2015年11月21日(土)
アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで戦略やテクニックを勉強させていただく企画“アナログゲームでガチバトル”。
今回取り上げるのは、タイルを並べて立派な都市の建設を目指すシティビルドゲーム『Minerva/ミネルウァ』です。ゲームマーケット2015春で頒布されて、見事ゲームマーケット大賞2015の優秀作品に選ばれた本作を、制作者の林尚志さんとプレイします!
さらに『ミネルウァ』のテストプレイに参加した風船さんと、林さんと交流のあるゲームデザイナーのカナイセイジさんにもゲームに参加していただきました。また記事の後半では、林さんとグラフィック担当のryo@にゃもさんへインタビューも行っています(※リプレイ中は敬称略)。
▲右がゲームデザイナーの林尚志さんで、左がテストプレイに参加された風船さん。 |
▲『ミネルウァ』のパッケージ。ゲームマーケット2015秋の会場やアナログゲームショップなどで購入可能です。 |
林尚志(以下、林):“OKAZU brand”名義で様々なアナログゲームを発表。代表作は『Trains』『ひも電』『セイルトゥインディア』『Rolling Japan』など。海外で販売されている作品も数多く存在する、実力派ゲームデザイナー。
風船:ゲームマーケット頒布作品を自由に宣伝できる“ゲムマ配信会”を主催するなど、ボードゲーム関連のさまざまな動画を配信している。『ミネルウァ』には、テストプレイヤーとして参加。
カナイセイジ(以下、カナイ):アナログゲーム製作サークル“カナイ製作所”の代表で、国内外から注目を集めるゲームデザイナー。代表作は『Love Letter』『シノビアーツ』『ストリートファイターライバルズ』など。
ryo@にゃも(以下、にゃも):“OKAZU brand”のメンバーで、作品のイラストやロゴ、DTPなどビジュアル面をすべて担当。林さんの奥様でもある。今回はインタビューのみ参加。
梅津爆発(以下、爆発):アナログゲームをこよなく愛するフリーランスの編集者。ゲームマーケット2015秋で気になるのは『乙女島』『猫リニアモーターカー』『魔導書の主と3人の守護者』など多数。このリプレイは梅津爆発の視点で書かれています。
『ミネルウァ』は、場の施設タイルを購入して自分の都市に建設していくシティビルドゲーム。施設タイルからは、住宅を適切な位置に建てることで、資材や資金、文化や勲功などが発生。施設と住宅の建設を繰り返し、6ラウンド終了時に最も勝利点の高いプレイヤーが勝利となります。
林:皆さんはローマ帝国の地方都市の都市管理官です。これは、自分の都市を発展させて名声(勝利点)を得るのが目的のゲームです。
皆さんにはまず、最初に配置する公共広場1枚と、自分の手番で配置できる住宅9枚、小麦チップ1枚、プレイ順に応じたお金を渡します。
▲最初にプレイヤーの都市にあるのは、好きな資材が1つ手に入る効果を持つ“公共広場”のみ。この周りに施設を建設して都市を大きくしていきます。 |
カナイ:スタートプレイヤーの決め方は何でしたっけ?
林:一番最近、ローマに行った人ですね(笑)。
風船:行った事ないなぁ(笑)。
カナイ:ドイツには私も林さんも毎年行ってるんですけどね(笑)。
林:海外はドイツとオランダしか行ったことないです。
カナイ:小さい頃なら1回だけ行ったことはあるのですが。
爆発:ならカナイさんがスタートプレイヤーですね。
林:ではスタートプレイヤーのカナイさんには3金を渡します。次の僕は4金、爆発さんは5金、最後の風船さんが6金ですね。ちなみにお金の単位はデナリウスです。
爆発:デナリウスってどういう意味ですか?
林:たぶん有名な人です(笑)。昔のローマで実際に使われていた通貨の単位なんですよ。皇帝の名前が通貨単位に付けられることが結構あるんです。1アウグストゥスとか。
そして場には初期施設8枚と神殿タイル5枚を並べ、そこに1ラウンド目の通常施設を、ラウンドタイルが出るまで追加します。
▲下に並べてあるのが初期施設8枚で、内容は毎回固定です。上の神殿タイル5枚は、何が並べられるかはランダムです。タイルの見方は後述します。 |
▲1ラウンド目に追加されたのは“大きな麦畑”、“鉄鉱山”、“図書館”の3枚のみでした。 |
カナイ:少ない~!
爆発:施設タイルが次に追加されるのはいつですか?
林:ラウンドの終了時ですね。事前に施設タイルの山を6つに分け、それぞれにラウンドタイルを入れてシャッフル。それを1つの山にしているので、1ラウンド目が少なかったぶん、2ラウンド目の施設タイルは多くなると思います。
1つのラウンドは“メインフェイズ”、“補佐官獲得フェイズ”、“勲功フェイズ”、“準備フェイズ”の4つのフェイズに分かれています。
メインフェイズでは、“場のタイルを1枚購入して都市に建設”、“住宅を建てて建設済み施設の効果を使用”、“補佐官チップを使用して建設済みの住宅を再度使用”、“パス”の4つのアクションのうち1つを行います。
▲施設タイルの左側に書かれた資材(なければ無料)は購入に必要なコスト。下側に書かれたアイコンは住宅建設時に発生する効果を示します。 |
林:タイルの下部にアイコンのみが書かれている場合はそれがもらえます。アイコンと矢印(→)が書いてある場合は、左の物をストックに支払うと、右の物がもらえます。アイコンとコロン(:)が書かれている場合は、左の物の所持数と同じ数、右の物がもらえます。
▲例えばこの神殿を建てていれば、ゲーム終了時に所持している鉱石1つにつき2点を獲得。 |
林:アイコンとスラッシュ(/)が書かれている場合は、1つを選んで獲得します。中央が黒で周り8マスが白のアイコンは、建てた場所の周囲8マスの施設が対象という意味です。
▲この場合、ゲーム終了時にこの神殿の周囲8マスにある青タイル(文化施設)1つにつき3点を獲得。 |
林:基本はこれくらいなので、あとは特殊なタイルが出てきた時に説明しますね。なお購入に必要な資材が足りない時のみ、3金を支払うことで好きな資材1つの代わりにできます。また、各資材は6つまでしか持てず、それを超えて入手する際は即座に1つ1金に換金されます。
爆発:施設タイルを配置する際にルールはありますか?
