2016年8月13日(土)
シリーズ1の人気作『ロマサガ3』を振り返る。エレンにハリード、ボストン、あなたの好きなパーティは?
2014年12月で記念すべき25周年を迎えたスクウェア(※現スクウェア・エニックス)の名作RPG『サガ』シリーズ。電撃オンラインでは、シリーズを振り返る“サガ25周年記念連載”を展開中だ。
今回は、1995年11月11日に発売されたスーパーファミコン用RPG『ロマンシング サ・ガ3』の編集部座談会をお届けしよう。
【『ロマサガ3』が発売された1995年はどんな年?】
<主な出来事>
・ベトナム、アメリカ合衆国と国交正常化
・世界貿易機関(WTO)発足
・ビートルズが25年ぶりとなる新曲“Free As A Bird”を発表
・Windows 95発売
<主なゲームソフト>
・『アーク ザ ラッド』
・『クロノ・トリガー』
・『幻想水滸伝』
・『タクティクス オウガ』
・『不思議のダンジョン2 風来のシレン』
・『天外魔境 ZERO』
・『ドラゴンクエストVI 幻の大地』
<主なTVアニメ>
・『新機動戦記ガンダムW』
・『新世紀エヴァンゲリオン』
・『ストリートファイターII V』
・『スレイヤーズ』
・『バーチャファイター』
・『天地無用!』
【サガ最新作の情報も掲載中】
【座談会参加者】
まさん:すべての『サガ』シリーズはもちろん、『ファイナルファンタジーII』や『ワイルドカード』など、河津氏の作品をこよなく愛するライター。好きな『サガ』は全キャラのエンディングを見たという『アンリミテッド:サガ』と『時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]』。
ごえモン:25周年記念特集を企画した電撃オンラインの編集。『魔界塔士 サ・ガ』からシリーズに入り、『ロマサガ2』の“閃き”と世代交代のドラマに衝撃を受ける。その後、中学生時代に遊んだ『サガ フロンティア』の連携の美しさの虜となった。
Rusty:シブい声で周囲をテンプテーションする電撃オンラインの副編集長。『サガ』シリーズはひと通り遊んでおり、知識も深い。好きな『サガ』は、『ロマサガ』『ロマサガ3』『サガフロ』『ミンサガ』。
おやじ、なかなかいいゲームだな。へへっ、スクウェア製の特別品ですよ
Rusty:さて、本当に久しぶりですが、しばらく中断していた『サガ』シリーズの座談会を再開しましょうか。『ロマサガ3』は電撃オンラインの人気作品アンケートでも1位をとっていましたね。
まさん:20年以上前のゲームなのに、本当にすごく人気がある作品なんですよ。それなのに、なんで座談会がこんなに遅れたんですか?
ごえモン:いや、それはあなたが原稿を書くのが遅いからでしょう。途中で『ロマサガ2』のPS Vita版とかを遊んでないで、さっさと原稿を上げてくれていれば……って、この流れはもう飽きましたよ!
まさん:私が町長です。
ごえモン:ちょっと、ごまかさない! キドラントの町長ですか、あなたは。
まさん:私が町長です。
Rusty:有名になりすぎて、「私が町長です」だけでわかるのがすごいよね。そろそろ話を戻していいかな?
