『ガールズ＆パンツァー 劇場版』前夜祭＆初日舞台あいさつレポート。渕上舞さんはじめ声優陣が勢ぞろい

文：伊藤誠之介

　11月21日より全国の映画館で上映がスタートしたアニメ『ガールズ＆パンツァー 劇場版』。公開前日の11月20日には本作の“プレミア前夜祭イベント”が、21日には初日舞台あいさつが新宿バルト9で開催されました。ここでは、出演声優陣による2つのイベントの模様をお届けします。

▲こちらは21日に行われた初日舞台あいさつの様子。

総勢22名の女性声優陣が、舞台あいさつのステージに登壇！

　この“プレミア前夜祭イベント”は、『ガールズ＆パンツァー 劇場版』の最速上映に加えて、本会場となる新宿バルト9でキャストによる舞台あいさつが行われるというもの。さらに、同じく最速上映を行っていた全国21館の劇場では、この舞台あいさつの模様がライブ中継されるという、スケールの大きなイベントとなっていました。

　参加ゲストの人数も大スケールで、TVシリーズの頃から大洗女子学園の戦車道チームとして活躍してきたメンバーのうち、なんと22名もの声優陣が大集結！　下のリストを見てもらえば、その顔ぶれの豪華さをわかってもらえることでしょう。

　おなじみとなったマーチ曲が流れると、満員の観客による手拍子とともに、声優陣が登場。各チームのマークが背中に描かれたお揃いのパンツァージャケット姿で、22名がステージに整列した光景は、まさに圧巻の一言！

　なおイベントの司会進行は、キャストの中から石原舞さんと井澤詩織さんの2人が務めていました。

キャストが語る劇場版の見どころと、収録の舞台裏は？

　ゲストが全員集合したところで、トークがスタート。まずは司会の石原さんから観客に向けて「銀河最速で『ガルパン 劇場版』をご覧になった感想は？」との問いかけがありました。これに対して、劇場に詰めかけた観客の皆さんは、割れんばかりの盛大な拍手で応えていました。

　このやり取りを受けて、“ここがよかった！　『ガルパン劇場版』”というお題で、ゲスト1人1人に劇場版の見どころやエピソードを聞いていくことに。ちなみにこの瞬間、これからお話を聞く人数の多さに、客席の皆さんが思わずザワついていました。

　最速上映の直後だけあって、キャストの皆さんからは、劇場版のかなり深い部分の内容に触れたコメントも多く語られていました。ここではネタバレのない範囲で、いくつかピックアップしてご紹介します。

　司会を担当している石原舞さんは、スズキに加えて聖グロリアーナ女学院のオレンジペコを演じていることもあり、聖グロリアーナの隊長であるダージリンが、劇場版でも語る格言を挙げていました。

　同じく司会を担当している井澤詩織さんは、TV版やOVAで活躍した大勢のキャラに加えて、新キャラが何人も登場している劇場版で、すべてのキャラにしっかりと見せ場が作られている点を挙げていました。このコメントには、他のキャストの皆さんも深くうなずいていました。

　劇中でのフィンランド戦車の活躍について熱く語ってくれたのは、ミリタリー好きとしてもおなじみの上坂すみれさん。一方、ウサギさんチームの宇津木優季を演じる山岡ゆりさんは、同じウサギさんチームで普段はほとんどしゃべらない丸山紗希が、劇場版の中で初めて言葉を発する場面が好きだと語っていました。

　大橋歩夕さんが演じているおりょうは、語尾に「～ぜよ」を付けて話すことが特徴で、TV版のころから「～ぜよ」のイントネーションで悩んでいたそうです。劇場版では、「ぜよ」だけのセリフがあって、そこにはかなり苦労したとのこと。

　大橋さんと同じくカバさんチームの森谷里美さんと仙台エリさんは、それぞれドイツ語とラテン語のセリフがあり、TV版に続いて劇場版でも、PCで検索してイントネーションを調べたりしたそうです。にもかかわらず、収録現場で急にセリフがなくなってしまったと打ち明けてくれました。

