイヤーは必見の内容です。
ただ、あまりに数が多いので、今回のプレイでは一部のみをチェックして、あとは泣く泣く聴くのを断念……。なお、ミッション中に聴いていると(移動しながら聴くことも可能)それだけで昼夜が変わるほど時間が経過するので、マザーベースやACC内でじっくり聴くのがいいかもしれません。
▲ミッション中は謎の強化兵士部隊(?)に遭遇することも。彼らはハンパない戦闘能力でスネークを追ってきます。 |
次は、広大なオープンワールドのフィールド、そしてそこで展開するミッションについてレポートしていきます。
まずゲームの序盤で展開するミッションの舞台はアフガニスタンの荒野なのですが、これがもう、とてつもなく広い! はっきり行って、車輌を入手するまでは馬がないと途方にくれるレベルです。10以上のミッションをクリアした状態でも、全貌をまだ把握できないほどでした。
なお、荒野とはいえ、各地には川あり、山あり、畑あり、巨大な橋あり、ダンジョンのような遺跡あり(!)、そして無数のソ連軍の基地ありと、かなりバラエティに富んでいます。さらに昼夜で敵兵の位置や動向が変わるほか、時おり砂嵐などの天候も発生し、状況は刻一刻と変化します。おそらく同じミッションに何度も挑んだ場合でも、まったく同様の展開になることはないんじゃないでしょうか。
あまりに広大なフィールドですが、馬での移動はかなり快適。かなりのスピードで移動できますし、たとえ離れた場所に置いてきても、口笛でいつでもスネークのそばに呼び出すことが可能。さらに敵兵の近くを移動するときでも、馬の腹に隠れればある程度は見つからずにやり過ごせるなど、ミッション遂行には必須とも言っていいでしょう。
ちなみに馬はバディの一種なので、当然馬以外のバディを選んだ場合は、利用できなくなります。その場合は車輌を用意してバディと一緒に車で移動する、いったん馬で目的地に移動したあとに馬をフルトンで帰還させ、新たに別のバディを呼ぶなど、移動を考えた行動が必要になるでしょう。
そんなフィールドで展開するミッションですが、その目的は捕虜の救出や通信施設の破壊、敵軍の重要人物の排除など多彩。その遂行のためにまず重要なのは、『MGSV:GZ』でも重要だったマーキングです。本作でも、敵兵を一度双眼鏡などで確認することで、いつでもその位置を把握できるほか、マップを開いて特定の場所にマーキングして、それを目印に移動するといったことも可能。
さらにマザーベースの開発によって双眼鏡がバージョンアップすると、敵兵の能力を双眼鏡でチェックすることができるようになり、能力の高い兵士を選んでフルトン回収し、マザーベースの人員に組み込めたりします。
次に重要なのが情報収集。こちらは従来のシリーズと同様、敵兵を捕らえて尋問することでさまざまな情報を入手できるのですが、アフガニスタンでの敵兵はほとんどソ連兵。つまり、ロシア語が理解できないと尋問ができないのです! これは、ロシア語の通訳が可能な兵士を回収し、マザーベースの人員とすることで尋問可能になります。
敵兵から聞ける情報は、ミッションの目標となる人物・物の場所や、資源の場所、能力の高い兵士の場所などさまざま。また尋問以外にも、敵兵に近づいて彼らの会話に耳を傾けることでも重要な情報が得られたりします。
情報入手後はいよいよ目的遂行に向けて行動となるわけですが、自分の場合、これまでのシリーズの経験から、序盤はずっと“敵に見つからずに潜入”、“敵は非殺傷”を心がけてプレイしました。そうやって進めてみると、じつにさまざまな方法・ルートがあることを実感。
ただ、敵兵の状況は時間等で刻一刻と変わりますし、思わぬ場所から敵兵が監視していて、見つかってしまうこともしばしば。ということで試行錯誤しながら1つのミッションに挑んでいたのですが、限られたプレイ時間のなかで先に進むためにも、途中から「敵陣に突っ込んで実弾武器で応戦してミッション遂行」というスタイルも試してみました。すると、このスタイルでも問題なくプレイできることにビックリ!
