2015年10月9日(金)

雪に遮さえぎられた伝説を追え! PS4版『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の魅力とは!?【ネタバレあり】

文:電撃PlayStation

 SCEから10月8日に発売するPS4用ソフト『アンチャーテッド コレクション』の魅力に迫る連載記事の第2回をお届けする。

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この記事はストーリー展開(ネタバレ)を含みます。未プレイの方はご注意ください!
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『アンチャーテッド コレクション』

 『アンチャーテッド コレクション』は、PS4用にリマスターされたシリーズ3作品を、1本で遊べるソフト。2016年3月に発売される最新作『海賊王と最後の秘宝』に向けたシリーズの予習/復習におすすめの1本だ。

『アンチャ コレクション』の注目ポイント
(1)PS3で発売された過去3作が1つに!
(2)PS4の性能に合わせ、グラフィックの質を向上
(3)操作方法が統一され、プレイが快適に!

⇒『アンチャーテッド コレクション』の詳細はこちら

『アンチャーテッド コレクション』
▲1作目の『エル・ドラドの秘宝』から3作目の『砂漠に眠るアトランティス』までが、これ1本で楽しめる!

 今回は、シリーズ第2作『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の魅力を紹介。総合的なクオリティアップを果たしたシリーズ第2弾では新ヒロインのクロエを迎え、理想郷と謳うたわれたシャングリラを目指す冒険に挑む。ネイトを襲うリアルな雪の表現は必見だ!

⇒連載第1回はこちら(第1作『エル・ドラドの秘宝』編)

※以下の画像はPS3版『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』のものです。

雪に遮さえぎられた伝説を追え! 『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』

『アンチャーテッド コレクション』
『アンチャーテッド コレクション』
『アンチャーテッド コレクション』
▲1作目ではほぼ密林が行動範囲だったが、本作では多彩な地域が探検の舞台に。行く先々で、異なる風景を楽しみながら冒険できる。

ストーリー:奇跡の石を求めて向かうは理想郷(シャングリラ)!

 ネイトは、今にも崖から落ちそうな列車の中で目を覚ます。命からがら脱出したのち、数カ月の記憶を思い返すネイト。トレジャーハンター仲間のフリンから持ちかけられた仕事で、冒険家マルコ・ポーロの遺した“13の消えた船団”の手がかりを得たこと。

 しかし、フリンに裏切られてテロ組織に捕まったこと。そして、サリーの助けにより組織から釈放されたネイトは、船団の行方を追うことを決意したのだった。

『アンチャーテッド コレクション』
▲シャングリラへの鍵となる黄金刀を入手したネイトは、そのためにラザレビッチから狙われることに。
『アンチャーテッド コレクション』
▲スパイ的な立ち回りが多いクロエに、ネイトも惑わされがち。
『アンチャーテッド コレクション』
▲クロエとエレナに板ばさみになり、動揺するネイトの姿も。

トレジャー:チンターマニ石

 本作でネイトが狙う財宝は、マルコ・ポーロが冒険中に発見したとされるチンターマニ石。伝説では願いが叶う宝石とも言われ、その姿は巨大なサファイアの原石だという。

 本作では、その正体はサファイアではなく、巨大な木が作りだした琥珀だった。その琥珀には不思議な力があり、その力を求めてネイトとラザレビッチの死闘の幕が上がる。

『アンチャーテッド コレクション』
▲本作で序盤から登場する松ヤニ。火をつけることで青い炎を発し、謎解きなどにも用いられた。

メインキャラクター

『アンチャーテッド コレクション』
▲ネイサン・ドレイク(CV:東地宏樹)

 凄腕のトレジャーハンターで、通称はネイト。鋭い洞察力や高い身体能力を持つが、女性には弱い

『アンチャーテッド コレクション』
▲ヴィクター・サリバン(CV:千葉 繁)

 ベテランのトレジャーハンターで、愛称はサリー。捕まったネイトを助けたのち、冒険に加わる。

『アンチャーテッド コレクション』
▲エレナ・フィッシャー(CV:永島由子)

 前作でネイトと知り合った女性ジャーナリスト。現在は番組の司会をやめて、フリーで活動中。

『アンチャーテッド コレクション』
▲クロエ・フレイサー(CV:勝生真沙子)

 ミステリアスな女性トレジャーハンター。女性であることを武器にした情報収集などを得意とする。

『アンチャーテッド コレクション』
▲ゾラン・ラザレビッチ(CV:菅生隆之)

 亡命戦争犯で、テロ組織のリーダーとして活動中。マルコ・ポーロの船団について調査している。

レビュー:物理演算を生かしたド迫力の演出が見もの!

『アンチャーテッド コレクション』

挑戦的作品が名作へと昇華!

 シリーズ2作目となる『黄金刀と消えた船団』を初めてプレイした時、最初のシーンの迫力に驚がくしたことを覚えています。目を覚ましたネイトがいたのは、崩落寸前の列車内。後部ドアが壊れ、遥か下には雪に覆われた大地が見えます。

 落ちたら絶対に助からない――そう確信できるほどの高さ。もちろん、強じんな肉体を持つネイトも例外ではなく、画面の中で動揺していました。急な展開で観客の心を釘付けにし、かつ平静さを奪う。今思えば、この手法が確立されたのも2作目からかもしれません。

 もう1つ、目に見えて変化したのがグラフィックの向上です。前作でも十分美しく見えていたものですが、2作目を見たあとだとどうしても見劣りしてしまう。それくらい前作からの質の向上は凄まじかったと記憶しています。

 序盤のシーンでいえば雪の表現。雪の粉が一粒一粒描画されているのかと思うほどの細やかさや、ネイトが歩く姿が重そうに見えるほど、質量を感じる積雪など、最初の30分をプレイしただけで、開発を担当したノーティードッグの技術力の高さが伝わるハズです。

