2015年10月14日(水)
カプコンは、サービス中のPS4/PS3/PC用ソフト『ドラゴンズドグマ オンライン』において、10月15日にシーズン1.1アップデートを実施。それに際して、本作を手がける開発メンバーにインタビューを実施した。
『ドラゴンズドグマ オンライン』は、オープンワールドを舞台にしたアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』を本格的なオンラインゲームに作り変えた作品。シリーズの特徴である“ポーン”の要素は継承されるため、1人で冒険をすることも可能だ。基本プレイ無料で楽しめ、サービス開始時から多くの人がプレイしている。
お話を伺ったのは、松川美苗プロデューサー、木下研人ディレクター、谷中政基運営プロデューサー。サービス開始時から現在までの状況から始まり、アップデートで追加される新ジョブや新モンスター、今後予定しているコンテンツなどさまざまなことを語っていただいているので、ご覧いただきたい。
▲左から松川プロデューサー、木下ディレクター、谷中運営プロデューサー。 |
なお、インタビュー中は敬称略。
――アーリーアクセス開始から約1カ月がたちましたが、現時点でのユーザーからの反響はいかがでしょう?
松川:おかげ様で多くのユーザーのかたに遊んでいただき、何とかオンラインゲームとして軌道に乗せることができました。とはいえ、大小トラブルを発生させてしまったことをお詫びいたします。申し訳ありません。
まだ本作を遊んだことがないという方も、この記事を読んで本作を遊びたいと思っていただければうれしいです。
――無料で遊べるというのが大きいポイントですよね。
松川:そうなんですよ。会社ではPS4で遊んで、家ではPCで遊んでいるとか、いろいろなところで無料でオンラインゲームが楽しめるというプレイスタイルが可能だということから、お1人様複数プラットフォームでダウンロードをいただいていることが、ダウンロード数の増加にもつながったのではないかと思います。
――クロスプラットフォームが、ダウンロード数の増加に伝わったと?
松川:それも大きいかと思います。かなり早い段階で100万ダウンロードを突破していたのはうれしかったですね。
谷中:100万ダウンロードを突破したのは、8月31日に正式サービスを開始してから10日後ですね。さらに同時接続10万人というのは、国内のオンラインゲームで公表されている限りでは数例しかないようですね。
――そういった数字を記録したのは、当初の想定内のものだったのでしょうか?
谷中:想定内であったかと聞かれると、正直想定外ではありました(笑)。このため、グランドミッションなどで想像以上に負荷がかかって、結果的に開催を一時中断する事態になってしまって、本当に申し訳なく思っています。何回かテストをさせていただいて、ようやく“魔物のるつぼ”を安定して開催することができました。
松川:サービス開始当初は、大手他社さんのオンラインゲームで公表されている数値を参考に同時接続人数を見積もっていたんです。正式サービスが開始してから予想以上の人数が集まって、リアルタイムでサーバーを新たに増設しながらの対応となりました。
初日から、同時接続人数が8万人を超えるという熱量をユーザーの方からもらえているので、うれしい想定外でしたね。
――やはり基本無料という料金体系がユーザー数の増加につながったのでしょうか?
松川:9月の頭に発売を控えているPS4のいろいろなソフトを楽しみにしている方が、「その前に少し遊んでみようかな」という感じで8月31日に入ってきてくださっていたような印象です。1カ月経過しても予想外に接続数は減らず、多くの方に継続して遊んでいただけていました。
正式サービス開始から10日くらいがたつと、それまでメインであったPS4のユーザーさんから、PS3のユーザーさんとPCユーザーさんの割合が増えていきました。おそらく、お友だちに誘われて始められたユーザーの方ではないかと考えています。
本作には毎日20万人くらいが接続していただいているわけですが、さらにそこに、毎日新規ユーザーの皆様が入ってくるわけです。このF2P(基本プレイ無料)のゲームの独特の勢いに関しては、コンシューマーのタイトルを開発していた我々からは想像しにくい話でしたね。
谷中:この毎日20万人というアクティブユーザー数が、今になっても落ちないんですよね。基本無料のゲームの場合、最初だけ触って後は接続しないという人が必ず出てきておおよそ下降線になるはずなんですが、そうはならないんですね。それだけ皆様が楽しくプレイを継続してくれているんだなと。
――各ハードの割合を教えてください。
谷中:サービスイン当初はPS4が半分を占めており、PCとPS3がそれぞれ1/4程度でした。ただ、最近ではPS3とPCユーザーの割合が高くなってきています。おそらくPCやPS3でも楽しめるという認識が徐々に浸透してきたからではないでしょうか。
――今までコンシューマーのゲームを作っていたチームが本気で基本無料のタイトルを作ったことで、反響も大きかったのでしょうか?