林:既に配置してあるタイルの上下左右に隣接する場所にだけ配置できます。続いて住宅について。住宅は資材なしで建設可能で、建設したら上下左右のうち1方向を選びます。選んだ方向に向かって近い施設タイルから、順番に効果を使用します。
▲このように住宅を配置して右方向を選んだ場合、公共広場で好きな資材1つを獲得し、木材、3金、小麦と順に入手します。 |
林:別の住宅に到着するか、タイルの置かれていない場所に到着したら、そこで処理は終了です。住宅は補充されないので計画的に使う必要があります。
ただ、補佐官チップを配置済みの住宅に置くことで、その住宅をもう1度利用することはできます。既に補佐官チップが置かれた住宅には補佐官は置けません。補佐官チップは“補佐官獲得フェイズ”で入手します。
そして何も行動したくないと思ったら、パスをして順番タイルを取ります。
▲順番タイルの1を取った人が次ラウンドの最初のプレイヤーに。また誰かがパスをして1を取った後に行動する人は、毎回1金を支払う必要があります。 |
林:順番タイルを持っている状態で手番が回ってきたら、毎回ストックから1金をもらえます。そして全員がパスしたら“補佐官獲得フェイズ”に移ります。順番タイルの数字が大きい人から、お金か勲功チップを支払って補佐官チップを1枚獲得するかしないかを決めていきます。
自分にとって1人目と2人目の補佐官は5金か勲功チップ1枚で獲得できますが、3人目と4人目は10金か勲功チップ2枚、5人目は15金か勲功チップ3枚が必要になります。なお、一度のフェイズで2枚以上の補佐官チップを獲得することはできません。
続いて“勲功フェイズ”です。全員の勲功チップの枚数を比べて順位を決め、そのラウンドの順位に対応した勲功タイルを得ます。これは勝利点になります。
▲ラウンドが進むほど、勲功タイルの勝利点は上昇。勲功チップが同数の場合は、順番タイルの数字が小さい人が上位になります。 |
林:最後に“準備フェイズ”です。ここで勲功チップをすべてストックに戻し、順番タイルも元の位置に戻します。
爆発:勲功タイルの勝利点が毎回欲しい場合は、毎回勲功チップを入手しなきゃいけないんですね。
林:そのとおりです。そして施設タイルをラウンドタイルが出るまで場に並べれば、“準備フェイズ”は終わりで次のラウンドになります。これを6ラウンド繰り返し、最終的に勝利点が最も多い人の勝利です。
●『ミネルウァ』のルール要約(4人プレイ時)
【1】プレイ順を決め、各プレイヤーは小麦チップ1個、住宅9枚、最初に配置する公共広場1枚、プレイ順に応じたお金を受け取る。
【2】初期施設8枚と、神殿タイルの山から引いた神殿タイル5枚を場に並べる。
【3】施設タイルの山からラウンドタイルが出るまで施設タイルを引いて場に並べる。
【4】手番が来たら“場にある施設か神殿を1つ建てる”、“住宅を1つ建てる”、“補佐官チップを1つ使う”、“パスをして順番タイルをもらう”のいずれかを行う。
【5】全員がパスをしたら、順番タイルの数字が大きい順に、補佐官チップ1枚を獲得するか決める。
【6】各プレイヤーの勲功チップが多い順(同じ場合は順番タイルの数字が小さい人が上位)に、そのラウンドの勲功タイルを獲得。その後、手元に残った勲功チップと順番タイルをすべて戻す。
【7】順番タイルの1を持っていた人がスタートプレイヤーとなって次のラウンドに進み、【3】~【6】を繰り返す。
【8】6ラウンド終了時に最も勝利点の大きい人が勝者。
●『ミネルウァ』の勝利点獲得方法
【文化タイルの勝利点】手番の終了時、その手番で発生した各文化マークの数が、各文化タイルの一番上の文化マーク以上なら、対応する文化タイルを獲得できる。文化は演劇、芸術、学問の3種類。文化タイル1枚の最高点は8点。
【勲功タイルの勝利点】勲功フェイズで、勲功チップの多い人からそのラウンドに対応した勲功タイルを獲得できる。勲功タイル1枚の最高点は10点。
【神殿の勝利点】神殿ごとに書かれた条件によって勝利点を獲得。条件を満たせば神殿1枚で20点以上獲得できる可能性もあるが、大抵は10点前後獲得できれば上々。
【お金および資材による勝利点】ゲーム終了時に手元に残ったお金と資材を合わせて、3つにつき1点を獲得。
【順番タイルによる勝利点】6ラウンド目のみ、順番タイルの1に3点、2に2点、3に1点が付いてくる。
林:5つの勝利点獲得方法のうち、メインになるのが神殿の勝利点です。神殿0軒ではおそらく勝てません。続いて文化タイルと勲功タイルになり、お金と資材、順番タイルの勝利点は少なめです。
爆発:ではゲームスタートですが、序盤のコツを教えてください。
林:やはり、資材を生む生産施設(オレンジのタイル)を建てることが大事ですね。あとは最初に持っている小麦を消費して、強い施設を早めに建てることも大切です。例えば初期施設の“鋳造所”は3金を生みますが、3金は好きな資材1つの代わりになるので強い施設と言えます。
カナイ:“大きな麦畑”を建てる手もありますよね。
林:それも優秀な施設ですね。あと4種類の資材の中で最も入手しにくいのは鉱石なので、“鉄鉱山”を建てる手もあります。
爆発:小麦が一番入手しやすくて、木材、石材、鉱石の順でしょうか?
林:はい。石材と鉱石は神殿の建設に必要なので、入手方法がないと終盤で困るかもしれません。お金でカバーする手もありますが。
カナイ:迷いますが、序盤は小麦の方が大事な気がするので“大きな麦畑”を建てます。
林:お金は大事なので“鋳造所”で。
爆発:では林さんのマネをして“鋳造所”です。
風船:鉱石はまだいいかなぁ。“麦畑”にします。
その後、カナイが“森林”、林が“麦畑”、爆発が“森林”、風船が“岩山”を建設。
カナイ:そろそろ誰かがパスしそうですが、私はスタートプレイヤーの手数を生かして“岩山”を建てます。
林:小麦がないので、3金払って“鉄鉱山”を建てます。
爆発:“図書館”と神殿以外全部売り切れた! もうパスですね。
カナイ:次のラウンド用の資材を集めるために、住宅を建てておかなくても大丈夫ですか?
