2015年7月23日(木)
『MHF-G』G8アップデートで登場するガスラバズラやジンオウガの生態とは!? 遷悠武具や天廊遠征録の新情報も
カプコンがサービス中のオンラインハンティングアクション『モンスターハンター フロンティアG』。7月22日に実施された大型アップデート“G8”についての開発者へのインタビューを掲載する。
『MHF-G』は、さまざまなモンスターが生息する大自然を舞台に、全国のハンターと狩りを楽しめるオンライン専用タイトル。定期的に実施されるアップデートによって、新たなフィールドやモンスターが追加され、“進化する狩り”を楽しめる。
待望のG8アップデートが実施され、狩猟熱の高まりを見せる本作。新たなモンスターのカテゴリーとなる“遷悠種(せんゆうしゅ)”の追加や天廊遠征録“第二区”の開放など、注目の新要素が満載だ。今回は、開発・運営チームを指揮する宮下輝樹さんと関野亮央さんの両プロデューサーにインタビューを行った。なお、インタビュー中は敬称略。
▲左が宮下輝樹プロデューサーで、右が関野亮央運営プロデューサー。 |
――まずG8アップデートのコンセプトを教えてください
宮下:大きな軸になるのはモンスターの豊富さです。とくに、これまで『MHF-G』をプレイされてこなかった方にも驚きを感じてもらえる“遷悠種”の登場が大きな注目を集めてくれるのではないかと思います。
関野:モンスターも当然ですが、新モンスターから作れる武器や防具にも注目してほしいですね。
――モンスターですが、パッケージを飾っているガスラバズラはどのようなコンセプトで生み出されたのでしょうか?
宮下:ガスラバズラは、かなり前から開発チームが構想していたモンスターです。怒り状態のときに大きく攻撃方法が変わるというのがコンセプトで“2面性”がテーマになっています。攻撃方法だけでなく、身体が大きくなったり、尻尾がぶ厚くなったりと、“変身する”といってもいいほど、見た目も変化します。
関野:ガスラバズラの変身については、似た特徴を持つエスピナスとの差別化も課題の1つでした。エスピナスのように怒り時にすぐに変化せずに、徐々にパンプアップするように身体の形態が変化していくのも、差別化を意識した結果です。
――通常時と怒り時で大きく行動や姿かたちが変化するようですが、具体的にはどのようなところが変わりますか?
関野:通常時は毒による攻撃をひんぱんに使用します。対して怒り時は、毒を使わなくなる代わりに、手で地面をえぐって砂の波を起こしたり、衝撃波を放ったりと、攻撃方法がダイナミックになります。このあたりの行動の変化は、実際に体験していただければハッキリと感じてもらえると思います。
――ガスラバズラは新フィールドの白湖(びゃっこ)に生息しています。この白湖のフィールドとしての特徴を教えてください。
宮下:ベースキャンプとエリアが1つしかないといったような、モンスターを狩るためだけのフィールドではなく、複数のエリアを持った広めのフィールドです。ギミックもしっかりあって、ガスラバズラ以外にも砂漠に生息している印象を受けるモンスターも出現します。
関野:フォロクルルと花畑とは異なり、ガスラバズラと白湖は強く結び付いているフィールドではありません。どちらかというと、砂漠との差別化によるギミックなどが、フィールドの大きな特徴となっていますね。砂漠とは環境が異なるので、
砂漠に出現するモンスターも、白湖には生息できないこともあります。とはいえ、水辺や洞窟などのエリアもあるので、出現するモンスターの種類にはバリエーションを出したいと思っています。
宮下:ちなみにG8アップデートで追加されるG級特異個体のディアブロス亜種は、白湖に出現しますよ。
――白湖で注目してほしいポイントはなんでしょうか?
関野:時間帯によるフィールドの変化に注目してもらいたいですね。僕個人としては夕方推しです(笑)。
宮下:細かい岩肌などに凝って作っているので、フィールドの空気感も感じてもらえれば嬉しいですね。
――ところでG8アップデートでは、非常に多くの獣竜種が登場している印象ですが、獣竜種を生み出すうえで苦労する点も多いのでは?
宮下:空を飛ぶ飛竜種と違って、攻撃パターンにバリエーションを出すのが苦労するところですね。今回、そのへんの攻撃のバリエーションには、力を入れています。毒を使ったり、変身したりというギミックにもこだわっているので、注目してほしいです。
――ガスラバズラを狩猟するためのアドバイスをお願いします。
宮下:毒による攻撃がやっかいなので、スキルで毒を無効化しておいたほうがいいかと思います。
関野:効率的な狩りを追及していくと、最終的には毒無効系のスキルは選択肢からはずれるかもしれません。それでも攻撃方法をじっくりと観察したいときには、毒を無効化しておいたほうがいいですね。
――新モンスターとしては遷悠種も登場します。遷悠種とは、どのような位置づけや設定のモンスターなのでしょうか?
