7月18日・19日に埼玉・西武プリンスドームにて、『アイドルマスター』のライブイベント“M＠STERS OF IDOL WORLD!!2015”が開催された。

　765プロのアイドルから、『シンデレラガールズ』、『ミリオンライブ！』のアイドルまでが集結し、10周年という節目の年にふさわしい規模で開催されたイベントの模様をお届けする。

765プロを中心に展開したライブ1日目

　イベントは、もはや恒例とも言える高木社長のアナウンスから開始。高木社長のアナウンスの後はぷちますPから“ライブを10倍楽しむ方法”という注意事項が伝えられた。

　そして、『THE IDOLM＠STER』を皮切りにイベントは開幕。この10年で『アイドルマスター』の代表曲として熟成されたこの曲は会場のボルテージを一気に高めた。

　続いて流れるように『READY!!』へと曲は移り変わる。2011年に放送されたアニメのオープニング楽曲であるこの曲も大盛り上がり。まさに準備万端といった雰囲気になる。

　ここでアイドルたちの自己紹介へとパートは移る。アーケード版『アイドルマスター』の台詞でもおなじみの「ドームですよっ！　ドーム!!」がついに叶ったということで思いもひとしおだったようだ。

　MCあけからは春香の『START!!』で文字通りライブパートがスタート。会場はプロデューサーの赤いペンライトで真紅に染まった。この後は『ラムネ色 青春』、『Pon de Beach』と夏を感じさせる楽曲が立て続けに披露された。

　ライブ開始に喜んでいたのもつかの間、『待ち受けプリンス』や『YOU往MY進！』といった楽曲でガンガンとライブは盛り上がる。『YOU往MY進！』のサビでのタオルを振り回す光景といったら「すごい」のひと言に尽きる光景であった。

　『ALRIGHT＊』、『自転車』、『DIANOND』、『空』、『THE 愛』といったマスターアーティスト2に収録されている楽曲を中心に、序盤の大きな盛り上がりを作る最初のライブパートが繰り広げられた。

●西武プリンスドームスペシャルメドレー

　ここからはシンデレラガールズ、ミリオンスターズが会場にトロッコで登場。ライブで披露されたのは西武プリンスドームメドレーだ。

　アーケードの頃の楽曲をメインに、さまざまな楽曲が展開。『アイドルマスター』でも往年の名曲たちが次々と披露され、イントロが鳴った瞬間に会場のそこらかしこから喜びににた悲鳴が響いた。

　『ID：［OL］』がメドレーに組み込まれていたこと、『おはよう!!朝ご飯』、『ふるふるフューチャー☆』、『魔法をかけて！』といった曲もメドレーに組み込まれていたことが印象的だった。

●『アイマス』ワールドが濃厚に詰まった最終パート

　序盤、中盤と明るい楽曲が多く、楽しい気持ちも最高潮に。しかし、終盤はうって変わってしっとりとしたバラードやメロディアスな楽曲を軸にしたセットリストで進行した。

　沼倉さんが歌う『Rebellion』では、歌詞のフレーズにあわせて会場のペンライトが赤に切り替わる場面もあり、およそ3万人以上のプロデューサーによるペンライトの切り替えは圧巻のひと言。

　かと思えば、原さんが歌う『KisS』では妖艶さとミステリアスな雰囲気が会場を包む。曲中の台詞である「どこにキスしてほしい？」が発された後はご想像通り会場がうれしさのあまり絶叫した。

　そんな一面もありつつ、中村さんの『笑って！』では会場がどこか優しい気持ちに。中村さんの10年分の思いがのった『笑って！』は自然にプロデューサーたちを優しい笑顔にしてくれた。

　釘宮さんは『またね』を歌唱中に感極まる場面も見られたが、見事に歌いきってくれた。そして、今井さんが『細氷』をメインステージで堂々と歌い上げる。

　この時に会場外はすでに暗くなっており、会場のペンライトがとても幻想的な雰囲気を作り上げていた。

　終わってほしくないという感情が強くなってくる終盤だが、『LOST』、『私たちはずっと…でしょう？』、『Destiny』と曲は続いていく。

　最後はこの10周年のために書き下ろされた『アイ MUST GO！』が披露され、会場がとてつもない一体感に包まれる。

　もちろん、アンコールも行われ、ここでは『M＠STERPIECE』、『虹色ミラクル』、『THE IDOLM＠STER』が歌い上げられた。まだ、明日もあると思いつつ、この楽しい時間が終わってしまうと思うと、非常に感慨深い時間となった。

　最後はステージ上で2人ずつ挨拶をしながら退場。中村さん今井さんのノーマイクによる「ありがとうございました!!」が西武プリンスドームに、全国のプロデューサーに届いたことだと思う。

ライブは最終日へ

　始まりがあれば終わりもある……ということで、2日目のライブも始まった。この日は初日よりもかなり気温が高く、ライブの開始を待っているだけでも汗が止まらなかった。

　2日目も、もちろん高木社長のアナウンスからライブは開幕。その後にはアニメ『アイドルマスター』でプロデューサー役を演じる赤羽根健治さん、アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』でプロデューサー役を演じる武内駿輔さんが会場に駆けつけた。

