2015年10月17日(土)
バンダイナムコエンターテインメントが9月25日に発売したPS4/PS3『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』のレビューを、『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』のゲームが発売されるたびに生を受ける、電撃オンラインのスコーピオンkbjがお届けします。
なお、以下のナレーション的なテキストは、田中秀幸さんボイスに脳内で変換して読んでください。
夏のイベントラッシュやゲームショウ2015が終わり、ようやく平和を迎えた電撃オンライン編集部。やっと一息つけると思ったのもつかの間、『聖闘士星矢』の新作ゲーム『ソルジャーズ・ソウル』が発売されたのだった。
それを聞いたのは、電撃オンラインで随一の小宇宙(コスモ)を持つ、スコーピオンkbjだった。
kbj「寝ているわけにはいかん! このスコーピオンkbj、死しても心はアテナとともに!」
というわけで、気持ちだけはフェニックス一輝ばりにしぶとい、スコーピオンkbjです。先ほどのセリフですが、まだ死んでいませんよ。ギリギリ生きています。
あと、田中さんのナレーション部分は終わっています。脳内設定ですが、ご出演いただき、ありがとうございました。というわけで、すでに長くなっていますが、『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』の魅力を早速語っていきたいと思います。
まず外せないのは、星矢たちの物語を追体験できる“レジェンド・オブ・コスモ”に北欧アスガルド編を収録していることでしょう。この北欧アスガルド編はテレビアニメオリジナルでありながら、海皇ポセイドン編につながる展開や北欧神話をベースにした物語が人気のエピソードです。
放送当時、サーベルタイガーをモチーフにしたシド、バドが自分の周りでは人気でしたが、『聖闘士聖衣大系』(セイントクロスシリーズ)を手にした時のかっこよさから、個人的にはアルファ星ドゥベのジークフリートが印象的でした。まあ、うちはおもちゃをあまり買ってもらえなかったので友だちの家で遊んだ感想ですが。
この北欧アスガルド編は、確かにおもしろかったのですが、なにぶん昔のことでやや記憶があやふやになっているところも多々あります。そんな昔のキャラが、こうやって動きながら会話しているのは感慨深いです。
う、動いている……だと!?
バカな! 確かに前作『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』での会話シーンは、アドベンチャーゲームのようにキャラの立ち絵のみだったはず! それが3Dモデルで動いているだと!?
黄金十二宮編に加えて、海王ポセイドン編、冥王ハーデス編を収録していた前作『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』。これらすべてのエピソードをあわせると膨大になるため、少し物足りなさを覚えつつ、会話を楽しめることを喜んでいました。
しかし、本作『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』では、キャラクターが動くのです。もちろん、黄金十二宮編、海王ポセイドン編、冥王ハーデス編でも見ることができます。キャラクターが3Dモデルで再現されているのを見るとグッときますね。
物語を見つつプレイしていると、いろいろな記憶がよみがえる……というか劇中の青銅聖闘士(ブロンズセイント)同様に苦労するほど、神闘士(ゴッドウォーリアー)が強いんですが!
このスコーピオンkbj、前作『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』では全部ではないにしても、多くのステージで“S”をとっているのに……
ぐはっ……やられただと!?
その時、どこからか、「氷河……氷河!」という声が。これは……沙織さん! いったい、どこから!?
そう、PS4版では一部シーンでコントローラのスピーカーからボイスが流れるのです。この仕様を知らなかったので編集部中にやられたことをアピールしてしまったじゃないか! 恥ずかしいなぁ、もう!
しかし、聖闘士(セイント)に同じ技は通用しないんだぜ! 次こそはベータ星メラクのハーゲンを倒す!!
……ってやっぱり強い! いくらゲームショウ明けで小宇宙が下がっているとはいえ、こんなはずでは! ああ、また沙織さんの声がフロア中に響きわたってしまう!
