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2016-02-25 19:18

TVアニメ『プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ』OP主題歌を手掛けるOxTインタビュー完全版

文:ガルスタオンライン、撮影:沖本竜也、ヘアメイク:福岡亜樹

 さまざまなアニメコンテンツの楽曲を手掛ける、デジタル・ロック・アーティストユニットOxT(オクト)。『プリンス・オブ・ストライド オルナタティブ』のOP主題歌『STRIDER’S HIGH』を歌うお2人にインタビュー! 電撃Girl’sStyle2月号(1月9日発売)に掲載されたインタビューの完全版をお届けする。

TVアニメ『プリンス・オブ・ストライド オルナタティブ』OxTインタビュー完全版
TVアニメ『プリンス・オブ・ストライド オルナタティブ』OxTインタビュー完全版 TVアニメ『プリンス・オブ・ストライド オルナタティブ』OxTインタビュー完全版

――TVアニメ「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」のOP主題歌担当に決まったときのお気持ちをお聞かせください。

オーイシマサヨシ(以下、オーイシ):「プリンス・オブ・ストライド」がとてつもなく気合いの入ったコンテンツだということは事前に聞いていたので、KADOKAWAさんからの期待感というのをビシビシ感じましたね。

――曲のイメージはどのように決められたのですか? また、作品に対する印象はいかがでしたか?

Tom-H@ck(以下、Tom):ノベルを読んだりして、原作に触れてから固めていった感じです。作品の雰囲気がつかめれば、基本的に曲作りに関してはあまり悩まないほうなので、すぐに完成しました。

オーイシ:今回、僕は作曲には携わっていないんですけれど、それでもやはり作品のことを知りたかったので、ビジュやるノベルを読ませていただきました。絵もきれいですし、男の僕でもキュンキュンしちゃったり、非常に引き込まれる作品ですよ。既存のものではなく、架空のスポーツを作ってしまうあたりも、おもしろいです。

Tom:掴みとしてもいいよね。僕は、内容も絵もとてもスタイリッシュな作品だなと思いました。ノベルも読ませていただきましたし、アニメのPVも見せていただいたので、これからどんな展開になるのか気になるところです。

――作詞はhotaruさんが担当されていますが、どういった詞をお願いしたのでしょうか。

Tom:ノベルからスピード感、現代的でモダンな印象を受けたので、そういった歌詞をお願いしました。英語の使い方も響きがキャッチーに聴こえるものや、パッと見たときに鋭角的な感じが出るような感じでオーダーしています。

――「STRIDER’S HIGH」というタイトルの経緯を教えてください。

Tom:タイトルの考案も、hotaruさんにお願いしていました。ただ、正式に決まったのは徳島の「マチ☆アソビ」のイベントなんですよ。あのステージで初お披露目だったんですけれど、そのとき、曲もできたばかりで、僕はタイトルも知らない状態でした。

オーイシ:僕、タイトル言ったね(笑)。

Tom:そう。まだ決まっていなかったんですが、歌詞の紙に書いていた仮題をオーイシさんが言っちゃって(笑)。

オーイシ:本来はタイトルコールをせずに楽曲を歌う流れだったと思います。ですが、音響さんも曲を流すきっかけを待っていたので、言わなきゃはじまらないと思ったんです(笑)。

Tom:結果、そのときオーイシさんが発表した仮題の「STRIDER’S HIGH」にそのまま決定したんですが、これでよかったんじゃないかなと思います。

オーイシ:いいですよね。ランナーズハイみたいな感じで。ストライドで心がハイになる、というイメージだと思うんですけれど、楽曲にもアニメにもピッタリだなと思います。

――レコーディングはいかがでしたか?