まさん:あ、はい……。えーと、『ロマサガ3』が発売されたのって、思い返すとスーパーファミコン(SFC)時代の後期なんですね。円熟期で次々とこなれた名作が出ていた時代。同時期のライバルがすごいことになっています。
ごえモン:セガサターンもプレイステーションも1年前の94年に発売されていました。次世代ハード発売後なんですけど、むしろSFCが絶頂だった印象です。
Rusty:『ロマサガ3』以外にもおもしろいゲームが多すぎましたね。SFCだけでも『タクティクスオウガ』に『クロノ・トリガー』、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』。プレステ、セガサターン、ネオジオと、一番熱い時代だったかもしれない。
ただ、ゲームソフトの値段も高かった。1万円を超えるのが当たり前の時代で、ゲームショップに1万円を持っていっても『ロマサガ3』を買えませんでした。当時は大学6年生だったので、滅茶苦茶ゲームを遊んだなあ……。
ごえモン:1万円……昔、親に何度目かの一生のお願いを使って『FF6』を買うための1万円をもらって近所のゲームショップに行ったのですが、少し足りずに家に帰った思い出がよみがえりました。家に帰った後、親に「1万円じゃ足りなかったよ」ってどうしても言えなくて。
そんなわけで、それ以降のSFCはだいたい友だちに借りて遊んでいました。『ロマサガ3』もそうでした……って、さらっと「大学6年生」って言葉が聞こえましたけど(笑)。
Rusty:いっぱいゲームが出ていたから仕方ないんですよ。バイトに行って、帰ってきたらゲームをして、バイトに行って、帰ってきたらゲームをして……。大学に行っているヒマがない!
まさん:ダメじゃないですか(笑)。自分の場合は、リアルタイムだとすぐに興味がわいたソフトではなかったですね。おもしろそうには見えていたんですけど、なんとなく『ロマサガ2』のシステムを使って、初代『ロマサガ』っぽいゲームが出ていたという印象がありました。
遊んだのは友だちに借りたのが最初かな? 実際に遊んでみたら、滅茶苦茶おもしろかったですけどね。
ごえモン:自分の周囲はエレンを主人公にして斧を使わせるのが人気でした。彼女の得意武器は体術なので、斧を装備させるのは間違った知識なんですけど、僕も含めて当時はわからなかったです。
まさん:それは仕方ないです。自分もやっていましたからね。初期装備が斧だし、どう考えてもエレンには斧を装備させちゃいますよ。
Rusty:イメージも怪力の女の子だから斧が似合っちゃうんだよね、また。実は体術が適正なのって河津さんのワナですよ。普通は得意武器が初期装備だと思うじゃない(笑)。
▲いろいろな主人公が使えるのも『ロマサガ3』の魅力。初期武器で斧を持っているエレンの得意武器が体術というワナに、ハマった人も多いのでは? |
まさん:主人公といえば、自分は最初にトーマスを選びました。見た目だけだとユリアンが正統派な主人公っぽいので、なんとなく主人公っぽくないトーマスを選んだら“トレード”がおもしろくて、一時期トレードにハマっていました。
Rusty:“マスコンバット”とか“コマンダーモード”とか、実験的なシステムがいろいろ入っていましたね。『ロマサガ』シリーズの最終作だけあって、豪華に詰め込まれている。
まさん:コマンダーモードは最後まで使いませんでしたが、自分の友人は最初にサラを主人公にしてしまって、最後に発生する特殊なコマンダーモードで苦戦していましたね。
ごえモン:コマンダーモードはたまに使ってみようと思うんですけど、結局自分で操作するほうが楽しくて使うのをやめちゃっていました。
実はジャイアントキリングを起こせる救済システムで、やり込んでいる人ほど活用しているイメージです。サラ以外は裏ワザを使わないと“破壊するもの”戦で使えないですけど。
Rusty:同じくコマンダーモードはあまり使っていなかったけど、マスコンバットやトレードは結構ガッツリ遊んでいましたね。ミニゲームとしてよくできていました。
ごえモン:僕は初期主人公にミカエルを選んでクリアしたので、ミニゲームの中ではマスコンバットが一番好きです。といっても、ゾンビのトミーが強くて苦戦したことしか覚えていませんが(笑)。必勝法を見つけるとルーチンワークになるんですよ。
まさん:前に河津さんがインタビューで答えていましたが、マスコンバットやトレードはバトルなしでラスボスに勝てるシステムを入れようとした名残なんですよね。当初の予定の『ロマサガ3』が見てみたかった。
ごえモン:でも、どうやってお金の力で解決するんでしょうね。アビス勢力の資金を削ることで、ツァオガオ軍を弱体化させた結果、終盤のごたごたがなくなって“破壊するもの”が出現しないまま終わるとかそんな感じかな?