松川:ユーザーの方の反響も大きかったですが、業界の方からの反響もありましたね。同じ業界のある方からは「これが無料で遊べる時代になったのはすごいですね!」というメールをいただきました。
カプコンが『ドラゴンズドグマ』をオンラインゲームとして急発進できたのは、1つはおっしゃる通り基本無料であったこと、そしてもう1つは、『ドラゴンズドグマ』の新作を待っていたファンの方々の存在が大きかったんじゃないかと思います。
――これまでにもらった意見でよかったもの、悪かったものを教えてください。
谷中:皆様からいただいたご意見はすべて目を通させていただいております。また、要件別に意見・要望リストとしてとりまとめさせていただき、特に多いものや重要なものを早期に対応できるように優先順位をつけて、運営と開発で日々改善のための話し合いをさせていただいております。
そういう意味では、厳しいお叱りの声も含めてすべて“素晴らしいご意見”として扱わせていただいております。少しでもお気づきになられた点……例えば「不便だな、もっとこうしたらいいのに」と思われた点がありましたら、公式メンバーサイトのご意見・ご要望フォームよりお寄せください。
――課金コースを使用する割合はどの程度を想定していたのでしょう?
谷中:元々“無料でも楽しめるゲーム”としてうたっていましたので、他の課金を前提としたオンラインゲームよりは、課金率は低くなるだろうとは考えていました。その分たくさんの皆様に遊んでいただけるなら問題ないだろうと。割合で言うと、約2割のユーザーの方が、何らかのオプションコースをご利用いただいている形ですね。
松川:その中でもやはり冒険パスポートコースを利用される方が多いです。それと、分母は少ないですが、トレジャーズロットをとことん回す、という方もいましたね。
谷中:“最強の武器はトレジャーズロットでは出さない”というのがポリシーとしてあったので、それほど売れないのではないかという予測はありました。Sランク武具の見た目に魅力を感じた人に買ってもらえればいいかなと。正直、トレジャーズロットの売れ行きが好調だったのは意外な部分でしたね。
――CBTよりSランク武器の売却額が下がったのはなぜでしょうか?
木下:性能面で序盤のブーストとして使用できる、というのがSランク武器のコンセプトだったので、それの付加価値としてあまりにも売却額が高すぎると、それで金策ができてしまうバランスになるのが本意ではありませんでした。それを考えたバランス調整の結果ですね。
――現状で人気のジョブはどれでしょうか?
谷中:もっとも人気が高いのはファイターで、ほぼ同じ割合でハンターが続いています。その他のジョブに関してはそれぞれ同じくらいの割合ですが、その中ではソーサラーが多少多いぐらいです。極端に低すぎるジョブ、いわゆる“死にジョブ”がないという現状は、開発側としてはうれしいです。
――エレメントアーチャーの特徴や、パーティープレイでの役割について教えてください。
木下:プリーストと似た特徴を持つヒーラーで、味方を回復したり、支援したりするカスタムスキルを多く持っています。瞬間的な回復力という面ではプリーストの半分以下しかありませんが、そのぶん、アタックができるという強みや、エネミーの肉質や耐性を下げるといったサポートが可能です。
――回復役というよりは、支援役という立ち位置なのでしょうか?
