2015年12月24日(木)
OnionGamesが贈るiOS/Android用ヒトフデ書きパズルRPG『勇者ヤマダくん』。本作について紹介するイベント“勇者ヤマダくん 公式飲み会~THE 忘年! 年末発売なるや、ならざるや!?~”が、12月23日に新宿ロフトプラスワンにて催されました。各地での試遊会も終え、いよいよ配信間近と思われる『勇者ヤマダくん』の最新情報も色々と飛び出しましたので、現場の様子とともにお届けいたします。
iOS/Android用アプリ『勇者ヤマダくん』は、出社拒否気味でゲーム作りにいそしむ、冴えないオジサンの主人公ヤマダくん(36歳)が、現実世界と自作の妄想RPG世界で奮闘する“ヒトフデ書きパズルRPG”です。今回、試遊機がありましたので、まずは実際にプレイしてみた感想を紹介します。
▲見るからに脱力系な雰囲気がただようゲーム画面。BGMもなんだか気の抜けた雰囲気でありながら、耳に残ってしまいます。 |
ストーリーは、ゲームプログラマーのヤマダくんがゲーム会社をクビになるところからスタート。これを機に、出社もせずに作り続けてきた自作ゲームの製作に没頭し始めるヤマダくん。自身が勇者となったゲームの中で、悪の会長を打ち倒すためにダンジョンを製作します。
▲プレイヤーは、ヤマダくんが作ったダンジョンをデバッグプレイするという役目を担っています。 |
ダンジョンでは、一筆書きの要領でヤマダくんをゴールまで導いていきます。ルート上に宝箱やアイテムががあれば勝手に拾い、敵にぶつかれば自動で戦闘が進みます。プレイヤーはアイテムを使用してヤマダくんの戦闘を手助けしていきます。
▲アイテムや魔法は、使用した後にある程度ターンが経過すると再使用できます。 |
ゴールしたときに、通れなかったマスの分のダメージを受けます。全てのマスを通ってクリアすればレアドロップもあるようなので、全マスを通れるようなルートを考えるのがゲームの基本です。
試遊版となめてかかったら、会長を倒せずゲームオーバーになりました……。アイテムを使うタイミングなど、計画的に進めていかないとダメなようです。ドロップ品の種類はかなり豊富で、収集も楽しくなりそうでした。
▲装備もバラエティに富んでいます。上下さかさまのパンツがあり、まさかとは思ったのですが、やはり頭にかぶる装備でした。それでいいのかヤマダくん! |
公式飲み会という名の通り、出演者も観客も好きなものをオーダーしながら、忘年会のような雰囲気で楽しもうというのがこのイベントのコンセプト。『勇者ヤマダくん』のディレクターでもあり、OnionGmaesの代表・木村祥朗さんの乾杯の音頭でスタート!
▲左から木村祥朗さん、タレントの松嶋初音さん、ゲームライターのローリング内沢さん。メインパーソナリティとしてイベントを盛り上げました。 |
▲『勇者ヤマダくん』のPV紹介では、「なんか見たことある感じですよね」と、松嶋さんからオマージュについてのツッコミが入っていました。 |
さらに、ゲームについてお話をする上では欠かせないということで、開発スタッフの方々もゲストとして登場しました。ドット絵職人の倉島一幸さん、ダンジョン職人の池田トムさん、背景デザイナーの田崎リョウさん、そしてリードプログラマーの大久保タクマさんです。ここにディレクターの木村さんも加えた、少数精鋭で製作をしています。
▲左から、大久保タクマさん、田崎リョウさん、池田トムさん、倉島一幸さん。倉島さんはここに来る前に地元で結婚式に参加されていたらしく、すでにお酒が入っていました。 |
それぞれが製作でこだわったポイントなどで話は盛り上がっていったのですが、その中でも倉島さんが主人公・ヤマダくんの乳首の色までドットにこだわっているという話では、「左右で色違ってません?」という松嶋さんのツッコミもあり、会場中から笑い声が。
一転して、ダンジョンをデザインした池田さんからは、5×5マスという限られた空間の中で多彩な世界を作り出すということの難しさや苦悩に関するお話もあり、観客もじっくりと聞き入る場面もありました。
ひとしきりトークも盛り上がったところで、松嶋さんが試遊版の『勇者ヤマダくん』に挑戦。まずは、装備を確認するところから始めたはいいのですが、特定の装備を組み合わせた際に発生する“珍コレ”にハマってしまったようです。
▲珍コレには多数のシリーズがあり、それぞれ演出やファンファーレが違うのですが、ファンファーレはどれも“珍コレ”や“珍”をリズミカルに連呼する、かなり攻めた内容でした。 |
いざ、ダンジョン攻略を始めてみると、松嶋さんは熟考するタイプらしくじっくりとギミックを確認しながら進めていきます。そこに開発陣からもちょっとしたアドバイスが飛び交います。
それでも、作りこまれたダンジョンの攻略はやはり難しく苦戦の連続。魔法は使えば使うほど再使用に必要なターン数が増えていくなど、絶妙すぎるゲームバランスにうなりながらも、結果的にはHPを1残してのダンジョンクリアとなり拍手喝采。4階層という短いダンジョンでしたが、細部までこだわって作りこまれているのがよくわかりました。
続いて、『勇者ヤマダくん』の配信日について紹介されました。「本当はこのイベント中に配信開始のボタンを押すような演出もしたかった」と語る木村さんでしたが、より完成度を高めるためのデバッグ作業をするためにそれを断念。結果、iOSとAndroidともに1月上旬の配信となることを発表しました。