爆発:ああ、そういう手もありますね。……でも今回はパスで。
風船:ウチは資材もお金も余裕があるので住宅は建てずにパスします。
カナイ:ここは1金払ってでも住宅を建てておきます。2ラウンド目で資材が足りなくて欲しい建物を建てられなかったら残念なので。
▲最初に住宅を建てたのはカナイさん。4つの施設から全資材をバランスよくゲット。 |
林:僕も1金払って住宅を建てます。
▲林さんは“公共広場”で木材を入手。こちらもかなりバランスがいいです。 |
爆発:こちらはパス中に手番が回ってきたので1金もらえます。
風船:同じく1金もらいます。
カナイ:さすがにパスです。
林:僕も終わります。では補佐官獲得フェイズです。最初は5金か勲功チップ1枚ですが、勲功チップは誰も持ってませんね。僕はいりません。
カナイ:5金もありません……。
風船:やめておきます。
爆発:では5金で獲得してみようかな。
カナイ:次からお金大丈夫ですか!
爆発:ま、まあ大丈夫じゃないですかね……。
林:勲功フェイズですが誰も勲功チップを持っていないので、1ラウンド目の勲功タイルは誰も受け取らずにゲームから取り除きます。
風船:戦いが起こらない平和な時代でしたね(笑)。
林:では次のラウンドの施設タイルをめくりますが、誰も取らなかった“図書館”はそのまま次に持ち越します。それと順番タイルを戻しますが、1の人が次のスタートプレイヤーで、そこから時計回りになります。順番タイルの順に手番を行う訳ではありません。
▲2ラウンド目の施設タイルは13枚出て、前ラウンドで余った“図書館”と合わせて14枚に。 |
風船:結構出ましたね。
カナイ:“戦車競技場”欲しいな~。
▲“戦車競技場”は、建設したらすぐに効果が適用される施設(左下のハンマーアイコンが目印)。建てた“戦車競技場”の周囲8マスにある住宅1つ(補佐官がいる住宅は選べない)を取り除き、ゲームから除外する。 |
林:このゲームは施設を一直線に並べてから住宅を建設すると、一気に施設効果が発生して強いのですが、通常は両サイドに住宅を建設したら、もうその直線は補佐官チップがなければ使えません。
しかし“戦車競技場”で住宅を壊せば、再度そこに住宅を建設して直線上の施設効果を使えるので、状況によってはかなり強い施設です。
爆発:(あっ、手元に資材もお金もないから無料の建物しか建てられない……)。えーっと、“麦畑”にします。
カナイ:早く住宅建てたほうがいいんじゃないですか(笑)。
爆発:いやいや、まだ無料の施設がありますから!
風船:カナイさんに“戦車競技場”を渡したくないけど、まだ住宅建ててないからなぁ。……“物見櫓”にします。
カナイ:……迷うけどやっぱり“戦車競技場”かなぁ~。住宅破壊!
その後、林が“岩山”、爆発が“麦畑”、風船が“鉄鉱山”を建設。
カナイ:勲功チップを手に入れるなら“兵器工場”しかないけど、序盤だと効率悪いからあまり使いたくないなぁ~。
風船:石材の生産体制が整ったら強いんですけどね。
カナイ:風船さんを勲功で走らせるわけにはいかないから“兵器工場”を取るしかないか。仕事させられた感あるけど(笑)。
林:僕は“見世物小屋”を建てます。
爆発:もう文化が必要かぁ。では住宅を建てます。
▲出遅れた感はあるものの、ここでようやく爆発も資材を獲得。 |
風船:私も住宅です。
▲風船さんは1つ目の住宅で全種類の資材1つずつと勲功チップ1枚を獲得。 |
爆発:序盤は全員、一直線に施設を建てていますね。
林:ただ、あまり長くしすぎると、後半で困ることが多いです。適度な長さにしたら、別の場所にまた直線を作りたいですね。
カナイ:“食料品屋”にします。“大きな麦畑”の小麦をお金に変えてくれるでしょう。
林:住宅建てます。
▲林さんの住宅2件目は、右側にある“見世物小屋”の隣に建設して6つの施設効果を使用。演劇の文化タイル(2点)を含めて資材とお金をバランスよく獲得。 |
爆発:演劇の文化タイルの点数が高くなりそうなので、今のうちに“見世物小屋”を。
風船:……今回はアグレッシブに行ってみようかな。“庭園”を建てます。
カナイ:おおっ、もう“庭園”建てますか!
林:風船さんはいつもアグレッシブですよ(笑)。
カナイ:では“戦車競技場”で空いたスペースにもう一度住宅を建てます。
▲“公共広場”と“岩山”で得た石材を“兵器工場”で支払って勲功チップ2枚を獲得。ほかの資材もまずまず。 |
カナイ:かなり辛いですが仕方ない。
林:抜けま~す。
爆発:終わりで~す。
風船:パスで~す。
カナイ:うっ! ……お金払いたくないけど、1金払って“食料品屋”は建てておきます。
林、爆発、風船:1金もらえたよ~。
カナイ:私がパスして2ラウンド目終了。“補佐官獲得フェイズ”は私からですね。勲功チップ1枚で補佐官獲得。
風船:私も勲功チップ1枚で補佐官チップをもらいます。
カナイ:おっ、これで勲功1位になった。
爆発:こちらはノー補佐官で。
林:僕は5金で補佐官を獲得します。“勲功フェイズ”は、1位のカナイさんが3点の勲功タイルを獲得。2位はいませんでした。
▲3ラウンド目は軍事施設が多めに出現。前ラウンドの余りも含めて、文化施設の数も多いです。 |
▲“水道橋”は、建設した場所の周囲8マスにある施設(住宅は不可)1つを、好きな場所に移動させる効果があります。ただし、移動後に都市が2つ以上に分断されてしまう使い方はできません。 |
▲“交易所”は建設した際、2金払うごとに好きな資材1つを獲得できます。 |
▲“公衆浴場”は、建設した場所の周囲8マスにある施設を3つ選び、施設効果を使用できます。ただし建設時やゲーム終了時に効果が発動する施設には使えません。 |
風船:軍事施設たくさん出ちゃったなぁ。
爆発:1ラウンドにつき、何枚くらい施設タイルは出ますか?
