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2015年10月25日(日)

『SAO Re:ホロウ・フラグメント』はどんなところが強化されている? プレイした感想をお届け【SAO特集】

文:袋こ~じ

 バンダイナムコエンターテインメントから2015年11月19日に発売されるPS4用ソフト『ソードアート・オンライン ゲームディレクターズ・エディション』。その中で遊べる『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-(Re:ホロウ)』のレビューをお届けしていきます。

 オリジナル版である『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』をはじめ、ゲームの流れを知らない人は、まず『SAO』ゲームの歴史を振り返る前編後編をご覧ください。

 さて、この記事の本題である『Re:ホロウ』に戻しましょう。オリジナル版である『ホロウ・フラグメント』は、川原礫先生が執筆する電撃文庫『ソードアート・オンライン』のコンシューマゲーム機用のシリーズ2作目。そのリファイン版ではどんなところが強化されているのでしょうか? それを見ていきましょう。

ゲームオリジナルヒロインのエピソードをさらに掘り下げる

 振り返り記事を読んでいただければわかる通り、本作は“第75層で《SAO》がクリアされなかったif世界”です。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』

 だから、というわけではないですが、本来《SAO》内に囚われていたアスナたち以外にも、《フェアリィ・ダンス》編のヒロイン・リーファ、《ファントム・バレット》編のヒロイン・シノンなども“とある理由”で《SAO》にやってくるという、ファンには夢のような展開になっています。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』

 その他、ゲームオリジナルのヒロインも、ゲーム『SAO』シリーズならではの楽しみの1つ。『Re:ホロウ』では特に、『SAO -インフィニティ・モーメント-』のキーパーソンだったストレアに強くスポットが当たっています。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲非常にマイペースな言動でキリト(やその周囲)を振り回すストレア。腕前も相当なものなのですが、とある秘密があります。
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲ある意味、ストレアと非常に近しい存在であるユイ。彼女もストレアをめぐるエピソードでは重要な役回りを担うことになりそうですが……?

 『ホロウ・フラグメント』でのストレアは、その立場ゆえに《ホロウ・エリア》にはあまり絡めなかったのですが、『Re:ホロウ』では、彼女専用の新規シナリオが追加されています。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲オリジナル版をやり尽くした人でも、見る価値アリ! の新規のストレアシナリオ。内容はかな~りなシリアスめ?

疑似VRMMORPGとしての完成度がさらにアップ!

 VRがバーチャルリアリティの略なので、VRの疑似とはなんぞや? という話ですが、本シリーズ──特に1、2作目は“MMORPGの世界を家庭用ゲームの中に構築する”というコンセプトで作られています。

 ゲーム内には、プレイヤーが操作する主人公のキリトの他にも、《攻略組》と呼ばれるキャラ(CPUが操作)が100人以上おり、それぞれでパーティを組み、それぞれのスケジュールで《アインクラッド》の各所でレベル上げをしたり、街を散策したりして生活をしています。

 街を歩けばあいさつをされ、フィールドで出会えば共闘したり、とまさに“MMORPGの世界を実際にプレイしている感覚”に浸ることができるのです。……と、ここまでの要素はオリジナル版の『ホロウ・フラグメント』でも実現していたことなのですが、本作ではPS4になったことでさまざまな面が強化されました。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』

 グラフィックがキレイになったのは当たり前ですが、解像度が大幅に上がったことによる一番の恩恵は、画面内の情報が見やすくなったことだと思っています。画面上に並ぶバフ(強化)・デバフ(弱体)のアイコンなどが視認しやすくなり、プレイが正確&快適に。

 加えて、処理速度の向上によって同時表示可能なキャラクター数が多くなり、フィールドがかなりにぎやかになっています。街中をうろつく《攻略組》の数も、心なしか増えており、その様子はゴールデンタイムのネットゲームのような雰囲気ですね。

 また、公式発表ではないですが、プレイしてみた感じだと画面描画も60fpsになっていて、かな~りヌルヌル動きます。特にオリジナル版をやったことがある人は、いい意味で操作に違和感を感じるかもしれません。