宮下:『MHF-G』ではない、『モンスターハンター』シリーズに出ていたモンスターが遷悠種になっています。G8アップデートで登場する遷悠種は、ジンオウガ、イビルジョー、ブラキディオスの3体ですね。設定としては、今までメゼポルタには生息していたけれど、ようやく生態系がわかるようになってきたモンスターとしています。
――G級遷悠クエストはGR500以上しか受注できず、さらに元気のみなもとが使用不可です。どのぐらい高難度ですか?
宮下:難易度を非常に高く設定しているのは、ハンターの狩猟の目標になってほしかったからです。
関野:とはいえ、単純に天廊の番人や至天征伐戦の上を行く難易度というわけではありません。『モンスターハンター』シリーズのファンにはメジャーなモンスターなので、ただ難易度を高くするだけにはしないようにしました。
宮下:遷悠種は1日に4回以上挑むとクエスト報酬が減るのですが、ジンオウガに1日3回ほど挑んだらヘトヘトになると思いますよ(笑)。結果的には、受注の制限はそれほどネックにはならないと思っています。ちなみに“狩人応援コース”が有効な場合、4回目以降もクエスト報酬は減少しません。
関野:受注回数自体には制限はないので、練習はいくらでも可能です。そこは天廊の番人とは違うところですね。
――このタイミングでジンオウガが登場することになった理由をお教えください。
宮下:インパクトや人気を重視した結果ですね。ちなみに遷悠種は、“G8”ではほぼ1カ月おきに実装される予定です。ブラキディオスの実装までが少し時期が空いてしまうのは、爆破属性を調整しているためです。
――『MHF-G』のジンオウガやイビルジョーの特徴・アクションについて教えてください。
宮下:それぞれのモンスターらしさを残しつつ、全体的に攻撃アクションが強化されています。例えばジンオウガは、雷弾を飛ばす攻撃については、穿龍棍だと簡単にジャンプで回避できてしまっていたので、そのあたりの対策などを入れています。イビルジョーに関しては、シリーズファンにはおなじみの拘束攻撃も繰り出しますよ!
関野:ジンオウガのアクションに関しては、『MHF-G』のモンスターならではの印象を感じてもらえるかと思います。イビルジョーは一見するとそれほど『MHF-G』らしさは感じないかもしれませんね。ただ、『モンスターハンター』の遊びの原点みたいなものを感じてもらえるかと。
――HR100から挑めるジンオウガと、GR500から挑めるジンオウガの違いはなんでしょうか?
関野:G級のハンターにとっては、HR100の遷悠クエストはそれほど苦戦しないとは思います。そのぶん、生産できる武具は天嵐武具相当ですね。
――既存のモンスターでは、ディアブロス亜種、アビオルグ、モノブロス亜種がG級&G級特異個体として登場します。それぞれのポイントを教えてください。
関野:ディアブロス亜種は、特徴はそのままに、より手強くなっています。G級モンスターとしての狩りごたえは十分ですよ。
宮下:アビオルグも同様ですが、アクションはしっかりと強化されています。肉弾攻撃も多いですが、炎の攻撃も印象的になっています。
関野:モノブロス亜種は、今までの印象とは異なる派手な攻撃方法に注目してほしいですね。人によっては、同じ1人専用クエストのナナ・テスカトリよりも、手強く感じるかもしれません。
宮下:モノブロス亜種に関しては、プロモーションムービーに登場したときにユーザーさんから「あの白いモンスターは?」みたいな反応もありまして(笑)。1人専用で難易度も低いクエストしかなかったので、みなさんご無沙汰なのかもしれませんね。
――G8アップデートでは新たな始種としてヤマクライが登場します。こちらの特徴について教えてください。
宮下:始種のコンセプトどおりのモンスターです。動きとしては、見た目のとおりヤマツカミに近いですね。ただしヤマツカミと比べると、だいぶアクションがアグレッシブになっています。
関野:また、状態異常属性のスペシャリストです。同じく状態異常にしてくる攻撃が多いヒュジキキと比べると、攻撃アクションごとにどの状態異常を持つかがわかりやすくなっています。
――ヤマクライは高地に生息しています。エリア移動などはするのでしょうか?