林:通常施設は全部で66枚なので、6ラウンドで割ると11枚ですが、最後のラウンドの通常施設は全部出ないことが多いので、11枚より少し少ないくらいですね。
カナイ:今回は欲しいのがいっぱいあって迷うなぁ。
林が“大きな岩山”、爆発が“大きな岩山”、風船が“森林”を建設。
風船:お金稼ぐ方法を考えないと……。
カナイ:“水道橋”が残ってる。これは建てるべきか?……よし、“公共広場”を移動させちゃおう。
▲カナイさんが“水道橋”で“公共広場”を移動させた結果、都市はこんな形に……。生活しにくそう……。 |
林:では“物見櫓”を建てます。
爆発:ウチも“物見櫓”で。
カナイ:建てるだけで勲功チップが生まれる“物見櫓”はいいなぁ。ウチは“兵器工場”を動かすのに石材が必要だというのに(笑)。
風船:資材がないので、補佐官チップを住宅に置きます。
▲風船さんは住宅に補佐官を配置して、資材と勲功と文化をバランスよく獲得。 |
▲続いてカナイさんも“水道橋”で作った空き地に住宅を建設。石材を勲功チップに変えつつ、資材やお金を獲得。 |
風船:カナイさんの都市は、住民を騙しているとしか思えない(笑)。
▲林さんは右の住宅に補佐官を配置して資材や文化タイルを獲得。 |
爆発:では勝利点が上がった演劇の文化タイルをいただきます。
▲爆発は下に住宅を配置して演劇の文化タイル(3点)や勲功チップ、資材を獲得。 |
その後、風船が“工房”、カナイが“城砦”、林が“学校”を建設。
爆発:では補佐官チップを使って資材を獲得します。
▲爆発は右側に配置していた住宅に補佐官チップを置いて資材とお金を獲得。 |
▲続く風船さんは“森林”の右側に住宅を建設して、資材や勲功チップをバランスよく獲得。 |
▲さらにカナイさんも補佐官チップを住宅に配置して、資材やお金を大量獲得。“城砦”が建ったので、“兵器工場”は使われなくなりました。 |
爆発:カナイさんが好調に見えるなぁ。
カナイ:いやいや、勝利点全然ないですからね。文化施設もない、商業国家です。
林:住宅置きます。
▲林さんは“学校”の下に住宅を建設して、上方向に効果を使用。演劇の文化タイルは、文化マーク2つ以上が条件になったため獲得できず。 |
カナイ:林さんの都市に住む人の方が、ウチより幸せですよ(笑)。
爆発:悩むなぁ……。(考え中)……“公衆浴場”を建てます。
▲爆発は“公衆浴場”の効果で“物見櫓”、“大きな岩山”、“公共広場”の効果を使用。 |
風船:ではパスです。
カナイ:マジか~、早いですよ~(笑)。……ここはウチもパスしておきます。
林:パス。
爆発:パス。
林:“補佐官獲得フェイズ”です。現在の勲功チップは、カナイさんが3枚、風船さんと爆発さんが2枚、僕は1枚です。
爆発:3位でもいいから勲功タイル取りたい気もする。
カナイ:でも3位だと1点ですよ。
爆発:う~ん、補佐官は取りません。
林:僕は勲功チップを1枚払って補佐官取っちゃいます。
カナイ:ウチも勲功チップ1枚で補佐官を取ります。
風船:私も勲功チップ1枚で補佐官です。
爆発:(あっ、みんな補佐官取ってる。取ったほうがよかったかな? どうせ1、2点だったし)。
林:“勲功フェイズ”ですが、勲功チップ2枚で順番タイルが2のカナイさんが1位で4点。2枚で順番が4の爆発さんは2位で2点。3位は1枚の風船さんで1点です。
カナイ:文化タイル0枚(0点)、勲功タイル2枚(7点)、合計7点
林:文化タイル3枚(6点)、勲功タイル0枚(0点)、合計6点
風船:文化タイル2枚(4点)、勲功タイル1枚(1点)、合計5点
爆発:文化タイル1枚(3点)、勲功タイル1枚(2点)、合計5点
▲4ラウンド目の施設タイル。右上の“食堂”は、建てた際に好きな資材2つを獲得できる効果を持ちます。 |
風船:意外とタイル出ましたね。
カナイ:“食堂”熱いなぁ。無料で好きな資材2つもらえるから、みんな大好き。
風船:でもウチは“食堂”じゃなくて“大きな森林”を建てます。
カナイ:マジですか! なら遠慮なくタダ飯食います(笑)。
▲街外れに“食堂”を建てて鉱石2つを得るカナイさんであった。 |
カナイ:紫タイル(特殊施設)を一カ所にまとめて、ここに紫に対応した神殿を建てる予定です。
林:“工房”を建てます。位置は……微妙だけど“物見櫓”の上ですかね。
風船:芸術の文化で競合しちゃったか。
爆発:住宅建てます。
▲“麦畑”の左に住宅を建てる爆発。“公共広場”でコツコツ鉱石を集めてます。 |
風船:“炭焼小屋”を建てます。これがやりたかった。
爆発:“大きな森林”で得た木材をすぐに“炭焼小屋”でお金にする商売ですね!
カナイ:こちらは“城砦”の右側に住宅を建てます。
▲カナイさんは“城砦”側から施設を使用し、勲功チップ3枚などを獲得。 |
▲続く林さんも“工房”の上に住宅を建設。文化通りを作って合計5点などを獲得。 |
その後、爆発が“鍛冶屋”、風船が“劇場”、カナイが“図書館”を建設。
林:補佐官使います。
▲林さんは“公共広場”の左にある住宅へ補佐官を配置して資材とお金を獲得。 |
▲続く爆発は“鍛冶屋”の上に住宅を建設して資材やお金などを獲得。 |
▲風船さんも“庭園”の下に住宅を建設。炭焼きしつつ文化タイルも2枚獲得。 |
その後、カナイから順番に全員がパス。
風船:“補佐官獲得フェイズ”ですが、私は取りません。
爆発:勲功チップ1枚で補佐官を獲得しました。
林:今回は取りません。
カナイ:では勲功チップ2枚で3人目の補佐官を獲得します。
林:“勲功フェイズ”は、勲功チップ1枚で順番タイル1のカナイさんが1位で6点。2位の私が3点です。
▲4ラウンド目の施設タイルが結構余ったこともあり、5ラウンド目は23枚もの施設タイルが並びました。 |
▲“凱旋門”は、建設時に各文化タイルの1番上に見えているものをどれか1つだけ取れる施設。 |
カナイ:“戦車競技場”も“水道橋”もある! すみません、これは考えさせてください。……(文化タイルの枚数を数える)。よし、ここは“神像”を建てます。
林:“水道橋”をうまく使いたかったけど、いい場所がないので“大きな岩山”の隣に“石材屋”を建てます。
爆発:では“水道橋”で人気のなくなった“見世物小屋”を郊外に追放!
風船:ラクダが寂しそうな顔してますよ(笑)。こちらは“大きな森林”で木材特化の都市に!
カナイ:これからは軍事じゃなくて文化の時代だ!
▲“神像”の上に住宅を建て、文化タイル2枚(合計8点)と勲功チップ2枚を獲得するカナイさん。 |
爆発:これは効率のいい勝利点ロードですね!
