2015年11月11日(水)

『セブンスドラゴン』初心者に送る『III』の物語や用語集。三輪士郎さんによる魅力的なキャラや声優紹介

文:kbj

 セガから発売中の3DS用RPG『セブンスドラゴンIII code:VFD』。本作の世界観やストーリーを紹介する。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 『セブンスドラゴンIII code:VFD』は、過去・現代・未来の3つの時代を舞台に、人と竜の生き残りをかけた最終決戦を描く『セブンスドラゴン』シリーズ最新作にして完結編。プレイヤーは、3つの時代を巡りその因果を紐解くことで、東京に現れた7番目の真竜“VFD”の正体を解き明かすことになる。

 発売され、すでにプレイしている人もいると思うが、まだプレイしていない人に向けて、『セブンスドラゴンIII』の世界観や物語、登場キャラクターを紹介する。専門用語が作中に出てくるため、シリーズをプレイしているとより深く楽しめるので、シリーズ未体験者は記事を見てから遊んでほしい。

 なお、『セブンスドラゴンIII』の序盤を遊べる体験版が、ニンテンドーeショップにて配信中。体験版のセーブデータを製品版に引き継ぐと、特典アイテムが入手できるので、これから遊ぶ人、まず試しにさわってみたい人は体験版を入手してみては?

ストーリー

 UE77年、東京。2020~2021年に襲来した真竜2体による大厄災から約80年が経過した世界。

 改暦を経てUE77年、すでに竜の存在は過去になりつつあった。しかし竜が残した瘴気は地表に蓄積し、それに起因する不治の病“竜斑病”が蔓延していた。竜が姿を消しても、人類はその呪縛から逃れることができずにいたのである。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 そんな中、ノーデンス・エンタープライゼス(以下、ノーデンス)は2020年代の竜災害をモチーフにしたアトラクション“セブンスエンカウント”を東京有明に出展する。これは評判をよび、東京中の若者が、一目見ようと押し寄せるようになった。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 災厄は唐突におとずれる。前触れもなく、おびただしい数の竜が東京に飛来したのだ。惨劇が繰り広げられ、なす術もなく多くの命が失われ、世界は再び絶望の時を迎える。

 事態を打開しうるのは前暦同様、“竜を狩る者”しかいない。ノーデンスのCEOアリーによって見いだされた彼らは、人類の、世界の存亡をかけ、過酷な戦いに身を投じる。今回の敵は、最高位の真竜とよばれる第7真竜、VFD。

 その力は強大で、これまで人類が遭遇したいかなる竜をも超越しており、従来の手段ではおそらく歯が立たない。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 そこでノーデンスは、彼らに新開発のポータルシステムという時空間転送装置を与え、異なる時間線の世界へと差し向ける。

 ドラゴンは過去、現代、未来、さまざまな場所に襲来しており、これを狩ることで検体を回収する必要があるためである。検体から得られたデータは、ドラゴンクロニクルの解明に役立てられる。これが解明されれば対竜戦における切り札となりうる知見が得られ、それは、間近に迫る最強の真竜VFDの覚醒に備えて、ぜひとも必要なものだった。

シリーズ年表

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲アトランティス 首都アトランティカ

・紀元前約10000年:第3真竜ニアラがアトランティスを襲撃。人類と竜の最初の戦いがぼっ発し、アトランティス文明とルシェ族が消滅したとされている。

・西暦2020年:第3真竜ニアラが再来し東京を襲撃する。東京を舞台に真竜ニアラと人類が戦った。PSP『セブンスドラゴン2020』で体験できる。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』 『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲PSP『セブンスドラゴン2020』 ▲PSP『セブンスドラゴン2020-II』

・西暦2021年:第5真竜フォーマルハウトが東京を襲撃。東京を舞台に真竜と人類が戦い、ルシェが復活する。PSP『セブンスドラゴン2020-II』で体験できる。

・西暦2100年:第7真竜VFDが襲撃……? 全真竜に叛逆する人類最後の戦いがあり、本作『セブンスドラゴンIII code:VFD』で体験できる。

・西暦7000年:第3真竜ニアラ、第6真竜ヘイズがエデンを襲撃する。過去文明の消失から数千年後の世界・エデンで繰り広げられる真竜との戦いが描かれる。1作目のDS『セブンスドラゴン』で体験できる。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲エデン カザン共和国
『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲DS『セブンスドラゴン』

