2015年7月23日(木)
引きこもりの主人公が冒険者派遣業を行い、家賃を稼ぐRPG『俺働けって言われても』。6月11日発売の電撃PS Vol.592では、シリーズ最新作となるPS Vita『俺に働けって言われても 酉』が発表となった。
▲『俺働』では、主人公はあくまでパーティ編成やダンジョン派遣などの“準備”を行う。あとは冒険者の探索を見守るだけ。 |
ここでは、主人公に愛のムチを振るう大家、ラビアティ・マクラツム役を務める松井恵理子さんのインタビューをお届けしよう。電撃PS Vol.592(6月11日発売号)に掲載されたもののノーカット版となる。
ラビアティ・マクラツム |
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主人公が住む借家の大家兼、宿屋のおかみさん兼、現役女子高生。前作の大家リリウムの孫娘で、8人兄弟の末っ子。本名はラビアティ・ヒペリクム・エンブリオマ・オウシジウム・グラニム・オウパトリウム・ジゴペタル・ユパトリム・マクラツム。愛称はラビィ。
▲松井恵理子。アイアムエージェンシー所属。代表作は『未確認で進行形』夜ノ森紅緒、『ログ・ホライズン』五十鈴、『えとたま』モ~たん、ほか。趣味は麻雀やアニメ鑑賞など。 |
――収録お疲れさまでした。まずは今回演じられたラビアティの第一印象を教えてください。
松井:ラビィちゃんは見た目がとてもかわいくて元気な女の子なんですけど、それだけじゃなくて。すごくユーモアに富んでいるというか、いろいろな言葉を知っているんです。さまざまなアプローチで物語を説明してくれたり、お話を進めてくれたりする子だなという印象でした。
――実際に収録して印象は変化しましたか?
松井:そんなに変わらなかったですね。でも、最初のにぎやかな感じから、物語がクライマックスに近づくにつれてラビィちゃんの根っこにある真面目で大人な部分も表れてくるので、プレイヤーさんにとっては「ラビィにもこんな一面があるんだ」と感じていただけると思います。
――例えばどんな部分が大人なんでしょうか?
松井:ラビィちゃんって自分の考えはちゃんとあるんですけど、相手が違う意見でもそれをかたくなに否定はしないんです。相手の言うことも認めて、「それでも私はこう思います」と言うところが大人で素敵だなぁと。
――引きこもりの主人公についても、真っ向から否定はしない?
松井:かなりキツイことは言ってるんですけどね。一応、私が演じるうえでは、愛のある罵りを心がけながら演じさせていただきました(笑)。
――松井さん自身は、主人公にどんな印象を持ちましたか?
松井:どちらかというと、私もお仕事のとき以外はお家にいたいほうので、共感できる部分がいくつかありました。主人公とラビィを足して2で割ったのが私かもしれません(笑)。
――ラビィは「がんばりやで負けず嫌い」とのことですが、松井さんはいかがですか?
松井:昔から負けん気は強いですね。でも私は、そのなかにユルさもあるんで(笑)。それが主人公寄りな部分ですね。
――主人公とラビィ以外で気になったキャラクターはいますか?
松井:宰相と道化師のコンビですね。ラビィも人の話を聞かないんですけど、この2人もラビィとは違うベクトルでマイペースなんですよ。とくに宰相は、最初は聖女のようなのに、だんだんと本性が出てきて。それに対してずっとツッコんでるラビィという図がおもしろかったですね。
――道化師はいかがでしたか?
松井:道化師役の吉田有里ちゃんとは前々から別作品でもご一緒しているので、道化師のセリフを読んだときに「これは有里ちゃんに合うでしょう!」と思いましたね。いい意味で、イライラするだろうなと(笑)。実際に道化師のお芝居を聞かせていただいたのですが、本当にスゴイのでぜひ聞いてもらいたいですね。
――ほかの作品よりも1人で話されることが多かったと思うのですが、その点について演じるうえで心がけたことはありますか?
