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2016年4月2日(土)

『Battleborn』に“多人数オンラインバトル アリーナ”の遺伝子を組み込んだ理由を開発者に聞いてみた

文:hororo

 1週間発売が早まり、5月19日に発売予定となった2Kの新作PS4/Xbox One/PCソフト『Battleborn(バトルボーン)』。開発を『Borderlands(ボーダーランズ)』シリーズを手がけたGearbox Softwareが担当し、シューターファンからも熱い期待を浴びる注目作です。

『Battleborn(バトルボーン)』

 25人の個性的なキャラクターを操って協力&対戦プレイを楽しめたり、1ゲーム中にキャラクターがレベルアップしたりと、世界で流行中のジャンル“MOBA”――いわゆる“マルチプレイヤー(多人数)オンラインバトルアリーナ”の要素を含んでいるのが本作の特徴です。

 今回、本作のプロデューサーを務めるクリス・ブロック氏と、アートディレクターのスコット・ケスター氏が来日し、インタビューの機会を得られたので、気になるアレコレを質問してきました。

 本作の基本的な要素については、2015年のE3試遊レビュー&インタビューで答えてもらっているので、下記の動画やこの記事などとあわせてご覧ください。

●動画:『バトルボーン』E3 2015公開動画(ゲームプレイデモ)

――数多くのヒーローが登場しますが、どのヒーローも最初からすべて使うことができるのでしょうか?

クリス氏:最初からすべてのヒーローを使えるわけではなく、アンロック形式となります。しかし、特定の条件を満たさないとアンロックでないわけではありません。ストーリーだけでも、マルチプレイだけでも、好きな手段でアンロックできるようにしてあります。

スコット氏:こちらとしてもすべてのヒーローを遊んでほしいですし、アンロックに関しては緩めに設定してあります。25人集めるのにはそれほど苦労しないと思いますよ。

『Battleborn(バトルボーン)』
▲使用可能なヒーローは全部で25人! それぞれが個性的な外見と攻撃手段を持っています。

――ヒーローをアンロックする方法としては、ゲーム内通貨的なものを使って解放していくような形でしょうか?

クリス氏:ストーリーでは進行に応じてアンロックされるヒーローもいますが、マルチプレイを中心にプレイ場合などはクレジットというポイントを貯めて解放していく形になります。

――クレジットには、ヒーローの解放以外の使用用途としてはどのようなものがありますか?

クリス氏:ヒーローのスキンや、ヒーローの能力を上げる“ギア”と呼ばれるものを購入することが出来ます。ただし、開発するうえで注意しているのは、これらのアイテムを購入することで大きなアドバンテージを得られるものにはしないということです。持っている人が強くなる、というものにはならないように調整をしています。あくまでプレイヤー自身の腕を上げる、ということを目標に楽しんでもらいたいので、ギアそのものにはそこまで大きな影響力は持たせていません。

スコット氏:クレジットの使い道としては、自分のヒーローを能力を上げるために使うこともできますし、具体的には言えませんが、チームのために使うという使い方もあります。

――FPSでキャラクターそのものに差をつけるのは珍しいと思うのですが、なぜこのような形式にしたのでしょうか?

クリス氏:確かにキャラクターに意図的に差をつけるというのは、ゲームバランスを考えたときに難しい問題でした。しかしそこはチャレンジとして割り切って作っています。

スコット氏:ユーザーの方々はさまざまな好みを持っています。格闘ゲームが好きな人や、RPGが好きな人というように。各ユーザーさんが、自分に合ったスタイルを選んでもらえるように、多種多様なヒーローをそろえてあります。ヒーロー一人一人に全力を尽くして作ったので、ぜひその多様性を楽しんでもらいたいですね。

『Battleborn(バトルボーン)』
▲攻撃手段が多彩なのはもちろん、各ヒーローには「アタッカー(攻撃役)」や「ヒーラー(回復役)」といったクラスが割り振られており、チーム内での編成を考える楽しみもあります。

――機械的なヒーローもいれば、自然をモチーフとしたヒーローもいたり、外見もかなり特徴的ですよね。こういった方向性の異なるヒーローを、同一作品のキャラクターとして見せる際に工夫したことなどあれば教えてください