 雪以外では、肌や服の質感、特に濡れた服の表現などにも注目。1作目でも衣服の濡れ表現はありましたが、本作では濡れた服の張り付き具合や重さを感じるレベルにまで昇華されています。この質感のリアルさが、コンセプトである“映画的”な面とうまく融合し、画面に説得力を持たせています。

 とはいえ、これはゲーム。すべてをリアルに突き詰めていくと、ネイトは超人的な動きはできないし、銃弾を1発でも受けたらゲームオーバーになってしまいます。オブジェクトはリアルに、しかし演出は過剰に。エンターテイメント作品として、ここまでそれを追求したゲームは数少ないでしょう。

 例えば、移動するステージでの戦闘。これは本作で多用される見どころですが、その1つに倒壊するビル内での戦闘があります。本来ならば立っていることはおろか、ヘタすれば即座に落下してしまいます。しかしゲーム中では、ネイトや敵はうまいことバランスを保ちながら、戦闘を続けるのです。

 このシーンのすごいところは、この嘘をまるで現実に起こってもこうなるかのように説得力を持たせていること。さらに、このシーン中もしっかりプレイヤーが操作できるということです。

 前作では、こういったド派手なシーンはわりとムービー任せだった印象がありますが、本作以降はこういったシーンこそプレイヤーに操作させる傾向があります。プレイヤーは、突然変化した周囲の環境に適応しつつ戦闘を続けなければならないため、初回プレイでは確実に軽いパニックになります。

 まさにネイトと同じ気分。いかにネイトとプレイヤーをシンクロさせるか……そのノウハウが完成したのが、この2作目であると、個人的には思います。息つく間もない怒とうのアクションシーンの連続。それを切り抜けた時、心地よい疲れとともに「あ、今俺ネイトと一体化してた……」と感じること間違いナシです!

 ちなみに、個人的にオススメなシーンは、中盤の舞台であるネパールでの1カット。狭い路地を、後ろから迫るトラックに追いつかれないように走って逃げる場面です。

 ネイトは画面手前に向かって走ります。すぐ後ろには、高速で追ってくる巨大なトラック。少しでも走る速度を緩めたら、ひかれてミンチになっちまう! そういう感じがヒシヒシと伝わる名シーンです。ここもプレイヤーが操作可能で、トラックに銃撃を加えながら逃げることになります。

『アンチャーテッド コレクション』
▲路地を破壊しつつ迫るトラック。んなバカな!? と思うハズ。

 もちろん手を抜けば、トラックにひかれてネイトはご臨終。画面奥から手前にくる圧迫感といったらそれはもうスゴイもので、手汗でコントローラーを湿らせながらプレイしたものです。

 そしてもう1つの魅力は、ストーリーの読めなさ。新しいヒロインとして登場したクロエは、ミステリアスな雰囲気を持つ女性で、ネイト側とラザレビッチ側を行ったり来たりするキャラクターです。

 こういった女性は、映画『007』などでもお約束で、最終的には主人公サイドにつくことが多いですが、実際にプレイ中は気が気じゃありません。加えて、冒険映画に付き物のオカルト要素もあり、最終的な着地地点が読めず、最後までやってみなければわからないドキドキ感があります。

 このドキドキ感は前作にもありましたが、クロエの登場でより先読みが難しくなった、という感じ。まぁ個人としては、物語の行く末よりも「正ヒロインはエレナとクロエ、どっちなの!?」という、まったく別次元の妄想をしていたのですが……(笑)。

 ちなみに自分はクロエ派です。本作からは、オンライン対戦が追加されたものの、シングルプレイはほぼ前作と同様、大きな新要素はありません。それでいて進化を感じたのは、けっこうすごいことだなあと今にしても感心させられます。

『アンチャーテッド コレクション』
▲今回は残念ながらサリーの出番はやや少なめ。その代わり、エレナとクロエの2大ヒロインの修羅場が味わえます(笑)。

ネイトの軽口が映える戦闘

 『アンチャーテッド』の戦闘シーンは、いわゆるTPSと呼ばれる3人称視点でのシューティングタイプ。照準を敵に合わせて銃を撃つアレです。加えて、敵の死角からはスニークキルも可能。アクションの戦闘として有名な攻撃は一通りできると考えてもらってOKです。

 こういった戦闘では、効率よく敵を倒そうと思うと、障害物に隠れて撃っての繰り返しになりがちで、やや単調な印象を持つ人も少なくないかもしれません。しかし、本シリーズでは、戦闘中ほぼ絶え間なくネイトが喋り倒します。1人でぼやく時もあれば、同行している仲間と軽口を叩き合う時もあり、さらにシチュエーションごとに異なるセリフをしゃべるなど、バリエーションも豊か。

 1作目では真正面からの戦闘になりがちでしたが、2作目以降はステルスもしやすくなり、シーンによっては敵に気づかれずに進むことも可能です。戦闘になっても、スナイパーライフルで狙撃したり、グレネードランチャーで破壊しまくったりと、プレイヤーごとに戦術を選ぶ幅があるのが特徴。

 「ものすごく自由!」というわけではありませんが、プレイヤーの腕前を魅せる懐の広さは持っているので、戦闘が好きな人でも楽しめます!(hororo)

『アンチャーテッド コレクション』
▲物語の合間に戦闘があるのではなく、戦闘をしながら物語も進む、というような感じで、ほとんど無言の戦闘はありません。

データ

▼『アンチャーテッド コレクション(ダウンロード版)』
■メーカー:SCE
■対応機種:PS4
■ジャンル:アクションADV
■配信日:2015年10月8日
■価格:5,900円+税

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