2016年3月16日(水)
空母を上手に運用するために覚えておきたい航空機3種の特性とは?【WoWS特集】
3月に入って、東京でもだんだんと寒さも薄らいできました。現実世界だとまだ海で遊ぶには早いですが、『World of Warships』で海の楽しさ(?)を満喫している今日このごろです。
そんな春の到来を感じる今回の『WoWS』特集では、空母についての初心者向け解説記事をお届けしたいと思います。記事には、今日から使える空母の基礎知識も織り交ぜていますので、ぜひぜひご一読ください。
太平洋戦争を含む第二次世界大戦は、航空機を戦場の主役に押し上げました。陸では装甲部隊とともに電撃戦を成功させ、海では航空戦力だけで作戦行動中の戦艦をも沈める強力な攻撃力を持つことを世界に知らしめたのです。航空母艦――空母は、そんな航空戦力のまさに母艦となる艦です。
発艦した航空戦力は敵に対して強力な攻撃力を有しますが、空母自体の動きは遅く、攻撃力も貧弱です。また、『WoWs』では俯瞰(ふかん)画面に切り替わるためゲームの雰囲気もガラリと変わります。今回はTierVIIまでの日米空母を解説していきましょう。
▲空母はこれまでの艦と操作が大幅に変わります。まずはCo-op戦で操作に慣れてからランダム戦にチャレンジすることをオススメします。 |
知っておきたい『WoWS』における空母の特徴
当初は補助艦艇として認識されており、戦力としてはあてにされていなかった航空母艦と艦載機ですが、第一次大戦時から徐々にその有用性が認識され、日本軍による真珠湾攻撃とマレー沖海戦において海戦の主役へと躍り出ます。
ほぼ艦載機のみで停泊中とはいえアメリカ太平洋艦隊を壊滅させた真珠湾攻撃と、陸上基地から発進した航空機のみによる攻撃でイギリス最新鋭の戦艦であるプリンスオブウェールズとレパルスを撃沈したマレー沖海戦は、英米に大きな衝撃を与え、以後の戦争が大きく変わりました。
それまで水平面としてとらえられていた戦場が、三次元的なものになったのです。また、攻撃もそれまで艦砲の射程内で行われていましたが、艦載機の発達によって攻撃力が母艦から切り離されました。しかも搭載しているのは強力な攻撃力を誇る魚雷や爆弾です。
こうして空母はすぐに艦隊の基幹になり、空母を護る形で各艦を編成する機動部隊という概念も確立しました。つまり航空母艦を編成している艦隊において、もっとも重要な艦と言えるのです。
・空母の攻撃特性
母艦自体の攻撃力は皆無にひとしく、まずは敵に発見されないことが重要です。艦載機は戦闘機(FT)、急降下爆撃機(DB)、雷撃機(TB)の3種を搭載しています。この違いと運用するシーンを覚えておくことは、空母を運用するうえで非常に重要となるでしょう。
戦闘機(FT)は敵航空機に対して攻撃を行う機種で、敵航空機を排除したり、味方艦の上空を旋回しつつ防衛(直掩(ちょくえん))ができます。急降下爆撃機(DB)は艦砲における榴弾のような性質を持つ爆弾を搭載した機種です。艦の上部構造物を炎上させられるため、駆逐艦・巡洋艦・空母に効果的な攻撃を与えられます。火災発生率が艦砲の榴弾より高いため、より有効な攻撃を行えるのです。
最後に雷撃機(TB)ですが、これは魚雷を搭載した航空機で空母の攻撃力の要です。戦艦や空母など重装甲の艦に有効な攻撃手段で、本機種の運用が勝敗を分けると言っても過言ではありません。
ちなみに、戦闘機は他の航空機に対して優勢ですが、反面艦船への攻撃能力を持っていません。爆撃機と雷撃機は、艦船に有効な攻撃力を有していますが、対空射撃や戦闘機に弱いという特性があります。刻一刻と変わる戦況を見ながらこれら航空戦力を的確に投入していきましょう。
・ゲームにおける航空母艦の戦い方は?
