2015年10月8日(木)
PS Vita版『勇者死す。』加隈亜衣さんや五十嵐裕美さんら演じるヒロインや追加要素を紹介
日本一ソフトウェアは、2016年2月25日に発売するPS Vita用ソフト『勇者死す。』の新情報を公開した。
本作は、独自のゲーム性を持ったタイトルを世に送り出し続けているゲームデザイナー・桝田省治氏が描く“ありそうでなかった”を体験できるタイトルだ。音楽に伊藤賢治氏、キャラクターデザインにはクロサワテツ氏といったクリエイターが参加する。
この記事では、本作の世界観や登場キャラクター、ゲームの流れといった部分を紹介する。
世界観~魔王が倒れたその後の世界~
国を飲み込もうとする魔王の軍勢。これに対し人間と亜人種たちは互いに手をとりあい、ともに戦った。そして、最後は勇者が魔王と刺し違えることで決着がついた。
しかし、魔王を倒したことで平穏が訪れると思われていた世界は、善と悪では割り切れないさまざまな問題に直面し、いまだ混乱の渦中にあるのだった。
森の木をめぐり協調関係から対立関係になってしまった人間と森に住む亜人種。各地で最期の抵抗を続ける魔王軍の残党。目の前の敵がいなくなり、安全が確保された途端にあがる大衆の不満の声……。
そんなナイーブな問題が起こる一方で、混乱を治めるため、ある者は仲間を守るために戦い、ある者は経済の力で復興を目指し、ある者は宗教を用いて民の心をまとめようとし、またある者は自分の研究により問題解決を図ろうとする。
勇者はこうした不安と希望が混ざった世界を5日間という限られた時間の中で見て周り、“国を救った英雄”としてかかわっていく……。
『勇者死す。』のヒロインとは
『勇者死す。』のヒロインは“魔王を倒したその後の世界”で起こるさまざまな問題を象徴するような立場にいる。
プレイヤーである勇者はヒロインたちが直面している問題に向き合い、手を貸すことができる。ただし、各ヒロインの問題を解決するための条件が重なっていることもあり、5日間という限られた時間では解決できず、諦めるという選択が発生することが多々ある。
こうした取捨選択の結果によってヒロインたちの未来、彼女たちが抱えている問題、そして世界のその後が大きく変わっていく。
こうしたヒロインたちとその素性や立場、直面している問題の紹介をする。
●ヒロイン:リュー(声優:加隈亜衣)
「森の木は、我ら森人には命も同じ。切らせるわけにはいかぬ。」
森人(モリビト)と呼ばれる亜人種の女性。魔王との戦いの際、勇者とともに行動をしていた。その後は、復興資材として森の木を伐採しようとする人間と戦うゲリラのリーダーをしている。
クールな性格で弓矢と風の魔法を操るヒロイン。
リューは国の中央に広がる森の奥地にある森人の里にいる。彼女の住まう森は森人にとって重要な生活基盤であるのと同時に、近隣の村人にとっては生死をわける資源でもある。こうした両者の対立は必然であり、リューは木を守るため森に結界を張ろうと考える。
●ヒロイン:サラ(声優:五十嵐裕美)
「ああ、神様! 思い切ってお話して本当によかった……。」
“神の前の平等”を教えとするマーナ教会のシスター。魔王との戦いにおいて、神の名のもとに亜人種に参戦を呼びかけた。戦時中に焼失した大聖堂の再建を目指す杖と水の魔法を操るヒロインの1人。
サラは魔王の脅威が去っても不安な気持ちを抱える人々のために大聖堂の再建をしようとしている。そして、そのためには教会に祭るご神体と莫大な建設資金が必要とのこと。
ただし、大聖堂の再建にあてる資金で復興のための資材や食糧を調達するほうが重要であると考えている人も少なくない。
●ヒロイン:メリーアン(声優:松井恵理子)
「こんなところに来るくらいだからどーせ暇でしょ。ウチの仕事、手伝わせてあげよーか?」
もっとも戦争被害が大きかった東の村、トゥーソンに住む自称天才科学者。非常識な言動から、周りに魔女と呼ばれているが、実は荒れた土壌を洗浄するための研究を行っている。
ムチのような武器とすべての属性の魔法を使うヒロイン。
メリーアンは、対応の遅い国をあてにせず、自らの研究成果を用いて汚れた土地を洗浄することで、食糧や建築資材、燃料などの問題を一度に解決しようとしている。
そのために、種類の異なる希少なアイテムを3つ探すように勇者に依頼するのだが、その中の1つがリューも必要としているアイテムでもある。
●ヒロイン:ナオミ(声優:行成とあ)
「こりゃ、ちょうどいいや。あんたの腕を見込んで頼みたいことがあるんだよ。」
穴民(アナタミ)と呼ばれる亜人種の女性。穴民は鉱石の採掘と金属加工の技術に秀でており、魔王を倒した勇者の装備は穴民が作ったものであった。現在は坑道に逃げ込んだ魔物の残党に悩まされている。
ハンマーと炎の魔法を操る姉御肌系のヒロイン。
ナオミたち穴民が仕事場にしている坑道に強暴な魔物が棲みついたため、収入源である鉱石の採掘が困難に。また、鉱石を国に献上する期限もせまっており、ナオミは納品が滞ることで採掘権を奪われるのではないかと恐れている。