まさん:本編のアビスリーグがアビスにお金を流している人たちということ以外、何をしているのかよくわからなかったですから。ラスボスがお金の力が形を取った“貯蓄するもの”、とかになったらおもしろいですね。
トレードで1つ思い出したのですが、神王の塔のイベントを進めるとトレードができなくなっちゃって、アビスリーグをクリアできなくなるんですよね。当時、ハマってしまってかなり前のセーブデータからやり直したっけ……。
▲人によっては、本編そっちのけでハマれるトレード&マスコンバット。ドフォーレ商会を知るもの来たれ! |
Rusty:こうして考えると、『ロマサガ3』ってどう見てもいろいろ削っているのに、きっちりまとまっていて完成度が高い不思議な作品だったと思います。東方のマップなんて、大きいけどほとんど何もない。
ごえモン:削ったように見える部分があるので粗削りで未完成だと思うかもしれませんが、1つの作品として十分よくまとまっていますよね。『サガ』シリーズの中で比べれば、完成度が高いほうだと思います。
まさん:『サガ』シリーズで比べると全部粗削りで、そこがいいって話になりかねませんか……(笑)?
ごえモン:う、うん。『ミンストレルソング』なんかは、シリーズ最高の完成度でキレイにまとまりすぎていて、逆にもの足りなく感じてしまうなんてことも。
まさん:自分は未完成というわけじゃないのですが、最初は詩人やタチアナみたいに外せない仲間がいたのはバグだと思いました。酒場で外そうとしたら「いやです」しか言わないんですもの。
Rusty:詩人はそこそこ強いから、それはそれでいいやと思えるキャラクターではあるんですけどね。確かに外すタイミングが限られているのはイライラしたかも(笑)。
まさん:サブキャラクターが多かったから、最初はいろいろ入れ替えたくなるので、余計に邪魔なんですよ詩人。ようせいとかぞうとか、よくわからない人外系もいて楽しかったなあ。
『ロマサガ2』のほうが世代交代するから多いイメージもありますけど、あっちはキャラクターというよりもほぼ職業ですから。
ごえモン:固有の性格を持ったサブキャラクターとしては、『ロマサガ3』のほうが多いですね。ロビンなんて、本物とスクリュードライバー引き換え券の偽物の2種類いますし。
Rusty:いろいろな色のロビンがいたという記憶があるんですけど、アレはなんだったのだろう。仲間にしたくて何度も倉庫を出たり入ったりしたけど、結局仲間にできなかった。
まさん:あの~、非常に言いにくいのですが……それは、たぶん今は亡き某ゲーム紙のウソ技だと思います。
ごえモン:その後、『エンペラーズ サガ』のイベントで黄色のロビン(主人公)が登場しましたね。
人によって違うパーティの構成を知りたくないか? 100オーラムで教えるぜ
ごえモン:『ロマサガ3』って、サブキャラクターがものすごく多いですけど、必ず仲間にしていたキャラクターっていますか?
まさん:主人公ばかり入れちゃう記憶があるんですけど、必ず入れるといえば、ロブスター族のボストンです。
ごえモン:同じく。初見プレイ時は意図せず低レベルプレイになっていましたけど、彼のカウンターにだいぶ助けられました。たぶんですけど、ボストンをパーティに入れていた人は多い気がします。
Rusty:あとは、イベントをこなしてハーマンをブラックにしてみるとか? でも、どちらかというと主人公として選べる8人をパーティに入れたくなっちゃうんですよね。あんなに個性的なサブキャラクターがいるのに不思議です。
ごえモン:そうかもしれません。オープニングでモニカを逃がすイベントを見ちゃうと、主人公たちに情がわいてパーティに参加させたくなっちゃうのかも。というか、あいつらはどこにいるんだろう? ってまずは探しちゃう。
Rusty:自分は、8人の主人公を全員使ったんですけど、途中から入れるサブキャラクターに合わせて主人公を誰にするのか計算して決めてました。逆に決めると、全然違うパーティが組めるんですよ。
まさん:大剣はウォード、槍は銀の手があるシャール……みたいな?