木下:そうですね。回復力が低いので、瞬間的な回復というよりはアタッカーに寄った性能を使いながら、パーティーの体力状況を持続させる役割として調整しています。
松川:プリーストの場合は瞬間的に大きく仲間を回復できるのが特徴ですが、エレメントアーチャーの場合は、味方をロックオンしてから、チャージしたうえで、回復の矢を撃ちます。そのため、回復役としては手数が必要になるようにはなっています。
――プリーストと同様に、エネミーのシークレットコアを露出させることは可能ですか?
木下:回復矢を放つ時の弓構え、“助真の魔眼”で敵を捕捉することで、シークレットコアを露出させることができます。
――エレメントアーチャーの攻撃力はどの程度になるのでしょう?
木下:シーカーと同程度です。一撃の破壊力よりは、手数で攻めるタイプですね。
――矢を発射する際には、長いため時間が必要となる?
木下:ロックオン時の集中ゲージをフルにためると時間がかかりますが、このゲージは、複数の対象をロックオンしたり、適正距離から狙ったりすることで、素早くたまるようになります。大型のエネミーの部位ごとにロックオンが可能なので、なるべく広範囲にエネミーを捉えてから矢を放つほうが、ため時間も短くなります。ちなみに、適正レンジはハンターと同程度です。
――操作の難しさはどの程度でしょう?
木下:『ドラゴンズドグマ』のマジックアーチャーをイメージしていただければ、ほぼその通りの手触りだと思います。
松川:操作がうまい人ほど、いろんな種類の矢を使い分けられるので忙しく、逆にアクションが苦手な人でも、楽しく操作できるように調整しています。矢には誘導性能があるので、ハンターで矢をうまく命中させられなかった人でも安心です。
――エレメントアーチャーのスキルにはすべて誘導性能がある?
木下:現状のカスタムスキルにはすべて誘導性能があります。ただし、まだ詳細は言えませんが、先々のアップデートで追加する予定のカスタムスキルでは、例外的に誘導性能がないものもありますね。
――エレメントアーチャーは、どのような人に向いたジョブなのでしょう?
木下:補助をしっかり意識しつつ、火力を出していける方に向いたジョブだと思います。パーティー内で味方を支援することに喜びを感じられる人に使っていただければうれしいです。
――どのようなジョブから、エレメントアーチャーにジョブチェンジするのがオススメですか?
木下:効率的な話をすると、ハンターやプリーストのアビリティとのシナジーがあります。ハンターの“逞姿”で矢を構えている間のスタミナ減少を抑えたり、プリーストの回復力を高めるアビリティを活用したりといった運用がオススメです。
――防具は、どのジョブと共通なのでしょうか?
木下:プリーストやソーサラーと共通です。そのため、それらのジョブをあらかじめ育成している人であれば、スムーズにエレメントアーチャーの装備をそろえられるかと思います。
――支援役ということは、ソロプレイには不向きなのでしょうか?
木下:もちろんポーンを連れていく前提ではありますが、ソロプレイも十分に可能です。シーカーと同じくらいの火力は備えていますし、シークレットコアを積極的に露出できるというのも強みですね。
――ちなみに、シーズン1.1では、既存のジョブにもカスタムスキルが追加されるのでしょうか?
木下:そんなに大量ではないですが、カスタムスキル、アビリティともに、レベルキャップの解放と同時に追加される予定です。ちなみに、これらのカスタムスキルやアビリティの習得レベルは40以上になります。
――装備品に関しては、どのくらいの種類が追加されますか?
木下:各ジョブで4種類程度の防具が追加されます。これらの防具の装備可能レベルは40以上になりますので、当然生産難易度も高くはなります。
――新防具の性能は、どれもシーズン1.0での“魔物のるつぼ”の報酬を使ったレベル40装備よりも強力になるのですか?
木下:“輝く竜骨石”などを使うレベル40装備に関しては、新バージョンにおいても十分に強力な性能になっています。苦労して作った装備がすぐ使えなくなるということはありませんので、そこは安心していただいて大丈夫です。
――現在同レベル帯に装備の種類が1つずつしかありませんが、これから増える予定はありますか?