Tom:一番最初の作品と比べると、お互いの意思疎通みたいなものはできてきた気がします。僕が何も言わなくても、わかってくれるというか。

オーイシ:僕は、レコーディングを追うごとにTomくんがイメージしている音に貢献したいという気持ちが強くなっているんです。なので今回も、いくつかボーカルプランみたいなものを用意してTomくんに聴いてもらって決めました。

Tom:今回の場合は、キーをけっこう変えましたね。オーイシさんはとても歌える人なのでとても高いキーまで出るんですが、「STRIDER’S HIGH」では半音下げてもらいました。いろいろ試したうえで、半音下げたものが一番よかったです。

オーイシ:よかったよね。自分のブレスに余裕ができるぶん、艶っぽさというか男っぽさみたいなものが出たかなと思っています。最初は、スポーツものなのでキー設定を上げたほうが一生懸命さが出ていいかなと思ったんです。ただ、「プリスト」の縦横無尽に街を走る感じを表現するなら、半音下げたほうがいいということになりました。キー設定は、毎回大変です。

Tom:半音下げただけで、曲の印象はまったく変わりますよ。本当に絶妙な違いなので、それを選ぶのは毎回大変です。

オーイシ:余談なんですが、同じくKADOKAWAさん作品の「オーバーロード」のOPを担当させていただいたんですけれど、あの曲は少しがんばりすぎてしまって、キーの設定がけっこう高いんです。イベントで歌わせていただくときに、僕もアンデッド化してしまいそうになります(笑)。

Tom:毎回思うけど、ライブは大変ですよね。「オーバーロード」に関してはオーイシさんが作曲しているので、自業自得なところもありますが……(笑)。

オーイシ:うん(笑)。

――作曲をどちらが担当されるかというのは、いつもどうやって決めているのでしょうか?

Tom:スケジュールの関係もあるんですが、基本的には作品を観て、2人の特徴を活かせるほうに任せています。

オーイシ:2人ともクリエイトできる、幅が出せるというのは、OxTの強みだと思うんです。もともと2人のクリエイターが集まったらどうなるか、という期待感で始めたユニットこともありますし。

Tom:作家としてのテクニカルな部分や、2人の持っている経験を、作品に対していかに発揮できるか。それでいてどれだけカッコいい曲を作れるのか、お互いの特性を活かして挑戦していくのがOxTのいいところだと思っています。

――OxTを結成されて1年ほど経ちますが、お互いの魅力を教えてください。

Tom:オーイシさんはパーフェクトですよ。ギターも巧いですし、MCもできて頭の回転も速いので何の弱点もない。場の空気も作りますし、すべてが魅力ですよ。

オーイシ:そう言っていただけるのはありがたいですね(笑)。僕は、Tomくんをクリエイターとして尊敬しています。それこそまだ出会っていない頃から、「このクリエイターすごい!」と思っていました。まさかそんな人と今、ユニットを組んでいるなんて夢にも思わなかったので、彼に関してはリスペクトしかないです。

Tom:恐縮です。あとOxTの現場はオーイシさんのお陰で笑いが絶えないというか、本当に楽しいんですよ。

オーイシ:けっこう、体調面で過酷なときもあるんです。ですが、それをお互い見せないで明るく振る舞ったり、大人の礼儀みたいなものがあるんですよね。

Tom:本当にそう思います。僕らがもう少し若かったら、そういう辛さを全面に出しちゃって全然ダメなんじゃないかな(笑)。いい意味での手放し感というか、ちょうどいい空気感があるから、OxTの現場は楽しいんだと思います。

――続いてPV撮影について伺いたいのですが、どのようなイメージで作られたのでしょうか?

Tom:それこそスピード感や疾走感を出したい!と、監督とも話し合って決めました。風を当ててなびく感じにしたんですが、僕たちは髪を全部固めているので、全然なびかず(笑)、服だけが少しなびいている感じになっています。それと今回、インクが飛び散るようなアニメーションも入れていただいたんです。

オーイシ:出来上がりはまだなんですが、カッコイイ仕上がりになっていると思います!

――PV撮影でのエピソードがありましたら教えてください。

オーイシ:僕ら2人の周りをカメラがトロッコで回るんですが、2人のスタッフさんが押しているんですよ。曲中は何周も回るものですから、3分くらい過ぎたくらいになると息切れが聞こえてきて、相当がんばってくれていました。

Tom:「カメラが僕の前に来た時に跳ぶ合図をしてください」 とカメラマンさんに頼まれたのですが、タイミングばかり気になってしまってうまく跳べず、カメラを押しているスタッフさんをかなり疲れさせてしまいました(苦笑)。

――先ほどノベルのほうも読まれたとお聞きしましたが、実際にストライドをやってみたいと思いますか?