ごえモン:銀の手はいつもボストンにつけていました(笑)。だいたい、みんなイベントが終わったらシャールから没収しているのでは?
まさん:シャールには悪いけど仕方ないかも。
Rusty:さっき、いろいろな主人公のパターンを試したと言いましたが、思い返すとハリードとロビンは必ず入れていましたね。ファイナルレターを使いたいからロビンを入れていました。
ごえモン:同じくハリードは必ず入れていました。あとは、なぜか槍がミカエルでエレンが斧(笑)。2周目まではノーラにもお世話になって、“ようせい”も使うようになりましたね。4周目あたりからは全員に剣を装備させて、分身剣ばっかり使っていました。
まさん:自分は、周回プレイをすることはするのですが、だいたい同じ主人公を選びがちですね。最初にトーマスで始めて、その後にユリアンとエレンも使ったのですが、最終的にトーマスに落ち着いちゃう。
ごえモン:僕は全員の冒頭のシナリオをプレイして、その後に好みのミカエルでクリアして、ユリアン→カタリナ→トーマス→ハリード→エレン→……みたいな感じだったと思います。
まさん:あとは東に近いキャラクターほど使われないんですよね。もったいない。ヤンファンとか、バイメイニャンとか、ツィー・リンとか、自分の周囲でもあまり使われていませんでした。ウンディーネとかも強いのに、育ててきたキャラクターと比較して使ってもらえない。
Rusty:合成術もあるし、術は極めれば強いのに。『ロマサガ3』をやり込んでいる人は、ちゃんと術士を使うイメージがありますよ。
ごえモン:術は育てると難易度が下がって、かなり楽になりますよね。
まさん:そこまでやり込まなくても、クリアできるのが『ロマサガ3』のいいところ。当時、アスラ道場を知らなかったのですが、普通に四魔貴族で技を覚えて、ちゃんとクリアできました。
ごえモン:玄城のドラゴンルーラー戦で無双三段を覚えたなぁ。道場なしでもボス戦で順当に技を覚えるのがいいんですよね。大剣はブルクラッシュ止まりでしたけど。
Rusty:ごえモンの話で思い出したけど、こん棒のためにノーラを仲間にしたこともありますよ。パーティが予備を入れて最大6人までなのに、仲間にできるキャラクターが多くて悩むんですよ。意識して使わないとローテーションが回らない。そして、詩人がなかなか抜けてくれない(笑)。
ごえモン:こん棒は、スーパーサブ武器って感じですね。防御力を下げたり、パワーヒールを使ったり、振り逃げで隠れたり、補助が万能なイメージ。あとはシャッタースタッフ。
まさん:地味だけど、縁の下の力持ち? 自分は人外系で雪だるまが好きでしたね。もちろん、四魔貴族のアウナス戦がめんどくさいので、雪だるまにはさっさと永久氷晶となってもらいました。
ごえモン:本当に好きなんですか雪だるま。そういえば、四魔貴族って一部で読み方が“よんまきぞく”なのか“しまきぞく”なのかで論争されていたようですが、河津さんが「よんまきぞくでも、しまきぞくでも、どっちの読み方でもいい」と言ってくれたことで決着がついたんですよね。
まさん:う~ん。でも、しまきぞくって読んでいる人はあまり見たことがないんですよ。読み方は、よんまきぞくでしょう。
ごえモン:こらこら。僕もしまきぞくって聞いたことがないですけど、論争に決着が付いたんだからぶり返さないでください。でも、四魔貴族っていわゆる四天王系のボスとしてはかなり変わっていますよね。『ロマサガ2』の七英雄と比べても、セリフがびっくりするくらい少ない。
Rusty:セリフのあるキャラって印象が全然ないです。印象に残っているのはビューネイのイベントと、フォルネウスの強さくらいかな。グゥエインに乗ってビューネイと戦うイベントは、後ろの背景がシャーっとなる演出と合わさって興奮しました。
まさん:あのイベントは興奮しましたね。術戦車同士の凝ったイベント戦闘もよかった。ねずみの群れとか、ちょっと変わったイベント戦闘が多いのも『ロマサガ3』の特徴かも?