木下:レベル帯ごとの防具の種類を増やす予定は今のところはありません。ただし、シーズン1.1のエンド装備となる防具に関しては、いくつか幅を持たせるようにはしています。
――ウォリアーの実装はいつごろになりますか?
木下:シーズン1.2を予定しています。
――ウォリアーの特徴はどのようになるでしょう?
木下:基本的な動きはファイターと似た部分も多いですが、動きはかなり重厚です。ガードができないぶん、強力な攻撃力を持ったファイターといったイメージです。
松川:火力にロマンを感じる人には、魅力的に映るジョブになっていますよ!
――ちなみに、シールドセージのようなタンク役のジョブの追加予定は?
松川:具体的なことはまだ言えませんが、期待して大丈夫だと思います(笑)。続報をお待ちください。
――新たに大型のエネミーとしてアングルス、ホワイトキメラ、コカトリスが追加されました。これらのエネミーについて、ひとことずつ特徴と出会える場所を教えてください。
木下:ホワイトキメラは新エリアなどで遭遇する強敵で、ワールドクエストでも配信を予定しています。倒して得られる素材は新装備のクラフトに重宝しますので、逃さず倒していただけたらなと。ちなみに対象レベルはLV42~LV44あたりです。
ホワイトキメラが使用する魔法は、当然ですが通常のキメラとは異なります。蛇が氷を吐いてきて、ヤギは聖属性の魔法を使用します。
――アングルスは?
木下:アングルスに関してもLV40オーバーのエネミーになっています。出現場所は、ディナン深層林の奥地などです。また、グランドミッション“魔物のるつぼ”の推奨レベル45でも出現するようになっています。
このエネミーは、聖属性のブレス攻撃などを仕掛けてくるのが特徴ですね。また、言葉では言い表しにくいのですが、自分の周囲に球体をババッと出現させ、それが上がっていき、それが降り注いで広範囲にダメージを与える、という変わった魔法を使ってきます。
かなり知能の高いエネミーですね。なお、竜族なので、胸の傷が弱点になっています。それと、大きな角は破壊可能です。
――最後にコカトリスをお願いします。
木下:コカトリスは『ドラゴンズドグマ』ファンにはおなじみのエネミーで、基本的な特徴は前作とほぼ同様です。ディナン深層林にもバートランド平原北部にも出現しますが、バートランド平原北部の方が高レベルのコカトリスがいて、一段階レア度が高い素材をドロップします。
コカトリスは、石化ブレスを使用してきます。石化状態になったら石化を治すアイテムで治療することが可能です。10秒かからない程度で石化が進行してしまうので、その間に薬を使用してください。石化状態になってしまったら、仲間によるアイテムの使用や助け起こしでは復活できず、復活力や黄金石を使用して復活できます。
松川:今までは仲間にポンポンっと背中を叩いてもらえたので、ある意味それの繰り返しでどうにかなった部分はありました。でもコカトリス戦では、「おい! 固まったぞ!」「薬飲む!」っていうようなやり取りが見られると思います。
谷中:今回は初めて、仲間と一緒に“このつらさを共有できる”というところが前作までとの一番の違いですね。誰かとこの思いを分かち合えるというのが大きいと思います。
木下:このコカトリスのやっかいさから、バザーでの素材の値段が高騰したらおもしろいかなと思います(笑)。
松川:前作では登場が終盤だったので、今回の『DDON』では、みなさんたくさん苦しめられる機会を持てるのではないでしょうか(笑)。
――ディナン深層林に出現するシルバーロアは、ドレッドエイプなどと似た動きをするモンスターなのでしょうか?
木下:ドレットエイプなどとの同型になります。ただ、シルバーロアのみ使用する攻撃なども用意しています。強さ的には底上げされているのですが、基本的に弱点や対処法などは一緒です。
――シーズン1.1では、ワールドマップでいうところのどの部分が解放されるのでしょうか?
