2016年2月24日(水)
アトラス×『FE』の2身合体! 仕事に支障をきたすほどハマった『幻影異聞録♯FE』【電撃オンラインアワード2015】
皆さん、こんにちは。アトラスのRPGが3度の飯より大好きなライター・まさんです。ユーザー投票で2015年のベストコンシューマソフト&アプリを決める“電撃オンラインアワード2015”も投票の締め切りが迫り、注目タイトルのレビューも次々と出そろってきましたね……って、ちょっと待ってくださいよ!
年末の傑作にして、近年のRPG史上、5本の指に入ると思われるあの名作のレビューがまだじゃないですか。というわけで、この記事ではアトラスが開発を行い、任天堂から2015年12月26日に発売された『幻影異聞録♯FE(シャープエフイー)』を猛プッシュしていきたいと思います。
“電撃オンラインアワード2015”では、2015年に発売されたコンシューマソフトや同年に皆さんが夢中になってプレイしたスマホアプリへの投票を行っています。投票していただいた方には抽選でギフト・カードのプレゼントも! 皆さんのお気に入りのタイトルをぜひ教えてくださいね!
『真・女神転生』シリーズ風の現代RPGと『ファイアーエムブレム』がReincarnation(転生)した大作
最初に結論を言いますが、本作『幻影異聞録♯FE』は、『真・女神転生』シリーズファンや『ファイアーエムブレム(FE)』シリーズのファンはもちろん、すべてのRPGファンが絶対に遊んでおくべき傑作だと断言します。
と、これだけ言っても意味がわからないと思うので、まずは、このゲームがどんな作品なのかを軽く紹介しましょう。『幻影異聞録♯FE』は、任天堂のシミュレーションRPG『ファイアーエムブレム』と、『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズで知られるアトラスのコラボレーションによって誕生した完全新作RPGです。
本作が初めて発表された段階では、どんなゲームになるのかあまりにも予測がつかず、ワクワクして気になっていた人も多かったのではないでしょうか。『真・女神転生』のようなオカルト風RPGか、それとも『FE』的なシミュレーションRPGなのか……。
しかし、実際に飛び出してきたのは『FE』でも『真・女神転生』でもなく、両方のエッセンスを備えたまったく新しいアイドルRPGだったのです!
▲『FE』のキャラがアトラスRPGのペルソナや悪魔のような異形の姿となり、現代で大暴れ! こんな予測もつかないコラボができるのは本作ならでは。 |
アイドルものでRPG! と言っても『ラサール石井のチャイルズクエスト』ではありません。その中身はまぎれもなく『真・女神転生』であり『FE』。
現代を生きるアイドルが、ペルソナのような異形の姿“ミラージュ”となった『FE』のキャラクターたちと一緒に、歌って踊ってバトルして、芸能界にまつわる事件をガンガン解決していくという、概要を書いているだけで頭がフットーしそうな、とんでもないゲームなんです。
▲遊んでみれば『FE』と『真・女神転生』、両方の魂を持った作品だとわかるはず。 |
▲本当に、このおもしろさは言葉でお伝えしにくいのがもどかしい……。 |
見た目もドハデで奇抜なのですが、実際に遊んでみるとこれがもう……本当にメッチャクチャおもしろいんですよ! 1周クリアするだけでも60時間以上かかるほどガッツリと作り込んであるし、戦闘もサブイベントも何もかもが楽しくて、仕事に支障をきたしそうになるほど遊んじゃうっていうか、きたしました。ハイ。
原稿の締め切りブッチぎりまくりで2カ月遊びまくって、このアワードのレビューが遅れるほどにハマってました。すみません。そんなわけで、特におもしろいと感じたポイントを語っていきたいと思います。
控えなんていない! 全員が戦闘に参加するセッションバトルはプレスターンの進化系
RPGと言えば、なんといっても戦闘。ゲーム中、もっとも長い時間触れる要素であるがゆえ、戦闘がおもしろくなければRPGは遊んでいられません。その点、本作はまったく問題なし! むしろ、コマンドRPGのなかでも群を抜いて完成度が高いんです。
近年のアトラス系RPGは、相手の弱点をつくことでターン数を増やせる“プレスターンバトル”をベースにバトルシステムを構築しており、ヤルかヤラレルかの背筋がヒリつくようなバトルを楽しめるのがウリになっていました。
本作では、そのシステムを“セッション”として再現。敵の弱点をつくと、仲間たちが専用の追撃スキルで次々と攻撃してくれます。後半になると控えにいるキャラクターも追撃するので、まさに総力戦! 敵もセッションを行ってくるので、非常に手に汗握るバトルを楽しめます。