 西暦が用いられているのは2020年、2021年のみ。1作目『セブンスドラゴン』は現代から約5000年後の一度文明がリセットされた未来世界“エデン”を描き、PSPでの2作は近未来の現代・東京を舞台としている。

 今作ではそれぞれ、そこから年月が経過した“東京”と“エデン”を描きつつ、さらに、どちらの戦いにも因縁が深い、人と竜のファーストエンカウントである紀元前10000年、滅亡寸前のアトランティスも新たな舞台として用意されている。

 全シリーズ、根底の設定を共有した同一世界線での物語だが、DS版とPSP版に物語の直接的なつながりはなく、それは本作においても同様。いずれも単品でシナリオを把握し楽しむことができる物語になっている。全シリーズ共通の語り部として、過去に別銀河で竜に滅ぼされたヒュプノスという種族のエメル、アイテルというキャラクターが登場している。

本シリーズにおける“ドラゴン”の設定とは!?

●ドラゴン

 宇宙を駆け銀河を旅する、究極の生命体。その寿命は数億年におよぶ。銀河を旅しながら先々の惑星に“生命の種”を蒔き、それが育つとその惑星の文明ごと喰らうという習性をもつ。

 ドラゴンに喰らわれた惑星は無機の状態となり、その後文明が生まれることはない。ドラゴンは人類により、真竜 > 帝竜 > 帝竜以下、というランク付けがされている。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲ノーデンス・エンタープライゼスの施設を強襲した帝竜 スペクタス。

 ドラゴンは知的生物の持つ、思想、文化、社会といった情報を包括的なエントロピーとして喰らう性質を持つ。ドラゴンに喰われた後の星は、その文明の痕跡をすべて抹消され、無機でフラットな状態になるため、滅ぼされるのみならずその星に知的生命がいた痕跡・記憶までも失われる。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ドラゴンは食事の手順として星を喰らう前に、惑星を毒花“フロワロ”で包む。このフロワロで惑星が覆い尽くされた時、真竜が舞い降り、星を喰らう。星をフロワロに沈める行為、ドラゴンが星を喰らうために必要な工程を“ネバーランド化”、“調理”と呼ぶこともある。

 ネバーランド化は真竜に使わされた帝竜やそれ以下の竜が担当する。通常真竜がこの作業には関わることはない。厳密には“星のエントロピーを内向きに閉ざし、永久機関のような機構にとじこめてしまうこと(栄養たっぷりの卵にする)”を指す。

●フロワロ

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ドラゴンが惑星のネバーランド化を行う際に星に撒き散らす毒花。ドラゴンが出現する場所に発芽する。フロワロはドラゴンを象徴する花でありドラゴンによる侵食領域を示している。フロワロが咲いている場所は、ネバーランド化の完了した場所でもあるので、星全域がフロワロで包まれるという状態は星のネバーランド化が完了したことに等しい。

 ドラゴン以外の生命にとっては有害な毒素を持ち、瘴気を蒔き散らす。フロワロの毒にあてられた生命は凶暴化したり病気に見舞わることがあり、多くは死に至る。毒性の種類は発生源である真竜の性質に合わせて変化する。また同じ真竜でも性質や色が変化することもある。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 個々のドラゴンにフロワロ化できる範囲があり、強大なドラゴンほど、より広範囲をフロワロ化できる。範囲が被った際には、強いドラゴンの方が優先されるので、帝竜のいる場所でザコ竜を倒してもフロワロに影響はでない。

 建築物や鉱物、金属、水中、天井、どこでも咲く。フロワロは掃うこと自体は比較的容易に行えるが、生命力が強く、何処にでも、何度でも咲く。ただし、主であるドラゴンを倒せば、そのドラゴンに由来するフロワロは一斉に掃うことができる。

 たまに、異常繁殖して道をふさいでいるフロワロが存在している。これは、本来帝竜に打ち消されるはずのザコ竜のフロワロが突然変異で残り、通常より強く被さったもので通常の方法では払うことができない。フロワロ付近に存在するドラゴンを撃破することでのみ消失する。

