2015年9月6日(日)
放送中のTVアニメ『がっこうぐらし!』について、第9話のアフレコ終了後に太郎丸役の加藤英美里さんへ話を伺ったインタビューを掲載する。インタビューでは、加藤さんが太郎丸を演じる上でのポイントや、加藤さんが幼稚園に通っていたころのエピソードなど、楽しい話をたくさん語ってくれている。
――公式サイトに掲載されている座談会でも話題にのぼりましたが、加藤さんは実際にアフレコが始まるまで、原作の内容をご存知なかったそうですね。
加藤英美里さん(以下、加藤):はい、アフレコで内容を知って、すごく驚きました。ただこの第9話の収録中に監督から、これから先の太郎丸のストーリーについて伺っちゃったんです。ネタバレにならない程度に、ふわっとした感じではあるんですけど。
――なるほど(笑)。
加藤:なので、太郎丸に関しては「そういうことがあるんだな」と、なんとなく察した状態ではあります(笑)。
――この第9話は、このところのシリアスな展開から一転、学園生活部がプールで遊びという、いわゆる水着回(笑)でしたね。
加藤:そうですね。みんな楽しそうに遊んでたんですけど、なんというかこう、逆に不安になりました(笑)。あまりにも楽しそうだとかえって、これが“輝かしい思い出”みたいなことになるんじゃないか、みたいな気持ちになっちゃうんですよね、『がっこうぐらし!』の場合は。
――その気持ちはわかります(笑)。
加藤:前フリっぽい感じに思えてしまうという……。ただ、演じているときは本当に楽しかったですね。ゆきちゃんが率先して始めた水遊びに、太郎丸も一緒に参加できて。しかもみなさん、アドリブをたくさん入れていたので、そういう意味でも楽しかったです。
――太郎丸は、学園生活部のマスコット的な立ち位置なわけですけども、加藤さんはどういったところに気をつけて演じていらっしゃるんでしょうか?
加藤:そうですね……。太郎丸とあの4人がつくる、学園生活部の空気というものがあると思うんです。そのあたりはやっぱり意識しますね。たぶんみんなが不安を抱えている状況ではあるんですけど、それをちょっと拭ってあげるような鳴き声だったり、あるいは少しほんわかするような空気。そういうものが作れたらいいな、と。
――太郎丸にはシリアスな空気を変える、ムードメーカー的な部分がありますよね。
加藤:真剣な話し合いの途中で、こう、ひと声鳴いたり(笑)。シリアスな話が続いているときに、パッと太郎丸が出てくると「あー、ちょっとホッとするな」って、そういう感じが作れるといいな、と思っています。
――今回、演じられてみて印象的だったシーンはどこでしょうか?
加藤:今回はやっぱり、太郎丸が美紀に懐く場面ですね。いままでは美紀が太郎丸に触ろうとしても、なかなか触らせてくれなくて。プイッとそっぽを向いちゃうことも多かったんですけど、今回はついに、CDプレイヤーをきっかけに、太郎丸が少し美紀に心を許すというか……。彼女を慰めるシーンがあって、距離がグッと縮まるんですよね。たぶん美紀も嬉しかったと思うんですけど、演じている私も「あーっ、やっと美紀に懐ける!」と思って(笑)、嬉しかったです。
――ようやく心を許した感じがあった。
加藤:やっぱり美紀にだけ冷たいというのは、演じている私自身にも、心苦しいところがあったので(笑)。これは私の解釈なんですけど、美紀がずっと大事に持っていたCDプレイヤーを見て、太郎丸も「あれは圭の持ってたCDプレーヤーだ」って認識したんだと思うんです。美紀はいまでも圭のことを忘れてないし、今でも大事に思っている。その心情を太郎丸も、ようやく理解したというか。実際のところはわからないですけど、「許してやろう」と思ったんじゃないかな、と思うんです。
――そうやって考えると、結構、太郎丸は頭がいいですよね。
加藤:そうですね! 意外と場の空気も読むし、鳴き声も本当に会話しているみたいだし(笑)。太郎丸は結構、表情が豊かで、みんなを和ませたかと思えば、その場を乱したりとか……。人間らしいところがあったかと思うと、犬っぽい部分もしっかりあって、その落差が演じていて楽しいです。
――なるほど。もしこの世界に放り込まれたとしたら、加藤さんはどんな行動をすると思いますか?
加藤:私はたぶん、生きていく希望が持てないと思うので(笑)、自分から噛まれに行っちゃうかもしれません。
――諦めちゃう方なんですね(笑)。
加藤:諦めちゃうかもしれないですね。“いつ襲われるかわからない”という、恐怖とかプレッシャーに耐えられないと思います。なので、学園生活部の4人は、本当に「強いな」と思いますね。
――じつはこの質問、ほかの出演者の方にも伺っているんですが、結構、諦める人が多いんです。
加藤:あっ、そうなんですね!?(笑) 希望がどこかで見い出せればいいと思うんですけど、このままの状態だと学校から出ることさえ難しいじゃないですか。なので、うーん……。やっぱり諦めちゃうと思います(笑)。自分だけ生きててもしょうがないですしね。
――なるほど。少し話は変わりますが、今回は学園生活部の4人がプールで遊ぶエピソードでした。加藤さん自身、“プール”と聞いて思い出すことはなにかありますか?
加藤:実は私、小さいころから、ずっとスイミングスクールに通ってたんです。なので、水泳は得意な方なんですけど、幼稚園のときに先生からもらったメモというのがあって……。
――メモですか?
加藤:出席手帳というか、幼稚園に行ったときにシールを貼ってもらう手帳があったんですけど、月の最後には先生からコメントをもらえたんです。で、たぶん8月のコメントだったと思うんですけど、幼稚園でプール開きがあったらしくて、「英美里ちゃんが率先してプールへ飛び込んで、そのあとみんなが英美里ちゃんに続くように飛び込んでいきました」と書かれてたんです。
――あはは(笑)。
加藤:「あっ、そんなことがあったんだ!」と(笑)。記憶にはないんですけど、子どものころの自分がよくわかるなって。
――意外と活発なタイプだったんですね。
加藤:そうですね。結構、三輪車の取り合いとかもしてたみたいで(笑)。幼稚園のころは暴れん坊だったみたいです。ただプール自体が好きで、きっと「私は泳げる!」って、自慢したかったんでしょうね(笑)。
――第9話でいくと、くるみタイプですね。
加藤:あー、そうですね! もう、率先して飛び込むタイプ(笑)。今でもたまに、泳ぎにいったりします。
――では最後に、これからの展開で期待をしているところをお聞かせ下さい。
加藤:太郎丸の最後のカットが気になるんですけど、実はそこについては監督に聞いてしまったので……(笑)。それとは別にお話全体でいえば、やっぱり解決策がきちんと見つけられるといいなと思いますね。ここまで頑張って生き延びてきたので、学園生活部のみんなには、最後まで生きていてほしい。このあとは誰も死んでほしくないなと思います。
(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会