2015年9月18日(金)
SCEとフロム・ソフトウェアのタッグで世に生み出され、全世界累計210万本を売り上げている『Bloodborne(ブラッドボーン)』。SCEJAプレスカンファレンスで、待望の大型エクスパンション『The Old Hunters』が11月24日に配信されることが発表され、多くのファンがその情報に歓喜したことだろう。現在開催中の東京ゲームショウ2015では、早くも『The Old Hunters』の一部を試遊することができた。
新たなステージを舞台に今回新しく確認できたのは、仕掛け武器(右手武器)2種、獣狩りの銃器(左手武器)1種、秘儀1種、アイテム1種。また、新たな敵は大型の敵が1種、ボス“醜い獣、ルドウィーク”だった。今回はそのプレイ体験をレポートをしていこう。
“狩人の悪夢”という地名が示すとおり、“メンシスの悪夢”のような地形に、ゴシック調の人工建造物が立ち並んでいた。ただし、そこに“メンシスの悪夢”のような整然さはなく、まるで“悪夢の辺境”と“聖堂街”や“旧市街”が不安定に融合してしまったかのよう。体験できた範囲は広くはなかったが、非常に入り組んだ構造となっていた。筆者が道に迷い、コンパニオンさんにどこに行けばよいか尋ねてしまったのはここだけの秘密だ。
▲今回プレイできたエリア、“狩人の悪夢”のイメージイラスト。真っ赤な血だまりに濡れた大地を、歪んだ月が照らし出す……。 |
また、今回のプレイでは多くの敵対狩人と遭遇した。この敵対狩人たちはプレイヤーだけでなく、獣にもガンガン攻撃をしていく。狩人と獣の見境いなく、ただひたすらに狩りを行う敵対狩人が多数いるのは、さすが“狩人の悪夢”といったところか。
▲血に酔い、悪夢にとらわれた狩人のイラスト。手に持った仕掛け武器は、今回使用できた蛇腹剣だろう。(装備については後述) |
敵対狩人の中にはDLCのトレーラーで公開されていた“長柄のハンマー”を持っている者もおり、こちらは仕掛けを発動すると武器に火炎属性が付与されるようだった。
一方、協力してくれるNPC狩人にも会うことができた。地面に描かれた魔方陣の上で狩人呼びの鐘を鳴らすことで召喚可能となっており、今回協力してくれたのは“古狩人 流浪のヤマムラ”。和風な名前の通り、装束も和風で仕掛け武器は千景を持っていた。
また、獣狩りの銃器は今までに見たことがないもの。携帯できる捕鯨砲のような形状をしていたが、ヤマムラの行動までじっくり観察している余裕がなく、今回は使用しているシーンを見ることが出来なかった。その形状からすると、敵を足止めしたり、引き寄せる効果がある……?
▲事前に公開されていた和装の狩人。彼がおそらく今回登場したヤマムラだろう。 |
本編ではガスコイン神父などがNPC狩人としてプレイヤーに協力してくれたが、彼はどのような理由で獣狩りに参加し、どのような運命を辿るのだろうか。
今回の試遊では3人の狩人から1人選んでプレイができ、それぞれが異なる装備・道具を持っていた。順に紹介していこう。1人目は“Charred Hunter”。日本語に訳すなら“煤けた狩人”といったところか。
装備していたのは非常に重量のある蛇腹剣のようなもの。仕掛け発動前は“獣狩りの斧”のように威力のある攻撃が、仕掛け発動後は“仕込み杖”のように広範囲への攻撃が、それぞれ可能だ。
ただし、いずれの状態も振りが遅く、攻撃判定が発生するまでに時間がかかる。使いこなすにはコツがいりそうだが、個人戦でも集団戦でも大火力で応戦できるのは魅力だろう。
2人目は“Harrowed Man”。“かきむしられた男”だろうか? 装備していたのは弓。仕掛け発動前はシミターのような形状をしており、“慈悲の刃”のように軽快な連続攻撃を行えた。仕掛けを発動させると弓の形状となり、両手持ちに。水銀弾を消費して矢を放つことができる。
集団に囲まれると苦戦を強いられるだろうが、1対1の戦いでは一定の距離を保つことで一方的な攻撃が可能となりそうだ。また、このキャラクターは左手に“拳”を装備しており、この鈍器で敵を攻撃すると敵をよろめかせることができた。タイミング次第では敵をひるませ、内臓攻撃のチャンスを作ることができるのだろうか?
