2015年10月8日(木)
世界を揺るがした大冒険がPS4で復活! 歴代『アンチャーテッド』シリーズの魅力に迫る【ネタバレあり】
シリーズ3作品のシングルモードが収録された決定版『アンチャーテッド コレクション』。本特集記事では、PS4用に調整された本作の特徴や、収録された歴代シリーズ作品の魅力を3回にわたって紹介していく。
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この記事はストーリー展開(ネタバレ)を含みます。未プレイの方はご注意ください!
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▲1作目の『エル・ドラドの秘宝』から3作目の『砂漠に眠るアトランティス』までが、これ1本で楽しめる! プレイしたことない人はもちろん、来年発売される最新作の予習としてもオススメだ。 |
PS3で発売された過去3作が1つに!
ネイトの冒険の幕開けとなったシリーズ1作目『エル・ドラドの秘宝』をはじめ、2作目の『黄金刀と消えた船団』、3作目の『砂漠に眠るアトランティス』が、『アンチャーテッド コレクション』に収録されている。
作中の時系列もこの順番に沿って進んでいくため、本作を初めてプレイする人は『エル・ドラドの秘宝』から始めるのがオススメだ。各作品単体で冒険は完結するものの、登場人物の関係など、順にプレイすることで味わえる魅力も。
▲それぞれの作品は、まったく異なる場所が舞台となるため、3作品を通してプレイしても、まるで違った冒険を味わえる。つねに新鮮な気持ちでプレイ可能だ。 |
PS4の性能に合わせ、グラフィックの質を向上
PS3からPS4になり、マシンパワーが向上したため、全体的にグラフィックのクオリティがアップ! PS3では、遠景はモヤがかかったようにボヤけていた部分が、本作ではクッキリ見えるようになっているなど、細部まで調整している。
炎や光など描写がより鮮やかに! |
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▲PS4は、炎や光などの処理がPS3に比べ強化されている。リアルになった光の描写が、鮮明にその瞬間を演出する。 |
オブジェクトのディティールがよりち密に描かれる |
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▲顔のモデルはもちろん、キャラクターが着ている服の傷み方などもリアルに! フィールドのオブジェクトにも注目しよう。 |
操作方法が統一され、プレイが快適に!
『アンチャーテッド』シリーズは、作品を重ねるごとにプレイヤーの操作しやすいように操作性が改良されていた。そのため、1作目と3作目では操作が異なっていたが、本作ではすべて統一。
プレイ中に混乱することなく、最高の操作性でプレイが可能になっている。直感的に操作できるため、ゲーム慣れしていない人でも安心だ。
▲1作目も洗練された操作でプレイ可能。逆にプレイ経験者の方が新鮮な気持ちでプレイできるかも!? |
▲一部の急に難易度が上がるステージなどにも調整が入り、ほどよい戦闘を味わえるように! |
手に汗握る旅路の始まり! 『アンチャーテッド エルドラドの秘宝』
ここからは、第1作『アンチャーテッド エルドラドの秘宝』の魅力を紹介。当時のアクションとしては革新的な要素を盛り込み、パイオニア的作品として名高い第1作! エル・ドラドの秘宝を狙うネイトたちと、宝の横取りを狙うローマン一味が争奪戦を繰り広げる!
亜熱帯の密林には多くの罠が潜む! |
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▲本作の舞台は、緑生い茂るジャングル。密林のなかには古代文明の遺跡があり、侵入者対策の罠や謎が散りばめられている。 |
ストーリー:黄金の都を目指し、ネイトが立つ!