林:誰も取らないなら“大きな麦畑”をもらっておきます。
爆発:区画整理第2弾! “戦車競技場”で“鍛冶屋”の上の住宅を破壊!
カナイ:爆破された~(笑)。
一同:(笑)。
林:確かにそういうイメージで効果を考えました(笑)。
その後、風船が“炭焼小屋”、カナイが“食堂”(鉱石2つ)、林が“石材屋”、爆発が“鍛冶屋”を建設。
風船:補佐官使います。お金重要ですからね。
▲“庭園”の下の住宅に補佐官を置く風船さん。文化タイル(合計8点)と“炭焼小屋”関連の収入を獲得。 |
▲続けてカナイさんも“城砦”の下に住宅を置き、文化タイル2枚(合計9点)と勲功チップ2枚を獲得。 |
▲さらに林さんも“大きな岩山”の右に住宅を建設して、“石材屋”で合計10金と資材4つを獲得。 |
爆発:石材が溢れそうなので神殿建てちゃいます。
カナイ:ついに1つ目の神殿が!
▲迷った末に、右から2番目の“周囲8マスにある神殿1つにつき3点”の神殿を建設する爆発。 |
林:神殿は、誰かが取ったら即補充されます。補充されたのは、“周囲8マスにある施設の種類1つにつき2点”の神殿です。施設は7種類あるので最高14点ですね。
その後、風船が“城砦”、カナイが“鉄鉱山”、林が“神殿”(周囲8マス種類)を建設。
林:まだ4種類しかないので8点ですけどね。追加された神殿は“縦横直線上にある軍事施設1つにつき3点”。
カナイ:う、う~ん。微妙だなぁ。
爆発:“水道橋”でこじ開けたスペースに住宅を置きます。
▲“公共広場”の下に住宅を建設し、コツコツ溜めた鉱石4つで“鍛冶屋”2件から合計8金など獲得。 |
▲続く風船さんは“物見櫓”の下に住宅を建設し、勲功チップ3枚のみを獲得。 |
▲次のカナイさんも“大きな麦畑”の下に住宅を建設し、資材を獲得。なお小麦は6枚を超えたので強制的に1金と交換に。 |
林:カナイさんが“凱旋門”を建てて欲しそうなので、建てて芸術の文化タイル(6点)をもらうよ!
爆発:なら、こちらも“凱旋門”を建てて芸術の文化タイル(7点)を!
カナイ:オラの“凱旋門”が~。まあ、そうなりますよね(笑)。
風船:今回も住宅です。
▲風船さんは“炭焼小屋”の上に住宅を建てて、演劇の文化タイル(5点)を取りつつ、木材とお金もたっぷり獲得。 |
▲続くカナイさんは“城砦”の右の住宅に補佐官を配置して、一気に14金などを獲得! |
▲林さんは“交易所”を建て、12金を鉱石3つ、石材2つ、木材1つと交換。 |
▲爆発は“公共広場”の下の住宅に補佐官を配置して9金などを獲得。 |
▲風船さんは“交易所”を建て、16金で神殿2つを建てられる鉱石4つ、石材4つと交換。 |
カナイ:パス!
林:お金ないけど小麦を1金に換えて、それを支払って手番を続けます。
▲林さんは“石材屋”の左に住宅を建てて、8金や資材を獲得。 |
その後、爆発と風船がパス。パス中のカナイは1金獲得。
林:3人がパスしたから、今のうちにやれるだけやってしまうか。
その後、林は神殿(周囲8マス文化施設)、“図書館”、住宅、“馬房”、住宅と行動し、5金支払い。残りの3人は5金獲得。
▲林さんソロプレイ中その1。“図書館”下に住宅を建てて、学問の文化タイルや資材を獲得。 |
▲林さんソロプレイ中その2。“学校”の右に住宅を建てて、学問の文化タイルと勲功チップ3枚を獲得(小麦3つ支払い)。 |
林:あっ、ソロプレイ中で妨害が入らないんだから、“馬房”を建ててから2連続で住宅を建てればよかった……。
爆発:失敗があったとしても、林さん怒涛の6連続行動でした!
カナイ:学問2つで取れる文化タイルが全部取られてしまった……。
風船:新しく追加された神殿は、また微妙な石材神殿(ゲーム終了時の石材所持数1つにつき2点)かぁ(笑)。
“補佐官獲得フェイズ”は全員が勲功チップで補佐官を獲得。“勲功フェイズ”は1位が4枚のカナイで8点、2位が1枚で順番タイル3の風船で4点、3位が1枚で順番タイル4の林で2点。
カナイ:文化タイル4枚(17点)、勲功タイル4枚(21点)、合計38点
林:文化タイル8枚(28点)、勲功タイル2枚(5点)、神殿2つ建設、合計33点
風船:文化タイル7枚(24点)、勲功タイル2枚(5点)、合計29点
爆発:文化タイル2枚(10点)、勲功タイル1枚(2点)、神殿1つ建設、合計12点
▲最後の施設タイルは13枚。 |
カナイ:ロクな建物がない! 神殿(周囲8マス住宅)にしておきます。
林:補充される神殿の効果は“縦横直線上にある特殊施設1つにつき3点”。
カナイ:それが欲しかったのに!
林:神殿を建てるために、今は補佐官を使います。
▲林さんは“大きな岩山”の右の住宅に補佐官を配置して、10金と資材を獲得。 |
その後、爆発が神殿(縦横直線特殊施設)を建て、追加された神殿(縦横直線生産施設)を風船が建設。
カナイ:追加された神殿は“縦横直線上にある商業施設1つにつき3点”。商業施設少ないからなぁ……。“岩山”を建てておきます。
林:“麦畑”にします。
爆発:“鋳造所”を取っておけば、商業の神殿は取られない……と信じたい。
風船:補佐官ですね。
▲風船さんは“炭焼小屋”の上の住宅に補佐官を配置して、14金と木材1つと演劇の文化タイル(6点)を獲得。 |
風船:お金はあるけど、都市造りは失敗した気がする……。
カナイ:“鉄鉱山”で。
林:こちらも“鉄鉱山”。
カナイ:取られた!
