2015年9月18日(金)

『Horizon Zero Dawn』インタビュー。UIやクラフトシステムについて開発者が語る!【TGS2015】

文:電撃PlayStation

 2016年発売予定のPS4用ソフト『Horizon Zero Dawn』は、『KILLZONE』シリーズを手がけた“Guerrilla Games”が開発中の完全新規のアクションRPGだ。

『Horizon Zero Dawn』

 現在開催中のTGS2015では、国内初となる本作のセッションがメディア向けに行われ、本作のシニアプロデューサーであるMark Norris(マーク・ノリス)氏が本作の魅力を語った。

 ここでは、今回のセッションで明らかになった新たな情報をもとに『Horizon Zero Dawn』の特徴について、あらためて説明していこう。

『Horizon Zero Dawn』の世界

 本作は、ポストアポカリプス(世界が破滅したあとの世界を描くジャンル)的な設定ではあるものの、人類滅亡から数百年後を描く一般的な同ジャンル作品とは異なり、それよりもさらに後の時代――“世界の破滅から1000年以上経過した世界”を描いているのが特徴だ。

『Horizon Zero Dawn』

 人間の文明は退行し、いくつかの都市や集落に分かれて、原始的な生活を行っているようだ。人類が世界を支配していない状態での人間の在り方を描く。それが本作のテーマの1つであるという。プレイヤーは、そういった時代に生きる1人の人間“アーロイ”として旅をし、数々の謎に触れていくことになる。

 人の支配がおよばなくなったことで、数千年間人類が立ち入ってないような場所も存在する。『Horizon Zero Dawn』では、そういった場所にプレイヤーが訪れることで、本作の世界の謎を解き明かしていく。

“ウォッチャー”と呼ばれる謎の機械たち

 先日公開されたトレーラーでも確認できる、獣のような姿をした機械たち。彼らは、まるで命を持った動物のようにフィールドで活動している。

『Horizon Zero Dawn』

 “ウォッチャー”と呼ばれる小型の動物型の機械は、その名のとおり斥候(せっこう)の役割をはたし、“敵を見つけると周囲に警戒をうながす役割を持つ”というように、機械たちはそれぞれの目的を持って行動しているとのこと。

 ほかにも、背中にエナジーポッドのようなものが付属している鹿のような外見の機械や、キリンのように長い首を持つ機械など、多彩な種類の機械が存在。こういった機械を狩って彼らのパーツを剥ぎ取り、武器の素材として使ったり、取引に使ったりもできるようだ。

 なぜこの機械たちが現れ、動物のように振舞っているのかは判明していない。いったい彼らは、なぜ作られ、どこから来たのか。なぜこのような外見をしているのか。プレイを重ねることで、これらの謎が明かされていくという。

 ちなみに、この機械全体を示す名称はとくになく、開発者はただ“ロボット”や“マシーン”と呼んでいるという。ただし、それはゲームの外側から見ている我々の認識であって、ゲームの世界では、部族ごとに呼び名が異なるという裏話も教えてくれた。

緊張感にあふれたダイナミックな戦闘

 スタジオの伝統として、アクションと戦闘にはとくに強いこだわりを持っているとマーク氏は語る。『KILLZONE』シリーズで培った経験やノウハウを詰め込んだことで、『Horizon Zero Dawn』でプレイヤーが戦闘中にとれる選択肢はかなり多いようだ。

『Horizon Zero Dawn』

 本作では、人間と機械の獣の戦力差は圧倒的であり、戦闘はつねに緊張感にあふれたものとなる。火力はつねに機械の方が上だし、サイズも大きい。数もはるかに多い。

 しかし、プレイヤーが持ち得る戦術的な選択肢こそが、戦況を打開するのに役立つという。装備やアイテム、立ち回りを工夫することで、自分よりもはるかに強大な敵に打ち勝つことができる。それが本作の戦闘の醍醐味といえるだろう。

 また、マーク氏による説明のあとには、コミュニティマネージャーのJeroen Roding(ヨールン・ローディング)氏が、本作を実際にプレイして戦闘における戦術性の高さをアピール。

 鹿のような外見の“グレイザー”を狩る際には、グレイザーの草食動物的な性質を利用。グレイザーを脅かしてあらかじめ罠を張った方向へ追い込むことで、数匹のグレイザーを簡単に狩猟していた。

 ただし群れの中には攻撃的な個体もおり、もし正面から挑んでいた場合、数が多いグレイザーに襲い掛かられて苦戦するケースもあるという。

『Horizon Zero Dawn』

 続いて出現したのは、トレーラーでも登場した恐竜のような機械“サンダージョー”。こういった大型の機械は、よく観察して弱点を見極めることが重要とのことで、例のひとつとして、サンダージョーの脚部に“オレンジ色に発光する筋繊維のようなもの”がむき出しになっていることを指摘。この弱点を攻撃するために、まず脚部の装甲をはがす必要がある、というように、攻略の糸口をつかんでいくことがカギとなると述べた。

 また、このサンダージョーは、すでに手負いの状態であるとも発言。それを示すかのように、サンダージョーの体の各部には、人間が用いるであろう槍がいくつも刺さっているのが見てとれた。もしかすると、プレイヤーとは別に“フィールドの各地で、NPCが独自に機械と戦っている”ということもあるのかもしれない。

 ここで、本作は3人称視点のシングルタイプのオープンワールドアクション“RPG”である、ということが語られた。マーク氏は、これまでに公開した情報では、意図的にRPG部分を見せていなかったと話し、本作のRPG的な部分を説明。

 画面に表示されたUI(ユーザーインターフェイス)には、現在の経験値バーやレベル、コンパス、ステルスインジケーター、体力ゲージ、装備中の武器などが確認できた。

 また、武器の種類やクラフトシステムについても言及。基本武装は弓であり、矢を使い分けることによって、さまざまな戦術を取れることを述べた。

『Horizon Zero Dawn』

 今回見ることができたのは、通常の矢のほかに、爆発する矢や電流を流す矢、獲物が引っかかると爆発するワイヤートラップのようなものや、敵に打ち込んだワイヤーを地面に固定させ動きを封じるものなど。これ以外にも、多彩な武器が登場するようだ。

 クラフトは、とくに戦闘で必要になる“矢の作成”に気を使ったとのこと。上記の矢は、撃つごとに矢弾を消費していくが、戦闘中にクラフトで矢弾の補充ができる。

 ただし、いちいちメニューを開いて矢弾を作っていては戦闘のテンポを損なうとして、武器切り替えメニュー時にワンプッシュで矢を補充できるようになっていた。このように、快適なプレイ感を維持するために、さまざまな工夫がされているようだ。

『Horizon Zero Dawn』

 今回は1時間ほどのセッションだったが、本作の完成度や世界観の深みなど、知れば知るほどに発売が楽しみになる『Horizon Zero Dawn』。近年増加しつつある“オープンワールド型RPG”というジャンルに、新たな一石を投じることになる本作に、今後も注目していきたい。

 ちなみに、質疑応答で毎回聞かれるとマーク氏が苦笑していた“マルチプレイ”については、本作には実装されないとの回答を得られた。ただし、間接的なマルチプレイ要素は考え中とのことなので、まったくオンライン要素がないわけでもないらしい。それも含め、続報に期待しよう。

■東京ゲームショウ2015 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2015年9月17日~18日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2015年9月19日~20日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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