2016年1月24日(日)
【電撃PS】SCE・山本正美氏のコラム『ナナメ上の雲』を全文掲載。今回のテーマは“PSXとJAPANスタジオ”
電撃PSで連載している山本正美氏のコラム『ナナメ上の雲』。ゲームプロデューサーならではの視点で綴られる日常を毎号掲載しています。
ここでは、電撃PS Vol.605(2015年12月24日発売号)のコラムを全文掲載!
第74回:PSXとJAPANスタジオ
前回コラムの近況コーナーにも書きましたが、12月5~6日に、サンフランシスコで開催されたイベント、『PlayStation Experience 2015』、通称PSX2015に参加してきました。
北米で有名なゲームイベントといえばE3がありますが、ゲーム業界関係者やメディアが集うE3とは違い、PSXは、SCEAが主催となって行うユーザー参加イベントです。なので、来場者はいわゆるゲームファンが主体。しかもSCEAが仕切っているということで、当たり前ですがPlayStationフォーマットのゲームしか出展されていないため、ゲームファンの中でもとりわけ“PlayStation大好き!”な人たちばかりが一同に会するイベントなわけです。
なお、1dayパスが45ドル、2日間使える2dayパスが75ドルですから、日本円で約5500 ~9000円と結構な入場料が必要。しかしその分、下の写真のようにTシャツや帽子、ポスターやプロダクトコードなど、たくさんのプレゼントがもれなくもらえるので、濃いお客さんたちも満足されていた様子でした。
さて、昨年に続き2回目の開催となるPSX。僕の部署からは、『Bloodborne The Old Hunters』『The Tomorrow Children』『New みんなのGOLF』の3タイトルを出展しました。特に『NewみんGOL』は世界初のプレイアブル出展ということもあり、たくさんのお客さんに遊びにきていただきました。写真の2人が、がっつりとアテンドをしたプロデュースチームの荒木(左)と赤尾(右)です。
別に、『テラウェイ』の着ぐるみと写真を撮りに行ったわけではありません(笑)。また、試遊スペースだけでなく、トークセッションを 行うコーナーでも大々的に取り上げてもらいました。
セッション用のソファーとしてなぜか“人をダメにするソファー”が置かれていて、ものすごいダラけた感じになっていますが、皆さん真剣なまなざしで話を聞いてくれていました。また、同じく『The Tomorrow Children』の試遊台にもたくさんのお客さんが並んでくれて、トークセッションも盛況。『リトルビッグプラネット』で有名なスタジオ、メディアモレキュールの生放送で、写真の通り急遽ディレクターのディランさん(左)がサプライズ出演を果たすという一幕もありました。
先ほども書きましたが、PSXは完全にユーザーさん向けのイベントです。日本だとタイトル個別のファンイベントなどを仕込むこともありますが、これまで海外向けのイベントは、どちらかというとプロモーション的な意味合いで出展することが多かった。だから今回、アテンドスタッフのみんなが“世界のPSファン”と直接触れ合えたことは、かけがえのない体験となりました。
初日、先ほど登場した赤尾に、「JAPANスタジオのゲームが大好きなの!」とハグをしてきてくれた女性ファンがいました。彼女は、『みんGOL』や『パペッティア』など、ウチのスタジオのゲームをたくさん遊んでくれているようでした。実は僕も、若い男性ファンに、「JAPANスタジオの人ですか?」と聞かれ、ノートとペンを差し出される一面がありました。日本でもサインすることなんてほとんどないのに。
国籍、人種、性別、そんなものではなく、僕たちはゲームで繋がっている。そう思わせてくれるファンの皆さんと触れ合えた喜びを噛みしめて、また来年も頑張ろうと思います。
というわけで皆さま、よいお年を~!
※このコラムは電撃PS Vol.605(2015年12月24日売り号)に掲載されたものです。
ソニー・コンピュータエンタテインメント JAPANスタジオ
エグゼクティブプロデューサー
山本正美 |
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ソニー・コンピュータエンタテインメントJAPANスタジオエグゼクティブ・プロデュ ーサー。PS CAMP! にて『勇なま。』シリーズ、『TOKYO JUNGLE』などを手掛ける。現在『トゥモローチルドレン』『NewみんなのGOLF』を絶賛開発中。最新作、『Bloodborne The Old Hunters』好調発売中!
Twitterアカウント:山本正美(@camp_masami)
山本氏のコラムが読める電撃PlayStationは、毎月第2・第4木曜日に発売です。Kindleをはじめとする電子書籍ストアでも配信中ですので、興味を持った方はぜひお試しください!
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