真竜とは

 真竜はすべてのドラゴンの起源とされている存在。宇宙に7体存在すると言われている。

●帝竜とは

 真竜が星に近づくと、その影響で星にドラゴンが発生するが、そのドラゴンの中でも大きな力を持った竜。真竜が従える数多のドラゴンの中で、リーダー格のものでいわば部隊長。

●竜の発生について

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 真竜が星に近づくと、流れとして“フロワロ発生” → “竜発生” → “帝竜発生” → “真竜降臨”という段階を踏む。フロワロ発生から真竜出現までの時間は真竜によって異なる。

 ドラゴンは生殖活動を行わないので性別はない。すべてのドラゴンは、真竜によって生み出されるが、生み出す数やスピードは真竜により異なる。体構造も人類とは異なり、それを生み出した真竜の特徴を引き継ぐ場合もあるので、ある意味では真竜の子どもとも言える。

 真竜以下の竜およびフロワロは、どちらも星をネバーランド化するためだけに存在している。竜の発生条件とフロワロの発生条件は類似しているところも多く、竜のさらに下の存在がフロワロであるとも言える。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲第3真竜ニアラ

・第1真竜???……もっとも古い竜。地球への飛来時すでに年齢は20億歳で老齢。
・第2真竜???……1作目に登場。詳細不明で、エデンに幻視の姿で現れたことが確認されている。
・第3真竜ニアラ……1作目、『2020』、『2020-II』に登場。紀元前約10000年の地球に飛来し、アトランティス海洋王国で人類の前に姿を現したと言われている。その後アトランティスは滅亡している。
 その後2020年の東京に再来し、東京のムラクモ13班を中心とする人類と対峙する。地球生命体に執着し、その後も襲撃を重ねる。西暦7000年ごろ、真竜ヘイズを率いてエデンに再来。これに立ち向かうハントマンたちと対峙する。
・第4真竜???……???
・第5真竜フォーマルハウト……『2020-II』に登場。西暦2021年、ニアラを破った地球に興味を持ち来訪。好奇心が強く残忍。東京を襲撃するがムラクモ13班を中心とする人類によって倒された。
・第6真竜ヘイズ……1作目に登場したドラゴンで、もっとも若く好戦的。その嗜好により攻撃手段は物理のみで行われる。体構造についても物理法則に対してシンプルに強化されている。ニアラの呼びかけに応える形で地球に飛来する。
 しかし人類によって討たれ、ニアラを殺すための剣“竜殺剣”に封印されてしまう。
・第七真竜:VFD ……まだ誕生していないとされているが……。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲第5真竜フォーマルハウト。

真竜の討伐に関連するもの

●狩る者

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ドラゴンによる襲撃に対抗し得る存在として、星(地球)が特別な力を与えた人間のことで、歴代主人公がこれに該当する。彼らのみが竜殺剣を振るい、竜を狩ることができる。

 真にドラゴンに対抗し得る人間は、ごく少数に限られる。S級の異能力者たちの中でも『2020』、『2020-II』ではムラクモ13班がこれに該当する。

 初代『セブンスドラゴン』の時代でも一介の新人ハントマンであった主人公が真竜を倒すまでに成長した背景には、星の意思があった。

●ヒュプノスの姉妹

『セブンスドラゴンIII code:VFD』 『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲エメル(声優:田村ゆかり) ▲アイテル(声優:堀江由衣)

 高度な文明を持っていながらも、第三真竜ニアラに滅ぼされてしまった異なる銀河生命の集合意識。長き漂流を経て見つけた、故郷の星とよく似た“地球”をドラゴンから守ることを決意し、ずっと地球を見守っている。

 地球へと飛来してまもなく精神体が統合され“ドラゴンを憎む意思=エメル”と“人を愛する意思=アイテル”という 漠然とした2つの意思の混合体が発生した。

 彼女たちの叡智、助力があるからこそ、地球は100%不可能とされていた真竜撃退を成し遂げている。もともとが思念体であるため、不老。ワープなど、人間には不可能な技もやってのける。無茶なことをするには相応のエネルギーがいるらしく、『2020』では無茶な転移をしたエメルが子ども姿になってしまうことがあった。

●ルシェ

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲ルシェを代表するウラニア。

 外見上は耳が特徴的で性別でも形状が異なる。基本的な文化や身体構造は人間と同じだが、五感と野性のカンが人間よりもやや優れている。手先が器用で、特に鍛冶が得意。

 アトランティス時代には世界の覇者だった。しかし、第3真竜ニアラの襲撃後は歴史上から姿を消す。2021年の大戦の際に、ルシェの技術を必要としたムラクモによって復活する。