　劇場版では戦車戦の時間がたっぷりとあって、それぞれのチームがトンデモな戦術を繰り広げるのがおもしろいと語っていたのは、中村桜さん。また桐村まりさんは、戦車戦を観て“大洗の町をこんなに壊す!?”と思ったとのことで、壊れたところをまたぜひ実際に訪ねてみたいそうです。

　アヒルさんチームの近藤妙子に加えて、アンツィオ高校のアンチョビを演じている吉岡麻耶さんは、劇場版にもアンチョビたちが登場して活躍を繰り広げていることを、喜びいっぱいの表情で語ってくれました。

　磯辺典子役の菊地美香さんは、大洗町のあちこちでサインした際、アヒルさんチームの合い言葉である“根性”と書いたつもりが、間違えて“根生”になっていたのだとか。ちなみにそのサインには、アヒルさんチームの他のメンバーが大洗町を訪れるたびに、りっしんべんを書き足してくれたとのことで、アニメさながらのチームワークのよさが感じられました。

　そして本作のヒロインである西住みほ役の渕上舞さんは、みほと彼女の姉・西住まほの過去が明らかになる回想シーンが好きなのだそうです。このシーンは、劇場で見られる本編ではセリフがなく、想像をかき立てるものになっているのですが、実はセリフを収録したとのことで、渕上さん本人は“二度美味しい”と語っていました。

声優陣が選ぶ“劇場版でがんばったチーム”は？

　続いては、“劇場版、このチームはがんばった！”というお題で、大洗女子学園の各チームや劇場版に登場する他校のチームの中から特にがんばっていたチームを、各チームごとに挙げていくことになりました。

　ちなみにステージでは、そのチームを選んだ理由まで詳しく語られていたのですが、劇場版の内容に深く触れているため、ここでは割愛します。なぜそのチームが選ばれたのか、劇場版を見る前に想像してからご覧ください。

　レオポンさんチーム代表の石原舞さんが選んだのは、自身のレオポンさんチーム。一方、カモさんチームを1人で背負っている井澤詩織さんは、生徒会チームであるカメさんチームを挙げていました。

　ウサギさんチームが選んだのはプラウダ高校。ちなみにアリクイさんチームも、ぴよたん役の上坂すみれさんがプラウダ高校のノンナも演じているためか、やはりプラウダ高校を挙げていました。

　アヒルさんチーム、カバさんチーム、あんこうチームは、それぞれ自分のチームを挙げていました。あんこうチームの渕上舞さんによると、TV版のころは戦車を操作する際指示を出すシーンが多かったのですが、劇場版ではチームのみんながそつなく仕事をこなしていることをうけて、お互いの信頼感がより増していると感じられたのだそうです。

　イベントの最後には、ゲストを代表して渕上舞さんから、全国の観客の皆さんに向けてメッセージが送られました。

　「前夜祭という素敵なお祭りに、この会場だけでなく日本全国で集まってくれたのがすごく嬉しい」という渕上さん。「これからも舞台あいさつに足を運んで、今日は語りきれなかった思いをお伝えしますので、明日からもよろしくお願いします！」と劇場版の本公開にかける意気込みを語っていました。

　そしてラストは、『ガルパン』のイベントではすっかりおなじみとなった“パンツァー・フォー！”のコールを、ステージの22名と満員の観客が一緒に行って、この日のイベントは幕を閉じました。

初日舞台あいさつには“あんこうチーム”が勢ぞろい！

　11月21日、劇場版の公開日となるこの日の舞台あいさつには、渕上舞さん、茅野愛衣さん（武部沙織 役）、尾崎真実さん、中上育実さん、井口裕香さんと、“あんこうチーム”の5人を演じる声優陣が勢ぞろい。司会進行は前夜祭から引き続き、井澤詩織さんが担当していました。

