2016年5月6日(金)
『世界樹の迷宮V』ハーバリストには意外な二つ名が!? キャラメイクなどの情報も明らかに
5月3日~5日に、徳島県徳島市で開催された“マチ★アソビ Vol.16”。ここでは5月4日に両国橋西公園ステージで開催された、“『世界樹の迷宮V』スペシャルトークショー”の模様をお届けします。
キャラクターメイキングに力を入れて、全40パターン&無音のボイスを選択可能に
アトラスから8月4日に発売される3DS用ソフト『世界樹の迷宮V 長き神話の果て』は、ダンジョンRPGの人気シリーズ最新作です。
今回のトークショーでは、ディレクターの小森成雄さんと、キャラクターデザイナーの日向悠二さんという、シリーズを長きにわたって手がけているお2人が登壇。また司会と進行は、熱心な『世界樹』ファンとして知られており、シリーズ全作品をクリア済みの声優・川原慶久さんが担当しました。
▲『世界樹』シリーズの強敵“F.O.E”のTシャツを着て登壇した、川原慶久さん。開始早々、「今日は声優としてではなく、いちファンとしてこのステージに立っています」と宣言していました。 |
▲写真左より川原慶久さん、小森成雄さん、日向悠二さん。 |
まず最初は、8月4日の発売まで約3カ月となった現時点での意気込みについて。小森さんは「今も自分以外のスタッフは、休日返上で開発しているところ」としたうえで、「他のスタッフから“よいものを作っているので期待してください”と伝えてほしいと言われています」と語っていました。
また日向さんは、「今作はシリーズの集大成のつもりでキャラクターをデザインしました。皆さんに受け入れてもらえるようにがんばったので、発売日まで楽しみに待っていてください」とコメント。冒頭からまるで締めの言葉のようだと、自分でツッコミを入れていました。
このステージではファンの視点での質問役を受け持っている川原さんですが、『世界樹の迷宮V』にはプレイヤーキャラボイスで出演もしています。ただ、『世界樹の迷宮』シリーズはもともと、プレイヤー個々のイメージを大切にするため、キャラクターのボイスはありませんでした。
『新・世界樹の迷宮』シリーズでの前例はありますが、今回ナンバリング作品で声優を起用した理由について、出演声優でもある川原さんが自ら質問しました。
これについて小森さんは、「『世界樹V』はキャラクターメイキングに力を入れているため、ボイスを取り入れることで、より楽しめると考えました」と回答。クール、おてんばといったキャラクターの性格パターンに合わせて、声優22名、全40パターンものボイスを自由に選択できるのだそうです。
そして小森さんは「声優さんの前でこんなことを言うのも……」とあらかじめ断ったうえで、ボイスがイメージに合わないという人のために、ボイスOFFの機能も搭載していることを説明していました。
また小森さんによるとプレイヤーキャラだけでなく、街の住人といったNPCにもボイスが用意されているそうです。こちらのキャスティングはまだ少ししか発表していないので、発売までに順次お伝えできれば、と語っていました。
キャラクターの性別は、プレイヤー自身の解釈しだい!?
続いての川原さんの質問は、「『世界樹の迷宮V』でもっとも楽しんでもらいたい点は?」というもの。
これに対して小森さんは、「先ほどもお話ししたように、キャラクターメイキングの自由度です」と回答。すでに発表しているように本作では、プレイヤーキャラの髪や目、肌の色を自由にカスタマイズすることができます。
それだけでなく小森さんは、『世界樹』ファンにはおなじみのアナザーカラーも用意しており、さらに色の組み合わせが広がることを明かしました。
『世界樹の迷宮V』プレイヤーキャラのデザインについて、「盾職が好き」という川原さんは、新職業の1つであるドラグーンの女性のスカートが、迷彩柄になっているのが気になっているそうです。
この点について日向さんは「ドラグーンという職業は銃を使ったり、戦場を駆け回ったりするイメージだったので、ミリタリー色を強めにしました」と回答。
本作で登場する職業10種類のキャラクターイラストについて、日向さんは「みんな好きだし、みんな楽しく描けた」と語っていました。ただ、リーパーのイラストを発表した時に、ファンの皆さんから「かわいい女の子」だと言ってもらえたのですが、日向さんのメモには“リーパー♂”と書いてあったので、「男じゃん!」と言われてしまったそうです。
▲パネルのキャラクターが、職業のひとつ“リーパー”です。 |
この点について日向さんは、「キャラクターの性別は、プレイヤーさんが好きなように解釈してください」とコメント。小森さんも「ブラニーの性別は僕が見てもよくわからない」そうです。
また「ネクロマンサーの胸を見ても、男の子なのか女の子なのかわからない」と言う川原さんに対して、日向さんは「鎖で締め付けているから胸が少しあるように見える、脂肪が多めの男の子なんじゃないですかね」と、とぼけていました(笑)。
▲職業のひとつ“ネクロマンサー”のイラスト。その胸をじっくりと観察してみたい人は、『世界樹の迷宮V』の公式サイトをチェックしてみてください。 |
かわいいブラニーの代わりに、パワー系の種族が登場するかもしれなかった?