爆発:神殿建設用の鉱石が手に入るから、みんなそれなりに欲しい施設でしたね。
風船:ここからは神殿の出方も勝負を左右しますからね。
爆発:住宅建てます。
▲爆発は“鋳造所”の上に住宅を建て、7金などを獲得。 |
風船:神殿(周囲8マス軍事施設)を建てます。補充される神殿は“縦横直線上の文化施設1つにつき3点”です。
カナイ:う、う~ん、イマイチ……。住宅を建てます。
▲カナイさんは“鉄鉱山”の上に住宅を建てて鉱石3つなどを獲得。 |
林:風船さんに取られる前に神殿(縦横直線文化施設)を建てます。
風船:ですよね~。補充された神殿は“ゲーム終了時の小麦所持数1つにつき2点”。
カナイ:キタッ! これは建てねば!! 皆さん小麦持ってないし、さすがに許してくれるかな?
爆発:とりあえずこちらは補佐官を配置します。
▲爆発は“鋳造所”上の住宅に補佐官を配置して、11金などを獲得。 |
▲続く風船さんは住宅を建て、“炭焼小屋”のみで6金獲得。 |
風船:まだ住宅が余っているので、こんな使い方しちゃいました。
カナイ:終盤はそういう置き方になりますよね。では取られる前に神殿(終了時小麦数)を建てます。
林:補充されたのは、5勝利点確定の神殿。今の状況だと微妙だ(笑)。では住宅を建てます。
▲林さんは“鉄鉱山”の左に住宅を建て、文化タイル(7点)などを獲得。 |
爆発:マーク3つの文化タイルって、こういう配置にするとムダなく取れていいですね。
林:マーク1つのときと2つのときと3つのときで、違うラインを使えるようにしました。そして僕は住宅を使い果たしました!
その後、爆発は神殿(縦横直線商業施設)を建て、神殿(周囲8マス生産施設)が出現。風船は神殿(縦横直線軍事施設)を建て、神殿(終了時木材数)が出現。
風船:神殿(周囲8マス軍事施設)を建てる場所間違えてたなぁ。“城砦”の左側に置いておけば、2つの軍事神殿の効果対象が重なる場所が2マスになったのに。
林:そうすれば4つの軍事施設と2つの軍事神殿で、合計24点取れましたからね。
カナイ:神殿(周囲8マス生産施設)を建てます。追加されたのは神殿(縦横直線神殿)。
林:おっ、今出たその神殿欲しいから建てます。追加されたのは神殿(周囲8マス特殊施設)。
爆発:あっ、今出た神殿を建てたら9点だ! なら建てちゃうなー。
カナイ:取られた! うがー!!
林:追加されたのは神殿(縦横直線施設種類)。うわぁ、一番欲しかった! でももう資材もお金もないから建てられないんですけどね。
その後、風船が“炭焼小屋”の右に住宅を建てて6金のみを獲得。カナイが神殿(縦横直線施設種類)を建て、最後の神殿(周囲8マス商業施設)が出現。林が“学校”を建設。
林:次からパスです。
風船:資材やお金をキレイに使いきりましたよね。
その後、爆発が神殿(周囲8マス商業施設)、風船が神殿(終了時木材数)、カナイが神殿(終了時鉱石数)を建設し、林はパス。
爆発:5点神殿を周囲8マス神殿の場所に建てて実質8点! というかこの神殿、今まで0点だったなんて酷い場所に置いてしまった(笑)。
風船:こちらは軍事神殿2つの隣に“武器庫”を立てて、実質6点行動。
カナイ:補佐官で資材を確保!
▲カナイさんは“鉄鉱山”の上の住宅に補佐官を配置し、鉱石3つなど資材やお金を獲得。 |
爆発:最後に残った神殿(終了時石材数)を建てます。
風船:住宅で勲功チップ! 6ラウンド目で勲功1位を取れば10点ですからね。
▲風船さんは神殿の上に住宅を建て、勲功チップ3枚を獲得。 |
▲続くカナイさんは“大きな麦畑”の下の住宅に補佐官を配置し、先ほどと同じく鉱石3つなどを獲得。 |
その後、爆発が住宅を建てて石材2つを獲得。風船が住宅を建てて勲功チップ2枚を獲得。カナイが住宅を建てて石材2つと勲功チップ2枚を交換。
爆発:最後の1金を支払って、たぶんこれが最後の手番。住宅で石材2つ獲得。
風船:パスです。
カナイ:こちらもパス。
爆発:ではパス。
風船:えっ、パスでいいんですか? 石材を売って1金にすればもう一度行動できますよ?
爆発:あっ、そうか。勲功チップ1枚取れば勲功の順位が2位に上がりますね。
▲最後の行動は爆発の住宅建設による勲功チップ獲得でした。 |
爆発:では皆さん最後の1金をもらって、私がパスして終了。
林:最後は“補佐官獲得フェイズ”はありませんので“勲功フェイズ”です。1位は勲功チップ5枚の風船さんで10点。2位は勲功チップ3枚の爆発さんで5点。3位は勲功チップ2枚で順番タイルが1の私で2点です。
カナイ:最後に石材2つと勲功チップ2枚を交換しなくてもよかったなぁ。
林:では最終得点を計算しましょう。神殿に点数分のお金を置くと計算しやすいですよ。最終的なお金と混ざらないようにご注意ください。
▲4位は文化タイル10点、勲功タイル7点、神殿56点、お金と資材1点、順番タイル0点で合計74点の爆発。 |
▲3位は文化タイル30点、勲功タイル15点、神殿38点、お金と資材2点、順番タイル2点で合計87点の風船さん。 |
▲2位は文化タイル35点、勲功タイル7点、神殿42点、お金と資材2点、順番タイル3点で合計89点の林さん。 |
▲1位は文化タイル17点、勲功タイル21点、神殿52点、お金と資材5点、順番タイル1点で合計96点のカナイさん。 |
カナイ:久しぶりに林さんに勝ったー!
林:序盤の“水道橋”と“戦車競技場”がうまくハマりましたね。
風船:中盤にウチと林さんで文化タイルを取り合ったのも、カナイさんの勝利につながりましたね。
カナイ:その隙を縫って、4点の文化タイルを結構取りましたから。
風船:美味しいところだけ持っていかれたのが効いてます(笑)。
林:全員お金エンジンを作れたので、ハイレベルな勝負になった気がしますね。普通は70点台でも1位になれる可能性がありますから。
爆発:神殿も全部建ちましたね。
林:全部建たないことも多いのですが、今回は建ちましたね。施設タイルの出方も含めて、今回は理想的なゲームになったと思います。
カナイ:ウチの都市の形はアンバランスですが、勝てたのでよし!(笑)
ここからは『ミネルウァ』についてのインタビューをお届けします。
爆発:まずは制作の経緯から教えてください。
林:以前から、資源をやりくりして都市を建てるゲームを作りたかったんですよ。
カナイ:ゲームデザイナーなら一度は作りたくなりますよね。
林:それで前に『ひもサバンナ』というゲームを出したのですが、その前の段階が『ひも動物園』というアイデアだったんです。交渉権というリソースを払って動物を手に入れ、それを自分の動物園の中に並べて行列ひもで繋ぎ、お客さんの好みに合わせると高得点といったようなものですね。
そのアイデアをもとに「ひもをなくして、1列を対象にすればいいか。リソースも4種類くらいに増やしたいな」と発展させたのが『ミネルウァ』です。今年の正月に友人たちと試しに遊んでみたら「ゲームバランス以外は問題なく動くね」と。
風船:最初は住宅が20枚くらいありましたからね。
林:それで作ることになったのですが、この大きさなので印刷が間に合うか心配で、スケジュールはかなりタイトでした。
風船:毎週テストプレイしていました。1度遊んで、その場で直して、もう1度遊んだりとか。
爆発:テーマをローマにした理由はなんでしょうか?
