2016年3月28日（月）

フジゲームスではe-Sportsの新番組を4月から放送。事業にはX JAPANのToshl氏も協力

　フジテレビジョンが3月25日に実施した、新ゲーム事業会社“フジゲームス”設立発表会。本記事では、そこで発表された事業内容や登壇したゲストの模様などをお届けする。

　これまで、フジテレビグループのゲーム事業は、番組連動タイトルやゲーム＆インキュベーション事業部、そして株式会社フジ・スタートアップ・ベンチャーズと株式会社gumiとの合弁により2014年に設立された株式会社Fuji＆gumiGames（以下、FgG）が担ってきた。

　そうした状況において、市場規模の拡大や競争力を高めるため、グループ内のゲーム事業を統括する新会社・フジゲームスが設立されることになったという。

　まず登壇したのは、フジテレビジョン・常務取締役の太田亮氏。太田氏は「着実に拡大化しているゲーム事業に対し、競争力やコンテンツの向上が求められる状況に対応するため」とフジゲームスを立ち上げた目的を説明した。

　フジゲームスでは、市場環境の変化に即した若いクリエイターの採用や第三者との提携＆投資など、状況に応じた柔軟な体制を取っていくとのことだ。

　続いて、フジテレビジョン・国際開発局長の前川万美子氏が登壇。スマートフォン向けの技術を利用したオンライン位置情報ゲーム『Ingress（イングレス）』を開発した“ナイアンティックラボ”社への出資の経緯などについて、説明を行った。

　次に、4月から同社CS放送の“フジテレビONE/ONEスマート”で放送される“e-Sports”の新番組“いいすぽ！”の関係者たちが登壇。

　本番組は、全世界の競技人口5,500万人、年収1億円を超えるプロも存在するe-Sportsをフィーチャーしたもので、2時間のゲーム実況をスポーツ番組さながらの迫力で生放送していく。

　なお、初回放送となる4月23日は『ストリートファイターV』がテーマとなっているとのことだ。


▲“いいすぽ！”の番組プロデューサー、門澤清太氏（写真左から2番目）、Twitchの中村鮎葉氏（写真右から2番目）とエリック氏（写真右）、そしてプロe-SportsプレイヤーOtofuさん（写真左）が登壇。

　同番組の紹介VTRが流れた後には、番組のMCを務めるバカリズムさんが登場。自身も1人のゲーマーとして「ゲームそのものやゲームが上手な人がもっと評価されてほしい。この番組がそのきっかけになってほしい」と思いを語った。


▲バカリズムさんは、オフの日には10時間もゲームをプレイしていることもあるとコメント。特に好きなのはRPGやSLGなど、やり込み系のゲームだそうだ。

　その後は、FgGが制作してきたスマートフォン向けタイトルをVTRで紹介。『ファントムオブキル』は戦略性とドラマをコンセプトにしたシミュレーションRPGで、2014年10月のリリースから現在にいたるまで300万ダウンロードを記録している。

　片手でも楽しめる手軽さと、一手で戦況が一変する白熱のバトル、そして謎の少女たちとのドラマティックなストーリーが魅力的なタイトルだ。

　次に紹介されたのは、7人の主人公が織りなす壮大なストーリーと、高度な戦略性が特徴の『誰ガ為のアルケミスト』。

　こちらは本格的なタクティクスRPGとして注目を集め、2016年1月のリリースから早くも、重複ダウンロードを含まない状態での20万ダウンロードを記録している。

　そして2016年春リリース予定の“アニメ×RPG”をコンセプトに、クノイチたちの群像劇を描いたダンジョン探索型“大河”RPG『シノビナイトメア』。こちらにも大きな注目が集まっている。

　VTR後に登壇した今泉潤プロデューサーは、各作品の魅力を解説。なかでも新作の『シノビナイトメア』は、映画化してもそん色がないほどに作り込まれており、アニメや映画などメディアミックス展開も考えられているとのことだ。