Rusty:四魔貴族と戦う時の演出も好きでした。「血を流せ」などのセリフをひと言だけしゃべったあと、四魔貴族のドット絵が画面手前にグワーッと迫ってきて、四魔貴族バトル1がチャーラララーチャーラララーって流れるんですよ。
まさん:あれ、カッコいいですよねえ。『ロマサガ3』の四魔貴族って、自分からは全然説明してこないのですが、あの演出もあって不気味な敵って感じがする。
Rusty:『ロマサガ2』は、七英雄がボスキャラとしてキャラ立ちしていて、バックボーンもしっかり語られていたから『ロマサガ3』と逆なんですよね。ゲーム中だと、四魔貴族は最後までよくわからない。
ごえモン:もう、伝説の存在になっているんですよ。伝説上の存在なので、四魔貴族について詳しく知っている人たちがいないから主人公たちもよくわからない。相手も別に、主人公たちに対して言うことなんてない。設定はあっても、主人公たちが知る方法がないからゲーム中で語られない。
まさん:ガラテアとか、あえて説明しないのは河津さんらしい考え方ですよね。聖王遺物だって、ゲーム中でとくに全部集める必要がないですから。
ごえモン:もしリマスター版が出たら、聖王遺物を全部集めると聖王が仲間になる、なんてご褒美が欲しいです。聖王遺物って、確か銀の手と……銀の手と……あと……銀の手?
まさん:銀の手しか覚えてないじゃないですか(笑)。カタリナのマスカレイドも聖王遺物ですよ。聖王は、後年になって女性だと明らかになりましたけど、当時はわからなかったですよね。オープニングのグラフィックが、どう見ても女性じゃない。
ごえモン:パッケージの左の人物は女性に見えなくもないですね。
でも、河津さんの「魔王が男性なんだから、対比として聖王は女性になるじゃないですか。聖王が女性で魔王が男性だから、運命の子がサラと少年になるんですよ。だから、あの話は聖王が女性じゃないと成り立たないんです」という発言でハっとしました。
▲どう見ても女性に見えないグラフィック。河津さんのなかでは、当初から聖王が女性だと決めていたそうですが……。 |
Rusty:今思い出すと、フリーシナリオなんですけど、結局やることはだいたい同じなんですよね。やる順番や、同じシナリオのなかで起きる展開が違う。
ごえモン:ストーリーが変わるというよりも、展開が分岐するのが『サガ』のフリーシナリオですから。その分岐がおもしろいからいいんですよ。ウンディーネとボルカノのイベントも数パターンあって驚きました。
まさん:前作のカンバーランドみたいに、国が滅ぶイベントもないので気楽に遊べるがいいですね。
ごえモン:いや、滅びますよ。ボストンがいる最果ての島が滅ぶじゃないですか。もっとも、普通にやっているとなかなか滅びないので、故意ではなく滅ぼした人を見たことがないですが。
定めには逆らえんぞ! 真のアンケート1位の力を見よ!!
まさん:『ロマサガ3』って今でこそ人気が高いですが、SFCの後期に出た当時はそこまで人気が高かった記憶がないんですよ。年々人気が上がってきたというか、根強いキャラクター人気?