勇者は他のヒロインが探している希少なアイテムを報酬として、魔物を退治してほしいと頼まれる。
●ヒロイン:ビビ(声優:福圓美里)
「ささやかな夢をかなえるために国中を旅する謎の美少女商人。それがボク! ビビちゃんで~す。」
幼い外見ながら世界中を飛び回る商人の少女。将来性のある儲け話に次々と投資をしていく大胆な性格も持ちあわせている。
廃墟となった町を商業都市としてよみがえらせることを夢見るヒロイン。武器は投げナイフ。2人の用心棒を雇っている。
ビビは、戦後の混乱で国がまったく機能していないため、経済の力で世界を立て直そうと町やダンジョンといった世界中で商売をしている。その場でアイテムの売買が行え、他のキャラクターが必要としているレアアイテムを売っていることもある。
追加要素:2周目ストーリー
PS Vita版『勇者死す。』には、ケータイアプリ版のストーリーに加え、各キャラクターごとに2周目の物語が用意されている。いずれも1周目とは異なるストーリーとなっており、これにより『勇者死す。』の物語はより複雑で多様な展開をみせる。
▲1周目は森に結界をはろうとしていたリューが、何故か2周目では勇者と遊ぼうとしている……。 |
システム:英雄の最期
本作は特異なシステムによってそのゲーム性とタイトルコンセプトを実現している。基本的なゲームの流れと代表的なシステムである勇者の衰弱について紹介する。
●ゲーム全体の流れ
勇者は自らの命と引き換えに魔王を討伐する。ゲームはここから始まる。
魔王討伐の功績から、勇者は神様から5日間の命を与えられよみがえる。
よみがえった勇者だが、時間が経つにつれ次第に弱っていく。
そして6日目の朝に避けられぬ死がやってくる。もし、やり残したことがあれば再び1日目に戻ることができる。
●死に向かい、衰弱する勇者
よみがえった直後の勇者は魔王を倒した時のステータスをそのまま引き継いでいる。HPやMPをはじめとするステータスはカンスト状態、戦闘では敵を圧倒し、便利な移動魔法も使える。
しかし、日を追うごとに勇者は衰弱していき、魔法も忘れ、雑魚モンスターにも苦戦するほどまでに弱っていく。つまり、本作は除々にキャラクターが強くなっていく通常のRPGとは逆のレベル設計となっている。
こうした主人公である勇者が次第に弱くなっていく過程を刻々と減っていく寿命とあわせて解説する。
・1日目:勇者の死まで残り5日
▲1日目の勇者は魔王を倒した直後なので最強の状態。通常攻撃はもちろん、強力な呪文も使いこなし、どんな敵にも苦戦することなくパーティの中心として戦える。 |
・2日目:勇者の死まで残り4日
▲2日目の勇者のステータス。衰弱したとはいえ、まだ戦闘に影響のあるほどではない。だが、この頃から呪文を少しずつ忘れていく。 |
・3日目:勇者の死まで残り3日
▲3日目になると通常攻撃で敵を倒すことが困難になる。さらに、ほとんどの呪文を忘れてしまい、戦闘では支援役にまわることになる。 |
・4日目:勇者の死まで残り2日
▲4日目には勇者はボロボロになっており、重い装備は到底扱いきれず、白樫の剣(木刀)と布のような軽い装備で妥協せざるを得なくなる。当然戦闘で役に立つはずもなく……。 |
・5日目:勇者の死まで残り1日
▲5日目。戦闘は可能な限り避け、逃げまどいながらもイベントを進める。そこにかつての英雄の姿はなく、最期には避けられない死が訪れる。 |
そして、繰り返される5日間
神様より与えられた5日間が過ぎ、息を引き取った勇者は自身の葬式を見ることになる。そして、やり残したことがあれば最初の日に戻ることができる。
この繰り返しにより、魔王を倒したその後の世界の情勢がだんだんと浮き彫りになっていく。
また、イベントをこなす順番や周回プレイによって登場人物との関係が変わるので、葬式で勇者に送られる弔辞も変化する。この5日間の評価ともいえる勇者の葬式については、次報で明らかになるとのこと。
次回予告
第3報では、新たに追加されるヒロイン2人の素性や立場、キャラクターボイスに加え、物語を盛り上げるその他のキャラクターについて紹介する。
さらに本作のゲームコンセプトともかかわる“勇者の葬式”についても実際のゲームに沿って解説される。
予約特典:『勇者死す。』サウンドセレクション
『勇者死す。』の予約特典として、ゲーム内のBGMを厳選し、収録した『勇者死す。サウンドセレクション』が付属する。詳しい楽曲情報は続報を待とう。
※画面は開発中のもの。
(C)2016 Nippon Ichi Software, Inc.
(C) G-MODE, Shoji Masuda/Pyramid
(C)2007 G-MODE Corporation
(C)2007 Shoji Masuda/Pyramid, Inc.
データ