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2015年12月7日(月)

自分で作ったキャラクターを3Dプリントできる! 直感的にゲームも作れる『Dreams』が凄すぎる

文:電撃PlayStation

 今年のE3で発表されてから気になっているゲームファンも多いはずの『Dreams』。『リトルビッグプラネット』(LBP)や『Teraway』を作ったメディアモレキュールの最新作だ。

『Dreams』
『Dreams』

 気にはなっているものの、いったいどんなゲームなのか、そもそもこれはゲームなのか、画面を見ただけではよくわからない。でもなんだか楽しそう! という不思議な魅力を持っている。

 今回、“PlayStation Experience 2015”の会場のメディア専用コーナーに特別展示され、開発の方にお話を伺う機会があったので、基本的なところから説明してもらった。

 説明してくれたのはメディアモレキュールのテクニカルディレクターであるアレックス・エバンスさんだ。これを読めばどんなゲームなのかがわかるはず!

ストーリーモードとクリエイトモードの2つがあります

――『Dreams』はいったい何をするものなんでしょうか?

アレックス・エバンス氏(以下、敬略称):『Dreams』は『LBP』の何倍も大きな、非常に大きな夢をかなえたゲームとなっています。

 『Dreams』のコンセプトというのは、Unreal Engine(アンリアルエンジン)やUnityなど、いろいろなグラフィックエンジンはあるのですが、全部作るにはテクニカルすぎます。一般のユーザーが作成するにはやることが多すぎて複雑な作業になります。それをこの『Dreams』では非常に楽しく、もっとすごくおもしろいものをプレイヤーが作れる、というのをコンセプトにしています。

 スケッチで遊ぶこと、それとパフォーマンス、その2つをゲームクリエイトのキーワードとしています。

 今回のデモでは、ステージやキャラクターをクリエイトすることを紹介しますが、実際には『LBP』とかと同じようにゲーム、ストーリーモードもあります。ストーリーを進めて探検をして、新しいキャラを探すこともできます。来年にはオープンβテストを予定しているので、そこでもっと詳しく情報を公開する予定です。

――『Dreams』はゲームなのでしょうか? ツールなのでしょうか?

アレックス:半分がアドベンチャーで、もう半分がスケッチングです。スケッチングが『LBP』のクリエイトと似ているような感覚ですね。

 アドベンチャーパートではいろいろな探検、体験をしていきます。ゲームの中にポータル(入口)があり、その秘密の不思議なポータルを開けるとまったく違う別の世界に入れる。いろいろな世界を探検していくのがアドベンチャーのパートです。

 スケッチングでは自分でゲームをクリエイトします。ここが非常にユニークなコンセプトであり、ユーザーも自分の夢の世界を作って、いろんな人の夢の世界を探検できます。

 今回はいくつか紹介できるステージがありますが、まずはメカレベル、マシンが出てくるステージを紹介したいと思います。

 なお自分で作ったキャラクターはすべて3Dプリントすることができます。このメカレべルの中に、(プリントしたフィギュアも見せながら)このキャラが今から登場します。

『Dreams』 『Dreams』
▲左がゲーム内に登場するキャラクターで、右が3Dプリントされたキャラクター。自分で作ったキャラクターをフィギュア化できるのだ。

――『Dreams』をプレイするのに必要なものは何ですか? スケッチングはどのようにするのでしょうか?

アレックス:PS4とDUALSHOCKだけでもプレイできます。スケッチングについては、我々の会社のデザイナーたちはDUALSHOCKでやるほうが得意というか好き。モデルとかそういうのを設計する人たちはPS MOVEコントローラで作るのが得意です。

 スケッチングでは、プレイヤー自身で自分が作ったステージのルールを決めることができます。普通のアクションからアドベンチャー、レーシングゲーム、RPGなど、どんなジャンルのゲームを作ることもできます。サウンドに関してもプレイヤーがデザインできます。

 キャラクターは、ジャイロセンサーを使って、パペットを糸で操るような感じで動かせます。自分でクリエイトしたキャラも直感的に操作ができます。

――キャラクターを作るのは誰にでもできることではないと思いますが、難しくないのでしょうか?