『世界樹の迷宮V』のプレイヤーキャラクターには、従来までの職業に加えて4種類の“種族”も存在しており、種族によって就くことのできる職業が異なっています。
▲『世界樹の迷宮V』に登場する4種類の種族。左からルナリア、ブラニー、セリアン、アースランです。 |
この4種類の種族について、日向さんは「ファンタジー世界ではオーソドックスな棲み分けです」と語っていました。多くの人に受け入れられるように、あまりマイナーな種族は押しださず、メジャーなものにしたとのこと。
小森さんによると、パワー系の職業を入れるか、それともブラニーを入れるか悩んだのだそうですが、「ブラニーのほうがきっと、日向さんが力が入ると思って(笑)」ブラニーにしたそうです。
また川原さんからは、「獣人タイプのセリアンが、ウサ耳とイヌ耳なのはなぜですか?」との質問がありました。これに対して日向さんは、「『世界樹の迷宮IV』に登場した獣人がウサギとオオカミとライオンだったので、それを踏まえたうえで、もう少しケモ度を落としたものにしたかったんです」と回答していました。
▲種族のひとつ“セリアン”は、ウサ耳とイヌ耳を持つ獣人タイプのキャラクターです。 |
ここで川原さんが、「今作のイラストは全体的に年齢が上がったというか、アダルトな感じになったのでは?」と、日向さんに質問しました。小森さんも「“方向性を変えました?”って、日向さんに聞いたけど、答えてくれなかったんですよ」とのこと。
日向さんによると、『世界樹』シリーズではもともと、プレイヤーキャラとNPCでは頭身が違っていたのだそうです。そこで『世界樹の迷宮IV』でNPCが仲間になってパーティに加わる際に、プレイヤーキャラの頭身に合わせたNPCのイラストを用意したところ、ファンの人たちから「キャラが幼くなった」と言われてしまったのだとか。
そこで『新・世界樹の迷宮』の1作目からは、プレイヤーキャラの頭身をNPCと合わせる形で、あらかじめ頭身を高めに描いているのだそうです。「実際には『新・世界樹の迷宮』の時から段階的に変化しているんだけど、ナンバリングの『IV』から『V』になると、急に絵柄が変わったように見えるのかもしれません」と、日向さんは語っていました。
川原さんが編成したパーティで、召喚に関する秘密が明らかに!?
続いては、シリーズの熱心なファンである川原さんが、現段階の情報だけで『世界樹の迷宮V』のパーティを編成するとしたら? というコーナーです。
まず最初に発表したパーティは、リーパー、セスタス、ドラグーン、ウォーロック、ハーバリストという職業の組み合わせになりました。
▲左からリーパー、セスタス、ドラグーン、ウォーロック、ハーバリスト。 |
盾職にヒーラー、アタッカーと、職業がバランス良く組み合わされていて、川原さんは「なかなか強いんじゃないか」と自画自賛。これに対してディレクターの小森さんからは「安定して戦える、つまんない感じ」と、まさかの理不尽なダメ出し(笑)が飛び出しました。
「考えろって言われて考えたら、こんなダメ出しあるか!(笑)」と怒った川原さんは、2つ目のパーティを出してきました。こちらはネクロマンサー、ドラグーン、リーパー、シャーマン、ハウンドという職業の組み合わせです。これは川原さんによると、「今までになかった職業のおもしろみを全部使ってみた」とのこと。
▲左からネクロマンサー、ドラグーン、リーパー、シャーマン、ハウンド。ちなみに川原さんのボイス選択によると、シャーマンの声は中田譲治さんだそうです(笑)。 |
ここで川原さんから、「画面写真を見るとパーティの最前列に三列目の枠があるんですが、そこには召喚した死霊や動物が入るんですか?」との質問がありました。
小森さんによると、最前列は“召喚枠”という名前で、シャーマンなら死霊を最大3体、ハウンドなら鷹と猟犬を、召喚して配置できるほか、ドラグーンも召喚枠にトーチカなどを置いて、敵の攻撃を引きつけられるのだそうです。
そのため川原さんの2つ目のパーティだと、パーティメンバー同士で召喚枠の奪い合いが起きてしまうため、やっぱりバランスは悪いかも……というのが小森さんの分析です。
「じゃあ、真打ちのパーティで」と、川原さんは最後のパーティを登場させました。
▲ブラニーのハーバリスト4人と、ドラグーンの組み合わせ。ちなみにギルド名は“保育園”だそうです(笑)。 |
川原さんによると、ピンク色の髪のドラグーンのイラストを初めて見た時から、「お母さんに見えて仕方がない」のだとか。“酒場でふだんは「お姉さん」と呼ばれているんだけど、うっかり「お母さん」と呼んだ相手と恋仲になる”という川原さん個人の脳内設定を、ステージ上で熱く語っていました。
ハーバリストが成長すると、衝撃的な“二つ名”が取得可能に!
