2015年6月19日(金)
おもしろいゲームが好きな電撃Appが注目するスマホアプリ。そのアプリがどのようにして生まれたのか、開発者に直接お話を聞きに行くインタビュー企画を連載中です。
今回はFuji&gumi Gamesから配信されているiOS/Android用アプリ『ファントム オブ キル』のプロデューサーである今泉潤さんにお話を聞いてきました。
●動画:『ファントム オブ キル』PV
『ファンキル』が目指す今後の展開や開発において意識していることなどを、さまざまな角度からお伝えしていきます。
▲『ファンキル』の生みの親である今泉潤さん。 |
本作は、“世界樹ユグドラシル”を中心に広がる“天上世界”と“地上世界”を舞台に、記憶を失った主人公が失くした記憶の手がかりを求めて冒険するSRPG。
登場キャラクターは全員女性で、伝説の武器の名を冠しているところも大きな特徴として挙げられます(通称:キル姫)。
難易度に応じてマップの広さが変わる、キル姫や武具の強化など、やり込み要素もふんだんに盛り込まれている本格派のアプリでもあります。序盤は手軽にプレイできるので、SRPGのおもしろさが知りたい人にはオススメと断言しちゃいますよ!
──『ファントム オブ キル』(『ファンキル』)の開発において、どのような役どころを務められているのでしょうか?
今泉潤さん:肩書きはプロデューサーですが、企画や仕様の決定、世界観の作成からシナリオまで、総監督っぽいことをしています。
──肩書きだけ聞くと主に金銭を工面しているイメージもありますが、実務部分にも深く携わっている感じなのですね。では、作品誕生の経緯などは?
武器の名を冠した少女たちがいて、彼女たちが斬り合う画がキレイだなと思ったのが企画の発端なんですよ。そこからシナリオを考えて、武器やスキルの名前を決めました。
──実務も手掛けるというか、なんだか片っ端からですね。
もともと映像業界でテレビドラマを作ったり演劇をプロデュースしたりしていたので、どこまでがディレクターの仕事で、どこまでがプランナーの仕事なのかよくわからないんですよね。
最初の頃はエクセルを使ってマップを作っていましたよ(笑)。
──なるほど。ちなみに、ゲーム業界との接点は?
これまでは、ほとんどなかったですね。個人的にそこまでゲームに熱中していたわけでもなく、幼少時代もゲーム少年だったかというと、そうでもありませんから。
──日常的にゲームに触れられる機会も少なかったんですか?
この業界の人と比較すると、かなり少ないほうかと。映像もゲームもエンタメという意味では一緒だなと思っていて、どのように表現するかというところでは、そのメディアごとによさがあるじゃないですか。そこでスマホに魅力を感じて転職しました。
最初はWebブラウザベースのゲームを作っていたんですけど、Webゲームはカードゲームが主流で、そこに世界観やギミックを乗せて、演出をかっこよくしたり世界観を広げたりすることに注力していました。
でも、アプリはそうではなくて、某パズルゲームアプリを見た時には「ゲーム畑の人間でもないのに、こんなの作れるわけないじゃん」と思っちゃいましたね。
しかも、『ファンキル』と同時期に坂口博信さんの『テラバトル』が登場したのには結構絶望しましたね。いきなり目の前にラスボスが現れた感じです。
──そんな中で『ファンキル』のジャンルをSRPGに選んだ理由を聞かせてください。
いざゲーム制作となったときに、RPGだとコレっていう大作シリーズが思い浮かぶくらいやり尽くされているし、もう新しいゲームなんて作れないと思ったんですよ。だから好きなジャンルだったSPRGを選んだんです。
そういった意味で、『パズル&ドラゴンズ』とか『モンスターストライク』はスマホというデバイスに即したスタイルでスゴイなと。でも、ここでヒット作の要素を真似るような発想って絶対にダメで、ユーザーさんにもバレるんですよね。
感覚論になるんですけど、ネイティブアプリってある種の所有感があって、同じものは2つも要らないんです。例えばパズルゲームでレベル100達成したとして、似たようなタイトルで同じ作業をしたいかという話で、自分だったら敬遠しますよね。
──確かに作業という感じが出るとプレイするのも辛くなってしまいます。
そういう野心よりは、作れるもの、好きなものしか作らない。そこでどんなゲームがほしいかと考えて浮かんだのが、私にとってはSRPGだったんです。子供のころ、ゲームと向き合っていた時間にも意味があったんですよね(笑)。
私が体験してきたゲームの魅力って、戦略性とストーリー性なんですよ。フィーチャーフォンのAIでは物足りないから、それならリアルにユーザー同士が戦略をぶつければいいというのが初期のギルドバトルじゃないですか。
でも、スマホならそういった戦略性も実現できる。たとえばマップで孤立しているユニットを助けに行くとか。それってすごくドラマチックで、そういう意味ですごくスマホに合っているなと。
──『ファンキル』はFuji&gumi Gamesブランドの第1弾タイトルということですが、やりやすかった部分ややりにくかった部分などはありますか?