林:僕はヤポンブランド(日本人デザイナーのゲームを海外へ紹介しているプロジェクト)のメンバーなので、海外でも通じるテーマにすることが多いのです。海外では都市建設のテーマはウケやすいですし、自分が歴史好きなこともあって、自然とローマ帝国になりました。
爆発:イラストはいつ頃から制作されたんでしょう?
にゃも:2月の頭から始めて、50枚近くのイラストを2月中に描き終えなければ間に合わないという、ヒドいスケジュールでした(笑)。
一同:(爆笑)。
にゃも:夫婦でやっているからできることですね。その分、家事ができなくなるなど家庭環境は悪くなりますが(笑)。
爆発:にゃもさんはローマ帝国には詳しかったんですか?
にゃも:全然です。資料を何冊か読んで、あと某お風呂の映画を見ました(笑)。
カナイ:林さんって、イラストを外注したことって一度もないですよね?
林:ないですね。
にゃも:タダみたいなものですから(笑)。
林:食事を奢ったり、毎年行ってるドイツのエッセンへの旅費を出すくらいですね(笑)。
にゃも:『ミネルウァ』みたいな写実的な絵が苦手で、それを描いていた反動で動物の絵が描きたくなったりも。
林:そう言われて1週間くらいで急遽作ったのが『Go da Cheese/ゴー・ダッ・チーズ』です。
▲『ミネルウァ』と一緒に頒布された『ゴー・ダッ・チーズ』。こちらはゲームマーケット大賞2015の二次審査通過作品となりました。 |
爆発:1週間ですか!
林:構想はかなり前からあったのですが、テストプレイをしてみたら少し調整するだけでイケるなと。だから作ることになったのですが、にゃもはさらに忙しくなりました(笑)。
▲チーム毎に異なるイラストが描かれています。にゃもさんのお気に入りは、自宅のペットをモデルにした、犬のイラストとのこと。 |
風船:テストプレイの早い段階からイラストが入っていて驚きました。
にゃも:できるだけ完成品に近い状態でテストプレイしてもらいたいですから。テストプレイの結果、見辛いなどの意見があったらイラストを修正することもあります。
林:僕はイラストに注文をほとんど付けないので、テストプレイしながら皆さんに確認してもらっています。
爆発:そしてゲームマーケット2015春で2つの新作を出されましたが、手応えはいかがでしたか?
林:『ミネルウァ』は、OKAZU brandの中で一番数が出た作品になりました。重いゲームですし、ゲームマーケットの中では値段も高めなので、ここまで数が出るとは思っていなかったですね。感無量です。
『ゴー・ダッ・チーズ』も、様々なブロガーさんが話題にしてくださったこともあり、こちらも予想外に数が出ました。もう数回再版していますから。
爆発:遊んだ人の反響はいかがでしたか?
林:『ミネルウァ』は難しめのゲームなので、海外で賞を取ったような有名な同ジャンルのゲームと比較される方が多く、厳しい意見もありましたね。
爆発:同人レベルのゲームでないことは、もはや当たり前と思われているのでしょうね。
林:そうだというのであれば嬉しいです。
爆発:コンポーネント(部品)の数もとても多いですが、それに対して価格はそこまで高くない印象を受けました。
林:相当頑張りました。今までで一番多く作ったので、それで価格を下げられましたね。
にゃも:届いた完成品が家に入りきらなかったので、トランクルームを借りました(笑)。
爆発:それだけ自信作だったということですね。
林:海外も含めて、数年かければ何とかさばけるかなと。
にゃも:実際はもっと早くなくなりそうなのでホッとしています。
林:おそらく、ゲームマーケット2015秋に持っていく分で手持ちの在庫は完売です。もしかしたらこれが入手できるラストチャンスかもしれません。
爆発:林さんと言えば、昔から比較的重めのゲームを作られている印象があるのですが、それには理由があるのでしょうか?
林:僕自身が重いゲームが好きだからですね。『ミネルウァ』はコンポーネントの数がOKAZU brand史上2番目に多いのですが、もっと多い『Trains/トレインズ』というゲームもありました。
にゃも:カードが500枚以上でコマが100個以上、ゲームボードまでありましたからね(笑)。
カナイ:『Trains/トレインズ』は海外で大成功しましたよね。
林:2013年にAEGから海外版が発売されましたし、2014年にはアメリカのゲームの賞“Origins Award 2014 Best Board Game”もいただきました。これがキッカケで会社勤めを辞めて専業ゲームデザイナーになりましたから。
爆発:今後も、自分の好みに近いゲームを作られるのですか?
林:基本はそうですね。ただ、あまり趣味に走りすぎるのもよくないと思うので、ある程度は日本の流行と世界の流行にも合わせて、バランスよく作っていきたいですね。
世界のゲームの方向性としては、ドイツのシステム重視のゲームと、アメリカのテーマ・リアル重視のゲームが対極にあって、フランスがその中間くらいに位置します。
そして今の日本は、フランスの方向性に一番近いと思っています。ストーリー性とテーマ性を持ち、システムもそれに合わせて練られているイメージですね。
ただ、日本はさらにその潮流から離れ、世界の主流とは異なる独自の文化が構築されようとしている感があります。
そのため日本向けに作りすぎると、世界の主流から離れてしまうのではないかという危惧があります。うまく世界と日本の両方に受け入れられる作品を作りたいなと。
カナイ:その辺は難しいですよね。
爆発:『ミネルウァ』はユーロ系ですよね。日本でここまで評価されるとは思わなかったのではないですか?
