2016年1月10日(日)

『セブンスドラゴン3』のわかりやすいバトルと奥深い育成システムを評価【電撃オンラインアワード2015】

文:たすん

 どうも、『セブンスドラゴン』シリーズ初期からのファンのたすんです。現在電撃オンラインでは、ユーザー投票で2015年のベストコンシューマソフト&アプリを決める“電撃オンラインアワード2015”を開催中! この記事ではセガゲームスより2015年10月15日に発売された3DS用ソフト『セブンスドラゴンIII code:VFD』を紹介します。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

ドラゴンが出現した東京で狩る者が立ち上がる

 『セブンスドラゴン』シリーズ最初の作品、DS用ソフト『セブンスドラゴン』が2009年3月5日に発売され、私が世界観や育成システムに魅入られてから早6年が経ちました。

 初代が発売してからの6年の間に、PSP『セブンスドラゴン2020』が2011年11月23日発売、続編となるPSP『セブンスドラゴン2020‐II』が2013年4月18日に発売されました。そして、2015年10月15日にシリーズ集大成で完結編となる『セブンスドラゴンIII code:VFD』が登場しました。

 本作のおもしろさはシリーズを通しての世界観やバトル、育成システムが挙げられます。まず本作のストーリーを簡単に説明すると、過去・現代・未来の3つの時代を旅し、東京に現れた7番目の真竜“VFD”の正体を解き明かし、世界をドラゴンの手から救うといった内容です。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 真竜とはすべてのドラゴンの起源とされている存在で、宇宙に7体しかいません。強大な力を持っていて、すべてのドラゴンを統べるものたちでもあります。

 このすべてのドラゴンを狩りつくし、世界を救うのが目的となります。真竜にはそれぞれ名前がつけられていますが、一部ネタバレも絡んできてしまうので割愛します!

職業を選択して自分好みのバトルスタイルを確立する

 本作の最初のおもしろさといえば、キャラクターメイキングです。本作からパーティが3人×3パーティの9人設定にできるようになり、バトルにも登場させることができます。ただ、戦えるキャラクターは1ユニット(3人パーティ)となります。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』

 各職業を説明している記事を掲載しているので、選択できる職業はこちらで確認してみてください。

 私が初見プレイで作成したキャラクターは汎用性の高い“サムライ”、回復や大ダメージを与えられるスキルを持つ“ゴッドハンド”、敵に弱体効果を付与できる“エージェント”の3人を作成しました。王道な編成だと思いますが、非常に戦いやすいのでオススメです。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』 『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲サムライ。
『セブンスドラゴンIII code:VFD』 『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲ゴッドハンド。
『セブンスドラゴンIII code:VFD』 『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲エージェント

 ちなみに、立ち絵は全32種類から選べ、各外見に3種類のカラーバリエーションがあります。ボイスは男女ともに20人の合計40人の声優から選べます。

 細部までメイキングができるわけではありませんが、私としてはこのぐらいざっくりとしたメイキングのほうが、すぐにゲームをプレイできて安心します(笑)。

 また、イラストがかわいくてボイスも豪華な声優ばかり! 私の場合はボイスをどれにするのかで、結局1時間くらい悩みました!

バトルに新たに追加されたシステムがおもしろさを引き立てる

 本作のおもしろさの1つ、バトルについて説明したいと思います。敵とのバトルはランダムエンカウント(強力なドラゴンはシンボルエンカウント)となっており、バトルが始まるとターン制で進行していきます。バトルはSPD(素早さ)が高いキャラクターほど早く攻撃ができます。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲バトルは攻撃やガード、スキル、アイテムなどが使用できます。ダメージを受けたり、与えたりすることなどで蓄積されるエグゾーストゲージを使用することで奥義なども使えるようになります。

 よくあるRPGのバトルと思われがちですが、スキルの使用によってまったくといっていいほど戦況が変わります。スキルはSPというポイントを使って覚えることができ、自分の好きな戦闘スタイルで戦うところがおもしろさを引き立てています。

●スキルを駆使したバトルで安全に戦っていくことが大事!

 バトルは、たとえザコ敵でも通常攻撃だけで倒そうとするとやられてしまうこともあるため、一見難易度は高めだと思われますが、MN(マナ、一般的にはMPのようなもの)を消費してスキルを使うことで簡単にやられることはなくなり、かなり安全に戦うことができます。

 とはいえ、マナには限界があるため、使いすぎにも注意しなくてはいけません。

 このやりくりを考えることが意外と難しい! 私の場合は、使いすぎたって思ったらすぐに逃げてしまいますが、これも作戦のうちですよ!

 あ、ボス戦前には大体、体力やマナを全快できるセーブポイントがあるので使いすぎてもご安心を!

●『セブンスドラゴンIII』から導入された新システムがいい感じ!