▲イベント前日に、また調整するべき部分を発見してしまったと残念そうな様子でしたが、これだけのこだわり具合であれば、配信されるものの完成度は期待できそうです! |
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ここで小休止をはさんでイベントは第2部に突入。第2部のゲストは、木村さんの代表作となる『moon』などの作品で関わりのあるTHELONIOUS MONKEESの谷口博史さん、安達昌宣さんのお2人です。
▲左から安達昌宣さん、谷口博史さん。『moon』のサウンドを担当しました。 |
木村さんが手掛けてきた作品では、登場人物が話す“へなちょこ語”とも言うべき、独特なボイスが特徴の1つとなっています。これは、しっかりとした会話をなす言語のような響きを残しながらも、既存の言語にはまったくあてはまらない発音という独特のものです。
日本語以外の言語のイントネーションを混ぜてみたりするなど、“へなちょこ語”の製作法に関する裏話が飛び出し、木村さんの作品のファンであれば食い入ってしまうような内容のトークでした。『勇者ヤマダくん』にも“へなちょこ語”は登場するのですが、これまでとは違い、感情表現も加わってより進化していると、THELONIOUS MONKEESの2人が進化し続ける木村さんの作品に感心を示す場面もありました。
▲第1部とは違い、裏話的な話がたくさん披露され、いちゲーマーとしても実に興味深い内容でした。 |
THELONIOUS MONKEESは現在、『勇者ヤマダくん』に楽曲提供はしておらず、“へなちょこ語”製作にも直接は参加していませんが、これまでTHELONIOUS MONKEESが作った“へなちょこ語”の製作法を『勇者ヤマダくん』でも参考にしているそうです。
今後の展開として、ぜひとも2人にBGMを担当してほしいという木村さんの提案にも快諾。『勇者ヤマダくん』で再び共演が叶うかもしれません。
THELONIOUS MONKEESのお2人との対談を通して、木村さんは「これまでは『moon』の人と思われるのがいやで、『moon』の話を避けたりもしたが、今ではそれもいいなと考えるようになった。『moon』は自身でも会心の出来だと思うが、『勇者ヤマダくん』もそれには負けていない」とコメントし、第2部を締めくくりました。
配信の日程も決まり、いよいよ開発も大詰めであろうこのタイミングで、なんと新システムがお披露目となりました。その名も“ひみつのじゅもん”システム!
ゲーム内で“ひみつのじゅもん”を入力すると、新たなダンジョンが出現するというものです。これは、自分以外のプレイヤーが発見したひみつのじゅもんを入力することでも適用されるようなので、友だちとダンジョンの交換をしたりといった楽しみ方もできそうです。
▲他プレイヤーとのコミュニケーションの中で、ダンジョンが増えていきます。 |
来場者へのプレゼントとして、このひみつのじゅもんが書かれたステッカーが配布されました。これにより特別なダンジョンを遊べるのですが、ステッカーは全部で3種類あり1人につき1種類だけが配られました。内容は、ダンジョンを出現させるものが2種類と、アイテムがもらえるものが1種類となっているそうです。来場者の皆さんは、お互いのステッカーを撮影しあって盛り上がっていました。遊び心ある演出はOnionGamesらしさが出ています。
続いて、プレゼントで出現するダンジョン“アスパラさん大農場”に大久保タクマさんが挑戦! ダンジョンを進んでいくと突如“アスパラさん”が地面から生えてきて戦闘しなくてはいけなくなるのですが、この“アスパラさん”が実に強力……。大久保さんも悶えながらプレイしていました。
最深部では巨大アスパラが登場して行く手をさえぎります。アスパラさんを召喚するスキルを使う強敵です。しかし、このスキルは前日に追加されたものらしく、木村さんですら「俺も知らないよ!」と爆笑。松嶋さんに続きHPを1残してのクリアというミラクルを達成。開発陣としての面目躍如となり、ホッとした様子でした。
▲出発前に「ちょっと厳しいと思うんで装備強化します」と強化を始めますが、これもひっそり初公開の画面。ダンジョンでは鉱石のような素材も手に入り、これを使って装備強化することで性能がアップする他、スキルが使用可能にもなるようです。 |
▲“ひみつのじゅもん”で出現するダンジョンはかなり難易度が高めな上に、一度挑戦すると消えてしまうそうなので、慎重にクリアを目指しましょう! |
最後に木村さんから「来年配信と発表できたことがよかった。本当は毎回HP1になるようなギリギリなものじゃなく、もうちょっとマイルドになってるのでじっくり楽しんでください。新しい発表はいつもドキドキしているのですが、今回は私も楽しみです」というコメントが贈られ、無事イベントは終了となりました。
会場ではこの後も、出演者のみなさんと来場者による飲み会は続き、メーカーとユーザーの枠を越えた忘年会で盛り上がったようです。
(C)DMM.com POWERCHORD STUDIO / Onion Games
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