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2015年10月31日(土)

【WoWS特集】この冬、艦長になってみたい貴方へ! 『World of Warships』の遊び方をイチから詳しく解説

文:田中尚道

 この冬一番ホットな海に乗り出す話をする前に、少し昔の話をしよう。島国である日本は周りを海に囲まれているため、他国からの侵略に備えるにしても、他国に進攻するにしてもまず海軍を増強する必要があった――第二次大戦当時の話である。海外植民地を持つ欧米と日本は、制海権の確保こそが国家存続の道だったのである。

 それゆえに、外洋を航行できる艦を建造、配備し枢軸国と連合国で大規模な戦闘が行われたが、この際に活躍した各艦を使ったオンライン海戦ストラテジーゲームが『World of Warships(WoWS)』である。

 ミリタリーというテーマは年齢を問わず男子のロマンであるが、特に日米が主役となった太平洋での戦いにフィーチャーする本作は、より日本ユーザーに訴求する内容となっていると言っていいだろう。

 今回は、「興味があるが手が出せない」、「インストールしてみたがどう遊んでいいかわからない」といったユーザーのために、本作を詳しくレクチャーしていこうと思う。ぜひ本記事を読んで、この冬一番ホットな海で艦長デビューを飾ってもらいたい。

まずはクライアントをダウンロード

 ゲームは基本無料で、公式サイトでアカウントを作成し、ゲームクライアント(つまりはゲームソフト)をダウンロードするところから始まる。ちなみにwargamingがすでに展開している『World of Tanks』のアカウントがあれば、アカウント作成は不要だ。

 クライアントをダウンロードしたら、すぐにゲームプレイが可能になる。

『World of Warships』
▲wargamingは世界的な企業のため、検索エンジンで検索すると海外サイトに飛ばされることも。この記事を読んでいる人は、下記リンクからアクセスするのが楽だろう。

母港画面の見方

 プレイを開始すると最初に入るのが母港だ。ここでは戦闘に参加する艦の選択やカスタマイズ、購入を行う基地の様な場所だと思ってもらえるとわかりやすい。本作はこの母港画面と戦闘画面の2つで構成されている。

 つまり戦闘以外のすべてをここで行うということ。主にお世話になるのは画面上部の戦闘開始、港、モジュール、外観、技術ツリー、プロフィールの各ボタンと画面下部の各艦のアイコンである。

『World of Warships』

●港

 現在選択中の艦が表示される。マウスのホイールで拡縮、マウスの右ドラッグで艦の回転が行える。

『World of Warships』
▲拡縮によって艦のディテールを確認できるのがうれしい。なお未取得の艦を見ることはできないで、見たい艦があるなら頑張って取得してもらいたい。

●モジュール

 装備の開発、変更を行う。また次Tier艦の開発もここで行う。

『World of Warships』
▲艦によって開発できるモジュールが異なる。主砲や魚雷は攻撃力が、船体はHPと防御力が、射撃管制装置は射程が、主機は速度が向上すると考えるとよい。

●外観

 迷彩塗装で艦の外観を変える。それぞれの迷彩で効果が異なる。

『World of Warships』
▲迷彩は被発見率の低下と敵の命中精度に作用するものの2種類がある。購入はクレジットで行う。

●技術ツリー

 艦の進化ツリーを確認できる。各国でタブが異なりそれぞれツリー構成も異なる。

『World of Warships』
▲現在実装されている艦が確認できる。プレミアム艦は取得している場合のみ、ここに表示される。

●プロフィール

 実績などを照会するタブ。任務記録レベルによって行えることも変わってくるので、その確認などで案外頻繁に訪れることになるだろう。

『World of Warships』

●任務記録

 戦闘を行うことで艦以外にも経験値が入る。これにより任務記録レベルが上昇し、できることが増えていく。ゲーム開始直後は対CPU戦であるCo-op戦しか選べない。また開発と異なり、自動でレベルが上がる。