実在したイングランドの冒険家、フランシス・ドレイク卿の子孫を自称するネイトは、太平洋からドレイク卿の棺を引き上げる。その中に収められていたのは、1冊の手帳。
そこに記された手がかりをもとに、伝説の黄金都市エル・ドラドを目指していく。相棒のサリーとともに、遺跡の探索を始めるネイトだったが、宝を欲するローマンに宝のありかを示す地図を奪われてしまう。
間一髪で難を逃れたネイトは、今回の探索を取材していたエレナと合流し、宝を求めてローマンを追う。
▲最初の目的地には、宝は見当たらなかった。しかし、そこから運び出された痕跡を発見し、追跡を再開。何度も命の危機に直面しつつも、徐々に宝へと迫っていく。 |
絶体絶命のピンチを切り抜けろ! |
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▲ローマンが雇い入れた海賊につかまってしまうネイト。幾度の危険をともに乗り越えることで、エレナとの仲も次第に深まっていく。映画さながらの人間ドラマも魅力の1つだ。 |
トレジャー:エル・ドラドの秘宝
本作のキーとなる財宝であるエル・ドラドの秘宝とは、すなわち黄金で作られた像のこと。本来隠されていた場所からは400年前にすでに持ち去られており、ネイトは像を持ち去ったスペイン人の痕跡をたどって行くことになる。
ところが、この金色の像にはある秘密が隠されており、その秘密がネイトの冒険を思わぬ方向へと導びいていく。
▲人間とは思えない外見の生物と対峙するネイト。いったいなぜ、このような存在が? |
メインキャラクター
▲ネイサン・ドレイク(声優:東地宏樹) |
通称ネイト。皮肉屋で軽い性格だが、高い身体能力と豊富な知識を持つトレジャーハンター。ドレイク卿の子孫を自称している。
▲ヴィクター・サリバン(声優:千葉 繁) |
ネイトとは長い付き合いのベテラントレジャーハンター。口が達者で、相手を手玉に取るのはお手の物。愛称はサリー。
▲エレナ・フィッシャー(声優:永島由子) |
“アンチャーテッド”という冒険番組の司会を務める女性。考古学の知識が豊富なだけでなく、銃や乗り物の扱いもソツなくこなす。
▲ガブリエル・ローマン(声優:土師孝也) |
犯罪組織のボスで、ネイトたちと対立し、独自に財宝を狙う。目的のためには手段を選ばず、傭兵や海賊を雇ってネイトを妨害する。
レビュー:チャレンジ精神が形を成した大いなる一歩目
※以下の画像はPS3版『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』のものです。
シリーズ初作品ゆえの新しさも
今改めて振り返ると、シリーズ1作目の『エル・ドラドの秘宝』は、かなりチャレンジ精神が凝縮されたような作品だったと思います。“プレイする映画”というキャッチコピーを掲げたことからもわかるように、できるだけプレイしている感じを与えないようにすることが、開発の目標だったようです。
UI(ユーザーインターフェース)には最低限のものしか表示しないというのも、この姿勢から生まれた手法の1つでしょう。今でこそ、普段は画面をスッキリさせておき、必要な時だけUIを表示させるという作品は珍しくありませんが、当時これだけ画面をスッキリさせたゲームはほぼありませんでした。
また、当時のモーションセンサー付きのコントローラー“SIXAXIS”に対応しているため、足場の悪い場所を渡る際は落ちないようにコントローラーの角度を調節したり、グレネードを投げる際の飛距離をコントローラーの傾きで調整したりと、モーションセンサーをプレイに取り入れていることも特徴の1つです。
しかし、モーションセンサー周りの操作性に苦戦したプレイヤーが多かったようで、次回作の『黄金刀と消えた船団』以降はオプションでオンオフを切り替えられるように変更されました。確かに使いやすいとは言えませんでしたが、おもしろい試みでしたね(『アンチャーテッド コレクション』では、モーションセンサーやジャイロによる操作は含まれていません。)。
▲丸太渡りなどは、モーションセンサーを使うと、それらしい感じに。 |
さて、“プレイする映画”というコンセプトのもと生まれた『アンチャーテッド』ですが、この“映画的”というキーワードは少しやっかいなもので、ほめ言葉にもけなし言葉にもなり得ます。
俗に言われる“ムービーがやたら多いor長いゲーム”が、映画ゲーと揶揄されることもあります。その是非はここでは置いておいて、重要なのは『アンチャーテッド』シリーズにおける“映画的”というのは、そういう意味ではないということ。
『インディージョーンズ』をはじめとした冒険映画的なお約束を詰め込んだ演出が多いゲームだということと、あまりの没入感の高さに見入ってしまう=映画のように楽しんでいる、という心理が働くことを指す、最高級のほめ言葉なんです。
これはシリーズ通して徹底されている魅力ですが、『1』の時点ですでに完成されつつあるのがすごい。先に述べた、UIをほとんど表示しないのも、このための布石。余計なものに意識をそらされず画面に集中できるので、没入感が高まります。