　舞台あいさつでは、まず最初に公開日を迎えた今日の心境や、映画を初めて見た時の感想を話していくことに。

　劇場版のアフレコが思っていたよりは遅かったそうで、渕上さんは「皆さんにお届けできたことだけで、よかったという気持ちでいっぱいです！」と、どこかホッとしたような笑顔をのぞかせていました。

　茅野さんは完成した映画を見て、今までお客さんを待たせてしまったことを申し訳なく思いつつも、個人的には待っていてよかったと話してくれました。茅野さんは、スタッフが強い熱意をもって作品作りに取り組んでいたことを話し、観客席の『ガルパン』ファンに、胸を張って「待っていてよかったでしょ？」と語りかけ、たくさんの拍手を浴びていました。

　公開の2日前に見たと話していた尾崎さんや中上さんは、映画が始まってすぐに感極まって泣いてしまったそうで、号泣しながらもところどころ笑いながら見ていたと、さまざまな感情に揺さぶられながら劇場版を見ていたと話してくれました。

　井口さんは、TVシリーズから始めって、OVA、劇場版と3年かけてステップアップしたことを振り返り、劇場版の舞台あいさつに立てたよろこびをかみしめていました。

　続いては、印象に残っているシーンやキャラクターについて話していくことに。

　井口さんは、大洗でのインタビューでも話してくれたように新キャラの西絹代をイチオシ。瀬戸麻沙美さんが演じているおかげで、大変かわいくなっていますと、西絹代の魅力をこれでもか！　とアピールし、会場を盛り上げていました。

　中上さんは、クライマックスの戦車戦がイチオシとのことです。そのシーンで使われている音楽と相まって、非常に盛り上がるシーンになっているとのことです。

　尾崎さんはアリクイさんチーム（ネット戦車ゲームチーム）に注目してほしいとのこと。緊張感をふっと和らげてくれるようなコメディリリーフとして、映画にメリハリをつけるような役回りを担っているそうです。

　茅野さんのオススメは観覧車が出てくるシーンとのこと。あまり詳しくは言えませんが、茅野さんはそのアイデアにとにかく驚いたそうです。

　渕上さんは、神社の階段を戦車で降りていくシーンをチョイス。そこでのやり取りから、あんこうチームがこれまでに築きあげてきた信頼感を感じられたそうで、井口さんたちもしきりにうなずいていました。

　ここでスペシャルゲストとして、劇場版の主題歌『piece of youth』を歌うChouChoさんが登場。自ら作詞も手掛けた『piece of youth』について、少し懐かしさを感じられるようなイメージで作ったという。キラキラした青春時代を思い出すような、しっとりとした曲になっており、サビの「ひとつひとつが今の僕らを作っている」というフレーズがお気に入りなのだそうです。

　記念撮影を挟んで、最後は映画を見てくれたファンにメッセージを送ることに。最後にあいさつをした渕上さんは「スタッフ、声優陣ともに自信を持ってお届けしています。これからも『ガールズ＆パンツァー』を好きでいてほしいし、舞台である大洗に遊びにいらしてほしいです。でもまずは、引き続き劇場版を楽しんでください！」といい、イベントではおなじみとなった“パンツァー・フォー！”の掛け声でステージを締めくくりました。

　退場の際には、中上さんがこらえきれずに涙してしまう一幕も。隣に立っていた尾崎さんや井口さんがフォローしつつ、暖かい拍手に包まれながら、あんこうチームはステージを後にしていました。

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　前夜祭で渕上さんも語っていたように、11月21日の公開初日から3日目まではもちろんのこと、公開2週目以降も日本全国の劇場で、キャストによる舞台あいさつが開催されます。詳しくは『ガールズ＆パンツァー』の公式サイトをチェックしてみてください。

　また本作の公開劇場では、来場者特典のグッズが週替わりで配布されます。2周目以降は、オンライン戦車ACT『World of Tanks』の『ガルパン』コラボ特典も配布されるので、ゲームファンもお見逃しなく！

(C)GIRLS und PANZER Film Projekt

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関連サイト

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