▲弱点をつくと、次々と仲間たちが追撃。 |
▲仲間キャラクターが増える後半ほど有利になるシステムで見た目もド派手なので、見ていてキモチイイです。 |
さらに、本作では控えにいる仲間をターン消費せずにいつでも入れ替え可能になっています。HPが高いアーマーナイトの源まもりを壁役として出し、その間に仲間を回復。セッションで体力を減らしたらアサシンの弓弦エレオノーラに入れ替えて……などと考えながら戦うのは『FE』的ですね。
このシステムのおかげで、実質的に使わなくなる仲間が存在しません。ここまで“全員で戦っている感”を味わえるRPGは、なかなかないと思います。また、属性に『FE』の3すくみ要素がプラスされているので、剣や弓といった直接攻撃スキルで相手の弱点をつきやすくなっているのもいいですね。
▲HPが高く、仲間を“かばう”スキルを持ったアーマーナイトの源まもりが大活躍! アイテムで弱点を突くこともできますし、いわゆる捨てキャラは存在しません。 |
▲合体攻撃にあたるデュオアーツもカッコよくてGOOD! |
セッションを成功させていくと、ごくまれに仲間たちの合体攻撃“デュオアーツ”が発動します。これが発動すると、さらにセッションが継続します。見た目も派手ですし、MP消費などのデメリットもないので、ガンガン使っていけるのがいいですね。
なお、本作ではデュオアーツに限りませんが、いわゆる強力なスキルの攻撃モーションが普通のRPGとはちょっと違います。いや、ちょっとどころじゃありません。戦闘キャラがライブやバラエティの1シーンを再現するように、歌って踊りながら敵を攻撃するんです!
これまた、私が何を言っているのかよくわからないかもしれませんが、これには理由があります。本作では、神降ろしを起源とする“芸能”の力で戦っているという設定が根底にあります。
ですので、芸能の力=強力な攻撃ということで、戦闘中に料理番組を始めようが、ライブを始めようが、何一つおかしくありません。おかしくないのです。
いや、実際、この設定はすばらしいと思います。どれも見た目が派手ですし、芸能だからと言われたら、もうなんでも納得できます。この振り切った設定を受け入れ、ド派手な戦闘を楽しむことこそが、本作の醍醐味(だいごみ)だと言えるでしょう。
▲芸能人なので、魔法陣の代わりに空中にサインを描いて魔法を発動。 |
▲自分たちのドラマやバラエティの1シーンを演じることで敵に大ダメージを与えるなど、演出も徹底して“芸能”に振り切ってます。ここまでやるならOK! |
芸能人たちが愛と友情と努力で成功していくサクセスストーリー(+後半は『FE』)
RPGは物語を楽しむもの……という人も多いでしょう。本作は、戦闘も楽しいですが、物語もグイグイ引き込まれて最高にすばらしいです。しかも、暗くないんですよ。
芸能界でスターダムに駆け上がることを目指す少年少女が主役ということもあり、腐ったオッサンである自分が浄化されそうなくらい、全体を通してまぶしいくらいキラッキラと輝いています。
もちろん、設定や敵がやってきたことの被害など、背景には重たい部分も。締めるところはきっちりと締めてくれますが、基本的にはみんなでワイワイと夢に向かって走る、明るい芸能ストーリーです。
しかし、これが魅力的なんですよ。人を殺さないで感動させる物語を作るのは難しいと思いますが、本作では見事にソレをやりとげています。
▲主人公たちの芸能に関する成長と、ゲーム的な仕掛けがキチっとハマったシナリオ。笑えて笑えておバカなエピソードも多いのに、とてもよくハマっています。 |
▲アトラスと言えばダークなRPGだけじゃないという、新しい可能性を見せてもらいました。 |
「物語のどこらへんに『FE』の要素があるんだ!」という人もご安心を。後半になるにつれ『FE』成分がゲーム内にどんどん出てきます。
具体的に言うとネタバレになりますし、絶対に遊んだほうがいいので詳しくは語りませんが、初代『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』と『ファイアーエムブレム 覚醒』を遊んだ人は、絶対やるべきとだけ言っておきましょう。
▲主人公たちがイベントで成長すると『FE』のテーマとともに“パフォーマ”(本作において戦闘などで使う芸能の力)が生まれ、新たな力が手に入ります。 |
サイドストーリーにサブクエスト、ユニティ(合体)にと……やり込み要素も多すぎ!