『World of Warships』
▲現在最上位であるランク9まで上がるとランク戦に参加できるようになる。

●概要

 戦闘の記録を確認できる。どの国家、どの艦種、どのTierを多く使ったか、勝率はどうかなどが詳細に記録されている。

『World of Warships』
▲戦闘結果を振り返ることで自分の傾向を知ることができる。敵を知り己を知らば百戦危うからずだ。

●実績

 戦闘で目覚ましい活躍をすると勲章をもらうことができる。特に特典のあるものではないが、その取得勲章を確認できる。

『World of Warships』
▲コレクション要素しかないが、欠けていると気持ちの悪いもの。狙って獲れるようになれば、かなりの上位者といえる。

●ランク

 ランク戦の状態を確認できる。ランク戦とはプレイヤーチーム同士で対戦を行うもの。TierVI、VIIの艦を使用して戦う。25よりスタートして勝利ポイントであるスターを獲得することでランクを上げていく。偶数ランクごとに信号旗を褒賞として受け取れる。

『World of Warships』
▲ランク戦に参加できるようになるとお世話になるが、ランク9まで上げるにはかなりの戦闘を繰り返さないといけない。

●艦船アイコン

 現在所持している艦をアイコン化したもの。出撃艦や母港画面で見られる艦はここか技術ツリーから選択する。なお、艦を増やす場合港スロットに空きが必要となり、これがない場合は艦を購入できない。港スロットは課金で購入するか、すでに所持している艦を処分することで確保する。

『World of Warships』
▲艦船アイコンにカーソルを合わせるとスペックや説明が読める。

どのような艦があり、どのような特徴があるのか?

 続いては、本作に登場する艦種について説明しておこう。『WoWS』で選択できるのは駆逐艦、巡洋艦、戦艦、空母の4種類となっている。

 軍艦の種類にあまり詳しくないという人のために、この4種の特徴を下に書き表しておく。

●駆逐艦

 もともとは小型艦艇を駆逐するために作られた艦種。波の荒い外洋を航行することができる艦種としては最小となる。

 艦の大きさに比例して搭載している砲も小さく、大型艦に有効打をあたえることができないが、それを補って余りある大攻撃力を持つ魚雷を搭載できる。隠密性が高く速度が速く、一撃離脱の肉薄攻撃で大型艦を向こうに大立ち回りを演じることもできる。

『World of Warships』
▲日本のTierX駆逐艦島風。小型の船体に大出力の主機を乗せた快速駆逐艦。魚雷発射管も5連装と高い攻撃力を誇った。

●巡洋艦

 外洋を航行することを目的に作られた軍艦。任務としても艦の大きさとしても駆逐艦と戦艦をつなぐ位置づけの艦ながら、駆逐艦よりも歴史は古い。

 魚雷を搭載して水雷戦を行うことを目的とした小型、快速の軽巡洋艦と砲撃力を強化した重巡洋艦の2種に大別されるが、『WoWS』ではこの別がない。また、駆逐艦より古くからある艦種であるがゆえ、各国で最初に使えるのが巡洋艦である。

『World of Warships』
▲ソ連の巡洋艦ムールマンスク。ソビエトはロシア帝国時代に大艦隊を擁していたが日露戦争で壊滅。本艦はアメリカからの貸与艦である。

●戦艦

 重厚な装甲、強力な艦砲を装備した最大型艦。建造費、運用コストが高く、数が少ないことと各海軍ともシンボリックな意味合いを持たせることが多い。

 さらに海軍の力の象徴であるため、軍艦に詳しくなくても名前くらい聞いたことがある艦が多く、航空母艦が登場するまでは海戦の覇者であった。意外に思われる方もいるかもしれないが、2015年現在では戦艦を運用している海軍はない。

『World of Warships』
▲世界最大の戦艦大和。登場時にすでに海戦の主役は航空機に移りつつあり、本艦より大きい戦艦が作られることはなかった。

●航空母艦

 第二次大戦までは補助艦艇の位置づけであったが、艦載機によるハワイ真珠湾攻撃や、航空戦力のみで作戦行動中の英戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、レパルスを撃沈したことで一気に海戦の主力に躍り出た。

 これにより大鑑巨砲時代は終わりをつげ、現在に至るまで海戦の花形となっている。ただし戦艦以上に運用コストがかかり、現在空母機動部隊を運用しているのはアメリカくらいである。

『World of Warships』
▲米空母ミッドウェイ。日米の戦争の趨勢を決めたミッドウェイ海戦から名を取られた本艦は、第二次大戦で米海軍が建造した最大の軍艦となった。

Tierってなに?