ごえモン:うちのアンケートでもぶっちぎりで1位でしたからね。『ロマサガ2』は特殊な……といってもサガは全部特殊ですが、そのなかでも独特なゲームだったじゃないですか。
『ロマサガ2』がアンケートで2位だったのは、システムが苦手という人も少ないながらいるからだと思います。主人公がコロコロと代替わりしてしまうのも、人によっては受け入れられないかもしれない。
実は『ロマサガ2』って結構難易度が高いんですよね。そういう意味では『ロマサガ3』はあまり難しくない。ボスが強いことは強いですが、敵から逃げても敵レベルは上がりませんし、詰む状況も少なくて、普通にプレイしていれば誰でもクリアできるところが人気の理由だと個人的には思います。
Rusty:確かに、シリーズのなかでは比較的ユーザーに優しい『サガ』のイメージがあります。
まさん:『サガ』の入門的な印象があるのも人気が高い理由かも。入門にしては、いやにとがったゲームだとは思いますが。あとは、アンケートを積極的に出しそうな30代くらいの世代に人気がありますね。
ごえモン:やはり、王道ですから。普通の『サガ』といえば普通なのですが、だからこそ好かれるのだと思います。主人公を選んで冒険して……と展開も王道ですし。
まあ、最大の理由はプレイ人口の多さでしょう。もっとも、『ロマサガ3』がシリーズで一番売れた理由は、『ロマサガ2』が名作だったことも大きいと思います。後年に人気が出た(ように見える)理由としては、ネットが発達したことと、ニコニコ動画などのプレイ動画の影響もデカイと思っています。
Rusty:時代的にもゲームが一番売れていた時期かな。『ロマサガ3』は主人公側のキャラクターが立っているから、今でも『エンペラーズ サガ』や『インぺリアル サガ』に出てきて活躍できるのも大きいですね。
まさん:世界を救うのが最初の目的ではなくて、物語もちゃんとあるけれど、システム先行のイメージがあるのが『サガ』っぽいですよね。ミニイベントの集合体をこなしていくうちに、ラストまで行く感じ。
ごえモン:本当に変わったゲームですよ。普通のゲームだったら、聖王と魔王の話が中心に出てきてグイグイ押してくるのに全然押し付けてこない。聖王遺物を使っていた人たちも、魔王の時代の話も前面に絡んでこない。
まさん:アラケスなんて、魔王殿を観光程度に何度か探索しているうちに、四魔貴族のアラケスがいたのでぶっ倒したってくらい、悪さしていたのかすらわかりません。
アラケスとアウナスは区別がつかなくなると『ロマサガ2』の座談会でも言いましたが、今でも名前のせいでときどき混乱しますよ。火術要塞にいるほうがアウナスで、“やきごて”を使うのがアラケス。ややこしい!
Rusty:四魔貴族で目立った悪さをしていたのは、フォルネウスとビューネイくらいかな? アウナスは火術要塞で引きこもっていたけど、直接的な被害って出ていましたっけ? 本当に、四魔貴族たちは何を考えているのかわからないなあ。
ごえモン:みんな、やっていることがバラバラなんですよね。七英雄と違って全然連携が取れていない。いや、七英雄も好き勝手なことをしていた人が何人かいましたが。
まさん:ダンターグとかですね。四魔貴族のほうは、もともと同じ目的を持ったメンバーだったのかすらよくわからない。ゲーム中だと、何1つ関係性が見えてこないですよ。
Rusty:普通、四天王的なキャラクターはもっと関係してくるのに、あえてバラバラなのが河津さんらしいといえばらしいです。
ごえモン:女性人気も高い作品なんですよね。『サガ』シリーズでアンケートを取ったからわかるのですが、この『ロマサガ3』以降で女性人気が一気に高くなっています。
まさん:言われてみれば『サガフロ』と『サガフロ2』も、女性人気が高いですね。なんとなくですけど『ロマサガ3』って適度に想像の余地があって、適度にキャラクターが立っているじゃないですか。そういうところが、女性人気の理由なんじゃないかと予想してます。
ごえモン:フリーシナリオ感は、初代『ロマサガ』よりも薄くなっていますが、そのぶん万人受けする『サガ』だったのかなって思います。考えてみると、いいとこどりなんですよ。
まさん:『ロマサガ』と『ロマサガ2』を経て完成した作品。キャラクターごとの話を追うというよりも、プレイヤーがどのイベントをどのキャラクターを選んで進めるか、というところに幅があるゲームという感じですかね。
Rusty:SFC後期のゲームなのでインターフェースもよくなっていますし、演出や背景もきれいになっているから、今でも通用するんですよね。インパクトが強いイベントも、たくさんありました。シリーズ物の3は賛否が分かれるものも多いですが、これは『聖剣伝説3』と同じでスクウェア作品の中で人気が高いのもうなずけます。
まさん:アリサー! アリサー!
