2015年10月2日(金)
モータースポーツの最高峰F1の公式ライセンスタイトルとして、実写に近い映像やリアルな操作感でF1ファンの熱い支持を受けている『F1』シリーズ。その最新作は、PS4とXbox Oneの次世代機で初めて制作されており、シリーズ史上最も臨場感のあるタイトルになっている。
今回は開発者のLee Mather氏にインタビューを実施。本作のテーマや超高難易度の“プロシーズンモード”を搭載した理由など、気になるところを伺っている。
▲Lee Mather氏は、本作のメインデザイナーとして開発を担当。 |
――本作はPS4とXbox Oneの次世代機で初めて制作された『F1』タイトルとなりましたが、開発で苦労した点は?
我々は開発の初期段階から、本作を次世代機専用ソフトとして制作する方向で話し合いました。そして、タイヤの物理モデル等を改善する新たなEGOエンジンを開発することにしました。開発チームのメンバーの多くはハードの移行を経験していますから、次世代機での開発は困難ではありませんでした。それでも類似した開発環境で5本タイトルを制作したあとに、新たな環境で1から作り直すというのはたいへんでした。環境を転換するのはいつも困難がつきまといます。しかし、今では正しい決断であったと思っています。
――本作の開発にあたり、テーマにあげていたものはなんでしょうか?
我々が本作でプレイヤーのみなさまに感じていただきたかったことは“F1のレース体験を通して得られる興奮”です。マシンの操作、AIの思考、エンジン音や環境音、そして次世代機で表現される美しいグラフィックなどから、リアルなレース体験を味わっていただきたいです。これらの要素を構成する為に最も重要であり、力を入れたのがゲームを60fpsで安定させることです。これらに加え、新たな中継システムもレースの臨場感を増すために欠かせない要素です。また、風景やマシンのグラフィックの向上により、まるでTV中継と同じ演出でのリプレイ再生をみなさまに楽しんでいただけるようになりました。
▲次世代機になり、雨に濡れる路面や車体、光の反射などもよりリアルになっている。これが60fpsでヌルヌル動くのはスゴイ! |
――2015年シーズンだけでなく、2014年シーズンのデータを収録した理由は?
新たなエンジンを使って動作確認をするという作業は2015年のシーズンが始まる前からスタートしていたため、2014年シーズンのデータを用いてテストを重ねていました。新たなエンジンを用いただけでなく、次世代機用に大きく変化も加えていましたから、せっかくなのでプレイヤーのみなさまにも楽しんでいただきたい、と思ったのです。それに、ホッケンハイムも2014年シーズンでならプレイすることができますね。何より、我々はプレイヤーのみなさまにできる限りのゲーム体験をお届けしたいと考えていました。
▲特徴的なノーズが話題となった2014年のマシン。日本人ドライバー・小林可夢偉を操作して走ることも可能だ。 |
――超高難易度モード“プロシーズンモード”を搭載した理由は?
“プロシーズンモード”は、プレイヤーのみなさまに究極の挑戦を体験していただきたいと思い、追加しました。F1のドライバーになるのは非常に困難なことです。我々はみなさまにその困難さを少しでもリアルに感じてほしかったのです。フリー走行や予選だけでなく、本戦も実際のレースと同じ距離を走らなければいけなかったり、すべての情報はエンジニアに聞かなければ得られなかったり、アシストもフラッシュバックもありませんから、非常に難易度の高いゲームモードですね。ですから“プロシーズンモード”で優勝を飾るということは、ゲーマーとして本当に栄誉な事だといえますね。
▲すべてのゲーム的なアシストがオフになり、最高難易度でチャンピオンを目指す“プロシーズンモード”。エンジニアと無線でのコミュニケーションで状況を知るのも重要に。 |
――これまでの『F1』シリーズは、実際のF1のシーズン終盤に発売されていましたが、シーズン中盤での発売にいたった経緯は?
シーズンの早い段階でゲームを発売する、というのは我々が長年成し遂げたかったことなのです。しかし、技術的なものや時期的な問題など、さまざまな理由から早期の発売が不可能になっていました。刷新したEGOエンジンによってこれらの問題もクリアになり、ようやく早期の販売が可能になりました。これにより、みなさまに実際のレースを追いながらゲームをプレイしていただけるようになりました。シーズン中の早い時期での発売は、本作をF1ファンのみなさまにピッタリのゲームにすることを可能にしました。
――本作では、過去のシリーズにあった過去のレーサーと走ったり、名シーンを再現したモードがありませんでした。今後のシリーズでは、これらのモードが復活する可能性はありますか?
『F1 2013』にクラッシックモードを追加したのは我々にとって最も興味深く、楽しかったことの1つですし、開発チーム全体も非常に楽しんで制作をしました。『F1 2015』から次世代機に移行し、まったく新しいエンジンを使用するということもあり、クラシックモードを搭載するということは無謀に感じられました。膨大な量のライセンス取得もありますしね。クラシックモードを搭載しようとしていたら、大幅に発売が遅れていたと思います。60fpsでプレイできますし、サーキットを話しながらピットのエンジニアに話しかけることもできるなど、新たな機能により『F1 2015』はシリーズの中でも最も素晴らしいゲーム体験をしていただけると思っています。
――これまでのシリーズ作品を通じて、本作の最大の見どころは?
サーキットの上でのレース体験においては、間違いなく本作が我々が制作したタイトルの中で最も熱中でき、楽しめるタイトルだと思います。新たなフォースフィードバックシステムや、大きなトルクのターボエンジンをコントローラーの振動を通して感じていただけるため、レースとマシンを肌で感じながら走行することができます。
――次回作への意気込みをお願いします。
まだ今後の作品の詳細についてはお話しできませんが、みなさまにより一層シリーズを楽しんでいただくためのすばらしいアイデアがすでに多く出ていますので、どうぞ楽しみお待ちください。
――最後に、日本のファンの方々にメッセージをお願いします。
F1サーキットの中でも最も洗練されたコースの1つである“鈴鹿”があり、すばらしいモータースポーツ文化が根づいている日本のF1ファンのみなさまは非常に幸運だと思います。そんな方に本作を楽しんでいただけて光栄に思います。そして『F1 2015』を購入し、楽しんでいただいているすべてのプレイヤーに感謝の気持ちを伝えたいです。本当にありがとうございます。
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