そして、コンティニュー時の連打判定が2回目以降かなり厳しくなります。たぶん2回が限界ではないでしょうか? これは同じ相手に3回負けることは許さないという、沙織さんからのメッセージかもしれませんね。
ちなみにコントローラから音を出して、負けたことを編集部メンバーに知られたくないスコーピオンkbjのような人は、オプションのサウンドセッティングから変更しておきましょう。
本作では『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』からさまざまな点が変更されています。
まず挙げたいのは、PS4版の秒間60フレーム描写でしょう。実は個人的にはフレーム数にはあまりこだわらないタイプなんです。よくある「しゃがみ強攻撃は発生が9フレームだから、ガードが間に合う」とか、そんな世界で生きていないので。
ただ、今回比較のために前作『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』をプレイした後に、PS4版『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』をプレイしたところ……!
見える! このスコーピオンkbjの目にも描写速度があがり、より細かく動いているのがわかるぞ! まるでシャイナさんを攻撃され、アイオリアの光速拳を見きった時の星矢のように!!
テキストだとまったく伝わらないかもしれませんが、ぜひ前作を持っている人はPS4版と比べてほしいですね。
さらにPS4版であれば、青銅聖衣(ブロンズクロス)や黄金聖衣(ゴールドクロス)、鱗衣(スケイル)に冥衣(サープリス)、神闘衣(ゴッドローブ)や神衣(カムイ)が、より美麗に、より光沢を増して描写されます。
言うまでもなく、おもしろいゲームかどうかは、描写に左右されるものではありません。要は、小宇宙です!! ただ、同じゲーム内容でより描写が綺麗であるのであれば、それにこしたことはないのです。
他にもある変更点の中で、良調整の1つはビッグバンアタック(BBA)でしょう。
前作はBBA発動時のモーションを連続攻撃に組みこむことができず、当てにくいシステムになっていました。相手の起き上がりに重ねておくか、相手の大きなスキを見て発動して当てるものでした。
本作では特定時に発動できるようになり、連続攻撃に組み込めるものもあります。これはいいです。その他のキャラについても当てやすい調整になっているため、使いやすくなっています。
あとは、回り込んで攻撃をかわす“光速ムーブ”も変更されています。前作は相手のすぐ後ろに回りこんでいたため、すぐに反撃できたのですが、今回はやや遠くに出現します。相手の攻撃をしのぐという意味ではいいのかもしれませんが、ダメージを与えにくくなってしまったため、個人的には残念ですね。
ただ、光速ムーブに必要な小宇宙ゲージの料が徐々に増えていくというのは、連発を防ぐという意味でいいと思います。
おもしろい演出という意味では“コズミックK.O.”は外せません。本作ではバーストアタックや必殺技など、特定の攻撃で相手をKOした時に、描き文字が描写されることがあります。これは『聖闘士星矢』らしさがものすごいです。さらに、頭から地面に激突したり吹っ飛んだりという演出もあります。原作らしさが織り込まれている演出であるため、最初に見た時のインパクトがすごいです。
やや地味な変更点かもしれませんが、セブンセンシズ覚醒も外せません。
前作では攻撃力アップやダメージ軽減など、ありがたいのですが初心者が逆転につながりにくい仕様でした。本作では、発動すると小宇宙ゲージが最大になります。そのため、困った時にとりあえず発動してビッグバンアタックを撃てるようになり、格闘ゲームが苦手な人でも「ひとかみしてやった!」と気持ちを味わえます。
▲ゲーム本質とは関係ありませんが、PS4版はロード時間がかなり短いです。青銅聖闘士と黄金聖闘士の打撃速度くらい違います。 |
先ほど、本作に収録されている“レジェンド・オブ・コスモ”について記載しました。本作に収録されているもう1つの目玉モードは“バトル・オブ・ゴールド”です。
こちらでは、神聖衣(ゴッドクロス)をまとった黄金聖闘士による物語を楽しめます。先日まで放送されていた、新作アニメ『聖闘士星矢 黄金魂-soul of gold-』とは異なる展開ですが、アイオリアとシュラや、カミュとミロなど、作中でも見られた組み合わせも用意されています。
それだけでなく、神聖衣を着たアフロディーテに嫉妬するデスマスクや、カミュのクールさに突っ込みを入れる童虎などおもしろいシーンも見られます。
また、前作から多数登場していた神に加わり、オーディーンの地上代行者であるヒルダも登場。前作でアテナを使えることにも驚きましたが、まさかヒルダをゲームでプレイアブル操作する日が来るのは夢にも思っていませんでした。
ヒルダは、オーディンのような槍を装備しているため、リーチは長め。さらに予想以上に動きながら攻撃します。特にアニメで戦っていた印象はないんですが、とにかく強いです。
本作ではアテナも「さすがは神」というレベルにしあがっていますが、神の代行者も強かったとは予想していませんでした。あと、つり目で厳しめのセリフを放つところもたまりませんね!