 すでに何度か登場しているTierという言葉。これは、母港画面にある技術ツリーで確認できる各艦種の分類のことである。ⅠからXまでの10段階あり、上位のTierに進むごとに艦は強力になっていく。

 各国ともおおむね同じ時代、同じような武装の艦が分類されており、強さのバロメータにもなっている。

 下位のTierの艦で戦闘を行うことで経験値を稼ぎ、これを貯めてひとつ上、あるいは同Tierの別艦種の艦の開発を行う。そして開発した艦はゲーム内通貨クレジットで建造する。取得経験値の一部がフリー経験値として蓄積され、これはどの艦や装備の開発にも使えるが、Tierを飛ばして開発を行うことはできない。

『World of Warships』
▲各艦から矢印が出ているのがおわかりかと思うが、この順にしか開発を進められない。

●艦の開発

 艦で戦闘に参加すれば、勝っても負けても経験値とクレジットが手に入る。貯まった経験値を使うことで艦の装備を強化できるのだが、装備開発の先に次Tierの艦がある場合、装備開発後に艦の開発を行える。

 また経験値によって開発を行う以外に課金や特典で入手することのできるプレミアム艦もある。プレミアム艦はTierこそ振られているものの、ツリーの流れの中に無いため、プレミアム艦を開発することもプレミアム艦から開発を進めることもできない。そして取得経験値はすべてフリー経験値になる。

『World of Warships』
▲TGSでのインタビューで、姉妹艦がプレミアム艦として登場するという話が出ていた。現状ネームシップのみがツリーに登場しているが、個性の違う姉妹艦は今後プレミアム扱いになるのかもしれない。

通貨などについて

 艦の開発、取得、装備の購入などにはゲーム内通貨クレジットを使用する。港スロットなど課金要素に関してはタブロンという独自通貨を使って購入。さらに一部アイテムはタブロンにて購入するものもある。

 クレジットが不足している場合、タブロンをクレジットに変換できる。変換レートは1タブロンで1500クレジット。ただし、クレジットからタブロンに変換することはできない。

 さらに艦の取得した経験値のうちすべての開発が完了していれば、あまった経験値をタブロンを使ってフリー経験値に変換できる。この際のレートは25経験値につき1タブロン。タブロンを支払いさえすれば、経験値は100%のレートでフリー経験値に変換できる。

『World of Warships』

その他のボタンについて

 画面の最上部にいくつかのボタンがあるが、最初のうちは戦闘開始とその右わきの戦闘タイプ選択くらいしか使わない。左わきの分遣艦隊については当分は必要ないので、ここでは説明を省略する。

 また、一番左端の歯車のアイコンが設定ボタンであり、グラフィック、音量、操作の設定が行える。特にグラフィックに関しては使用するPCのスペックで細かい設定が必要になる。グラフィックボードの非力なマシンでグラフィック品質を上げるととてもゲームが重くなる。つまりゲームが重いと感じたらこの部分の値を下げていけばよい。

『World of Warships』
▲オブジェクトの作り込みがしっかりしている本作。本当に楽しむならハイスペックのゲーミングPCが欲しいところ。それだけの価値が十分にあるタイトルだ。

戦闘について

 選択した艦のTierに合わせて戦闘がマッチングされる。TierIIIからの巡洋艦とTierIVからの駆逐艦は最高で2段階上位のTierとマッチングすることがあるので注意が必要だ。

 また、戦闘中に撃沈されてしまうとリスポーン(再出撃)することはできない。撃沈してしまった場合は、味方艦に視点を移動させて戦場に居続けるか、マップを出て新しい艦を選択すれば新しい戦闘に参加できる。戦闘はCo-op戦、ランダム戦の2種類があり、どちらも最大12対12で戦う。

 マップはランダムで選択される他、通常戦、遭遇戦、制圧戦のいずれの形式になるのかもランダム。通常戦は敵味方がそれぞれ陣地を持って、敵の陣地の占領を狙う。遭遇戦はどちらにも属さない空白の陣地の1か所の占領を目指す形式。

 制圧戦は複数個の空白陣地を多く占領すれば勝ちとなる。どのモードでも占領以外に艦を全滅させる(させられる)と戦闘は終了となる。

『World of Warships』
▲戦闘モードの切り替えは、「戦闘開始!」横のボタンで切り替える。なお、ランク戦は何度も言うがランク9なるまでは登場しない。

●艦の移動

 準備が整ったら「戦闘開始!」ボタンをクリックすることでマッチングが行われる。前述のとおり最初は対CPU戦であるCo-op戦しか行えないが、数回戦闘することでランクが上がりランダム戦が選択できるようになる。

