2015年10月6日(火)
カプコンから9月17日に発売されたPS Vita用ソフト『バイオハザード リベレーションズ2』を、電撃オンラインのkbjがレビューします。
『バイオハザード リベレーションズ2』は、“クラシックなサバイバルホラーへの原点回帰”をコンセプトに掲げた『バイオハザード リベレーションズ』シリーズの最新作。ラクーン事件の生き残りであるクレアが孤島から脱出する“クレア編”、バリー・バートンが行方不明となった娘を救出すべく孤島を探索する“バリー編”という、2つの視点で物語が描かれています。
今年の3月に、PS4、PS3、Xbox One、Xbox 360でリリースされた『バイオハザード リベレーションズ2』。PS Vita版の製作には、SCEA(Sony Computer Entertainment America Inc.)Third Party Production teamが協力することで、PS Vitaの表現力を引き出し、高いクオリティでの移植を実現しています。
PS Vita版『バイオハザード リベレーションズ2』には、全4章の本編に加えて、2編のエクストラエピソード、アクションに特化したレイドモードのマップパックや追加キャラクター、追加衣装など、配信された全コンテンツが初めから収録されています。
ただし、据置機版に搭載されていたストーリーモードでの協力プレイ機能、およびWeb連動サービス“RESIDENT EVIL NET”への対応は収録されていません。
本作のポイントの1つに物語があります。
主人公にはそれぞれパートナーが存在し、クレアには友人のモイラ・バートン、バリーには謎の少女・ナタリアがいます。モイラはライトで敵を怯ませたり、バールで止め木を外したりでき、ナタリアはクリーチャーの居場所を感知できたり、狭いところを通れたりとパートナーは固有のアクションを行います。パートナーとうまく連動しながら、二手に分かれて探索していくことになるのです。
▲クレア | ▲モイラ |
▲バリー | ▲ナタリア |
本作をプレイして感じたのは、携帯機との相性のよさです。
『バイオハザード リベレーションズ2』のシナリオはクレア編4つとバリー編4つという複数のエピソードから構成されています。1つのエピソードはそこまで長くなく、さくさく遊べるのですが、最後に続きが気になるシーンが出てくるため、止め時に悩みます。
据置機であれば、基本的に自宅でしか遊べませんが、PS Vitaであれば自宅だけでなく、外でもそのままプレイ可能。物語や探索シーン、アクションシーンなど、展開の続きを楽しめます。
ここからはPS Vita版独自の操作について少し記載していきます。
いくつかの操作がタッチスクリーンを押すことに割り当てられています。しゃがみ/立ちは画面の左下のタッチに、ハーブ使用は右下長押しに、ライトの点灯は左上のタッチに、Lボタン+右上タッチで投てき武器の構え、もしくはスキルの発動準備となっています。
こうやってテキストにすると少しわかりにくいのですが、実際にプレイすると違和感がなく、すぐに慣れると思います。
据置機版ではつかまれた時にコントローラをガチャガチャ入力した結果、離れてからしゃがんでしまうことがあったのですが、PS Vita版ではそのようなことはなさそうです。あわてた場合でも、間違えてスクリーンをタッチすることは少ないですからね。
『バイオハザード リベレーションズ』はもともと携帯機で生まれたシリーズ。そのため、PS Vitaとのマッチングはかなりいいです。中でもクリーチャーを次々と撃破していくレイドモードは、特に向いていると思います。
このモードは、登場する敵をドンドン倒していくモード。プレイすることで倒してキャラを成長させたり、武器を集めたりするハックアンドスラッシュ的な楽しみ方が可能です。1回のプレイ時間が短いので、移動中や待ち時間にプレイできる携帯機にマッチしています。
プレイして新しい武器が手に入れば試してみたくなりますし、前のプレイをふまえて目標を決めた場合もまたプレイしたくなるのです。その際に、携帯機であるのは当然いいです。なぜならば場所の制限が少ないから。
プレイする⇒キャラが育つ⇒武器が集まる⇒楽しくてまたプレイする……これはエンドレスでプレイしてしまいそう! 没頭しすぎて電車を乗り過ごしてしまう事故には注意してください。
▲ジェスチャーは方向キーとタッチスクリーン操作に割り振れます。ローカル通信プレイでの協力プレイにはそこまで必要ではないのですが、ちょっといいです。 |
▲武器を集めつつ、キャラを成長させていくのがたまらないレイドモード。寝転がりながらプレイできるのもうれしいです。 |
これまで書いてきたように、物語を楽しむ点やレイドモードとPS Vitaの相性はいいと感じました。さらに少ないボタンもタッチ操作によってうまくカバーされていました。
一方で、長いロード時間は少し気になりましたね。あと、据置機版では○ボタンだった決定が、×ボタンに変更されている点は地味に慣れませんでした。海外で開発されたいわゆる“洋ゲー”ではよくあることなのですが、国内タイトルである『バイオハザード』でこの仕様は違和感があります。
▲プレイしている時はそこまで気にならないのですが、画面の粗さが目立つ場面もあります。 |
▲ささいなことではあるのですが、序盤では誤操作でメニューを閉じてしまうことが多かったです。 |
まとめると、PS Vita版『バイオハザード リベレーションズ2』は移動中や外出先でもプレイできるのが利点。ダウンロードコンテンツを含んでいるのですが、据置機版からの新要素はありません。そのためにこれまでやる機会がなかった人や、場所を選ばない携帯機でサクサク遊びたいという人に向いていると思います。
まだプレイしていない人で物語が気になっている人、レイドモードを手軽に遊びたい人は手にとってみては?
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