2016年1月25日(月)
HarvesTが配信する、人気アニメ『ARIA』のヒーリング系リズムゲーム『ARIA~AQUA RITMO~』。その開発スタッフへのインタビューを掲載する。
アニメ『ARIA』は、天野こずえ氏による漫画を原作にした作品で、第3期にもおよぶTVシリーズやOVA、劇場アニメなどが制作された人気シリーズ。その透き通る癒やしの世界をヒーリング系リズムゲームに落とし込んだ作品――それが『ARIA ~AQUA RITMO~』だ。
Android版が配信され、iOS版のリリースも間近に控える今、本作の見どころや展望について開発スタッフ陣へのインタビューを敢行。開発の経緯からプレイに役立つお得情報、気になる今後の展望などを聞いてきた。
▲開発スタッフのみなさん。左から平尾和樹さん(ディレクター)、諏訪部匡史さん(音響監督)、藤田悠花さん(デザイナー)、芝本英太さん(プロデューサー)。※インタビュー中は敬称略。 |
――ついに『ARIA ~AUQA RITMO~』のAndroid版がサービス開始となりましたが、反響はいかがでしょうか?
平尾:“『ARIA』のゲーム”ということで、14年来の『ARIA』ファンの方々にも喜んでいただけていると感じますね。
もちろん、肯定的な意見だけではなく厳しいものもいただいていています。ソーシャルゲームというのは「出して終わり」ではないので、これからも厳しい意見には真摯に対応していきます。
自分自身『ARIA』のファンで「まだまだ、足りないな」という部分はあるので、それも含めてこれから育てていきたいと思っています。
――重く受け止めている意見としては、どのようなものがありますか?
平尾:『ARIA』のファンと言ってもいろいろな方がいて、ひとりひとりがそれぞれの『ARIA』像を持っています。そのイメージ像と本作との違いが気になる……という意見がありました。
すべての意見に応えていけるよう、できるだけいろいろな方の要望を取り入れていきたいと思っています。
――ちなみに、『AQUA RITMO』は昨年から続いている『ARIA』10周年プロジェクトの一環として、企画がスタートしたのでしょうか?
芝本:昨年の劇場版『ARIA』にあわせる形で、我々からアプローチをしたのが企画のスタートですね。
もともと私と平尾は10年来の仕事仲間なのですが、『ARIA』ファンの平尾が以前から「『ARIA』にかかわる仕事がしたい」と話をしていたんです。2人でベネツィアにも取材に行ったりしました(笑)。
▲『ARIA』の舞台となる、水の都ベネツィアを模して作られた街ネオ・ベネツィア。 |
――すごい熱意ですね(笑)。
芝本:そうして「いつか形になればいいよね」と話をしていたタイミングで、ちょうどゲームブランドの“HarvesT”を立ち上げ、ソーシャルゲームへ挑むことになりました。
さらにタイミングよく、もうすぐ『ARIA』の劇場版が公開されるということで、我々からアプローチしたら快諾してくださって。すべて、幸運なタイミングが重なったという感じですね。
――劇場版が公開される前から、制作に入られていたのですか?
芝本:制作に入ったのは劇場版の発表があった後なので、その段階では構想だけでしたね。しかも、「やれたらいいね!」という願望だけでした(笑)。
平尾:劇場版の公開時の熱気がすごくて、上映が終わったあともみなさんが『ARIA』を楽しめるように、と。
――では、ゲームの内容についてお伺いしていきたいと思います。まずは、なぜリズムゲームを作ることになったのでしょうか?