▲事前公開されたビジュアル。弓状態の溜め攻撃はそこそこのダメージを与え、敵対狩人を吹き飛ばすこともできた。 |
3人目は“Mensis Scholar”、メンシス学派の学者だ。頭にちゃっかり“メンシスの檻”を装備していた点が個人的にツボだった。このキャラクターは新規武器を装備してはいなかったものの、新しい神秘を使うことができた。内容は水銀弾を1消費し、前方に直線移動を行う光の玉を射出するというもの。スピードは銃器による射撃には及ばないものの、“処刑人の手袋”よりは上で、威力もそこそこ。低コストということとあわせて、神秘系のキャラクターにとって、使い勝手はかなりよさそうだ。
▲こちらも事前に公開されたもの。“夜空の瞳”と言うアイテムを装備することで使用可能になる。 |
以上、3人の狩人を駆け足で新武器・新秘儀について紹介したが、今回体験できた武器は、従来の武器よりもクセがありつつも、使いこなせば真価を発揮する予感を感じさせた。逆に秘儀については、今回の追加により、手軽に神秘にパラメータを振ってもいいかも? と思わせる内容。
キャラクターのビルドを行うにあたり、ますます多様性が増し、どのパラメータを成長させるか迷う楽しみを味わえそうだ。
プレイ中には、“解体人”をさらに大型にしたような敵とも遭遇。ただ、“脳喰らい”のように口元に多数の触手が確認でき、HPを半分以下ぐらいまで削ると、触手でも攻撃をしてくるように。パワータイプの眷属は本編に登場してこなかっただけに、この敵のストーリー上での立ち位置も気になるところだ。
そして今回死闘を演じたボスは“醜い獣、ルドウィーク”。その姿はもはや獣という表現がふさわしくないほどの異形。にもかかわらず、登場シーンでは人語を話し、殺してくれと懇願していた。“ルドウィークの聖剣”に支えられたプレイヤーたちにとっては、複雑な気持ちになること間違いなしのシーンだろう。
そのシルエットは“教区長、エミーリア”の獣化がさらに進んだうえ、“星の娘、エーブリエタース”のような名状しがたい何かが全身に生えている、と言えば伝わるだろうか。
▲“醜い獣、ルドウィーク”。毛が抜け落ちた表皮はヌメヌメとしており、獣というよりはどちらかというと“上位者”のようにも見える。 |
さて具体的な戦闘内容だが、ボス直前に“流浪のヤマムラ”を呼び出すことができたので、2対1での戦いとなった。距離をとると、首元に生えたもうひとつの口からブレスを吐いて攻撃してきたのが印象的だったが、ヤマムラに敵の攻撃が向いている間に攻撃を重ねる、という基本的な戦法で危なげなく撃破。足にダメージを蓄積させることでダウンが取れることも確認できた。
背後に回ると蹴られそうだったので、主に横方向から攻撃し続けたのが功を奏したのかもしれない。道中で“時限式火炎瓶”という新アイテムを入手していたので、惜しみなく使用したのも有効だったと思われる。このアイテムはピンがついており、投げると相手に刺さり、一定時間後に爆発するというもの。
地面に設置すれば、道中の戦いでも有利に働くかもしれない。また、今回新規実装された秘儀を当てると、他の敵に当てたときよりも明らかにダメージ量が増加していた。弱点として設定されているのかもしれない。
▲“醜い獣、ルドウィーク”との戦闘風景。飛びかかって引っかいたり、天井に上って頭上から攻撃してきたりと、機動力に富んだアクションも多かった。また、今回は“ボスのHPを削ると攻撃が激しくなる”という本作おなじみの行動は確認できなかった。配信版ではさらに攻撃が激しくなるかも……? |
『The Old Hunters』というタイトルが示すとおり、本作では数々の古狩人、獣、そして上位者たちの死闘が繰り広げられるのは間違いない。願わくばその死闘を通じ、本作に隠された“真実”が少しでも明るみになり、我々の啓蒙がさらに高まればよいのだが……。今は期待して、11月24日が来るのを待ちたい。
大型DLC『Bloodborne The Old Hunters』は11月24日に配信される。価格は2,000円(+税)。なお、本編とセットになった完全版『Bloodborne: The Old Hunters Edition』も12月3日に発売。価格は、パッケージ版が5,900円(+税)、ダウンロード版が4,900円(+税)となる。
■東京ゲームショウ2015 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2015年9月17日~18日 各日10:00~17:00
一般公開日……2015年9月19日~20日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
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