関野:基本的には同一エリアでハンターを待っています。ヤマツカミの場合は出現するフィールドが塔で、移動に時間がかかり攻撃もしにくいので、結果的にプレイヤーを待たせている時間も多かったのが課題の1つでした。そういったストレスが少ないようにしています。とはいえ上空を飛んでいるという特徴はヤマツカミと同様なので、シジルでリーチを伸ばしたり、穿龍棍でジャンプをしたりするのが有効になっています。
――G8アップデートで登場するモンスターの実装時期を教えてください。
関野:7月22日にガスラバズラ、7月29日にジンオウガ、8月19日にイビルジョーが実装予定です。ヤマクライの実装は、そこから少しあとの9月ぐらいですね。10月にはブラキディオスが登場します。特異個体やG級モンスターに関しては、それらのモンスターの合間に実装していく予定です。
宮下:だいたい2週間に1体くらいは、新モンスターが追加されるペースです。
――現段階でG8アップデートでは数多くのモンスターが登場することが判明しています。これ以外にも、まだまだ新モンスターは登場しますか?
宮下:そこはまだ聞かないでください(笑)。ただし、“G8”期間に登場する遷悠種や始種に関しては、今までに発表されたモンスターですべてです。
――遷悠武具は、既存のG級武具や始種武具と比較して、どのぐらいの位置づけの性能ですか?
関野:単純な数値上の問題で、始種武具の上に遷悠武具があるという形にはせず、しっかり住み分けができるように調整しています。もちろん、ハンターのみなさんが遷悠武具を作りたくなるような性能にはしています。それでも武具カテゴリーとして、遷悠武具がヒエラルキーの頂点に立つということはないかと思いますよ。
――今のところ遷悠武器は“早食い”、遷悠防具は“激運”が発動しますが、他のスキルが発動する遷悠武具の予定はありますか?
宮下:遷悠武器はどれも同じく“早食い”が発動しますが、遷悠防具に関しては、種類によって発動スキルが異なります。例えばジンオウガの遷悠防具の場合、“雷属性攻撃【大】”のスキルが発動します。
――あとはLv.50のG級武器が派生強化できるようになります。G8アップデートでは、どのぐらいの本数が用意されているのでしょうか?
関野:まずは6本で、イビルジョー実装のタイミングでさらに6本が追加されます。合計で12本、それぞれの武器種に1本ずつ用意します。
――性能はどのぐらいですか?
宮下:派生後Lv1の時点で、Lv50のG級武器よりも弱くなるということはないです。
関野:再びLv50までの強化が必要にはなりますが、レベルを強化していけば、順調に性能が強化されていきます。
――強化にGR800以上が条件とした理由を教えてください。
宮下:目指すべき目標としての位置づけにするためですね。ハードルが高いぶん、性能は非常に優秀になっていますよ。
――スキルといえば新スキル「抜納術」が登場します。このスキルを追加した理由とオススメの運用方法を教えてください。
関野:“闘覇”との相性がいいですよね。汎用性の高いスキルなので、どの武器でも役立ちますよ。
――“抜納術”以外に、G8アップデートで新スキルは登場しますか?
関野:ヤマクライが状態異常のスペシャリストだけあって、ヤマクライの防具は状態異常攻撃をサポートする強力な新スキルが発動します。ただ状態異常攻撃を強化するだけではなく、新たに状態異常攻撃の運用方法を考えてもらえるようなスキルにする予定です。それによって、片手剣のような、状態異常に向いた武器にスポットが当たるかもしれませんね。
――新しい武具で注目してほしいギミックはありますか?
関野:ジンオウガの武器には、シリーズおなじみのギミックが実装されています。そのほか、Nポイントを使用するエクスカリバーやカドゥケウスなどは、やり過ぎかと思うくらい、バチバチ感を出しています(笑)。
▲写真は先日行われた“『モンスターハンター フロンティアG』公認ネットカフェ全国ツアー in 千葉”の際のもの。 |
――その他に注目してほしい武具を教えてください。
関野:個人的にはアビオルグの武具です。バタフライナイフのように折り畳めるのが特徴的な大剣も、特異個体の素材からしっかり強化できるようになっています。特異個体のモンスターで生産できる武具は、看板となる新モンスターと比べると注目度が低くなりがちですが、武器性能や見た目などで変化をつけています。
宮下:見た目で言えばヤマクライの防具でしょう! 公式サイトに掲載している画像のインパクトは必見です(笑)。
――G7アップデートで始種武具や“剣神”といったG級スキルの登場で、徐々に装備の流行が変わってきたように感じます。G8アップデートでは、さらなる装備の一新が行われそうな武具が登場しますが、どのような変化が起きると感じていますか?
