2015年9月18日(金)
PS4版『オーディンスフィア』レビュー。アクションが軽快になり、おもしろさ倍増【TGS2015】
千葉・幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2015。そのセガゲームスブースで、アトラスが2016年1月14日に発売するPS4版『オーディンスフィア レイヴスラシル』をプレイしてきましたので、感想をお届けします。
TGS2015版では、グウェンドリン、コルネリウス、メルセデス、オズワルド、ベルベットの5人の主人公の中から1人を選んで、ステージの奥にいるボスを倒すまでプレイできます。
この記事では、グウェンドリンでプレイした感想をお届け。時間が許す限り他の主人公もプレイしようと思っているので、プレイ次第、記事に感想を追記していきます。
【関連記事】PS2名作集。おすすめゲームを編集/ライターが選出【プレイステーション2 15周年記念】(※筆者が『オーディンスフィア』を選出し、思い出を振り返っています)
プレイ感想:グウェンドリン編
■HD化の恩恵は画像がキレイになっただけじゃない
プレイしてすぐに感じるのは、視野が広くなったこと。『オーディンスフィア』は登場キャラのスケールが比較的大きくデザインされているので、数体のキャラが一画面に存在するだけでフィールドがいっぱいいっぱいになってしまう印象でした。
それがHD化にともない画面が横に広がったので、自分と敵との距離に余裕が生まれてプレイしやすくなっています。右上のマップを見ておらず、気づいたら敵が目の前に、なんて事態はなくなりそうです。
PS2版は基本的に横移動のみのゲームでしたが、『レイヴスラシル』では上下に移動するステージ構成が増えたこともあってか、縦方向の視野も広がっている印象でした。
■スピード感は『朧村正』寄り
アクション部分はかなり軽快に生まれ変わっています。ヴァニラウェアファンにわかりやすく説明すると、『オーディンスフィア』特有の重厚さを多少残しつつ、『朧村正』に近づけたスピード感、といったところでしょうか。
『朧村正』ほどキャンセルしまくりでやりたい放題、という感じではありませんでしたが、通常攻撃をキャンセルしてスキルを発動したり、回避ボタン(R1で発動。空中可)で緊急離脱したりとアクションとしての軽快さは格段に向上しています。
通常攻撃→浮かし攻撃→スキル攻撃→空中で拾って通常攻撃→打ち下ろし攻撃とコンボをつなげ続けることもできました。ちなみにレベル8でもこれだけ攻撃を続けられたのですが、一部キャラを除いてパワーゲージが存在しないため、ゲージが尽きて何もできなくなる、なんてことはありませんでした。
本作特有のフォゾンもいちいち吸収する必要はないようで、体当たりしたり攻撃したりすれば拾えるのでテンポがいいです。ちゃんと武器の経験値になっているかどうかは、今回の試遊ではわかりませんでしたが(笑)。
この他、左右ボタン+攻撃で突進攻撃のようなものを出せました。使うと攻撃しつつ敵をすり抜けられるので、PS2版と同じ構成ならストーリー最初のボス戦で使うと簡単に背後をとれるので楽に倒せそうですね。
ちなみに、敵が多数登場しても処理落ちはしませんでした。
■スキルがガラリと変化
今まで特に操作説明もなしにプレイしていたのですが、操作方法が書いてある紙を見ておどろきました。それが何かというと……。
・R1+□:フォゾン放出
……もしかしてサイファースキルのコールフォゾンを覚える必要がなくなったの? とスキルウインドウを開いてみると、グウェンドリンは4つのスキルを持っていました。
【グウェンドリン所持スキル】
・アイシクルウェイブ
・アイスショット
・ニードルストライク
・ハイスラスト
昔と全然違うんですけど! しかもアイテムで“オーバーロード”の存在を確認したので、スキル部分はPS2と別物かもしれませんね。まだ他の主人公をプレイしていないのでわかりませんが、それぞれ固有のスキルを持っているのかもしれません。
PS2版のサイファースキルは共通するものばかりで、主人公ごとの差別化があまりされていませんでした。これであれば、主人公ごとに違ったアクションを楽しめそうです。
ちなみに、アイシクルウェイブが周囲の地面から氷を発生させて周りの敵を巻き込む攻撃、アイスショットが数発の氷の追尾弾を発射する遠距離攻撃、ニードルストライクが多段突き、ハイスラストが対空攻撃でした。すべて通常攻撃をキャンセルして発動できます。
●動画:『オーディンスフィアL』キャラクター紹介“グウェンドリン”ストーリー編
【15時追記】プレイ感想:メルセデス編
■弾切れの心配がほとんどなくて快適
続いてプレイしたのは、後半の成長具合に泣かされたり、能登麻美子さんの好演が印象的だったメルセデスです。
PS2版での彼女の特徴は、二段ジャンプ後に空を自由に飛べること、タメ撃ちで追尾弾を撃てること、弾切れ後にリロードモーションがあることなどでした。頻繁にリロードしなくてはいけないので、皆さん、能登さんの「よい、しょっ」というかわいらしいセリフを何度も聞いたことでしょう。
『レイヴスラシル』での彼女は、□ボタン長押しで防御、↓+□長押しでタメ攻撃(上空に発射)を繰り出せます。問題のリロード部分は……ほとんど気にする必要なし!