従来のシリーズの感覚ですと、敵に発見される=ゲームオーバーに直結、というイメージがあったのですが、今回は見つかったあとに隠れる場所が豊富にあり、なにより一定距離を逃げ切れば敵兵を振り切ることも可能。例えば、敵に見つかってもかまわないので目的となる敵の施設をロケットランチャーなどで破壊し、そのまま応戦しつつ敵兵を振り切って逃走、というプレイもできるわけです。よって『MGS』シリーズ=ステルスゲームという先入観は一度忘れて、シリーズ未体験のFPS・TPSファンの方も、ぜひプレイしてみてほしいですね。
ちなみに、どうやら敵兵はこちらの行動にあわせて徐々に対策をとってくるようで、ヘッドショットで敵兵を排除し続けていると、やがてヘルメットなどでそれを防御する対策をとってきたりします。よって同じような戦法だけでミッションをクリアしていくと、やがてそれとは違った方法を考えなければならなくなるかもしれません。
▲ときには実弾武器で攻撃的に攻めるとスピーディにクリアできることも。もちろん非殺傷にこだわるのもアリ。 |
ミッション中の要素として、フルトン回収とバディについても、もう少し触れてみましょう。まずフルトン回収については、『MGSPW』でもおなじみの要素で、気絶or睡眠状態の敵兵などに気球を取り付けて飛ばし、回収してマザーベースの人員とするというもの。序盤では、とにかくマザーベースの人員は多いほどいいので、ひたすら敵兵を無力化してフルトン回収です。
『MGSPW』もそうでしたが、これが楽しい! さらに本作では敵兵だけでなく、野生動物なども回収してGMPを得ることができます。アフガニスタンで見かけた動物だけでも、犬や羊などさまざま。ちなみにクマを見つけて回収を試みたこともありましたが、麻酔銃2~3発ではまったく眠ってくれず、逆に突進を2発ほど食らって昇天しました……。クマ、敵兵よりも強いです……。
あ、フルトン回収についてもう1つ特筆すべきことが。本作のフルトン回収は万能ではなく、敵兵に攻撃を受けている状態だと気球を撃たれて失敗になったり、砂嵐などの天候のときにフルトン回収しようとすると、強風で飛ばされて兵士が行方不明になってしまったりします(涙)。後者はマザーベースの拡張状況によって、成功確率をアップさせることが可能のようです。
一方、ミッション中の心強い相棒となるバディですが、今回の体験プレイではD-Dog(犬)をバディにしたプレイも体験できました。このD-Dogは、フィールドにいる子犬をフルトン回収することで、マザーベースの住人に。やがて時間が経過することで、頼もしい相棒に成長してくれます。バディとしての役割・活用の仕方はさまざま。なおバディは、ゲームを進めたり何度もミッションに連れていくことで、行動の幅が広がっていきます。例えば馬なども、ゲームを進めると命令して糞をさせることが可能に。これ、今回のプレイでは何に使うのか謎のままでしたが(笑)。
ほかにも、登場人物の1人である女スナイパー・クワイエットや、小型メタルギアのような歩行機械も、バディとしてミッションに同行できるようです。クワイエットについては、すでに動画などでも公開されているように、捕虜にしてマザーベースに連れてくるところまではプレイできました。詳細は伏せますが、クワイエットとの戦闘はかなり熱かった! “『MGSV:TPP』ならではの強敵との戦闘”を実感できました。
▲D-Dogは馬とは違い、潜入時や戦闘時に活躍してくれます。ある意味、癒やし的な存在にもなる? |
最後は、スネークたち“Diamond Dogs”の拠点となるマザーベースについても、インプレッションを記載しておきます。まず初期のマザーベースは研究開発棟が1つの状態ですが、やがて新たな棟が建設され、拡張していきます。この建設中状態のマザーベースですら、すでにデカい!