芝本:『ARIA』を題材にゲームを作るという話になった時に、ユーザーのみなさんへ伝えたいコンセプトは何かと考えました。それでたどり着いた答えが、『ARIA』ならではの“癒やし”と“世界観”をより幅広い層に伝えること”です。
それができるのは、アクションではないですしシミュレーションでもない。そうして検討していくと、アニメで使われた楽曲やビジュアル、美麗なエフェクトを味わえるジャンルはリズムゲームしかない、という結論に至りました。
ジャンルについては、実はあっさりと決まりましたね。ただ、リズムゲームと言っても、従来のリズムゲームのような慌ただしい操作感では『ARIA』の世界観が壊れてしまうので、ゆったりと遊べるヒーリング系のゲームとしてお届けすることになりました。
――確かに、実際にプレイしたところタップよりもスワイプ操作がメインですよね。そういうところでも“ゆったり”な感じがします。
諏訪部:『ARIA』ファンの方々が普段からリズムゲームを遊んでいる方が多いかというと、そうではないと思うんです。なので、低難易度のものに関しては長押しとスワイプしか使わないぐらいの気持ちで作っています。
――チュートリアルで、最初に長押しから説明が入ったのはビックリしました。
諏訪部:あれも、製作中に順序を決めたんです。開発初期はタップだったんですけど、入れ替えました。リズムゲームといえばタップが基本というイメージがあると思うのですが、この作品は長押しやスワイプだと強調しています。
▲スワイプとは画面を左右になぞること。『AQUA RITMO』はスワイプ操作の多さが特徴だ。 |
――癒やしを意識するという部分に関しては、グラフィックやインターフェースも凝っていますよね。ステージが終わるまで、スコアが表示されなかったり……。
諏訪部:従来のリズムゲームだと、楽曲のプレイ中にSCOREを表示していますが、本作に限っては数字を意識してプレイするというのはコンセプトとは違うかなと思いました。
なので、インジケーターをできるだけ減らして、あくまでも音楽を楽しみながら結果としてリザルトに反映される……くらいの気持ちで開発しています。もちろん、音楽だけでなくエフェクトやグラフィックも楽しんでもらえればと思います。
――画面下が鍵盤のようになっていますが、これはどういった意図でデザインされたのですか?
諏訪部:もともと最近のリズムゲームといえば、キャラクターが並んでいて、そこに飛んできた譜面をタップするというものが多いですよね。
それとは違ったアプローチをしたかったのが1つ。もう1つは、原作自体が10年前のものなので、昔ながらのリズムゲームを少し意識しました。
――他に『ARIA』作品として「これは外せない」といった要素はありましたか?
平尾:劇場版のタイトル『AVVENIRE』は直訳すると未来ですが、「ここから先だけが大事」なのではなくて、「過去があって、現在があって、未来がある。そのつながりが大事」という、僕が個人的に劇場版ARIAに感じたテーマを、この企画の中でも再現したいと思っていました。
10年来の『ARIA』ファンの方たちは、“『ARIA』の世界の懐かしさ”と“『ARIA』の世界の新たな広がり”を求めていると思うんですね。それを受けて、このあと公開されるストーリーでは、PASSATO(パッサート/過去)、PRESENTE(プレセンテ/現在)、AVVENIRE(アヴェニーレ/未来)というブロックに分かれています。
PASSATOはアリシアさんや晃さん、アテナさんが活躍するストーリーで、同様にPRESENTEは灯里たち、AVVENIREではアイたちにスポットを当てています。特にあずさやアーニャに関してはまだ映画でしか露出がないので、“新たな展開を見たい”という方の要望にも応えられるかなと。
ちょっとネタバレになりますが、ストーリーと楽曲も連動していまして、「この曲をクリアすると、PASSATOのストーリーが楽しめる」というストーリー開放を予定しています。
――ストーリーはすべて藤咲あゆな先生が執筆されているのですか?
諏訪部:もちろん、そうです。ストーリーモードのシナリオは、すべて藤咲先生に描き下ろしてもらいました。
平尾:現在シナリオは書き上がっていまして、劇場版とは別のお話が楽しめるようになっています。そこはユーザーのみなさんが一番楽しみにしている部分ですしね。
▲ストーリーでのかけあいはもちろん、ホーム画面でのセリフに多数用意されている。 |
――藤咲先生に依頼する際、お願いしたポイントなどはありますか?
平尾:『ARIA』の世界にかかわっているという部分では藤咲先生は大ベテランなので、基本的にこちらから具体的な要望はしていません(笑)。
ゲーム内容との連動……例えば、この楽曲はPASSATOのシナリオと紐付いています、といったことは意識していただいています。アリスが登場するお話と『でっかいシアワセです。』とが結びついているなどですね。
諏訪部:ホーム画面に立っているキャラクターたちのセリフも藤咲先生のチェックが入っていますし、全面的にご協力いただけています。
――暁やアルくんといった、ウンディーネ以外のキャラクターが登場する予定はありますか?