やはりプレッシャーですよ。最初は実際にどれだけプレイしてもらえるかもわからないですし、とにかく大変でした。
──保証も確証もないですからね。
やりやすさという点では、コンテンツに集中できたことですね。プロモーションに関しても、フジテレビさんと組むことで、“でんぱ組.inc”さんとのコラボといった自分たちだけではできないことも実現できたので、そのあたりは作品としてもすごくよかったなと思います。
──ユーザーさんからの反響や開発としての手応え、達成感などはいかがでしょうか?
初期のスケッチブックに描いた完成図からすると、ようやく60%くらいには到達しました。2015年内に100%までもっていこうと思っています。SRPGって育成がおもしろいんですけど、育成したら簡単に倒せてしまうのではなく、もっとさまざまなスキルを絡めて戦略性を上げられる自信はあります。
今後、通信対戦も入れば、もっとおもしろくなると思いますよ。
──本作で通信対戦というと、キル姫同士のバトルですか?
現在実装しているコロシアムはバトル部分だけで、成長にランダム要素のあるキル姫の強さ比べというか、育て直しを含めて縦軸を深めていくところですね。通信対戦というのはキル姫同士のバトルのその先、たとえばマップの要素が入って、プレイヤー同士が戦略を競い合う場所になるのかなと思っています。
──縦軸の広がりというところでは、☆4から☆5へといったキル姫の成長上限の引き上げなどもそうですか?
そうですね。どのキル姫も育ててほしいので、キャラクターそれぞれに愛着を持っていただけるように工夫しています。キャラクタークエストもそうですが、もうひとつ奥に入れるような機能も入れていけたらなと思っています。
──本作では声優さんも豪華で、セリフのボリュームもすごいですね。
とにかく後悔はするなということで、スタッフが好きな声優さんに全員声をかけてみよう! という流れでした。私も年明けくらいからアニメを見るようにしているのですが、エンディングのクレジットに見たことのあるお名前が続々と出ていてすごい方々が参加されているのだと認識しました(笑)。
実は今度収録に行くんですけど、私は花澤香菜さんが演じていらっしゃるアニメのキャラクターが好きなことが多いことに気づいて、ああ、声優ファンになるってこういうことなのかと。
▲花澤香菜さんが演じるロンギヌス。 |
──なんかわかります(笑)。声優層がものすごく厚かったので、企画の発足当初からTVアニメやOVA化が視野に入っているものかとも思ったのですが。
私も映像業界出身なので、映像化に耐えうるものを作って、ゲームから飛び出る広がりを持たせたいと考えています。実際に映像も作りましたし、今回はフジテレビさんとの共同開発なので、よりそういうものにしないといけないというのもありました。
──では、アニメ化のご予定も?
今のところはまだですが、願望としてはあります。4月にはドラマCD『ファントム オブ キル SPECIAL DRAMA CD』もリリースしていて、いざ仕上がったものを聞いてみたらすごくおもしろかったんですよ。事前に原稿もチェックしていたのですが、やはり声優さんの力ってすごいなと。
──声を乗せることで、新たにゲームに反映させるような魅力も出てきそうですね。
そういうのも本当にありますね。特に気に入っているのは、ショップ画面でそれぞれ一緒に買い物に行っているようなセリフをしゃべるところなんですよ。ユーザーさんもああいう細かいところは見ていると思います。
もし、記念日に特別なセリフをしゃべったり、天気に応じて「今日は雨だね」とか言われたりしたら「おお!?」っとなるじゃないですか。
──それはかなりドキッとしますね。
そういう細かい気遣いって大事ですし、他との差別化になっていくんじゃないかなと思っています。お金にならないような部分も頑張るって、絶対作品に深みを与えると思うので。
FacebookやTwitterではキル姫の誕生日に記念のイラストをアップしているんですよ。私たちスタッフもちゃんとキル姫を愛しているんだなというところを伝えたいし、メディアを通じての出し方とかもすごく大事なんだなと思いますね。
──ユーザーさんからの要望についてはいかがですか?