Tom:めっちゃやりたいです! 街中ではないですが、屋根の上なんかを走るパルクールみたいなものは動画で観たことがあるし。

オーイシ:僕はきちんと街ぐるみで盛り上げてくれるならやってみたですね。いわゆる草野球的な、草ストライドはちょっとな……。

Tom:あいつ何してんだ? って言われちゃうからね(笑)。

――体力に自信はありますか?

Tom:全然ないなあ。

オーイシ:僕、OxTの活動をはじめてから体力の衰えを感じはじめてしまったんです。大きな会場だと、走り回ったりもするじゃないですか。それでこのままではいけないと思って、最近ジムに通いはじめました。

 一番最初、インストラクターさんから「どんな体になりたいか紙に書いてください」と言われたんですよ。僕は「息切れのしない体」と書いたんですが、インストラクターさんはきょとんとしてました(笑)。それからジムに通っているんですけれど、今のところ着実に筋肉はついてきてます! 

Tom:僕は作家仲間でフットサルを企画していました。1年くらいできていないので、最近またやりたいなと思っています。去年、オーイシさんを誘ったんですけれど、スケジュールがあわなかったので、今度こそ誘いたいです。ただ、音楽関係の作家やアーティストは基本的にみんな普段動かないので、キックオフして30秒後にはみんなバテています(笑)。それでもおもしろいんですよね。

――「マチ☆アソビ」や「アニメイトガールズフェスティバル2015」で「プリンス・オブ・ストライド」のイベントに参加していただきましたが、何か思い出はありますか?

Tom:オーイシさんと徳島に行ったことです。OxTとして地方ライブに行くことが夢でもあったので、一番の思い出ですね。

オーイシ:OxTは、まだツアーもワンマンライブもやったことがないので、地方イベントは初めてだったんです。

Tom:オーイシさんと初めて飛行機に乗りました! しかも泊まりでしたし、かなりわくわくしてましたよ。

オーイシ:僕の思い出は、Tomくんが「お腹空いた~」と言いながら駅前の「王将」に入ったことですね(笑)。徳島においしいものはたくさんあるじゃないですか。地方で王将って、それはもういろんな地方の名産とかを食べつくした人が行くところだから!

Tom:もう、徳島行っただけで満足しちゃってたから(笑)。

オーイシ:OxTで最初に行った地方イベントなので、一生忘れないですし、言い続けると思います。

Tom:うん、ライブもイベントも楽しかったしね。

オーイシ:最初は、僕らがシークレットゲストで行ったところで誰が喜んでくれるんだろうと思っていたんです。どうにかツメ跡を残そうと、トークでひと笑いふた笑いとってからライブしようと思っていたんですが、意外にもみなさん認知してくれていて……。それが非常にうれしかったですね。

――「プリスト」にはたくさんのキャストの方々がかかわっていますが、親交はありますか?

オーイシ:「マチ☆アソビ」では諏訪部順一さんと山下大輝くんにも非常によくしていただいて、本当にありがたかったです。お2人だけではなくて、どの現場でも声優のみなさんいい方ばかりで。

Tom:「AGF」でお会いした小野友樹さんと豊永利行さんもおもしろくて、本当にいい方たちでした。

オーイシ:この前、岡本信彦くんと現場が一緒になったときに「プリスト」の第1話の収録の話をしたんです。そのときに「めっちゃいい!」と言っていたので、キャストさんが言うということは本物だなと思いましたね。そういうのを聞くと、僕も期待度が上がってますますオンエアが楽しみだなと。

Tom:僕も先日、木村良平さんとお話する機会がありました。以前、アニメのほうでお世話になっていたんですが、久しぶりにお会いして、とても丁寧にあいさつしてくれてうれしかったですね。

――ありがとうございます。このインタビューは2016年の初頭に掲載となりますが、お2人にとって、2015年はどんな年でしたか?