関野:G級遷悠武具が、コーディネートの選択肢に入ってくると思います。ガスラバズラ武具の“抜納術”に関しては、複合スキルなのでスキル枠を圧縮する面でも使い勝手がいいという反応をいただければ、トレンドになるかもしれませんね。
宮下:まずはLv50G級武器の強化派生や遷悠武器が話題になるとは思いますが、もう少したつと、ブラキディオス武器の爆破属性にも注目が集まると考えています。
――天廊遠征録ですが第二区が開放されました。第二区をプレイするために必要な条件はありますか?
宮下:ある程度天廊遠征録の仕組みがわかっている人向けなので、TR51以上かつHR/SR100以上が第二区の条件になっています。
――第二区の造りやギミックについてのポイントを教えてください。
宮下:今まで立ち入り禁止になっていた区域だけあって、見るからにイヤらしいギミックがたくさんありますね(笑)。
関野:ギミックのこだわりと難易度の上昇で言えば、7対3くらいでギミック重視です。
難易度は、ギミックにひもづいて上がる感じです。どちらかというと、最初は「な
んだこの仕掛けは!?」みたいな反応を期待しています。
――合成で入手できる天廊石には、どのようなものがありますか?
関野:“三界の石”を始め、かなりいいものが合成できます。ちなみに天廊石を5個使って天廊石を再生することも可能です。こちらは使用した天廊石の種類に関係なくランダムで天廊石が入手できるので、使っていない天廊石のリサイクルが可能です。
――天廊武器に関しても、天封印の追加によって強化がされますか?
関野:天封印も追加されますが、強化というよりはバリエーションの増加といったほうがいいですね。天廊武具は、まだそれほどメジャーにはなっていないので、カスタマイズをより楽しんでもらえるようにしていきたいです。
――タワースキルのパワーアップには、どのようなものがありますか?
関野:第二区の登場に合わせ、既存のスキルのレベル上限の解放が中心になります。
――ロックオンカメラ機能をこのタイミングで実装したねらいは?
宮下:最近の『モンスターハンター』シリーズを遊んでいるユーザーさんにはおなじみの機能なので、もともと実装したいと思っていました。シリーズになじみ深い遷悠種が登場するタイミングで実装できました。
――レジェンドラスタ、パートナー、パートニャーといったNPCが強化されます。ラスタの強化は予定されていないのでしょうか?
関野:ラスタに関しては、プレイヤーの武具にバリエーションが依存するので、リファインなどでは直接的な強化の影響がわかりにくくなるのではと思っています。パートナーやパートニャーに関しては、強化が頭うちになっているプレイヤーも多かったので、今回上限を開放しました。そうなるとレジェンドラスタの強さがかすんでしまうので、合わせて強化しています。
宮下:まさにレジェンドになりましたね(笑)。
――GRの上限が899まで開放されました。ちなみに少し早いかもしれませんが、GRが999まで開放されたとき、その先の予定は決まっていますか?
宮下:先のことは考えていますが、現状ではまだ言えないところです。
――弓とライトボウガンがかなり強化されました。バランスを調整するうえで剣士用武器とは大きく違ったと思いますが、どのような点に気をつかいましたか?
関野:防具の生産に手間がかかるぶん、剣士でプレイされているハンターがガンナーに切り替えるのは少しハードルが高いんですよね。今まではガンナー系の防具は秘伝防具があればよかった時期もありましたが、それでも火力不足になってしまっていました。
宮下:実感できるほどの強化になったと思います。それでも、あまり極端に強化しすぎると、ガンナーはモンスターからの攻撃を食らいにくい強みがあるので、剣士用武器と差が付きすぎないようにギリギリまで調整しました。
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
宮下:今回のアップデートの売りはやはり新モンスターにあると思っています。G7アップデートのときにもたくさんのモンスターが登場し、武具やスキルの追加でユーザーさんに楽しんでもらいましたが、G8アップデートではより楽しんでもらいたいと考えています。ツタ登りも2倍近く速くなっていますので、そちらにもご注目ください(笑)。
関野:G8アップデートでは、モンスターのカテゴリーが増えたことに伴って、武器と防具にも注目が集まると思います。それでも、『モンスターハンター』の楽しさは、やはりモンスターを狩ることですよね。特異個体やG級モンスターも含め、今回のアップデートでは多くの新モンスターが登場します。それがG8アップデートの大きなテーマになってほしいですね。
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