いっぱいあって受け止めてはいるのですが、開発が追い付いていない状況ですね。今は専属のチームを作ってユーザーさんの声を吸い上げたレポートを作ってもらって、開発チームで検討しています。本当にいろいろなご意見をいただきつつ、皆さんが感じられている歯がゆさはこちらにもちゃんと伝わっていますと。
細かいところだと、5月末に追加した要素として、AP回復のために姫石を使った時に、余剰分が本来のAP上限を超えて増えるというのがあるのですが、アレってよくないですか?
──「おお!?」って思いました。
ユーザーさんの歯がゆさってああいうところだと思うんですよ。ほかにも、リリース当初からずっと言っている、合成でページバックするときに直前のスクロール位置を記憶しておくとか、意外とシステム的に大変だったんですけど、ようやく入りました。
オートバトルも最初は入れるのに抵抗があったんですよ。結果的には入れたんですけど、オートに任せたら全滅するくらいのゲームバランスがいいかなって(笑)。
──え!?(笑)。
オートバトルでマップの難しさを知ってもらえればいいかなという感じで入れています。ゲームをよりおもしろくするという部分ではスキルを増やすなど、先ほども少し触れた戦闘の条件の追加です。
現在は全滅しかありませんが、ボスの撃破とかターン制限、何ターン耐えろとか、そういう要素があるだけでだいぶ遊び方も変わったりするので、どんどん入れていきたいですね。
通信対戦に関しては、年内にギルドバトルまでは入れたいと思っています。そこからは新境地ですよね。どうやってギルドにするんだろうとか。
また、具体名はまだ発表できないのですが、某深夜アニメ(※)とのタイアップを画策しています。
──なんと! あの作品とどうつながるんですか!?(※インタビュー時には具体名を聞いています)
多分、皆さん戸惑いますね。ゲームとしてもオシャレだし、このタイアップが成立したらすごいですよ。そんな風に、予想を超えていくことをしたいと思っていますね。
──またすごいところにもっていきますね。
企画当初から『ファンキル』の世界観には中世ファンタジー風味の世界の下にもうひとつ、ネオトーキョーみたいな現代風の世界を残しているんですよ。これは縦軸のストーリーに関わってくるのですが、ちょっと尖った現代世界を残したのは、キル姫にGパンをはかせたかったからなんです。
──それはなんとも(笑)。
制服も着せたかったし、要は中世の中に何かしらの現代要素があるといいなと、見え方を意識した結果が『ファンキル』の世界なのですが、結果的にタイアップもいろいろとやりやすかったなと思います。
──確かに他の作品が入り込めるだけの余裕があらかじめあると違いますね。
一番最初は『ブレイブ フロンティア』とコラボさせていただいたんですけど、『ブレイブ フロンティア』のキャラがこっちに来てしゃべる、あれってすごくいいなって。
そして今年の7月には、2ndシーズンや劇場版まで制作された某人気深夜アニメとのタイアップが決まっています。作品の世界観が、下の世界とすごく合うんですよ。花澤香菜さんの収録というのも、実はそのタイアップの件なんです。
──ぉぉぉぉ~!?
あの人があのキャラで『ファンキル』のセリフを言うんですよ。個人的にも見てみたいし、コラボ作品のファンも遊べる場にできるなと思うと、本当によかったなと思っています。
──すごい方向性ですよね。
ゲーム作品同士のリスペクトで業界を盛り上げるのはもちろん大事ですけど、ゲーム業界の外から来ていただくのもすごく大事だと思うんですよ。そういう意味ではTVとか演劇の方の才能をこっちにきてもらったり、いろいろおもしろいことができたりしたら作品の世界が広がりますよね。
──まだこの場では言えないことも多そうですが、7月のコラボも楽しみにしています。
さらにその先、8月から始まるコラボもかなりすごいですよ。
──まだ隠し玉があるんですね。
6月はまだ準備期間ですが、ちょっとおもしろいところで行くと、ウェディングキャラが登場しています。
──ジューンブライドですね!
となると、7月は言わずもがなの……。
──水着ですか?
はい。めちゃめちゃかわいいので、もうやばいですよ。でもこれ、絶対に防御力は下がってるなみたいな(笑)。
──代わりに露出度が上がるんですね(笑)。
──話題をさらったOPムービーの制作にあたっては押井守監督はじめ、川崎逸郎さんなど豪華メンバーが参加されているようですが、そもそもどのような経緯で依頼されたのでしょうか?