 もともとアクション要素が強めのシステムだったため、この“動きのなめらかさ”もプレイの快適さに直結しているように感じました。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲システムのベースになっているのは、現在でもMMORPGでは主流の1つであるオートアタックをしながら、スキルを使ったり、敵の攻撃に合わせて防御行動を取ったりするリアルタイム戦闘方式。MMORPG経験者ならなじみやすいですね。
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲《ソードスキル》を連続で撃って連携したり、《SAO》ならではのスイッチを使った戦術など、パートナーの動きも絶妙。AIのはずなのに、フォローしてくれると「おお~、ありがとう!」と感謝してしまったり。
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲いくつものギルドが手を組んで強力なフロアボスに挑む、階層攻略のレイド戦。PS4版で画面が広くなっても“わらわら”感は変わらず……むしろパワーアップ?

その他の『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』の新要素

 PS4版における大きな変化のひとつが、プレイヤーのアバターを女性型にカスタマイズできるようになったこと。オリジナル版では、女性っぽい髪型が用意されてはいただけでしたが、本作では性別を変更する項目が追加。女性にすれば、体形やモーションなども変化します。

 もちろん女性ボイスも用意されているので、「操作キャラが女の子じゃないとモチベーションが上がらない!」という人も安心かも? 一応、シナリオ上ではキリトとして扱われるため、フキダシに出てくるセリフがキリト口調になる点はご愛嬌。

 また、性別とは関係なく、体形も縦と横に伸縮が可能になりました。最小サイズなら、ユイやシリカよりも身長の低いアバターも作成できたりと、カスタマイズの自由度が増しています。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
▲髪型やフェイスタイプ、色などを組み合わせるタイプのアバターカスタマイズ。髪型だけでも40種類近くあるので、好みの組み合わせがきっと見つかるはず。

 他にプレイしていて気づいた変更点としては、階層攻略時のボス出現演出があります。テキストにするとこんな感じです。

キリトとパートナーがボス部屋に入る→ボスが暗がりから現れて威嚇攻撃などのワンアクション→キリトたちが身構える→ボスの名前が大きな文字でドーンと出る……。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』
『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』

 これって、下手をすれば気づかれないレベルの演出変更だと思うんですが、それでも「これからボス戦が始まるぞ!」という気分を盛り上げてくれるいい演出だと思います。ちなみに、フロアボスの一部が新規のモンスターに変わったようなので、新たに攻略する楽しみもありそうです。

 PS Vita版との大きな違いをまとめると“グラフィックが大幅に強化され、遊びやすくなっている”、“ストレアまわりのシナリオが追加されている”、“女性アバターが作れるし、体型もカスタマイズできるようになっている”……といったところでしょうか。

 他にもどんな部分が強化されているのか、どんな部分に注目してほしいのか、バンダイナムコゲームスの二見鷹介Pにも聞いてみたところ、コメントをいただけました。

 “階層攻略編におけるフィリアのかかわり方”もかつてのものとは変わっていますし、《ホロウエリア》のシナリオについても全体的に調整が入っているので、ぜひご覧ください。サチとのシーンでは、キリトのボイスも追加しています。いろいろと変わっているシーンがあるので、お楽しみください。

 とのことです。もとからキャラゲーとしての枠を越えた完成度の高い作品です。過去に気になっていたけど未プレイという人は、この機会にぜひ! もちろん、オリジナル版をやり尽くした人も、プレイフィーリングはかなり別物になっているので、別作品として楽しむことができるハズ。

 てなワケで『Re:ホロウ』のレビューをお送りしましたがいかがでしたでしょうか? ちなみに『SAO ゲームディレクターズ・エディション』には、『Re:ホロウ』に加えてPS3&PS Vitaで発売された『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』をPS4向けにリファインされたものも同梱されています。まだ遊んでいない人は、この機会にまとめてゲーム『SAO』シリーズの世界にどっぷりハマってみるのも手だと思います。

『ソードアート・オンライン Re:-ホロウ・フラグメント-』

 最後に、オリジナル版である『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』の動画になりますが、かつて電撃オンラインで公開したプレイ動画なども掲載しておきます。まだプレイしたことがない人は、この動画を見てイメージをつかんでみてくださいね。

●【藍井エイルのゲームは遊びじゃない。】『ソードアート・オンライン ―ホロウ・フラグメント―』プレイ動画

(C)2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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