本編だけでもガッツリおもしろい本作ですが、いわゆるやり込み要素にあたる部分も非常に作り込まれています。急ぎ足で本筋だけを追っても50時間は軽くかかるゲームですが、やり込み始めると100時間オーバーの大ボリューム。まさに、みんなが遊びたかった日本製の大作RPGなのです。
特に注目したいのが、サイドストーリー。仲間たちと交流し、それぞれの成長エピソードを見られるものなのですが、1つ1つの物語がおもしろいうえに、SPを消費して発動する“スペシャルパフォーマンス”やランダムで技が変化する“アドリブパフォーマンス”も習得できるので、バトルでも役立ちます。
見るなと言われても見たくなるほどに笑えるものが多いので、その内容に関してはいっさいネタバレしたくありません。自分の目で確かめてみてください。それくらい、本作の魅力がギュッとつまっています。
▲サイドストーリーをクリアすると使えるパフォーマンスはどれも強力。なにより、キリアさんがアブソリュートカワイイのでやるべき。ん、写真がキリアさんばっかりですって!? 当たり前でしょ? |
▲事務所や渋谷のポスターも変化するなど、細かいところまで凝っています。 |
他のやり込み要素も魅力的なものばかり。『真・女神転生』シリーズの悪魔合体やペルソナ合体、武器合体を進化させた“カルネージ・ユニティ”の他、『FE』おなじみの闘技場、2周目以降に追加されるサブクエストなど、遊び応えたっぷりです。
▲武器ごとに習得できるスキルが変わるので、いろいろ作りたくなってくるカルネージ・ユニティ。 |
▲本作ではセッションの追撃で素材が手に入るので、素材集めにストレスを感じることもありません。 |
そんなわけで、他にもまだまだ語りたい要素はあるのですが、ぶっちゃけたところ、百聞は一見に如かずだと思います。本作は、記事を読むよりも遊んだほうが絶対にいいです。というよりも、自分も遊んでみるまで、本作のよさを理解できていませんでした。
だって、発売前までに想像していたゲームとは全然違うんだもん。発売前の予想が、いい意味で裏切られるんですよ。寝る間も惜しんで年末年始遊び続けてクリアしましたが、まだまだ遊びたりません。
時を越えても変わらずに、アトラスと任天堂のよい部分を受け継ぎつつ、今の時代に合わせて変化した光のRPG。それが『幻影異聞録♯FE』と言えるでしょう。
まったく新しいRPGとして新規ユーザーが遊んでも本当におもしろいのですが、むしろ派手でポップな見た目に惑わされることなく、『FE』ファンや『真・女神転生』ファンにこそ遊んでいただきたい作品です。
これを遊ばないのは、本当にもったいない! とにかく遊んでみれば、近年でもまれに見るほどに力の入った傑作であるということがわかると思いますし、“みんなsmile smile”って感じになるはず。ぜひ遊んで、このゲームに投票してください!
というわけで、私はこれから買いそびれていた本作のボーカルコレクションを買いに行くので、これにて! 最後に、ゲーム中のカメラマン、彫ノ澤さんに本作の感想を代弁してもらって筆を置きたいと思います。
あなたの2015年のベストコンシューマソフト&アプリを教えてください!
ファン投票で2015年のコンシューマソフト&アプリを決める“電撃オンラインアワード2015”にぜひご投票ください! 対象タイトルは、2015年に発売されたコンシューマソフトと同年に皆さんが遊んでおもしろかったと感じたスマホアプリです。
アプリについては、2015年以前に配信されたアプリも対象となるので、皆さんが名作だと思うものを教えてください。
投票していただいた方の中から抽選で10名様にPS Store、ニンテンドー eショップ、Xbox live、iTunesかGoogle playで使えるギフト・カード(5,000円分)をプレゼントいたします。締切は2016年2月28日(日)23:59まで。ぜひ、あなたの2015年のベストコンシューマソフト&アプリに投票してください!
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