押井監督は完全にコネです(笑)。社員の結婚式で一緒に参列していた社員が、押井監督と同じ空手の道場に通っている飲み仲間だったんですよ。冗談半分に『ファンキル』のOPとかやってくれないですかねと話していたら、とんとん拍子に話が進んで引き受けてくれたんです。
──どこに縁があるかわかりませんね。
運とコネでしたね。川崎さんは、押井監督やアニメ会社から広がったところでのご縁です。TVの仕事をやっていたら叶わないような大監督と一緒にお仕事ができて感動しましたね。
──ネオトーキョーっぽい下の世界なんかは『攻殻機動隊』にも合いそうですね。
やってみたいですよね。押井監督つながりで『パトレイバー』とかやりたいですね。ただ、『ファンキル』の世界観でひとつ悔いが残っているのが、女の子しか出られないというところです。
▲地上世界のメインビジュアル。 |
──イケメン枠なんかあれば、巷で話題の『刀剣乱舞』のように、まったく違うユーザー層も取り込めそうです。
私は男なので、女の子にモテるようなカッコイイ男というのがよくわからないんですよね。『刀剣乱舞』の起動時にカッコイイ声で「刀剣乱舞っ!」って言われると「お、おう」ってなりますけど、『艦これ』を起動してかわいらしく「か・ん・こ・れ」って言われると「お~」ってなりますもの(笑)。
──そこは男として共感してしまいます(笑)。
──『ファンキル』は海外展開も視野に入っているとうかがったのですが。
どこまで言っていいかわからないんですけど、「これが本当のカルチャライズだ!」ということをやりたくて、『ファンキル』の百年前とかを舞台に、結構ハードボイルドなものを作ろうかなと思っています。海外版には男性キャラも登場する予定です。
──外国の方はマッシブなデザインを好むという先入観もあるのですが。
そこも難しいところですよね。とはいえ、線の細いキャラでも、『ソードアート・オンライン』などはアメリカでも人気じゃないですか。
だから、知らないことを無理矢理やろうとするのではなく、知っているうえでの意見を取り入れていくという作り方の方が正しいんじゃないかなと思うんですね。
外国の方の好み=マッスルでしょみたいな話でムキムキなキャラを作ると、何か履き違えてしまう気がするんですよ。外国の方はロリが嫌いだからと言ってロリ要素を排除するのも違う気がして。
──特に海外だと、幼く見える部分は気を遣うみたいですね。
その点、gumiは海外拠点があるので、「ここまでやったらダメ」みたいな線引きはできるんですよ。他にも、現地のスタッフがゲームの3Dを見て「これは流行らない」というので理由を聞いてみると、「この等身なのに顔に表情がない」とか、海外ならではの視点というものがすごく参考になっています。
──そこまで聞くと、ちょっと海外版も遊んでみたくなりますね。
理想はやっぱり、日本人も海外版を遊んでいるみたいにしたいんですよ。それってすごくオシャレじゃないですか。
──ロンギヌスとかがものすごい筋肉キャラになって戻ってきたら泣けますけど……。
あはは(笑)。そういうのもなんかいろいろ、期待を裏切らない形でやりたいなとは思っています。
▲このロンギヌスが男になるなんて想像できませんよね。 |
──ゲームに限らず、趣味などでも今現在はまっているものはありますか?
趣味とかはないですね。社長業もやっている都合上、毎週末で東京と福岡を往復するので、あまり時間がないんですよ。せいぜい、ジムで走りながらアニメを見るぐらいですね。
──インドアなのかアウトドアなのかよくわからない組み合わせですね。
本当にそれぐらいしかないんですよ。はまったものでいえば、ちょっと昔に流行った『レオズ・フォーチュン』ですね。最近遊んでみたらすごくおもしろいんですよ。
直接参考にできるような話ではないのですが、ゲームの考え方としてすごく洗練されているんです。操作感の気持ちよさもすごい。チュートリアルもなくて、ゲームオーバーになりながら学んでいくんですけど、ゲームデザインについて考え方を見直させられましたね。
『ブレイブ フロンティア』を作っているエイリムの早貸久敏さんなんかはすばらしくて、本当にゲームが好きなんですよ。話題の新作ゲームタイトルは片っ端から全部クリアしていて、これがゲーム好きということなんだなと思いましたね。電撃さんは趣味でゲームとかプレイされます?