航空母艦は母艦の操艦で敵と戦うのではなく、艦載機が攻撃の主役になります。艦ごとの差が出にくいため戦い方をここでまとめます。
ゲームスタート時はいずれの艦載機も母艦に収納されています。まずは発進させて母艦の周りを直掩させましょう。発艦にも意外と時間がかかるため、いざ発艦させようとすると発艦時に渋滞を起こすからです。艦載機は弾薬の制限があっても燃料の制限はありません。このためまずは飛ばしておくことが即応力の差につながるのです。
▲発艦は小隊番号を選んだあとFで行います。また再度Fを押せば帰還します。直掩はFの後母艦または味方艦を指定すると自動で周囲を回り始めます。 |
母艦はなるべく前線から離れたところに置きたいものですが、前線から離れるということはそれだけ艦載機が接敵するまでに時間がかかることを意味します。また単艦で行動すると敵に見つかった時に仲間に助けてもらえません。ここら辺が痛しかゆし。
味方の部隊についていく必要はありませんが、戦場の動向を見つつなるべく安全なところに移動するよう心がけてください。
▲単艦になってしまうとなすすべがありません! 強力な攻撃力を持つ空母ですが、甲板が火災を起こすと艦載機の発着艦が行えず丸裸に……。 |
【戦闘機の運用】
戦闘機は、対航空機のエキスパートですがなるべく敵戦闘機と戦うのは避けましょう。戦ってよい戦闘機は格下のもの。これは損害が多く出てしまい、他に狙うべき雷撃機や爆撃機を攻撃することができなくなるからです。
また日本の戦闘機はアメリカの戦闘機と戦うことを推奨しません。なぜなら日本の小隊は4機編成、アメリカの小隊は6機編成と編成数に差があるからです。同格の場合この2機の差が大きくこちらが全滅してしまうこともしばしば。
どうしても戦闘機と戦わなければいけない場合には、味方の艦の支援を受けられるところに誘導することを考えて戦うことが重要になります。
▲航空管制装置を防空に振っている場合なら戦闘機の相手をするのもあり。戦闘機がいると味方の航空機の行動が制限されるので、先に叩けるなら叩いてしまいたいものです。 |
▲敵航空機をクリックすると自動で追尾します。ただし、敵の帰投時などに追っかけてしまうと、敵陣に引き込まれて艦載対空砲で攻撃されることに。無理な追尾は厳禁です。 |
▲戦闘機と交戦すると帰還命令を受け付けなくなります。戦闘を行う際はくれぐれも注意してください。 |
【急降下爆撃機の運用】
アメリカはラングレイから、日本は瑞鳳から搭載可能です。雷撃機の魚雷攻撃には劣りますが、面で攻撃できるので命中率は高めです。また小型艦なら撃沈に持ち込める程度の攻撃力があります。空母にとって甲板を使用不能にされる可能性があり、イヤな相手です。こちらに向かって飛んで来たら直掩している戦闘機に相手をさせましょう。
▲帰投時など帰投ルートを偽装しましょう。直線で帰投させると自艦の位置が敵にばれてしまいます。ポイントを選択した後シフトキーを押せば次のポイントが選べます。 |
【雷撃機の運用】
対艦攻撃の主役。アメリカの場合小隊の編成数が多いので、かなり密度の高い雷撃を仕掛けられます。日本の場合は小隊編成数が少ないものの、魚雷の攻撃力が高く戦艦に上手く当てられるとかなりのダメージを与えることができます。
▲敵艦側面を捉えられると多くの命中が見込めるのは駆逐艦などと同じですが、自艦へのダメージがなく、リスクが下がるメリットがあります。 |
▲Altキーで手動攻撃に切り替えられます。雷撃の範囲を狭められるので、慣れればより多くの魚雷を命中させることができるのです。 |
▲ちなみに、インディペンデンスは戦闘機ナシという選択もできます。……が、当然あまりオススメできません。 |
日本の航空母艦たち
空母を最初に運用したのはイギリスですが、第一次大戦の教訓から日英とも海上での航空戦力の必要性を痛感していました。
ロンドン、ワシントンの両海軍軍縮条約で英米に対し不利な所有艦数を強いられた日本がきたるべき艦隊決戦に望みを託したのが強力な駆逐艦と空母です。列強との戦争に備えて熾烈な訓練でパイロット育成に取り組んだ結果、“針の穴をも通す”と言われた抜群の技量を誇る世界でもトップレベルの戦闘集団を要し太平洋戦争序盤を連戦連勝で飾ることになるのです。
なお艦名の由来は、瑞兆――つまりは“めでたいきざし”を表す空想上の動物から取られています。
TierIV 鳳翔(HOSHO)
最初から空母として建造された、世界で初めての航空母艦
航空戦力の海上での運用は当初水上機で行われていました。フロート付きの航空機が海面から発進し、攻撃後海上に着水してクレーンでこれを収容していたのです。
その後空母先進国であるイギリスによって甲板を持つ空母フューリアスが巡洋艦の改装により建造され、その後全通甲板を持つアーガスが高速商船の改装により建造されました。こういった時代背景の中、当初より空母として設計・建造されたのが鳳翔です。
同様のコンセプトで建造が開始されたのはイギリスのハーミーズの方が早かったのですが、完成したのは鳳翔の方が早く1922年12月に竣工。日本の機動艦隊の草創期を担いました。太平洋戦争時にはすでに旧式化しており、ミッドウェイ海戦に参加したものの、その後は練習空母として運用されそのまま終戦を迎えます。戦後は復員船として使用されたのち1947年に解体されました。
TierV 瑞鳳(ZUIHO)
数は少なくても、精鋭だから