オーイシ:(少し考えて)飛躍の年と言ってもいいんじゃないでしょうか。2015年は、さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナ、神宮球場などでライブをやらせていただきました。数あるタイトルを途切れなく担当させていただいたり、振り返ったときに、かなり変わっていったなと思える年だったと思います。

Tom:オーイシさんが「おはよう」ツイートを逃した日があるくらいの忙しさでしたからね。

オーイシ:そうなんです。毎日起きたら「おはよう」とツイートするのが日課だったんですけれど、1日だけ逃してしまって……。苦肉の策で、お昼頃に「むくっ」とツイートしました(笑)。このときは、ちょうどOxTの仕事で追い詰められていたときだったんです。

Tom:僕もそうですね。今まで僕は、クリエイターとかプロデューサーとしてやっていたので、人前に出ることなんてありませんでした。OxTとして活動して写真を撮られるとき、最初はかなり強張った表情をしていたんです。今では全然で、以前より自分の顔がどういうふうに写るかがわかってきました。そのお陰で、パスポートの写真を撮ったときも、前より写りがよくなってたんです(笑)。これも2015年の劇的な変化だなと思いました。

――それでは、2016年のお2人の抱負を教えてください。

Tom:やっぱり、僕たちのワンマンライブですよ!

オーイシ:ワンマンやりたいね。あとフルアルバムも出したことがないので、こつこつと進めてたまったら世の中に発信していく感じでやっていきたいです。それと、健康第一ですね。

――体調は大事ですね。

オーイシ:ちなみに、僕らの会社では全員のスケジュールをアプリで共有しているんですよ。そこでお互いの状況がわかるようになっているんですが、年末のところに、普通「帰省」とか「休み」とか書くところにTomくんが『絶対休み!!』と書いていて、かわいいなと思いました(笑)。

Tom:2015年は休みがほぼなかったので、年末年始は絶対に休みたかったんです! そう書かないと入れられちゃうので……。オーイシさんこそかわいい書き込みしてたじゃないですか。誰かが新しいスケジュールを書き込むと、リアルタイムでパソコンの画面に出るんですが、オーイシさんが「歯医者さん」と入れていて笑っちゃいました。「歯医者さん」ってなんかかわいい(笑)。

オーイシ:そういうものを隠さず、ひけらかしていこうかと思って(笑)。あと2016年に、OxTのボーカルとしてTomくんに望むものが1つあって。やはり定期的に休みを作ってほしいんです。相方としては倒れるんじゃないかと心配なので。

Tom:一緒に休んで旅行とか行きたいですね。

オーイシ:いいですね。釣りとか行きましょう。のんびりしたいよね。

――お2人一緒に遊びに行くことはあまりないですか?

オーイシ:みんなでディズニーランド行かない? とか誘ってはいるんですが、なかなかスケジュールがあわないんです。

Tom:今年は、忘年会を一緒にやろうとは話してますよね。僕も誘ったりするんですが、難しいです。

オーイシ:いやいや、Tomくんの場合は少し時間感覚がずれていて、前日に「明日、河口湖に釣りに行きませんか?」とかくるんですよ! もう少し余裕をもって誘って(笑)。

――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

Tom:アニメのPV第2弾も観させていただきましたけれど、相当オーラが漂っていてパワーのある作品だと思います。僕たちの曲もそうですけれど、アニメ本編も楽しみにしていただきたいというのが、今一番伝えたいことです。僕も映像を観てわくわくしてきました。みなさんも楽しみにしていてください。

オーイシ:数ある作品を手掛けてきたTom-H@ckがこう言うということは、間違いないと思います。僕のアニメ友達のなかでも注目されている作品ですし、世の中の期待感も高いんじゃないかなと。自分がOPを務めさせていただくことは、とても光栄ですし、今後の「プリスト」のイベントには呼んでいただける限り積極的に参加させていただきたいと思います!

Tom:フットワークの軽さがOxTの売りだからね。

オーイシ:それこそ「プリスト」のイベントをストライドしていく感じで、いろんなフットワークを使ってみなさんの近くで歌いたいです。アニメとみなさんを近づける役目を務めさせていただけたらなと思いますので、今後とも仲よくしてやってください。よろしくお願いいたします!!

撮影:沖本竜也 ヘアメイク:福岡亜樹

データ

▼TVアニメ「プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ」オープニングテーマ「STRIDER’S HIGH」
■発売・販売元:株式会社KADOKAWA
■発売日:2016年2月3日
■価格:1,200円(本体)+税
 
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