平尾:原作者である天野先生は男性キャラクターにも、もちろん思い入れがあるとのことなので、いつか出していければなと思っています。
――それは楽しみです。ところで、主人公はどのような形でストーリーへ絡んでくるのでしょうか?
平尾:基本的には、ゲーム全体を通してプレイヤーキャラクターがストーリーにかかわってくることはなく、原作キャラクターのみでストーリーが展開していきます。
プレイヤーキャラクター=プレイヤー自身ということで、プレイヤーキャラクターには特に人格を設定していません。ウンディーネを目指す“とある女の子”という設定のみですね。所属会社も決まりがなく、「新米ウンディーネとしていろいろな会社を体験していい」という立場になっています。
その時チームのリーダーになっている……要はホーム画面に表示されているキャラクターが、パートナーとしていっしょに練習しているという形です。
――つまり、ストーリーに関してはアニメのような第3者視点で見ていくというわけですね。
平尾:ウンディーネたちの日常を見るのが楽しい、という方も多いと思いますので、今回はこういった形にしました。人によって意見が異なる部分なので……悩みどころではありましたが。
――ということは、プレイヤーの職階が上がっていくというストーリーではないんですね。
平尾:あくまで“ifの世界”なので、他のキャラクターたちもみんなペアなんです。アリスにはシングルの時期とかはないのですが、そこは“ifの世界”として、一緒に成長していくところを楽しんでいただきたいです。
――たしかに、キャラクターのところに「職階:ペア」と書いてありました。この職階は、キャラクターのレベルが上がるとランクアップしていくのですか?
平尾:レベル30になるとシングル、レベル50でプリマになります。
――ちなみにストーリーの実装はいつごろになりそうでしょうか?
諏訪部:iOSのローンチ後になるかと思います
――『ARIA』では多くの祭りが催されていましたが、本作でも季節イベントは用意されているのでしょうか?
芝本:季節に合わせたり、アニメから引っ張ってきたりして、その都度いろいろなストーリーを配信していきたいと思っています。
平尾:シナリオ付きのイベントを毎回用意するのは難しいと思うのですが、藤咲先生とも相談して、ちょっと凝ったことができればいいなと思っています。
他のイベントは、スペシャルステージで特別な楽曲が遊べて、報酬がもらえるという内容などになります。例えば、現在行っているイベントでは『バルカローレ』をプレイできて、クリアするとアテナさんのコレクションカードが手に入ります。
▲1月19日からはスペシャルステージの第1弾として『バルカローレ』が配信中。 |
――『バルカローレ』の話題が出たところで、楽曲についてお聞きしたいと思います。今後、楽曲はどのような形で、またどれくらいのペースで配信される予定でしょうか。
諏訪部:現在、絶賛配信中の『バルカローレ』のように、定期的にスペシャルステージにて新楽曲を公開していきます。作中で人気だった歌に関しては、できるだけカバーしたいですね。ちなみに、次は『Smile Again』を予定しています。
平尾:毎月1曲以上のペースで追加していく予定です。「あの曲はないのか!?」と思っている方もいらっしゃるでしょうが、これからもどんどん配信していきますので、いろいろ遊びながらお待ちいただければと。
平尾:それと、iPhoneの方が『バルカローレ』をプレイできなかったと残念に思われてしまうかもしれませんが、またプレイする機会は来ますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――ゲームの報酬として、“コレクションカード”がもらえるとのことですが、これは具体的にどういう仕様なのでしょうか?