しかも今回のマザーベースは、内部を実際に歩き回ることが可能で、兵士たちとも実際にすれ違ったりできます。彼らの会話をよく聞いていると、スネークの過去の活躍について語っていたりして、意外と聞き逃せません。なお、これらの兵士にCQCを仕掛けて練習することも可能です。また、サイドOPSの1つとして、マザーベース内で射撃訓練を行うこともできました。
ちなみにマザーベースがどれくらい広いかというと、各棟をつなぐ連絡橋部分には車輌があり、隣の棟にいくにはそれで走る必要があるほど! なお車輌以外に、ヘリでほかの棟へ行くことも可能です。マザーベースのある洋上には天候の変化もあり、時にはスコールなどになることも。もはや単なる拠点というより、1つのフィールドのような感覚です。なお、スタッフに指示を出すなどの行動は、別に各施設を訪れなくても可能なのでご安心を。
施設に続いて組織構造についてですが、初期状態のマザーベースの人員は、武器やアイテムを開発する“研究開発班”と、スネークのミッションを助ける“支援班”が存在し、より多くの、より優秀なスタッフを配置することでレベルが上がっていきます。例えば研究開発班のレベルが上がると、新たな武器やアイテムが開発可能になる、といった感じですね。ちなみに開発可能な武器・アイテムはかなり多彩!
そしてマザーベースの人員が増えていくと、新たな機能をもつ“班”が追加。どんどんスネークのミッションをサポートする要素が充実していきます。なおこれだけスタッフが増えると、施設や人員が増えるたびに彼らを配置し直すのが大変そうですが、じつはボタン1つで、自動的にスタッフを適切な班に配置する機能もあります。これがかなり優秀で、こまめにスタッフを配置し直すだけでも班のレベルがどんどん上がっていきます。
ちなみに上記の施設以外にも、電話ボックスくらいの小さい設備ですが、なんとシャワールームがあります! これ、何のためにあるのかというと、じつはミッション中の行動で、スネークの顔が血まみれになったり、戦闘服が汚れたりするのですが、それらの汚れはそのままだと消えることがなく、放っておくとやがてひどい状態に。そこでシャワーを浴びることで、スネークも服もキレイな状態にすることができるわけです。服を着たままものすごいスピードでシャワーを浴びるスネークの姿はある意味必見でしょう(笑)。
さらに細かい要素ではありますが、マザーベース内を探索していて「これは!」と思ったのは、1984年当時の洋楽のヒット曲がBGMとして流れていること。気づいただけでもa-haやカジャグーグーの曲などが流れており、当時の音楽シーンを知る人にとってはまさに感涙モノ。じつはこれらの曲はミッション中の敵兵の拠点にあるラジカセでも流れており、そこにあるカセットテープを入手することで、新たな曲をゲットできたりします。
▲とにかく広いマザーベース。この拠点を発展させていく要素だけでもムチャクチャ楽しいです。 |
さて、ここまで『MGSV:TPP』の試遊プレイのインプレッションをお届けしてきましたが、全体の感想として、本作は間違いなく「2015年にプレイしておくべきゲームの1本」であると断言できます。
昨今は本作以外にも、オープンワールドかつ、非常に作り込んだ作品が多々ありますが、『MGS』シリーズならではのドラマ性とオープンワールドの自由度、スニーキングアクションの戦略性とTPSとしての爽快感、そしてマザーベースを中心とした育成・シミュレーション性など、さまざまな要素がここまで有機的に絡み合っている作品はそうあるものではありません。
さらに、今回体験した部分はおそらく全体の1/10程度のものであり、さらに『MGO』や、他人のマザーベースに攻め込む・攻め込まれるといったオンライン要素を除いた状態のものです。全体のボリュームは本当に途方もないレベルでしょう。
そして本作は、間違いなく隅から隅まで“小島秀夫監督の血が通った作品”であるともいえます。物語はもちろん、ミッション中の遊び要素やBGMに至るまでが、これまでのシリーズを踏まえた集大成です。とくにゲーム性については、小島監督が『MGSPW』で携帯ゲーム機向けに水平方向に進化した要素を、それ以上の幅で垂直方向に進化させたものであり、MSX2の『メタルギア』からスタートしたステルスアクションの、現時点での究極の到達点だと感じました。従来の『MGS』ファンはもちろん、できるだけ多くのゲームファンに、その世界を体験してみてほしいですね。
あとは今後明らかになるであろうオンライン要素にも期待しつつ、9月2日の発売日を心待ちにしたいと思います!
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