 『2020-II』の大戦後は、徐々に数を増やしていき、エデンの時代では珍しくもない人種として認識されているが、数では人間に適わないため、歴史上何度も迫害と差別を受けてきている。1作目に登場するアイゼン皇国には、未だにルシェを奴隷とする文化の名残がある。

 ルシェと人間の間に子どもをもうけることはできるが、いつの世も迫害の対象になることが多い。

●ドラゴンクロニクルと竜殺剣

 ドラゴンの全構造・記録の概念とされている。現代の用法で表現すると高度な情報技術。未完成な状態でもいわゆるソースコードとして断片的に利用可能。情報の塊であり具体的な形は存在しない。

 ドラゴンクロニクルは2020年の大戦において、ヒュプノスのエメルとアイテルによって人類に存在が明かされる。

 『2020』、『2020-II』時代では、これを兵器として再構築するために使用した。竜の検体を集め、ルシェ族の技術により真竜を分解する兵器“竜殺剣”を生み出した。1作目でも、これを利用し竜を殺すための剣“竜殺剣ドリス”を作成している。

登場キャラクター紹介

●ミオ(東京) 声優:豊崎愛生

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 非凡な知能と解析力を持ち主人公たちのナビゲーターを務める、優しい心を持つ少女。この世界に蔓延する“竜斑病(りゅうはんびょう)”という不治の病に罹っている。

●アリー(東京) 声優:沢城みゆき

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 主人公たちが所属することになるノーデンス・エンタープライゼスのCEO。独特の口調、人懐こい性格で、相手の地位や年齢、性別で態度を変えることのない、裏表のない人物。

 観察眼、決断力に秀でており、主人公たちに竜を狩る者の素質があることをいち早く見抜いたのも彼女だった。

●ジュリエッタ(東京) 声優:藤原啓治

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ノーデンス・エンタープライゼスの技術セクションリーダー。科学者としても生物学者としてもエンターテイナーとしても天才的な資質を持っており、本編に登場するVRゲーム“セブンスエンカウント”、小規模時空間転送装置“ポータル”、ドラゴンクロニクル解析など、ノーデンスを支える技術はすべて彼によって開発されている。

●ユウマ(東京) 声優:中村悠一

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 国際自衛軍・ISDFの特殊戦術部に所属するエリート。自身の能力に対するプライドはあるが、それを鼻にかけることはなく、他人に対しての物腰は丁寧な好青年。

●ヨリトモ(東京) 声優:石塚運昇

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ISDFに所属するたたき上げの軍人。ユウマの直属の上官で、信頼も厚い。「極東にマモノはいない、いるのはヨリトモという名のドラゴンだけだ」とささやかれている。

●ナガミミ(東京) 声優:小林ゆう

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 ぬいぐるみのような外見をした謎の存在。ノーデンスで主人公たちのナビゲートを担当する。外見からは思いもよらないほどの毒舌。

●ウラニア(アトランティス) 声優:早見沙織

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 およそ1万2千年前に存在したアトランティス海洋王国の女王。竜との戦いに倒れた先王を継いで、滅亡するアトランティスの最後の王となる。父の影響を強く受けて育ったため、発想や言動が父王の受け売りになることが多い。

●エーグル(アトランティス) 声優:梶裕貴

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 アトランティス海洋王国の下層市民によって構成された私兵団のリーダーとして、竜やマモノからアトランティスを守るべく絶望的な戦いに身を投じている。

●サイラス(エデン) 声優:杉田智和

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 UE77年から約5千年後の地上に存在する未来世界・エデンの“学都プレロマ”出身の天才星学者。「エデンの頭脳」と呼ばれている。研究に対して貪欲で、その探究には浸食を忘れて取り組む根っからの学者肌。

●ブリジルト(エデン) 声優:井上麻里奈

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 約5千年後の地上に存在する未来世界・エデンのミロス連邦出身の騎士団長。武勇に優れ男勝りだが、素直な性格で面倒見がよく、仲間から慕われている。


 次回の記事では、ゲーム概要とバトル、職業について掲載する。

データ

関連サイト