 ゲームは戦闘開始からが本番だ。操艦についてはWとSで機関の出力調整を行い、前進する。艦が静止状態であれば、出力を0より下げることで後退することもできる。艦は海の上に浮かんでおり、かつ水の抵抗を受けるためすぐに最高速になることはなく、徐々に加速していく。

 W、Sキーはアクセルではなくあくまで出力の調整であるため、キーを押し続けなくても船は進む。左右への回頭はAとDで行う。舵を使って転進するため弧を描いて大回りに回る。また大型艦ほど挙動は重く旋回半径は大きくなる。

『World of Warships』
▲低速時と高速時では旋回半径も異なる。また加減速がむずかしいのでなるべく速度を維持しつつ行動しよう。

●攻撃

 艦の攻撃は砲によるものと魚雷によるものの2種類がある。艦砲は火器管制装置の性能により射程が決まっており、それより遠距離の場合はほぼ命中しない。また発射してから着弾まで時間がかかるので、敵との距離が遠いほど照準がずれてしまう。

 これを避けるために、未来位置を予測して射撃を行うことがとても重要となる。艦砲の弾種は2種類あり、榴弾と徹甲弾で性質が異なる。榴弾は艦の上部構造にダメージを与えるもので、火災を誘発するなどの副次効果があるが、装甲を貫徹することはほぼできない。

 徹甲弾はその名の通り装甲を貫徹する効果がある弾頭だが、小口径砲の場合厚い装甲を貫徹することができず、大口径砲の場合、小型艦の装甲を突き抜けてしまい、効果的なダメージを与えられないことがある。

『World of Warships』
▲艦は硬いので集中砲火で沈めるしかない。そのためにも味方との連携が重要になる。

 魚雷は主に駆逐艦と巡洋艦の一部が搭載しており、艦砲に比べて圧倒的な攻撃力を有している反面、比較ならないほど弾速が遅い。

 また発射後扇形に広がって進むため、複数の魚雷を命中させるにはかなり近接しないと難しい。艦砲に比べると装填時間がかなり長い点も話ずれずに覚えておきたいポイントだ。

『World of Warships』
▲魚雷の装填時間。30秒かかることがわかる。本作にとって30秒は、永遠にもひとしい時間である。魚雷と艦砲の組み合わせで、攻撃の隙を作らないように注意しよう。

●空母での戦闘

 空母での戦闘は、他の艦種とはガラリと変わる。マップが俯瞰(ふかん)画面になり、艦船の操作より艦載機の操作が主になる。空母は直接攻撃力を持たないため、艦は自動航行で前線から離れるように移動させるのがセオリー。

 そして2から0までのスロットを選択して艦載機を発艦させる。各艦載機のスロットに合わせてFボタンで発艦、その後は自艦の周りを旋回し始めるので、攻撃目標を発見したら、そこにカーソルを合わせることで自動で攻撃に向かう。

 戦闘機であれば敵航空機を、雷撃機、攻撃機であれば敵艦を狙い、接敵すると攻撃が始まる。俯瞰マップは表示されているマップ端にカーソルを合わせるとマップがスクロールする。また、Mキーで全体マップへのシフトが可能になる。TierⅣから空母が登場するが、操作系もゲーム性もかなり変わるため、今後より詳細な解説を行おうと思う。

『World of Warships』
▲戦術マップの様子。マップ全体が表示され、味方から見えている敵艦も同時に表示される。空母はこのマップを頻繁に使うことになる。
『World of Warships』
▲空母の通常マップ。戦場を俯瞰する形で、他の艦とはまったく違う見え方になる。

 空母はクセが強く、操作に慣れるまで時間を要するだろう。しかし、低いTierのうちは負けてもペナルティが少ないので、勝っても負けてもとにかく戦闘を繰り返し、操作しながら慣れていくことをオススメする。

 戦場でのセオリーもそれぞれに合ったものがあり、どれが正解ということもない。操艦に慣れたら戦術的な点に目を向けてみるとステップアップへの早道になるだろう。

 次回は駆逐艦について、基本的な部分から詳しく解説する。「駆逐艦での勝ち方がわからない……」とお悩みの人は、ぜひ掲載を待っていてもらいたい。

(C)Wargaming.net

データ

▼『World of Warships(ワールド オブ ウォーシップス)』
■運営:ウォーゲーミングジャパン株式会社
■対応機種:Windows
■ジャンル:SLG
■サービス開始日:2015年9月17日
■料金:ゲーム内課金あり

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