▲小宇宙を溜める時は、槍を天にかざすヒルダ様。青銅聖闘士では相手にならないほど強いです。 |
前作は美麗なグラフィック、多数の聖闘士参戦が話題となりましたが、対戦格闘として、気になるところもありました。そこを含め、本作では調整され、対戦格闘としても、かなり遊べるようになっています。さらに、聖闘士や神など現段階で最高数のキャラが登場しているため、現時点で最高峰の『聖闘士星矢』ゲームと言えます。
一方で少し気になったのは、トレーニングモードでしょうか。COMやゲージの設定をもう少し細かく決めたい、受けたダメージはすぐに回復してほしい、ダメージを表示してほしいなど、要望が少しありました。
あと、データ引き継ぎがないところも残念でしたね。本作が気になっているのは、かなりの小宇宙の持ち主。つまり前作を購入している可能性が高いので、ここは実現してほしかったです。
上記とも関係するのですが、コレクションショップでステージやフレーズなどを購入する際の金額が高いのです。アスガルド編を終えたので、ヒルデの妹・フレアが待つショップに行ったのですが、何も買わずに帰ろうかと思ったほど、桁が違いました。SランクやAランクでそこそこクリアしていたはずなんですが……。
▲なかなかポイントがたまらないのは少し厳しめ。効率よくためたい人には、サバイバルモードがオススメです。 |
個人的には、チュートリアルが追加されていたのはうれしいです。格闘ゲームが得意でない人、初めてプレイする人はルールを魔鈴さんが教えてくれます。ただ、後半では魔鈴さんを倒す卒業試験が待っていて、そこではけっこう容赦なく攻撃してくるので、チュートリアルだからと言ってなめないように!
スコーピオンkbjは、魔鈴さんに軽くひねられ、「聖闘士をなめるんじゃないよ!」というメッセージを受け取りました。
これだけ美麗なグラフィックで『聖闘士星矢』をプレイでき、さらに多数のキャラを動かせ、それをオンライン対戦できる『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』。正直、かなり楽しんでいます。
対戦格闘としての側面がやや強く出ているので、一見すると難しそうに見えますが、とりあえずボタンを押して必殺技を出すだけで、『聖闘士星矢』らしさを楽しめます。それができるようになったら、空中攻撃を覚えたり、バーストダッシュによる追い打ちを覚えていけばいいのです。
カミュを始めとする神聖衣の黄金聖闘士や、ミーノス、ハーデスなど、「これが神(もしくは神聖衣)の実力か!」と、バランスについては思わず突っ込みたくなる部分もありますが、それも『聖闘士星矢』らしさだと思っています。
厳しい状況を己の小宇宙で覆してこその聖闘士。ぜひ、その手で勝利をつかんでください。(次回作があったら冥闘士をもう少しだけ充実させてほしいスコーピオンkbj)
レポートを書いた御礼として、ゲーム内で獲得できる“称号”獲得パスワードを、広報を担当するシャイナ宮川からいただいたので掲載します。
●GZWTFYKH : グラード財団(称号後)
●TBXKEPCY : 天と地の狭間に輝く(称号前)
“グラード財団”は「~グラード財団」のように、称号の後半部分に使用可能。“天と地の狭間に輝く”は「天と地の狭間に輝く~」というように、称号の前半部分に使用します。
なお、あわせて使用すると“天と地の狭間に輝くグラード財団”となります。ええ、別にあわせて使う必要はまったくないのですが……。
プレイしている人は使ってみてほしいですし、もし記事を読んで興味が出た人は、購入した際にぜひ使ってみてください。
(C)車田正美/東映アニメーション
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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