松川:物語の展開として、まずは隠されていた南側の部分を開拓していきます。ここが、ディナン深層林ですね。それと同時に、バートランド平原の北部に当たるエリアも広げていくという流れになります。そして北部に行ったら、オークの集団に囲まれるシチュエーションが多くなっていきます。
木下:ストーリークエストではシーズン1.0からシーズン1.1に繋がっていくわけですが、そもそも白竜がこうなってしまった状況を遡るために、その過程として歴史のあるディナン深層林に踏み込んでいきます。ディナン深層林の歴史をヒモ解いた上で、バートランド平原北部にある、オークの領土に踏み込む流れとなっています。
松川:シーズン1.0では覚者が置かれている状況や世界の説明にメインストーリーを注力していました。そこで出会った人たちがシーズン1.1だと色んな事件に巻き込まれたりします。少しだけお話しますと、エルフの滅びた都に関するエルフとオークとの戦争が、ドラマとして描かれていきます。ここからは、ついにシナリオ担当の野島さん節もしっかり出てきますよ。個人的に好きなキャラクターも活躍するので楽しみです。
シーズン1.0のメインクエストで登場したフードを被ったキャラが活躍したり、グリッテン砦やグランドミッションにも登場したりもします。それに伴い、いろいろと戦況も変わったりしますよ。それと、実は彼はエレメントアーチャーなので、エレメントアーチャーにフィーチャーした物語も展開していきます。
――ガルドノック砦はオーク領なのでしょうか?
木下:そうですね。オークたちの根城となっています。
松川:どの通路からも攻撃が飛んでくる可能性があるので、探索には注意が必要となるでしょう。この砦では、オークとの決着というか、ひとつお話のオチを付けていただければいいかなと思います。
――ガルドノック砦はストーリーで訪れる場所ですか?
木下:ストーリーのメインクエストの中で、ガルドノック砦にいくことになります。そこではモゴックとの再会もありますよ。ストーリー上の決戦はもちろんですが、グランドミッションの戦況の追加でも、またモゴックと対峙できるようになっています。
――モゴックの強さはキャプテンオークの強化版みたいな感じでしょうか?
木下:実はシーズン1.1ではキャプテンオークの上に、ジェネラルオークというモンスターも出てくるのですが、その上にモゴックが位置します。サイズ的には大型モンスターではないですが、8人で攻撃しても怯まないほどの一騎当千系の強さになっています。
松川:本当に木下がモゴック好きなんだろうなと感じるほど、モゴックにこだわりのチューニングをしてしまったので、開発でもなかなかモゴックに勝てなくなってしまいました(笑)。戦闘中、木下が「イケイケっ!」と開発チームを応援していると思ったら、「いや、モゴックの方を応援してるんだよ!」というようなエピソードもあったくらいです。
木下:戦闘において、タンクが引きつけてアタッカーがゆさぶって、という定番の戦闘スタイルも、少し壊したいなと思っています。新たなギミックを見せるエネミーとしても、モゴックにはガンバってほしいところです。
谷中:戦闘でゆさぶりばっかりだなぁと思っている方も、これから予想をくつがえされるのではないかなと思います。
――グランエントと戦うグランドミッションも公開されました。こちらの見どころなどを教えていただけますでしょうか?
木下:グランドミッションには、集団で走り回ってワーワー楽しむようなコンテンツが多かったのですが、グランエントに関してはどっしり構えている城塞を落としに行くような体感の違いがでたらいいなと思います。
松川:本当にいきなりグランエントがドーンと待ち構えているんです。そこから「さぁやりますか」という感じで、8人で向かっていきます。戦闘が始まると、グランエントがどんどん状況を変えてくるので、それを8人でなんとか倒せるか倒せないかというのをやっていただければとおもいます。
木下:森の大精霊としてハーピィもよびます(笑)。
松川:レスタニアの大地で一番やっかいだと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
木下:割と高い位置に弱点があるのも特徴なのですが、そこを狙っていくとハーピィが周回して眠らせにきます。そこから落ちると落下ダメージをくらったりだとか。初めからバリバリほかのエネミーを呼んだりはせず、スロースタートになっています。それで結局ギリギリクリアできなかったなとか。難易度的にはLv45装備をそろえている人8人でも、やっと勝てるかというくらいですね。現段階でいう「魔物のるつぼ」と同等のエンドコンテンツにしています。
谷中:エンドコンテンツというと、「自分はついていけない」と思う人もいらっしゃるかもしれないのですが、エンドコンテンツ手前で手に入る武器をしっかり作ってから挑戦していただければクリアできるようなバランスにはなっています。“魔物のるつぼ”もレベルが低い武器だと厳しいですが、ある程度レベルが高い武器ならクリアできていますので、そこの部分はあきらめずにがんばっていただきたいなと思いますね。
――TGSで『ストリートファイター』とのコラボが発表されて、頭装備が公開されましたが、それ以外の装備は実装予定になりますか?