平尾:このゲームは、キャラクターはウンディーネの9人が登場するのですが、それぞれが自分のイラストが書かれたカードを身につけることで能力が上がる仕組みになっています。
そのカードのジャンルとして、ドロップのみで入手できる“コレクションカード”というものがありまして。通常のカードはタップしてもカードが大きく表示されるだけなのですが、コレクションカードは名シーンをそのまま切り取った、特別なイラストが見られます。
平尾:もちろんソーシャルゲームなのでガチャで手に入るカードもありますが、コレクションカードはファン向けの記念カードになっていますので、ある程度プレイしていれば取り逃しのないように作っています。
『バルカローレ』のコレクションカードについても、いずれ後発のプレイヤーが取れる機会を設けます。このように、コレクションカードは“必ずコンプリートできる”ことが、前提のカードになっています。
――誰でも手に入れられるというのはありがたいです。
平尾:手に入ったカードは、カードリストから確認できるので、イラストをじっくり見たい時に活用していたければと思います。コレクションカードは能力よりも遊びが重視されている感じですね。カードをセットしておけば、鍵盤の部分にイラストが表示されるようになっていますし。
▲カードリストでコレクションカードを選択すると、このようにアニメの1シーンが楽しめる。 |
――本作はキャラクターの衣装を着せ替えできますが、どういった衣装があるのでしょうか?
藤田:一番わかりやすいのは、レベルが上って職階が変わると手袋が外れていきます。その他だと、今後のイベント用の特別な衣装なども実装予定になっています。
平尾:現在は、まだ特別な衣装は実装されていませんが、iOS版のリリースにあわせて追加していくと思います。また、作品によって髪型が変更されているキャラもいますので、そこもカバーしていけたらと思います。
藤田:ホーム画面では時勢を忘れていただいて、自分の好きな格好をしたパートナーが見られるようになっています。これも、ファンが喜んでもらえる魅力になるのかなと。あとは、アリア社長の着せ替えも実装していきたいですね(笑)。
▲現在は所属会社のコスチュームのみだが、いずれさまざまな衣装に着せ替えできる。もちろんアリア社長の着せ替えも可能だ。 |
――グラフィックといえば“Live2D”を導入されていますが、その意図を教えていただけますか?
平尾:原作マンガやアニメとの乖離の差が少なく、2次元的な表現に近いということで導入することになりました。
藤田:やはり立ち絵とタップすると連動して動き、キャラクターの魅力を最大限に生かせることが魅力です。
――キャラクターの動きの中でイチオシのポイントを教えていただけますか?
藤田:映画に合わせて配信したアプリ『ARIA THE AVVENIRE』でも、アリア社長や灯里ちゃん、アイちゃんが動いている姿が見られたのですが、これを遊んでいただいたユーザーの方々から「アリア社長たちが動いているのがカワイイ!」といった声がたくさん頂きました。
本作ではさらにモーションも増えているので、アリア社長のかわいさをたん能していただければと思います。個人的には、いつもかわいいアリア社長が、たまに出す「ハァ?」みたいな声が好きです(笑)。
――自分はまだ画面でアリア社長を見たことがないのですが、どうやれば会えるんでしょうか?
平尾:本作はリーダーにしているキャラクターに合わせて背景が変化するので、アリア社長はアリアカンパニーに所属しているキャラクターをリーダーにすると画面で見られます。
藤田:姫屋のキャラクターの場合はホーム画面が姫屋の中、オレンジぷらねっとのキャラクターの場合はオレンジぷらねっとの中になります。また、ホーム画面の背景もそこそこ枚数あるので、時間帯によって背景が変化しますよ。
――なるほど、そういう仕組みだったんですね。ずっとあずさをパートナーにしていたので気づきませんでした。
平尾:プレイヤーとは一緒にパートナーと練習している形なので、夜になれば晃さんから「もう遅いから泊まっていくか?」みたいなセリフが聞けたりします。
芝本:まぁ、プレイヤーはウンディーネの女の子だから、ごく自然なことですね。
――そういったセリフもすべてボイス付きというのが本作の魅力の1つですが、これらのボイス収録の現場はどんな雰囲気でしたか?
