2015年9月30日(水)
杉井 光先生が執筆する電撃文庫『夜桜ヴァンパネルラ』の紹介記事をお届けします。
ニート探偵という設定が話題を呼び、TVアニメ化もされた電撃文庫の人気作『神様のメモ帳』。その作者・杉井 光氏が放つ新作ノベルが到着です!!
今回の物語は東京で暗躍する吸血鬼犯罪を取り締まる≪刑事もの≫。ここでいう吸血鬼とは――正しくは“吸血種”、警察用語では“マル吸”といい、血を媒介とした伝染病を患った人間のことです。
主人公は警視庁刑事部捜査九課に所属する2人――。 吸血種でありながら、同族を狩る宿命を背負った美しき警部・櫻夜倫子。 幼いころに両親を吸血種に殺され、市民を守る刑事に憧れる新人刑事・桐崎紅朗。 この吸血種を取り締まる唯一の部署に所属するコンビが、一般市民の血を求めて罪を犯すマル吸たちが起こした事件を捜査していくという流れです。
血液の過剰摂取と極度の感情爆発で人狼と化す者、吸血種感染を広める謎のクスリの存在――。凛子と紅朗は、物語の冒頭からさまざまな事件に遭遇します。怪事件の犯人を追う刑事ドラマが大好きな方は、きっと気に入るはず。 さらに、対吸血種のバトルアクションに謎解き要素が加わって、先の見えない展開にハラハラさせられることでしょう。
事件によって導かれた先に、どんな真実が待っているのか。その時、2人はどのような決断をするのか……。若き警察官の活躍にこうご期待!
刑事ドラマで、かつ名コンビが活躍する物語は見どころがありますよね? 本作の主人公・櫻夜倫子と桐崎紅朗もなかなかの名(迷?)コンビぶりを発揮しているので注目です!!
この2人の場合、とにかく性格が正反対。吸血種の倫子は外見こそ涼しげな美少女に見えますが、内面に激情を隠している知的な女性です。自らの体に流れる呪われた血ゆえ、同僚に差別的発言をされようともグッと腹に溜めて任務をこなしています。
一方、新人刑事の桐崎紅朗は、人一倍仕事熱心なのですが、天然気味でおバカ発言多し!! 彼の脳内辞書では、遺伝子のDNAは「どんなに泣きたい時でも諦めちゃいけない」の略らしいです。冗談なのか、本気なのか……。
でも、紅朗の底抜けの明るさは、血なまぐさい事件の多い本作において、絶妙な息抜きになっているのは確か。その無邪気な姿に、つい凛子もペースを乱され、オチャメな素顔を見せたりします。
物語が進むと、凛子の東大時代の同級生で監察官の八神(血が苦手……)が登場するのですが、3人がそろった時の会話は意見が合わな過ぎて、まるで漫才のよう。エリート意識が高いこの監察官は、なぜかおバカな紅朗と張り合っていて笑いを誘います。 吸血種の起こす怪事件と合わせて、このトリオの漫才――もとい、活躍もお楽しみに!
(C)杉井 光/ KADOKAWA CORPORATION 2015
イラスト:崎由けぇき
データ