松川:あの場では発表できなかったのですが、頭装備以外にはシークレットアビリティで楽曲がでてくることになっています。名前の通り戦闘曲が『ストリートファイター』のBGMになります。そのアビリティを持っている人がパーティーリーダーだと、パーティー全員がその曲になり、楽しく遊べるようになっています。
ちなみに、今後もみなさんの知っているようなコラボをどんどんしていきたいなと考えています。今回は初めてのコラボなので、カプコンを愛してくださるみなさんに向けて、『ストリートファイター』とのコラボでいかせていただきました。
――新エリアでの対象レベルはどの程度のものでしょうか?
木下:ディナン深層林にはLv45以上のモンスターもいますが、どちらかというとLv40~Lv43付近を想定しています。バートランド平原北部は、Lv43~Lv45が対象レベルですね。ちなみに、シーズン1.1では、ミスリウ森林深部やバートランド平原のエリアランクも、10まで上げられるようになります。そこで新たに解放されるエリアではLv40以上のエネミーも出現しますので、そこでレベルを上げることも可能です。
――シーズン1.1で既に実装されているエリアの変更点などはありますでしょうか?
木下:シーズン1.0のエリアでも、ワールドクエストの追加があります。ミスリウ森林深部やバートランド平原北部以外にも、ミスリウ森林などにも対象レベル40以上のものの追加を予定しています。新しいモンスターなどは新規エリアの方が多いですが、新たな組み合わせだったり、今までのモンスターがより手ごわくなって登場します。報酬も、苦労した分だけいいものが手に入るような調整をしています。
松川:そのほかの大きい部分ですと、グランドミッションのレベルキャップが外れてLv45まで引き上げられます。レベルキャップ解放に合わせて調整しますので、ぜひ挑みたいという方はより上のコンテンツを、ゲームを始められた方で、少しどんな感じか知りたいという方はレベル20前後でグランドミッションを回していただければいいかなと思います。
――保管ボックスのアイテム枠数が増えるといったアップデートの予定は?
木下:シーズン1.1中に拡張を予定しています。
――具体的にどの程度の容量が増える予定でしょうか?
木下:通常枠と冒険パスポート利用時の拡張枠の領域で1ページずつ増やし、合計で80枠分の拡張を予定しています。また、シーズン1.2では同時に、アイテム1種類に付き999個までスタックできるように調整しています。これによって回復アイテムなどで倉庫を圧迫せずに済むようになるかと思いますよ。
――ポーンの思考パターンの強化予定は?
木下:今のところは単純にポーンのAIの育成にようなものに手を付けるようなことはしないです。ただ、ともに戦う上で賢さが足りないような部分に関してはもう少し手を打たなければいけないと思っています。そういった調整を、シーズン1.2までを目安に行いたいなと考えています。
――バザーへの出品制限について、今後緩和される予定は?
木下:本来意図しない形でRMT(リアルマネートレード)によるゴールドの取引に利用されてしまっていましたので、出品数の制限を急きょ行なわせていただく形となりました。また、装備品をバザーに出せるようにする予定は、先々も考えていないです。ゴールドで装備品が買えてしまうと、装備品を作る過程などが失われてしまいますので。
素材の取引でお財布とにらめっこしつつ右往左往しながら、というバランスは崩したくないので、装備品に関しては現状のままの予定です。
――クラフトポイントを振り間違ってしまったのですが、クラフトポイントの振り直しは今後できるようになったりしますか?