ごえモン:それは『フロントミッション3』。3作目は、なんだかんだいって名作が多いですよ。『ロマサガ3』は耳に残る音楽が多くて、音楽の人気もあるんですよね。四魔貴族戦の音楽はどっちもアンケートで上位。
Rusty:『サガ』をやりすぎている人には、万人受けしやすいという意味でもの足りないかもしれませんが、プレイし直してみると知らないことがまだまだありますね。
ごえモン:世界観もいいですよ。自分はオーロラを見るためにがんばった記憶があります。マップ画面にオーロラが出てくるとか、普通気づかないですよ。ラスボスに負けまくって、何度もワールドマップが壊れる演出を見ましたから、ワールドマップの形はとくに覚えています。
まさん:ラスボスが強いのも『サガ』ですよね。自分は、途中でラスボスの性能がどう変わるのかよくわからないまま倒しました。
「○○の翼とか出てくるけど、なにこれ?」みたいな。“闇の翼”を敵が使ってるときに、天の術を使うと打ち消して“光の翼”になるとか、あとで知ったんですけど、そんなの当時気づくわけないでしょ!
ごえモン:そういう隠し要素のようなものが、いろいろあるところも魅力ですよね。
Rusty:自分は相当遊んだつもりですけど、まだまだ知らないことがあると思います。ティベリウスとか、後半のキャラほど記憶から抜け落ちてるんですよ。今思うと、個性的なサブキャラクターの流れが『サガフロ』に続いていったんだなってわかります。
まさん:『ロマサガ3』は、『ロマサガ』シリーズのなかで唯一リメイクorリマスターされていないんですよね。
初代『ロマサガ』は、ワンダースワン版と『ミンサガ』。『ロマサガ2』は、携帯電話版とスマホ(PS Vita)版でリマスターされている。でも『ロマサガ3』はSFC版しかないんですよ。まあ、バーチャルコンソールはありますが……。
Rusty:確かにないですね。『サガフロ』以降も、そろそろリメイクして欲しいくらいの時期なのに。『ロマサガ2』もリマスターしたことですし、スマホ&PS Vitaで『ロマサガ3』も配信して欲しいかな。ちょうど『インサガ』で、バトルのイラストがきれいになっていることですしね。
ごえモン:ビューネイたちがぬるぬる動くんですよね『インサガ』。あの動きでリメイクを見てみたい気もします。
まさん:もし、リマスターするなら東方をもっと作り込むか、早めに行けるようにしてほしいですね。東方は、最初どうやっていくかもわからないですし、どこにいってもいい放り投げ感があるのはよかったのですが、未完成っぽく見える部分もありますから。
Rusty:あの放り投げ方は、今の時代だとどう受け止められるのかは気になりますね。ハーマンをブラックにするとか、ひらめきの適正とか、いろいろと調べないとわからないことが多かった。そこが、よさでもありますが。
まさん:本当に、一刻も早く『ロマサガ3』をスマホとPS Vitaで配信して欲しいですよ。もう、期待しちゃいますよ。
ごえモン:『ロマサガ2』のリマスター版が好評だったから、いつかきっと作ってくれると思います。でも、個人的には『サガ スカーレット グレイス』を早く出してほしいです(笑)。
Rusty:というわけで、座談会は次で最後かな? 次は『アンリミテッド:サガ』でしたね。
まさん:『アンサガ』……! アンサガと言えば、音楽ですが、何よりもエンディングで聞ける天翔ける翼が……。
ごえモン:ストーップ! わかった、わかりましたから、『アンサガ』は、次回やるので思う存分しゃべってください!
【サガ注目記事】
(C)1995 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.