芝本:ほぼすべてのキャストの方々にご協力いただけて、とてもうれしく思いました。声優陣の仲のよさから生まれる収録現場の朗らかな雰囲気は、本作の“癒やし”というコンセプトにつながっていくんだろうな、というのを、身を持って感じましたね。とてもいい収録になったと思います。
平尾:みなさん、『ARIA』が好きで大切にされていたのが印象的でしたね。
芝本:正直、キャストのみなさんが一番のファンじゃないかというくらい、『ARIA』を愛していらっしゃいますよね。感情移入しすぎて、劇場版の収録の時に泣いちゃったとも仰っていて、愛にあふれている作品なんだなというのを、再確認しました。
――収録時の印象的なエピソードなどがあれば教えてください。
芝本:シナリオの関係で平尾とかがリテイクを出す時があるのですが、唯一アリア社長にだけはリテイクを出せなかったよね(笑)。
平尾:台本の「ぷいにゅ」には補足として意味合いが書いてあったのですが、ちゃんとそう聞こえるんですよね。「ぷいにゅ」なのに。
芝本:「ほぼしゃべってるよね!」っていうのもありましたね(笑)。「ぷいにゅ」にも喜怒哀楽を表したいろんなバリエーションがあって、本当にすごいと思いました。
平尾:「ぷいにゅ」だけで20種類近くあるはずなので、気になる方はぜひ探してみてほしいです。
――本作にはいわゆる無料ガチャというものが存在しませんが、カードは課金ガチャとドロップでカードを集めるのでしょうか?
平尾:そうなります。ドロップのコレクションカードでも、モノによってはSRをちょっと超えるぐらいのものもありますので、狙ってみてもらえればと思います。
また、本作は同じカードが手に入った場合は自動合成でパワーアップします。通常のカードは緩やかに強化されるのですが、コレクションカードは大きく成長するので、たくさん集めるとかなり役立ちます。
諏訪部:補足としては、成長パターンが3種類ありまして、そのままずっと強くなり続けるカードもあれば、重ねても弱いままのカードもあります。限界値もカードによって違いますね。
平尾:無課金ユーザーでも、コレクションカードを集めることでレアカードに匹敵する能力は得られるようになっています。
▲SRカードの初期パラメータは大体これくらい。合成でどれだけ成長するのか気になるところだ。 |
――同じカードの合成は何段階まで可能なのでしょうか?
諏訪部:+99まで合成できるようになっていますが、大きな変化があるのは最初の数枚だけです。
平尾:合成した分だけ成長する仕様だと、ひたすらカードを集めないといけないという強制感が生まれてしまいますし。
――逆に「URを+99にしてやったぜ!」という猛者も出てくるかもしれませんね。
芝本:その猛者が出てくるのを、僕は期待しています! そこまでやれば一種のステイタスだと思いますし、それくらいキャラへの愛情を持っていただければ本望です。
――他の機能では、体力回復アイテムがフレンドポイントと引き換えできることに驚きました。
平尾:無料ガチャは、ゲームを進めていくとどうでもよくなってくるケースが多いじゃないですか? だったら、そのポイントを使って実用品を買えたほうがいいだろうと。形骸化せず、きちんとした利用価値を持たせたかったので、こういう形になっています。
――配信を開始したばかりということで、まだよく理解できないシステムもあると思います。カード強化やユニット編成について教えていただけますか?
諏訪部:カードの強化というのは、コインを消費してスコアパワーを鍛えていくものです。スコアパワーが上がると、ステージ攻略時のスコアが高くなります。
今のところは、楽曲ランキング(HSP)を突き詰めるためのものですが、スコア関係の要素も少しずつ“目標(達成すると報酬がもらえる機能)”に絡めていきたいですね。イベントは基本的にポイントを稼いでいく形になっていて、スコアに応じて獲得ポイントも多くなります。
また、カードにはスキルが付いていて、スコア上昇のスキルだけでなく、HPを回復したりHPが減らなくなったりするものもあります。合成やアイテムで回復系のスキルレベルを上げれば、リズムゲームが苦手な方も高難度にチャレンジしやすくなります。
▲高難度ステージに挑むなら、ぜひ回復系スキルを持つカードを、ユニットに入れておきたい。 |
――その他に、初心者にも注目してほしい要素はありますか?
平尾:諏訪部の話にも少し出てきましたが、“目標”という提示された目標を達成すると報酬がもらえるシステムも活用してほしいですね。
低難度の曲を遊んでいるだけでも、それなりの報酬がもらえますが、「難易度を上げてみよう」や「スコアを伸ばそう」という目標を達成できれば、報酬もよりよくなっていきます。なので、こまめに目標をチェックしてもらえるといいかと思います。
――実装予定の“お散歩システム”とは、どのような機能なのでしょうか?