木下:あまり知られていないことですが、1.0までのクラフトポイントはまだ成長途中なんです。また、一点強化をしたポーン3名での作業でも、内部的にはリーダーとアシスタントの能力差や、対象のアイテムランクなどさまざまな要因が絡みますので、単純にスキル合計値だけが結果に比例するような設計にはなっていません。
松川:ポーンに関しては、黄金石で雇えるクラフトマスターポーンのラインナップを増やしていく予定もあります。ユーザーさん同士の貸し借りも楽しんでいただきたいなと思っているので、絶対自分のポーン3体をベストに育てなきゃというようにはならないように、幅を持たせていきたいなとは思っています。しかし、振り直しの部分に関しては、要望の多いですので、検討していきたいですね。
――ポーンへの命令のうち、追従、警戒、待機、敵バインド、敵体勢崩しといった少々わかりにくいものの効果を知りたいです。
木下:“追従”は単純に自分のあとについてきてほしい時に、使用するものになっています。“警戒”は攻撃よりも補助を重視するような思考性で動く命令です。“待機”は、戦闘時により慎重に動くようになります。非戦闘時には、言葉通りに待機します。敵が先にいて自分だけ様子を見に行きたい場合などに、ポーンが敵のセンサーに引っかからないようにするために活用できます。
“敵バインド”は敵が動けないように押さえつけるだとか、バインドアンカーなどの足どめ系のスキルを持っていればそれを使用します。“敵体制崩し”は、敵にダメージリアクションを与えやすいものを選んで攻撃します。片膝をついてダウンさせる状態などで使用すると、体制を崩せますね。
――命令の時間は?
木下:命令の効果時間は一律ではなく、1回命令をして終了するものと、命令後にしばらくその命令を意識して戦うものの、2タイプに分かれています。意識して戦うものは15分程度、瞬発的なその場で使うような命令は5分程度、効果が持続するようになっています。どちらにせよ、その場その場の状況で命令を出していくのがベストだと思います。
本来は一律で短かったのですが、意識して動いてもらいたい行動などは、時間を伸ばそうということで15分ほどにした経緯があります。
――操作しているキャラの中に、メガネをかけているキャラがいましたが、こちらはシーズン1.1で実装されるのでしょうか?
木下:こちらの装備はシーズン1.1で実装される新装備の1つで、プリーストやソーサラー用の頭防具になります。他のジョブにも、目新しいデザインの新装備が追加されますので、楽しみにしていてください。新装備は性能・生産難度とも高めのレベル設定になっています。
――最後にバージョンアップを楽しみにしている方々に一言コメントをいただければと思います。
木下:おかげさまで本当に多くの方に遊んでいただいているので、開発スタッフ一同それを糧にがんばっています。シーズン1.1で物語も中盤に差し掛かって、アクションも新ジョブが追加されてさまざまなコンテンツが遊べるようになってますし、また年末のシーズン1.2はウォーリア―などのジョブも期待にこたえられるようにガンバっていきます。継続して楽しんでもらえるようにスタッフ一同作っていますので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
谷中:シーズン1.1を発表したタイミングで「もうVer1.1かよ! 早いよ! ついていけないよ!」とおっしゃる声もありました。とはいえ正式サービスから約1カ月しか経っていないので、まだまだ先の人に追い付けなくなるということはないです。コツコツガンバっていただければエンドコンテンツもクリアできるようにバランスを取っていますので、安心していただければと思います。
まだ遊んだことのないお友だちなどに声をかけていただいてもらい、仲間と一緒にプレイすることで難しいハードルも超えることができますので、焦らず楽しんでいただければいいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
松川:まずはこうやって皆さんに1回目のアップデートをお届けできるように、最終調整をガンバっています。ここからまた『DDON』の世界は広がっていきますが、シーズンアップデートを通じてドラゴンと自分とを描いていきますので、その過程でどんどん覚者として強くなっていって我々も強いモンスターやジョブを作って遊んでいただけるように頑張ります。そして、どうそこれからも『DDON』を引き続き応援していただければと思います。よろしくお願いいたします。
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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