　この他、『誰ガ為のアルケミスト』公式サポーターとなった武田玲奈さんや『ファントムオブキル』のイメージキャラクターであり、主題歌を手がけているでんぱ組.incも登場。それぞれの作品の魅力を語っていた。


▲武田玲奈さんは「豪華声優陣の熱演により、アニメを見ているかのようなクオリティに！」と本作を絶賛していた。


▲でんぱ組.incは「アプリゲームとは思えないほどの戦略性が魅力で、普段はゲームをしない人からバリバリのゲーマーまで楽しめる」と『ファンキル』についてコメント。


▲名誉会長の大久保佳代子さんはVTR出演の形でお祝いのコメントをお届け。ゲームショウでの苦い思い出やプロデューサーとの意味深な関係（?）などが語られた。

　続いて紹介されたのは『ダービーロード presented by みんなのKEIBA』。本作はフジテレビの競馬番組“みんなのKEIBA”と、競馬ゲーム『ダービーズキングの伝説』で知られるオルトプラスがタッグで生み出した本格競走馬育成ゲームだ。

　ステージには競馬評論家の井崎脩五郎さんと公式サポーターの足立梨花さんが登壇。新たに追加された対戦機能を紹介するため、2人が育てた馬で対決するVTRが紹介された。

　ちなみに足立さんは、ゲームがきっかけで競馬に興味を持ち始めたそうだ。トレセンで働いている親戚のところに遊びに行くなど、実際に競走馬と触れ合う機会も多くなっているとのこと。

　井崎さんは55年の競馬歴を武器に、最強馬を何頭も作り出していると豪語していた。


▲井崎さんが育てた“タマニハアテロヨー”と足立さんの愛馬“スマイルアダチ”が出場するレース風景。勝負はタマニハアテロヨーが大きく差をつけて勝利を納めるという結果に！

　その後は、フジテレビジョン・コンテンツ事業局長の山口真氏が登壇。フジゲームス設立の経緯について、テレビ制作の経験を経てゲームに挑戦したいという人材が集まってきたこと、そしてスマホアプリの制作コストが年々高騰していることについてコメント。

　市場に参加できる企業が減ってきているため、事業を一本化し、それぞれのクオリティを高めていきたいと語った。

　続いてフジテレビジョン・ゲーム＆インキュベーション事業部長/フジゲームス・代表取締役社長の種田慶郎氏が登壇。

　それぞれの会社の特色を掛け合わせることで新しい物語やキャラクターを創出し、ゲームだけではなくアニメや映画、出版などに展開させていくことを目標に、ポジティブな話題を全世界に発信していきたいと意気込みを述べた。

　最後は、フジゲームス・サウンドプロデューサーに就任したX JAPANのToshlさんが登場。オファーを受けた時のことを聞かれると、自分が昔プレイしていたゲームとは規模がまったく異なっているのでチャレンジする部分が多いと回答した。

　Toshlさんは「ゲームの内容も大事だが、それと同じぐらい音楽も大事なので、よいものを作り出していきたい」と意気込みを語っている。

　また、依頼されたサウンドロゴのイメージをプロデューサーに尋ねた時に「富士サファリパークみたいなもので」と返ってきた時はどうしたものかと困った、とユニークに話すなど、会場の笑いを誘う一幕も。


▲「エンターテインメントを幅広い層に発信してきたX JAPAN。その中核を担ってきたToshlさんにダメ元でお願いした」と、オファーの経緯を説明する種田氏とToshlさん。


▲サプライズ発表となったToshlさんの登場で、驚きを隠せなかった出演者たち。バカリズムさんの「サントラが欲しくなるようなゲーム音楽を」という要望に対し「がんばります」と力強く回答してくれた。

　ゲームタイトルの開発はもちろん、e-Sports新番組の放送など、注目すべき取り組みを多数展開予定のフジゲームス。今後も同社の展開から、目が離せなくなりそうだ。

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