平尾:言ってしまえば、ちびキャラが散歩に出かけて、一定時間後にアイテムがもらえたりする、というシステムです。リズムゲームを遊ぶ時間はないけど、ちょっと遊んでおきたいなという時間にプレイできる感じです。
実はこのシステムにちょっとした仕掛けがありまして……灯里が登場している時はサントラ未収録の楽曲『ズンタカポコテンズンタカポン』が流れます。なにげに貴重ではないかと(笑)。
芝本:リリース前には、リズムゲームの楽曲として『ズンタカポコテンズンタカポン』が入ると予想していたユーザーさんもいらっしゃいました。スゴイ洞察力ですよね。
――となると、やはり気になるのが実装時期なのですが……?
平尾:みなさんのお声を聞きながら順次実装していくつもりです。お楽しみにお待ちいただければ幸いです。
――これだけ色々と仕込んでいるとなると、他にもさまざまな展望が出てきているのではないでしょうか?
平尾:これはまだ実現可能かどうかわからないのですが、TVアニメからもコレクションカードのイラストを取り入れていければと思っています。
3期+OVAを展開しているだけあって、ファンの思い入れの強いシーンも多々あります。いつでも、そのワンカットが見られるように、その辺もカード化していけたらと考えています。
他には、これも未確定ですが雑誌の“月刊ウンディーネ”にちなんで、“月冠ウンディーネ”という月間ランキングを考えています。上位者には、ゲーム内アイテムではなくリアルグッズをプレゼントできないかなと思っています。
コミケでもグッズが好評だったりと、『ARIA』ファンの方々のグッズに対する気持ちも強いのかなと感じましたので、そういった部分でファンにお返しできないかな、と。
▲電撃Appではコミケグッズの読者プレゼントを実施。1月28日まで応募を受け付けている。詳しくは下記の記事をチェック。 |
【読者プレゼント】
『ARIA~AQUA RITMO~』コミケ限定グッズをプレゼント。灯里、藍華、アリス尽くし!
芝本:コミケでは僕らの想定を大きく上回る即日完売で、『ARIA』のファンの熱を再確認できましたね。
それと、近日中にWeb番組“HarvesT TV”が始まります。『ARIA』でもっと楽しいことをやっていこう、という我々の中でも未確定な企画の情報などを配信していきます。声優のみなさんも遊びにきてくれるということなので、楽しみに待っていてください。
――では、最後に『ARIA』ファンやこれから『AQUA RITMO』を始めようというユーザーに向けて、ひと言ずつメッセージをお願いします。
芝本:先ほどから何度もお伝えしていますが、新感覚ヒーリングと銘打って『ARIA』の癒やしの世界をゲームとして世に出させていただきました。新しい感性を呼び覚ますものになっていますので、ぜひじっくりとたん能していただきたいです。
また、これからも我々はユーザーのみなさんに喜んでいただけるような、びっくりするようなサービスを第一に考えています。その進化も楽しみの1つとして、末永い目で見て楽しんでいただけたら幸いです。
諏訪部:現状の原作のBGMに関しては、アレンジまたはカバーとして使用させていただいています。いずれもリズムゲームとしてきちんと楽しめるように、念入りにチェックしたうえで配信されています。これからも精一杯、魅力的な曲を増やしていきますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
藤田:現段階ではウンディーネの制服を着たカードがメインですが、今後は原作でおなじみの私服を増やしていく予定です。また、『AVVENIRE』の子たちは映画で出てきたばかりで私服が未公開となっています。その子たちの新しい私服なども、今後に期待してもらえたらうれしいです。
平尾:『ARIA』には長年のファンの方が大勢いらっしゃるので、懐かしい世界に帰ってきたという安心感と新しいものに対する好奇心の、その両方を満たせるようなゲームにしていきたいと考えています。
アプリとしては駆け出しの“ペア”というところですが、ここから“シングル”、“プリマ”へと成長していけるように頑張っていきますので、長い目で見ていただければなと思います。
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