スコット氏:これは難しい質問ですね。この要素だけ抑えておけばまとめられる、というのがないのですが、『ボーダーランズ』のときは、ややデフォルメされた独特のテクスチャを使用することでビジュアルの統一を図ったのですが、詳しく説明すると技術的な話になるので省きますね(苦笑)。とにかく、さまざまな調整のうえに統一性を作り出しました。

クリス氏:じつはこれはデザインを始める初日から我々が抱いていた懸念で、とにかく色んなキャラクターを出したいが、どうやって統一するかにずっと悩まされてきましたね。

スコット氏:FPSなので、画面に一部体が映るんです。殴るときに腕が見えたりとか、ヒーローによっては走るときに肩が一瞬映りこんだりとか、そういった“見え方”も意識した部分ですね。

――ヒーローによっては極端なデフォルメ体系になってるのは、そのためでもあるんですね

クリス氏:基本的には最初にデザイナーのデザインがあり、それからゲーム内でどう見せるかを考えて進めていきます。その過程で、自分のカメラに映る情報でキャラクター性を出せるようにする、という順番でした。その最たるものが、カメラ内に腕が4本移るオレンディや、腕に泡のような気泡が付着しているミコといったヒーローたちですね。

スコット氏:オレンディは手のひらに目があるので、ときたま手のひらの目とプレイヤーの目が合うんですよ。そういったちょっとしたギミックにもこだわっています。

――ちょうどミコの話が出たので伺いたいのですが、なぜミコはキノコをモチーフとしているのでしょう? ミコのロール(役割)はヒーラー(回復役)とのことですが、日本でキノコというと“毒”というイメージもあるので、デザインの流れが気になってしまいます。

クリス氏:キノコ=毒というイメージは日本独特かもしれないですね(笑)。ミコは自然を愛する「エルドリッド」という勢力のヒーローです。“自然”という枠組みのなかで、キノコが回復を担当するというのは、我々には自然な発想だったので、キノコであることにとくに深い意味はありません。一方でアンブラという女性のヒーローは、見た目が悪女のようではありますが、彼女もヒーラーです。このイメージだからヒーラーにしよう、というイメージはありませんでしたね。

『Battleborn(バトルボーン)』
▲写真右に映っているのがミコ。どうやっても目を引いてしまうほどダイレクトなキノコっぷり。

――「侵攻モード」は特にMOBAを意識したルールとなっていますが、発売後は、既存のe-Sportsのようにバランス調整などを含め、長期的に運営を行っていくのでしょうか?

クリス氏:もちろん、発売後は適宜バランスを見て調整していくつもりです。MOBAや対戦ゲームはバランスが重要ですので、発売後に多くのユーザーの方が遊んで、その声を聞いて調整をするべきですし、我々にはその意志もあります。

スコット氏:プレイヤーの人数や期間で状況も変わるでしょうから、そこは臨機応変に対応したいですね。つねに動向をチェックして、適切なマッチメイキングができるような調整をしていきたいと思います。

――リプレイ機能など、自分のプレイを客観的に確認できる要素はあるのでしょうか?

クリス氏:現段階では搭載していません。しかし、今後一切搭載しないというわけではなく、発売後にユーザーの方々からそういった声をいただければ考慮します。

――日本のユーザーにメッセージをお願いします

クリス氏:ヒーローはとにかくバラエティ豊かなので、いろいろなヒーローを試してみてください。同じヒーローでも、遊ぶモードによって感じ方が違うと思いますし、ゲーム中の成長のさせ方まで含めると、かなりリプレイ性は高くなっています。プレイの幅の広さと奥の深さを、ぜひ味わってください。

スコット氏:ユーザーさん同士が連係することで、新たな戦術やプレイスタイルが生まれると思います。近接型のヒーローは近距離で、遠隔型のヒーローは遠距離で戦うもの、というように単純化されたものではないので、いろいろな環境でそれぞれのヒーローを使ってみてください。きっと楽しめると思います。

(C) 2015 Necromonger, LLC. Gearbox & the Gearbox Software logos are registered trademarks, and Battleborn is a trademark, all used courtesy of Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Battleborn is published and distributed by 2K. 2K and the 2K logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.The "PS" Family logo is a registered trademark and "PS4" is a trademark of Sony Computer Entertainment Inc. The ratings icon is a trademark of the Entertainment Software Association. All other marks are property of their respective owners.

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