最後の“保育園”パーティについて、「パッと見は縛りプレイのようにも思えますが、新システムの“二つ名”によっては、戦いようがあるのでは?」と川原さん。
本作で新登場する“二つ名”とは、プレイヤーキャラが成長して“達人(マスター)”になると、“二つ名”と呼ばれる2パターンの称号から、どちらか1つを獲得できるというもの。どちらの二つ名を選択するかによって、身につけることのできる“達人スキル”の種類が変化します。
小森さんによると、ハーバリストの二つ名は、一方はより回復に長けたキャラに成長するもの。そしてもう一方は“毒殺者”といって、バッドステータス(状態異常)の効果を高めたり、付与率を上げたりできるというもの。つまり回復型と攻撃型に、成長が分岐していくのだそうです。
ちなみに小森さんは「これは僕の脳内設定で、公式の設定ではありませんが」と断ったうえで、「ブラニーのなかにはかわいい姿でニコニコしながら、毒草などで暗殺を行ってきた人もいるんです」と語っていました。それを聞いた川原さんは、おもわず頭を抱えていましたが……(笑)。
▲ハーバリストの二つ名を聞いて、おもわず頭を抱える川原さん。ただ、客席のファンの中には、ハーバリストのこうした能力を予測していた人もいたようです。 |
ここで川原さんは、まだ明かされていない職業の“二つ名”を、小森さんから聞き出そうとトライすることに。「ドラグーンの2パターンは、だいたいわかるじゃないですか」と言う川原さんに対して、小森さんも「シリーズのファンの方が想像しているとおりです」と応じました。
小森さんは観客の皆さんの反応も見つつ、ネクロマンサーの二つ名について語ってくれました。ネクロマンサーは先ほども紹介したとおり、死霊を召喚して戦う職業ですが、二つ名のうち一方のパターンでは、死霊をより召喚しやすくなるのだそうです。
そしてもう一方は、小森さんによると“爆発攻撃型”とのこと。死霊は爆発して敵にダメージを当たることができますが、爆発攻撃型の二つ名を選ぶと、死霊が3体同時に爆発して大ダメージを与えたり、死霊の爆発時に自分がダメージを受けないようになったりできるスキルが取得できるのだそうです。
トークの最後は、プレイヤーの皆さんにぜひ使ってほしいキャラクターを聞くことに。日向さんはフェンサーを使ってほしいそうです。ちなみにフェンサーのイラストでは、タイツの塗りの部分に『世界樹』シリーズにはこれまで使っていなかった、グラデーションを入れたり、ツヤの表現を入れたりしているそうです。
一方の小森さんは、ハウンドがオススメとのことです。ハウンドはゲームの序盤から鷹と猟犬を召喚して戦うことができるので、冒険をラクに進めたいと思うのなら、かなり頼りになるとのこと。ただし、開発中の現段階だとハウンドがやや強すぎるので、今後の開発で調整が入るかも……と語っていました。
▲トークショーのラストでは、日向さんの直筆サイン色紙や、川原さんも着ていた“F.O.E”Tシャツなどが、じゃんけん大会で会場のファンにプレゼントされました。 |
今回のトークショーは、ゲームの詳細について深く語られており、会場に詰めかけたファンにとっても非常に興味深い内容となっていたようでした。とはいえ、まだまだ明かされていない情報もあり、8月4日の発売日を迎えるのが楽しみです!
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