　2人が会場に現れた時点で盛り上がりも大変なことになっていたのだが、ライブが始まってみるとものすごいボリュームのコール＆レスポンスが会場を包んだ。

　『READY!!』、『お願い！シンデレラ』、『Thank You！』と、765プロオールスターズ、シンデレラガールズ、ミリオンスターズがそれぞれの全体曲を披露し、『THE IDOLM＠STER 2nd-mix』を3チーム全員で歌った。2日目は『シンデレラガールズ』と『ミリオンライブ！』もあわさり、大きなステージも小さいと錯覚してしまうような熱気を感じさせてくれた。

●『アイドルマスター』が全員集合し、圧巻のパフォーマンス

　初日に続いて「おすわり！」といった会場との掛け合いが行われた後、ミリオンスターズの『Welcome!!』からライブがスタート。

　力強いミリオンスターズの面々のステージングから、次の曲である『キラメキラリ』のイントロが流れ出す。内心「うおおお！」と思った筆者、しかもアイドルたちがいないと思ったら会場上段あたりにゴンドラで平田さん、滝田さん、浅倉さんが登場。

　これはまさにドームという構造を生かしたパフォーマンスで、1・3塁側スタンドからバックネット側へゴンドラでアイドルたちが移動するというもの。

　特に2日目の公演では、このパフォーマンスが多く、スタンド席のプロデューサーたちもアイドルたちを身近に感じられたのではないだろうか。

　続いて今井さん、原さんによる『Vault That Borderline！』も披露された。また、765プロの先輩にも負けないという流れで『We’re the friends』や『星屑のシンフォニア』など『シンレラガールズ』、『ミリオンライブ！』の楽曲が立て続けに歌われた。

　そして、竜宮小町（下田さん、たかはしさん、釘宮さん）による『SMOKY THRILL』がメインステージを舞台に展開。アニメ版『アイドルマスター』でのシーンをどことなく彷彿とさせる登場で鳥肌がたった。

　この日はたかはしさんが演じる三浦あずささんの誕生日ということで、特別なステージになったと思う次第だ。

　さらに中村さんと沼倉さんによる『乙女よ大志を抱け!!』も歌われ、会場いっぱいに「レベルアーップ!!」も響いた。

　次のシンデレラガールズの『GOIN’!!!』を最後にライブはドリームメドレーへ突入。

●10年間の歩みを感じさせた『my song』に心を打たれた

　『GO MY WAY!!』を皮切りに、3チーム入り乱れた構成で繰り広げられたこのメドレー。『素敵なキセキ』は山崎さんと大橋さんが、『Super Lover』は渡辺さんと松嵜さんが歌うなど、本当にこのライブならではの構成で各楽曲が披露されたのがポイントだ。

　特に『あんずのうた』には、木戸さんと浅倉さんも参加し、このバージョンならではの雪歩の台詞が組み込まれるなど特別なメドレーになった。

　また、メドレーの後は2日連続で行われた『自分REST＠RT』から始まった。この曲は2日を通して本当に会場が綺麗なオレンジに彩られており、まさに会場全体の一体感を顕著に感じられた。

　その後は、『オーバーマスター』や『relations』といった曲もありつつ、『Memories』や『瞳の中のシリウス』といった歌い上げる楽曲も多数歌われた。

　この後半ゾーンで披露された曲の中でも『my song』はとても印象深かった。何故ならば『アイドルマスター』とともに10年歩み続けてきたメンバーのみで歌われたからだ。

　歌詞にはこれまでの『アイマス』の歩み、これからの『アイマス』の歩みとも重なる部分が多くあり、すべての言葉を噛み締めるように歌うアイドルたちにとても心を打たれた。

　この曲を聴いた感想は、とても文字にできるとは思えないというものだった。感じたことはプロデューサーによってさまざまだっただろうし、何より曲が終わった後のメンバーによるコメントが多くのプロデューサーの心に響いたことだと思う。

　シンデレラガールズによる『Star!!』、ミリオンスターズによる新曲『Dreaming！』などが行われた後は、全員による『M＠STERPIECE』で終盤は幕を閉じた。

　そしてアンコール1発目は『カーテンコール』で始まり、『THE IDOLM＠STER』、『アイ MUST GO！』という構成で10周年ライブは終了した。

　ライブ中に今井さんが発していた最強・最高のコンテンツという言葉がピッタリの10周年ライブだった。

　それを育て上げてきたプロデューサー、アイドルたち自身も最高の表情で公演を終えていたのが脳裏にすぐに浮かぶ。

　『アイドルマスター』が歩んできた10年という節目の年に行われたライブ。猛暑にもかかわらず、堂々のステージングを見せてくれたアイドルたち、負けじと会場を震わせるほどの声援を聞かせてくれたプロデューサーたちへ、思い出をありがとう。

●“M＠STERS OF IDOL WORLD!!2015”初日セットリスト

※敬略称

●“M＠STERS OF IDOL WORLD!!2015”2日目セットリスト

※敬略称

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