2015年8月21日(金)
弘前 龍先生が執筆する電撃文庫『聖剣士VSブラック企業 ~ラノベ作家、社畜エルフを救う!?~』の紹介記事をお届けします。
電撃文庫編集部でも賛否両論だったという問題作がついに登場!! この不況時代、ブラック企業に勤める社畜エルフを救うのは、ペガサスに乗った“破邪の聖剣士”――!?
舞台は東洋の島国・ヤーパランド。かつては“ものづくり大国”と誇らしく呼ばれたエルフたちの国も、長引く不況のおかげでブラック企業が繁栄を極めています。
主人公のエルフ少女・森下カレナリエルは、高校を卒業してすぐに高級羽毛ふとんを訪問販売する会社・極楽真綿に就職した企業戦士です。1日17時間動労は当たり前!入社以来休日はナッシング!! ストレスと睡眠不足でつかの間の睡眠時間だけが天国……なのですが、そのふとんも営業成績を上げるために自社製品を無理やり購入させられたものだとか(涙)。
そんな社畜たちにも憧れのヒーローがいます。その名も“破邪の聖剣士”。彼はブラック企業の幹部たちを聖剣で斬ることで、欲にまみれた心を浄化するらしいのですが……。登場するブラック企業は、高級ふとん会社に、ブラック編集長が支配する異世界ラノベレーベル“雷撃文庫”――!? 前代未聞のブラック企業ファンタジー開幕です♪
こんな作品を書くなんて、著者の弘前氏はまさか……編集長と編集部に恨みでもあるのか!? 気になる真相は、ぜひ巻末のあとがきを読んでみてください!
とにかく、社畜エルフの森下カレナリエルが愛らしいです。素直でがんばり屋でブラック企業の悪待遇を恨むどころか、自分の無能さを責めてしまうタイプ。口癖は「もっとがんばらなきゃ!」……いやいや、作戦は“いのちだいじに”でいきましょうよ~(号泣)。
でも、このカレナちゃんは困り顔が似合います。だからついつい、「ブラック企業に負けないで!!」と応援しながらも、もっと困らせたくなる衝動が芽生えるというか。きっと多くの読者さんも共感してもらえるはず。これが恋……なんでしょうか?
オススメは雷撃文庫編集部のバイトに採用された時、ブラック編集長の命令でエロい応募原稿を無理やり声に出して読むシーンです。きっとドキドキが止まりませんよ!!
ブラック企業に翻弄されるカレナちゃん。はたして理想の職場はどこに――? そうそう!本作に登場するのはエルフの会社なので、蘇生アイテムで社員を生き返らせるシーンも。ブラックユーモアとファンタジーの融合が絶妙なのもグッドです。
(C)弘前 龍/ KADOKAWA CORPORATION 2015
イラスト:100円ロッカー
データ