 本作から導入されたサポート、バディ、ユニゾンという3種類のシステムがあり、キャラごとに設定されている“スタンバイゲージ”と呼ばれるゲージを消費して使用して発動させます。

 サポートは、後衛となるユニット(1パーティ)単位で発動させられ、キャラごとのスタンバイゲージを1消費します。効果は前衛ユニットに回復や強化。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲サポートは1ターンで発動させられるのは1回のみ。サポート効果は職業によって変化します。

 バディは後衛にいるキャラ単体で行える支援で、スタンバイゲージを2消費して発動させられます。主に敵が強化されている時に行動させることで、それを解除させることができます。また、敵に弱体効果も付与させられます(弱体効果は職業によって変更します)。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲ブレイクに成功すると敵の強化がキャンセルされます。それと同時に弱体効果も付与されるので、敵の特徴によって誰をバディとして使うかがミソです!

 ユニゾンは、本作でもっとも強力なシステム。後衛全員のスタンバイゲージを2消費することで発動させられます。前衛を含めて全9キャラが同ターンに攻撃でき、コマンドも好きなように選択できます。

 バトルに参加しているキャラ全員が自由にスキルを使えるところがユニゾンの非常に強力な部分。後衛キャラについてはMANAを消費しないため、消費量の激しい強力なスキルも好きに使えます(ただし奥義は使用不可)。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲ユニゾンは、スタンバイゲージを全員2以上にためなくてはいけないところが難点。ただ、それに見合うくらいの破壊力はあります!

 この新システムをうまく使いこなせば、普通にやったら勝つことが難しいドラゴンでもあっさり勝てちゃう……ってこともあるかもしれません。使っても損はない……それどころか、使わないと真竜戦でつらいことになるので、ドンドン使うことをオススメします。

職業によって便利で強力なスキルが存在

 本作の特徴の1つである育成は、主にスキルの習得となります。スキルは職業によってさまざまな効果があり、強大なダメージを与えられるスキルや敵に弱体効果を付与できるスキルなどがあります。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲LIFEを消費して、大ダメージを与えられるルーンナイトのスキル“ブレイブソード”。運が悪ければ敵の攻撃1発で戦闘不能になってしまいますが、超強力なスキルです。

 例えば、サムライであれば一刀と双剣といった武器種を選択できるため、それにあったスキルを覚えられます。一刀であれば単体に強力なダメージ、双剣であれば全体攻撃が強力なスキルを覚えられます。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲サムライが使用できるスキル“旋風舞い”。無数の旋風を巻き起こし、敵全体にランダムで攻撃します。

 他にも、ゴットハンドなら回復や攻撃スキルを覚えられ、エージェントは敵にさまざまな弱体効果を付与できるスキルが多くあります。自分にあった戦術を考え、スキルを使い分けることこそが本作の最大のおもしろさと言えるでしょう!

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲エージェントが使うスキル“ハッキング”。この状態異常にかかった敵を2ターンの間、低確率で行動不能にさせます。また、効果中に発動させられるスキルもあります。

 また、スキルによってエフェクトやグラフィックが違うところも注目のポイント。特にストーリー後半くらいで使えるようになる“奥義”は、ボイスによって変化するセリフとともに派手なエフェクトが舞い散ります。個人的には、ボイスG(声優:悠木碧)でサムライの奥義を使った時が大好きです。本当にすごくカッコいいんですよ!

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲メイジのスキル“マナバレット”。ド派手なエフェクトとともに敵に大ダメージを与えられる強力なスキルです。

 本作には、レベル30以上のキャラがレベルを10下げて新しい職業に変更できる“転身”というシステムがあります。この際に、ボーナスとして変更前の職業にあったステータスが上がります。

 レベルのカウントストップは99となっていますが、“転身”を利用することでさらにキャラクターを強くしていけるところも個人的にはイチ推しです。でも、最強にするためにはかなりの時間が必要になるんですけどね(笑)。

『セブンスドラゴンIII code:VFD』
▲DLC“アリーのデスマーチ”に登場する帝竜サイロシスです。もし挑む場合は、レベル上げや転身でキャラを強くしてから挑むことをオススメします。

 さて、『セブンスドラゴンIII』の魅力は深く知れば知るほど見えてくるものです。特にストーリーやドラゴンについてなどは、シリーズをプレイするとより楽しめる要素であると思います。

 中でも、ストーリー後半で行くことになる未来のカザン共和国が思い出深いですね。ここは初代『セブンスドラゴン』で最初に訪れる国で、ここにきた時には、懐かしさのあまり初代をプレイしたくなりました。こういった懐かしい気持ちにさせてくれるのも本作のいいところ。

 シリーズをプレイしている人はもちろん、プレイしたことのない人でも楽しめるストーリーですし、難易度は少し高いもののサポートやバディ、スキルなどをうまく使っていけば楽しくプレイができると思います。

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