林:はい。それにゲームマーケット大賞は“多くの来場者がおもしろいと思えるゲーム”が選考基準と明記されているので、難しくて重めの『ミネルウァ』は選ばれないだろうと思っていました。
カナイ:日本は今、軽いゲームが飽和状態なので、『ミネルウァ』のような重いゲームで遊びたい層も一定数いたのかもしれませんね。
林:さらに具体的なことを言えば、おそらく日本のプレイヤーは30分~45分くらいで終わるような、中規模なボードゲームを求めている気がします。『ミネルウァ』よりもう少し軽めの。
カナイ:短時間で遊べるカードゲームを楽しんだ人の次のステップですね。
爆発:ゲームマーケット2014秋で出された『Rolling Japan』は比較的ライト層向けのゲームでしたね。
▲『Rolling Japan』の拡大版『ローリングワールド』はアークライトより11月21日に発売されます。海外ではGamewrightより『Rolling America』も発売中。 |
林:実はこれも2週間くらいで作ったゲームです(笑)。
爆発:これもですか! 凄いスピードですね。
林:アイデアは毎日のように、色々な場所に書き溜めているんですよ。それが具体的な形になるまでが長いのですが、テスト版を作って実際に遊ぶと大概は遊べる物になっていますね。
爆発:頭の中で相当シミュレーションされてから、テスト版を作られるのですね。
林:そうですね。頭の中で何十箇所、何百箇所とダメな点を潰してからテスト版を作ります。
爆発:それは昔からですか?
林:昔はもっと時間がかかっていました。やはりここ数年でゲーム作りに慣れてきたからこそ、比較的短期間でも納得できる作品を作れるようになったのだと思います。例えば、ゲームバランス的におもしろい点数の数列などは頭の中に入っているので、すぐに出てきますね。
風船:1回目のテストプレイでも、当日に直せる程度の問題点しか見つからないことも多々あります。
爆発:私はアナログゲームを1人でプレイすることも好きなのですが、『ミネルウァ』や『Rolling Japan』などは、多人数でも1人でも遊べますよね。1人用ルールはできるだけ入れたいと考えているのでしょうか?
林:最近の流行でもあるのですが、特にシティビルド系のゲームだと1人で楽しみたいという人が結構いるんです。
それにルールを覚えながら予行練習のように遊べるようになるので、できれば1人用ルールも入れたいなと。最近は、2人用ルールが作れるなら、1人用ルールも作れると思っていますね。
カナイ:ヤポンブランドでも、1人用ルールはできれば入れて欲しいと言われますしね。
爆発:続いて、ゲームマーケット2015秋の新作『はんか通骨董市』を制作した経緯を教えてください。
▲『はんか通骨董市』は並んだ骨董品を2分割し、どちらが欲しいか入札するカードゲーム。他の人とかぶらずに入札できれば骨董品を獲得。かぶったらさらに2分割で再入札。同じ品を仕入れすぎると価値が暴落するのがゲームのキモです。 |
▲会場では、にゃもさんが描いた紹介マンガのチラシも配布されます。 |
林:たくさんある物を全員で切り分けあうゲームを作りたかったんですよ。それで基礎的な部分だけ作ってテストプレイを行ったら「この簡単なやつで十分だよ」と言われてしまって。本当は『ミネルウァ』くらい難しくしたかったのですが(笑)。
風船:そんなこと言いましたね(笑)。
爆発:骨董市というテーマは最初から決まっていたのですか?
林:いや、最初はシルクロードがテーマでした。それでラクダカードがあって、その枚数に応じて特殊能力が使えるみたいなことを考えていたのですが「簡単なやつでいいから」と(笑)。
あと、歴史が好きなので若干でも史実と合わせたいんですよ。それで調べたらペルシャに美術品を集めた街があって。でもそこの骨董品のジャンルの分け方がわからなかったんですよ。だったら日本の方がわかりやすいと思ってこうなりました。
爆発:これも時間はそれほどかからなかったのですか?
林:そうですね。カードの枚数やバーストする上限などのゲームバランスは調整しましたが。
爆発:イラストに関してはいかがですか?
にゃも:10月にドイツのエッセンへ行く前に仕上げる必要があったので、スケジュールは厳しかったですね。
爆発:イラストのスケジュールは毎回ギリギリなんですね(笑)。
にゃも:1週間くらいで全部描いたと思います(笑)。半可通(いい加減な知識で通ぶること)な商人っぽいコミカルなイラストを描きました。
林:一番苦労したのはタイトルですね。骨董市のサイトを1週間くらい見続けてタイトルを考えました。
にゃも:ネットでの検索性も意識しています。
林:最後に“半可通”という言葉がしっくりきて。“はんか通”とひらがな表記にすると、“はんかどおりの骨董市”みたいな意味合いも込められていいなと。
にゃも:英字のタイトル『Curio Collectors』は、AEGのジョン社長が一瞬で決めてくれました。
林:来日されたときにテスト版をプレイしてもらったんですが、その時に。
爆発:そういえば『ミネルウァ』は、ヤポンブランドでプロモーターをされている健部伸明さんが名付け親とのことですが。
林:ヨーロッパのゲームには、ローマ神話の神の名が付いたゲームがかなりの数あるんです。健部さんは神話の本を何冊も出されていてお詳しいので、ゲームの内容を伝えて相談したら“ミネルウァ、ユーノー、ケレス”と候補を出していただけて。その中から『ミネルウァ』を選びました。
ちなみに“ミネルヴァ”と濁らないのは、ローマ帝国時代に使われていたラテン語での読みが『ミネルウァ』だからです。あと、検索性の問題も意識しました。
爆発:最後に、読者へメッセージをお願いします。
林:『ミネルウァ』は自分としてもかなり楽しく作れた作品です。見た目もキレイにできたので、重そうだからと敬遠せずに一度遊んでいただけると嬉しいです。ルール自体はそれほど難しくありませんので。
にゃも:私は難しいゲームではあまり遊ばないのですが、『ミネルウァ』は楽しく遊べたのでヘビーゲーマーではない女性でも楽しく遊べると思います。都市を作っているだけでも楽しいですから。
風船:テストプレイの時からとても楽しく遊べました。簡単なゲームを色々遊んで、次にもう少し歯ごたえのあるゲームで遊びたい、という人に最適だと思いますので、ぜひ手に取っていただきたいですね。
今回は“OKAZU brand”さんの『Minerva/ミネルウァ』の模様をお届けしました。どの施設を建てるかに悩み、どこに配置するかに悩み、いつ住宅を建てて資材を得るかに悩む……。悩み続けるゲームですが、充実した時間を過ごせる逸品です。
興味を持たれた方は『Minerva/ミネルウァ』の公式サイトより取扱い店舗を確認してみてください。11月22日開催のゲームマーケット2015秋でも入手可能です。
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