──お仕事のアプリを10タイトルくらいプレイしているだけで2時間くらいは軽く飛んでしまいますね。
ですよね。いつも社員に言うんですけど、私たちがやっていることは他人様から時間を奪う行為なんだって。数ある娯楽の中から貴重な時間をもらうのだから、そこに魂をかけないと何も感じてもらえない。
だから、少しでも時間をかけてもらえたのであれば、楽しかったとか、明日も遊んでみようとか思わせないとダメなんじゃないかなって。
あるイベントがあって、私も登壇させていただいたんですよ。基調講演がスーパーセルの社長で、ガンホーの森下さんと続いて私だったんですけど……とんでもないな、この順番(笑)。
──とんでもないプレッシャーが(笑)。
ただ波に乗るのではなくて、続けていくことって大事だなと。ときには、1年後にスポットが当たるタイトルとかもあるじゃないですか。それってすごいことだと思うんですよね。だから、アニメやゲームに限らず、あらゆるコンテンツに触れて、エンタメ産業で続けていける自分でありたいなと思っています。
そういう意味では『ファンキル』もゲームだけではなくて、アニメとかさまざまな展開をしていけたら作品が幸せだなと思っております。
──コンテンツを長い目で育てていくことって本当に大切ですよね。
あとは最近フィギュアを買うのにハマっています。これまでフィギュアを買う人間の気持ちがまったくわからなかったんですよ。最近、花澤香菜さんが演じられているキャラを気に入った流れで買ってみたんですけど、どれもクリエイターさんの魂がこもっていてこだわりがスゴイ。
それから好きなキャラのフィギュアを買いまくっていたら、机の上の半分くらいをフィギュアが占めていました(笑)。
──ユーザーとの距離感にはこだわりが?
pixiv(ピクシブ)でおもしろい漫画を描いてくれるユーザーさんがいて、こういう創作の余地を意図的に作ることも大事なんだなと思いますね。『艦これ』でもそうですが、いろいろ勉強になります。
ゲームではなくコンテンツというくくりでは、ディズニーが究極ですよね。ぬいぐるみであったりアニメであったり、いろいろな人目に触れやすいところがありながら、どんな切り口から入っても最終的にみんなディズニーランドに行きたいと思うわけじゃないですか。
自分もそうやって幅を広げていきたいので、やっぱりクリエイターではなくプロデューサーが自分に合っているのかなと思います。
──本作では片っ端から制作に関わっていますよね。
エンジニアがいないと作れないし、デザイナーがいなければ描けません。例えば、イラストだとこれだけの枠に書いていいよっていうのがあるんです。枠の範囲は私が決めるんですけど、後はわりと自由で、センスのいい人は枠を万遍なく使って描いてくる。
ここまで遊んでみていいですかって、言葉じゃなくてもわかるんですよ。コイツ攻めてるなって(笑)。
そんな自分の発想だけじゃないところから純度が上がっていくというのがモノ作りのおもしろさで、最終的に多くの人に愛される作品になればいいなと思っています。
個人的にはハリウッドで映画化を目指していて、映像業界では難しくても、スマホなら行けるかもしれません。原作と出資者にならないと好きなものは作れないと思ってこの業界に来たんですよ。たとえば『クラッシュオブクラン』の映画化ならありそうじゃないですか?
──確かにそうですね。
ちょっと見てみたいじゃないですか。そういうのもできる余地があるのかなと思っています。gumiの國光さんに「君じゃジェームス・キャメロンには勝てないぞ」って言われて、腹が立ったんですよ(笑)。
決してゲーム業界を舐めているわけではないんですよ。早貸さんに言われてうれしいと思ったのが、『ファンキル』がいいのはパッケージされているところだそうです。
いろいろな見え方とか展開の仕方とかがひとつの世界観でくるまれているのは、しっかりプロデュースできているんだろうなと。だから見え方ばかり気になってしまって、本当は中身を誰かにやってもらって、外側を整えたいんですよね。
──陣頭指揮を執るには、ある程度引いた視点がないと務まらないんですね。
すごくそう思います。突き詰めつつも、遊びの余地は残していきたい。狙うあざとさってやばいじゃないですか。概念的な話になるんですけれども、最近意識しているのは作る時に半分はちゃんと狙う。残り半分はわからないけど、自分でおもしろいと思うものを入れて見る。
狙っている部分が7割くらい見えてしまうと、多分それは見たことがあるものになってしまってダメなんですよ。このバランスを大事にしたいなと思っています。
──では最後に、本作を今現在遊んでいるユーザーさんと、『ファンキル』に興味を持たれた読者さんへメッセージをお願いします。
難しいですね、正直なところ立場上、「無課金でも遊べるので」とか言えないじゃないですか(笑)。飽きられないように新しい遊びとかをどんどん追加して、どなたでも安心して遊べるようなゲームにしていきたいなと思っています。
今から始める方も、全然追いつけるというか、遊びの幅は広がっていて1人遊びもできるしみんなで遊ぶこともできます。どんなきっかけでもいいので『ファンキル』を好きになっていただけたら、毎日3分くらいでも構いません。魂を込めて作っているので、皆さんの貴重な娯楽の時間を預けてもらえれば、きっと満足してもらえるエンタメをお届けします。
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