そして“日本語吹き替え”と“息もつかせぬ怒とうのアクション”が、プレイヤーを『アンチャーテッド』の世界に誘います。 皮肉たっぷりなセリフ回しが多く、戦闘中も軽口を絶やさない主人公・ネイト。そして、おちゃらけていながらも、やるときはやる渋いベテランの相棒のサリー。この2人の掛け合いは本当におもしろいです。
自分は海外ゲームを主にプレイしていますが、『アンチャーテッド』だけは絶対日本語でプレイしたい! と思うほどに吹き替えがいい味を出しています。
木曜洋画劇場や、金曜ロードショーをよく見ていた人はわかると思いますが、まさにあの感じ。質問に皮肉で返すネイト、戦闘中に行われる仲間との口論、突然始まるラブロマンス(笑)。どれも「あ~、あるある」と同意してしまう映画的演出の数々は、ゲームをプレイしているハズなのに、映画を観ている気持ちにさせてくるのです。
音声というのは意外と重要で、例えば崩れ落ちる橋を必死で走って脱出しようとするシーンでは、キャラクターは崩落に巻き込まれまいと慌てているわけです。その時に、恐怖のあまり何かを叫びながら走るとすると、やっぱり英語よりもなじみのある日本語のほうが感情がじかに伝わってくるんですよね。
ネイトの口癖で、ピンチの時に「やべやべやべやべっ!」と言うのですが、プレイしている最中は、実際のヤバそうな演出で緊張するのはもちろん、ネイトの声がそれに拍車をかけてきて、本当にヤバそうに感じます。そう感じている時点で、かなりゲームに没入している証拠なんですが、『アンチャーテッド』はそのあたりの導線の引き方がとんでもなくうまい。
そしてそれは、アクションシーンに限ったことではありません。謎解きのシーンでは、実際に手帳を参照し、そこに書かれたヒントをもとにしてギミックを解いていきます。自分の目で見て、自分の手で探す。これが徹底されているため、戦闘以外のシーンでも没入感が薄れずに遊び続けられるわけです。
難易度もほどよく、ちょっと頭を使わないと解けないものも、時間が経つとヒントが出るなど、謎解きが苦手なプレイヤー向けの配慮も忘れません。プレイしなおすと少し粗さも見えるものの、今でも十分楽しめる1作目。引き続き登場するサリーやエレナとの関係性を楽しむためにも、未プレイの方はぜひ『コレクション』でプレイしてみてください。
▲ヒロインのエレナとの出会いを楽しめるのは1作品目ならでは。勝気な彼女に振り回されるネイトの姿が見られます(笑)。 |
感情移入の高さはトップクラス!
今では珍しくないものの、発売された2007年当時としては革新的なパルクールアクションの先駆けともいえる作品の1つが、この『アンチャーテッド』です。ただ足場をジャンプで渡っていく従来のアクションに比べ、凹凸を利用して垂直の壁を移動したり、ジャンプした先のヘリにつかまったりと、立体的なアクションが増えました。
また、壁や障害物に身を隠すカバーアクションが増え始めたのもこの時期から。足場が悪い場所ではつまづきそうな動きをしたり、身を隠す時は少し慌てたような感じになるなど、どの動きもまさに人間的。この挙動のリアルさが、高い没入感と緊迫感を与えてくれます。
自分は普通にプレイしているつもりなのに、画面の中のネイトが本当に慌てているように感じて、こっちまでドキドキしてしまう……そんなプレイヤーを引き込むアクションが満載されているのが、『アンチャーテッド』シリーズの特徴といえるでしょう。
また、ムービー中だと思ったら自分で動かせた、というシーンも多く、まさに“プレイする映画”というキャッチコピーを体現しています。ものすごく映画的なんだけど、間違いなくゲームである、という感覚は、本作でしか感じ得ない魅力です。(hororo)
▲本作ではまだプレイシーンとムービーは分かれている印象ですが、作品を重ねるごとに境界があいまいになっていきます。 |
シリーズ最新作『海賊王と最後の秘宝』が2016年3月18日にPS4で発売!
シリーズ最新作『海賊王と最後の秘宝』の発売日が2016年3月に決定した。『砂漠に眠るアトランティス』の3年後が描かれる本作には、死別したと思われていたネイトの兄・サムが登場。彼の依頼で、海賊王の秘宝が眠るとされる国・リバタリアへの冒険に協力することになる。
『アンチャーテッド』最終章となる本作は、これまでのノウハウが凝縮されており、すでにシリーズ最高傑作との呼び声も高い。ネイトの冒険の行く末を楽しみに、3月の発売を待とう。
▲死別したはずの兄はなぜ生きていたのか? なぜ今になって姿を現したのか? 重大な秘密が隠されていそうだが……。 |
▲その場の臨場感がありありと伝わるグラフィックはまさに圧倒的。モーションもより洗練され、戦術にも多様性が出ている。 |
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データ
- ▼『アンチャーテッド コレクション(ダウンロード版)』
- ■メーカー:SCE
- ■対応機種:PS4
- ■ジャンル:アクションADV
- ■配信日:2015年10月8日
- ■価格:5,900円+税