松井:ゲームは、ある程度同じことを繰り返すことになるじゃないですか。だから、プレイヤーさんになるべく飽きてほしくないなと思って。ラビィのキャラは大事にしてるんですけど、「このセリフをこう読むんだ!」とプレイヤーさんの予想をいい意味で裏切り、罵れるように、自由に演じさせていただきました。感情の落差は、かなり激しくしましたね。
――吉田ディレクターから演技指導はありましたか?
松井:ほとんどなかったです。「今のラビィはキャラ崩壊してるかも?」なんて思ったときでも、寛大な判断をしていただきました。
吉田尚幹ディレクター:ラビィの50%は僕らが作りましたが、残りの50%は松井さんにお任せしたので、台本とト書きを読んで松井さんがそう判断したのなら間違いはないだろうと。僕はいつもこういう気持ちで声優さんとお仕事をしていますね。
――ご本人を前にして言いにくいと思いますが、松井さんのラビィを聞いてどんな印象を受けましたか?
吉田:やはり第一声を聞くまでは緊張しました。「松井さんにピッタリ!」というよりは「松井さんに任せたらおもしろそう」という理由でキャスティングしたので。でも今となっては、松井さん以外考えられないです。僕らにはなかったアイデアもたくさん出していただいて、一緒にラビィを作り上げることができましたから。「ラビィのよき伴侶が見つかったなぁ」という気持ちです。
松井:クライマックスのシーンでト書きに「今まで演じてきたラビィを思い出して、演じてください」と書かれていたのがすごく印象的でした。改めてそういう風に言ってくれる現場ってなかなかないので、それまでの収録を思い出しながら演じさせていただきました。
吉田:そこは一番大事なシーンで、自分では正直、ラビィがどういう気持ちになるのかわからなかったんですよ。だったら、これまでの収録を踏まえて松井さんが判断したことが正解だろうなと思って、そういうト書きを書いて。そのト書き以外はすべて消して、完全にお任せしました。
――そういえばラビィの本名はとてつもなく長いですが、覚えられましたか?
松井:本名を言うシーンがあって、たくさん練習したんですけど噛んじゃいました(笑)。
吉田:ライターに「ピカソみたいな名前にして」と言ったらこんな名前になりました。
――松井さんは普段ゲームで遊ばれますか?
松井:昔からけっこう好きですね。RPGとか、コンビニを経営したりだとか。自分で遊ぶだけじゃなくて、見ているのも好きなんですよ。昔から、兄が遊んでいるゲームをよく見ていました。それでレベル上げだけ手伝ったり。今でも、たまに実家で集まったときなんかは一緒にゲームをしますね。
――では最後に、『俺働酉』を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
松井:ラビィを演じるうえでは、いろいろとチャレンジさせていただきました。みなさんに受け入れてもらえるか少し不安はあるのですが、私自身はとても楽しかったです。収録がすべて終わってしまうのは寂しいですね。
ラビィはみなさんが冒険者派遣業をやっていく手助けをしたり茶化したり、ときにはキツイことを言ったり(笑)。とてもにぎやかですので、ぜひ最後まで遊んでラビィのいろいろな面を見ていただきたいなと思います。
7月23日発売の電撃PS Vol.595では、『俺働酉』の最新情報を掲載! インタビュー中に登場した“宰相”や“道化師”などのメインキャラを、吉田ディレクターのコメントを交えて紹介しているほか、“街”に関する新たなシステムもピックアップしている。
▲宰相。穏やかな印象を受けるが、ベールの下に隠されたその本心とは? |
▲道化師。宰相のお付きのようだが、その役割とは? |
▲家賃を払いつつ、自分の住む街に投資して発展させるのも『俺働』の楽しさの1つ。本作では街の要素が大幅にパワーアップしている。 |
なお、電撃PSはkindleやBook☆Walker、Reader Storeなどで電子版も配信中。こちらもお試しください。(電子版に電撃4コマは含まれません)
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※画面写真は開発中のものです。
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