ロンドン海軍軍縮条約により戦艦、巡洋艦とともに空母の保有数に制限を受けた日本は、すぐに空母に改装できる艦船を建造していました。そのうちの一隻が高速給油艦高崎です。この高崎建造中条約から脱退したため、潜水母艦に計画変更を受け、さらに航空母艦へと計画を変更されたのが瑞鳳です。
1940年12月竣工。第三航空戦隊で鳳翔の僚艦となりました。ミッドウェイ海戦に参加するものの会敵せず帰投。ミッドウェイ以後は一時第一航空戦隊に再編されたものの、再度第三航空戦隊に再編。マリアナ沖海戦を経て、1945年10月25日レイテ沖海戦にて航空攻撃により撃沈。なお本海戦により日本海軍の艦隊戦力はほぼ壊滅しました。
TierVII 龍驤(RYUJYO)
独特なシルエットの軽空母
1933年5月に竣工した軽空母が龍驤です。ワシントン海軍軍縮条約の制限から1万トン以下で建造されていたものの、途中でロンドン海軍軍縮条約も締結され、トン数制限に意味がなくなったため設計を拡張します。
これにより、搭載機数が24機から36機と一気に1.5倍に増えました。もともと比較的小型の艦で設計されていたものが、制限撤廃で上部構造物が増え荷物を満載したかのような独特なシルエットになっています。また、艦橋が甲板上ではなく、甲板の最前部直下にあるため甲板が完全にフルフラットであることも特徴です。
1937年の日華事変に加賀、鳳翔とともに参加し初陣を飾っています。その後蘭印攻略作戦に参加、さらに北方部隊に編入されミッドウェイ作戦の陽動のためアリューシャン攻略作戦(AL作戦)に従事します。
ミッドウェイ海戦ののち第二航空戦隊に再編されたものの、瑞鳳の出撃準備が終らず、第一航空戦隊に再再編。ガダルカナル島の奪回作戦の支援をしつつ、アメリカ軍機動艦隊との決戦第二次ソロモン海戦に突入。おとりとして分派行動していた龍驤は航空機の集中攻撃に遭い1942年8月24日沈没します。
アメリカの航空母艦たち
イギリスのアーガスに続いて全通甲板をもつラングレイを就役させたアメリカ海軍は、日本同様ワシントン海軍軍縮条約で戦艦と巡洋戦艦の建造を中止せざるを得ず、巡洋戦艦であったレキシントン、サラトガを航空母艦に改装します。
その後太平洋戦争が開戦し、真珠湾攻撃での航空機の攻撃力に驚いた米首脳部は、戦艦の多くが使用不能なこともあり、空母機動部隊を再編。その強大な工業力で膨大な数の空母を生産するのです。
TierIV LANGLEY
米海軍初の航空母艦
1911年に起工したプロメテウス級給炭艦ジュピターを1920年全通甲板を持つ空母として改装しました。この際に艦名がラングレイに変更されています。本艦のおもしろいところは、この後1936年に水上機母艦に改修されている点。
空母としての艦歴は1936年に終了しますが、1924年から空母の実験、パイロットの育成、艦隊演習などを行いその後の米海軍機動部隊の礎を築きます。
太平洋戦争勃発時にはフィリピンに停泊しており、その後オーストラリアで対潜哨戒任務を補助した後、ABDA連合艦隊に配属され1942年2月27日高雄航空隊の攻撃で大破炎上。米駆逐艦ホイップルの雷撃で処分されました。
TierV BOGUE
大西洋戦線で活躍した護衛空母
1942年に就役した護衛空母がボーグです。ラングレイで飛行訓練を受けたパイロットはレキシントンやサラトガに配属されましたが、珊瑚海海戦でレキシントンが沈むとその生き残りがボーグに配属されました。微妙に繋がっているんですね。
さて、日本だとあまりなじみのない艦ですが、それもそのはず第二次大戦中は大西洋で対潜水艦作戦に従事していたのです。沈めた潜水艦のほとんどはドイツ海軍のものですが、一部日本の潜水艦も含まれています。
太平洋戦争末期に太平洋に移動し7月3日にサンディエゴに到着。とはいえこの時点で戦争はほぼ終結に向かっており、戦後は帰還兵を輸送して1946年に退役。その後1959年に除籍され、翌年日本で廃棄されました。
TierVI INDEPENDENCE
太平洋戦争を戦い抜いた軽空母
1943年に就役したインディペンデンスは、もともと軽巡洋艦アムステルダムとして起工された艦を改装したものです。当初はCV-22のハルナンバーを付与されていましたが、後に軽空母としてCVL-22と変更されています。
1943年9月1日南鳥島攻撃に参加、11月からは日本軍の南方の要ラバウルを空襲します。11月20日に雷撃を受け損傷したインディペンデンスは修理のためサンフランシスコに帰投。その間に日本軍はサイパン、マーシャル諸島から駆逐され、修理後フィリピン戦線に投入されます。
米海軍の主戦場を歴戦したインディペンデンスは、栗田艦隊と縁が深く、ラバウル攻撃でも栗田艦隊を退け、フィリピン・レイテ沖海戦ではやはり栗田艦隊の戦艦武蔵をインディペンデンス艦載機を含む航空部隊が撃沈しています。その後沖縄戦に参加、日本本土攻撃も行いました。
戦後は復員兵輸送に従事し、ビキニ環礁での原爆実験、クロスロード作戦の標的艦に指定されたものの沈没せず、サンフランシスコに曳航されたのち1951年カリフォルニア沖で兵器実験により沈没しました。
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データ
- ▼『World of Warships(ワールド オブ ウォーシップス)』
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