アレックス:最初、スケッチングの画面を見ると初心者では難しいかなと思われるんですが、コラージュといって、誰かが作ったものを使いながら、自分の新しいものを作ることができます。これは検索画面です。

 例えばスカル、頭蓋骨という意味ですが、この単語で検索するといろんな種類の他の人がクリエイトしたものが出てきて、それを自分のステージに使うことができます。製品版では数多くの人がこういうものを作っていると、どんどん広がってたくさんのものを使えるようになります。

『Dreams』
『Dreams』
▲欲しいパーツを単語で検索すると、世界中のプレイヤーが作ったパーツが出てきて、それを自分で利用することができる。自分で1から作らなくてもパーツを組み合わせるだけでゲームを作ることができそうだ。

 スケッチングは非常に簡単に絵を描くような感覚でペインティング可能です。完璧な木を作らなくても、簡単に木を描いただけでもいろいろな表現ができるようになっています。

 スケッチングより、もうちょっと建築的な3Dのキューブを使いながらいろいろ形を変え、もっと正確に物を作ることもできます。クローニングしてどんどん階段を作る、容易にこんなにたくさんの階段も作れます。

『Dreams』
『Dreams』
▲オブジェクトの1カ所をつまんで上に引っ張ると、うにょーんと階段状になった。コマンドを使い分けながら作りあげていく感じだ。

 初めてプレイするときはどうやればいいか分からないと思いますが、ストーリーモードにも自然と理解できるようなものが組み込んであります。

 例えば、ゲームの中であるキャラから「この木が大きいからもっと小さくして」と言われたら、そこでプレイヤーが木を小さくしてサイズの変更の方法を学びます。そうしたチュートリアルを含めながらストーリーを進行していきます。

――ゲームとしてはどれくらいの規模のものになりますか?

アレックス:まだ開発中なので、実際のボリュームは今は言えません。安心して欲しいのはAAAタイトルとしてのボリュームはあります。正確な数字は言えなくてすみません。

――スケッチングモードの規模もまだわかりませんか?

アレックス:スケッチの部分でも実際にはリミットはありません。全部の素材をクラウドに保存しています。ユーザーが作ったらどんどん広がっていきます。ステージのサイズもどれだけ大きくしても大丈夫です。

 実際にはサイズに限度はあるんですが、そこにリンクをはって、次のステージと続きをできるようにすればどんどんそれを拡張できるのです。

 今、目の前で数分で1つのステージを作りましたが、キャラを登場させて、それを操作することもできます。マルチプレイも可能です。ここで自分がキャラを操作している間に、他のプレイヤーがステージをどんどん変更したり拡張できます。

――ここまでいろいろなことができると、自分の作ったゲームを売りたくなるプレイヤーも出てきませんか?

アレックス:テクニカルに言うと、それは可能です。ビジネス的にも、合法的にもOKかどうかは検討しなければいけませんが、ユーザーが自分で作ったステージをPSNで販売できるのは、私の夢の1つでもあります。

 ただまず優先したいのは大きなコミュニティを作ることなので、そのコミュニティをしていろんな人の成長をリミックスしながら、最終的には販売できることも考えたいと思います。

――発売時期はいつぐらいですか?

アレックス:オープンβテストは来年の早めにリリースします。製品版は2016年の年末ぐらいが目標です。クリエイトツールは完成は早いのですが、ストーリーモードが完成するのは年末あたりになるかなと思います。

『Dreams』
『Dreams』
▲キャラクターの筋肉を調整しているシーン。骨格しかなかったのが、ほんの数分で筋肉もりもりのマッチョキャラになった。

Dreams (C)2015 Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Media Molecule.
“DREAMS” is a trademark of Sony Computer Entertainment Europe. All rights reserved.

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