攻撃ボタンを連打しまくってもゲージの減りが非常に遅く、火力がかなり増していて爽快でした。自動で回収できるフォゾンでどんどんゲージが回復していくので、立ち止まってゲージを回復させる必要は今回体験した限りではありませんでした。
攻撃テンポが上がって火力も上がってといいことずくめですが、唯一の欠点は能登さんの「よい、しょっ」を聞く機会が減ることですね。
■殲滅力が高いスキル構成
メルセデスのスキルは以下の4つでした。
●メルセデス所持スキル
スキル名 | 効果 |
ラウンドショット | 強大な魔弾を前方へ発射する |
エナジーショット | 一直線に貫通する魔弾を発射する |
ハンターショット | 敵を追尾する魔弾を複数発射する |
ルナサイドショット | 弧を描くように跳躍しながら地上に向かって魔弾を連射する |
貫通レーザーを放つエナジーショットは、よく横一列に敵が出てくる本作では非常に有用。3つの巨大な追尾弾を発射するハンターショットは、複数の敵に囲まれた時に何度も使うと画面上をいくつもの巨大な弾が飛び回り無双できます。
スーパーアーマーでなければ、攻撃によって敵を硬直させつつ背後に回れるルナサイドショットも使っていて気持ちいいスキルでした。
遠距離で上記スキルをひたすらぶっ放していれば敵がどんどん倒れていくという、爽快感のあるキャラに生まれ変わっていました。
ちなみに、グウェンドリン編で書き忘れたのですが、スキルはL1ボタンで開けるスキルメニュー内でショートカットコマンドを割り振ることが可能です。各方向ボタン+○や↓↑+□などで好きなスキルを発動できるので、格闘ゲームのような感覚で戦えますよ。
●『オーディンスフィア レイヴスラシル』キャラクター紹介“メルセデス”アクション編
【16時50分追記】プレイ感想:オズワルド編
■バーサクの全能感が◎
続いては、個人的に『オーディンスフィア』で一番好きだったキャラ・オズワルドの感想をお届けします。
もともと、PS2版で非常に強いアタッカーだった彼。『レイヴスラシル』ではバーサク状態(R1+△で発動)が長く続きますし、スキルが増えたこともあってさらに強くなっている印象です。
●オズワルド所持スキル
スキル名 | 効果 |
イービルラッシュ | 前方へ徐々に激しくなる滅多斬りを繰り出す |
フェイタルレイド | 斜め上へ黒炎をまとった上昇蹴りを放つ |
レイジングヴォイド | 敵を引き寄せる効果のある巨大な黒炎を発生させる |
サーペントグリーフ | 前方へ跳ね回る黒炎を放つ |
バーサク後にガチャプレイをしているだけで、圧倒的なスピードをもって敵を殲滅してくれます。試遊版のボスにほとんど何もさせずに勝ってしまうほどの強さで、バーサク+イービルラッシュの手数の多さは笑ってしまうほど。エフェクトと与ダメージの数値で画面が埋まります。
ちなみにイービルラッシュのラッシュ時間は非常に長く、攻撃を外すと遥か前方まで滅多斬り状態で進んでくれます(笑)。途中でキャンセルする方法はあるのでしょうか? 今回の試遊では見つけられませんでした。
あと、二段ジャンプ後に×ボタン長押しで、黒い空間に飛び込んで姿を消した状態で移動できます。移動スピードは遅めですが、安全にボスの背後をとれるので多用しました。
●『オーディンスフィア レイヴスラシル』:キャラクター紹介“オズワルド”~アクション編~
総括:バトルが爽快になり、名作が超名作に生まれ変わった
個人的には、2007年に発売された『オーディンスフィア』はPS2の中でトップ3に入るおもしろさだと思っているのですが、アクションがちょいともっさりしている、次第に作業的になっていく、という問題点も確かにありました。
ストーリーや演出、グラフィックは間違いなくPS2最上位なので、アクション部分さえ改善すれば……とは常々思っていたんです。
今回の試遊で、そんな残念だった部分が改善されていることが確認できました。細かいことは気にしない人におすすめしたい名作が、誰にでもおすすめできる超名作に生まれ変わったと確信しています。
それにしても、一日使ってもコルネリウスとベルベットを触れなかったのはくやしかった!
●動画:『オーディンスフィア レイヴスラシル』キャラクター紹介“コルネリウス”アクション編
■東京ゲームショウ2015 開催概要
【開催期間】
ビジネスデイ……2015年9月17日~18日 各日10:00~17:00
一般公開日……2015年9月19日~20日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料
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