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2016年5月10日(火)

NVIDIAの新フラッグシップGPU“GeForceR GTX 1080”発表! 米国にて5月27日に販売開始予定

文:まさ

 5月6日(日本時間5月7日)、NVIDIA(エヌビディア)は米国テキサス州オースティンで開催した発表会イベントにて、最新のGPUアーキテクチャ“Pascalアーキテクチャ”を採用した初のゲーム用GPU、NVIDIA GeForceR GTX 1080を発表しました。

NVIDIA GeForceR GTX 1080
▲GeForceR GTX 1080 Founders Edition。

 NVIDIAの発表によると、GeForceR GTX 1080はNVIDIAの新しいフラッグシップGPUであり、先代のMaxwellアーキテクチャを採用したGeForce GTX TITAN Xと比較して、バーチャルリアリティのパフォーマンス性能は2倍(Mech VRデモにて測定)、電力効率は3倍にも達するとのこと。

NVIDIA GeForceR GTX 1080
▲GeForceR GTX 1080の発表を行った社長兼CEOのジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)氏。

●GeForceR GTX 1080 ― GeForce GTX 980 性能比較

比較項目 GeForce GTX 1080 GeForce GTX 980
GPU Architecture Pascal Maxwell
フレームバッファ 8GB GDDR5X 4GB GDDR5
メモリタイプ速度 10Gbps 7Gbps
ブーストクロック相対値 1.4x 1x
ブーストクロック実測値 1733MHz 1216MHz

 GeForce GTX 1080の発売時期は、“Founders Edition(ファウンダーズエディション)”が米国にて5月27日に699ドルで発売される予定です。販売は、ASUS、Colorful、EVGA、Gainward、Galaxy、Gigabyte、Innovision 3D、MSI、 NVIDIA、Palit、PNY、Zotacからとなります。

 また、GeForce GTX 1080はシステムに組み込まれた形でも販売されます。販売は、米国内の大手システム・インテグレータ各社からを予定しています。

 さらに、NVIDIA GeForce GTX 1070の“Founders Edition”も、米国にて6月10日に449ドルで発売される予定です。パートナー各社が発売するカスタム・ボードは、379ドルからとなる見込みです。

NVIDIA GeForceR GTX 1080
NVIDIA GeForceR GTX 1080
NVIDIA GeForceR GTX 1080
NVIDIA GeForceR GTX 1080

 以下は、NVIDIAのリリースにて発表された製品特徴の紹介です。

Pascalアーキテクチャ採用により、GeForce GTX TITAN Xに比べて2倍のパフォー マンスと3倍の効率を実現

 先代のMaxwellアーキテクチャも高性能でしたが、Pascalは、パフォーマンスもメモリ帯域幅も電力効率も大幅に向上しています。

さらに、革新的なグラフィックス機能やテクノロジも各種搭載されており、PCを、AAAクラスのゲームやバーチャルリアリティを楽しむ究極のプラットフォームへと変えることができます。

 NVIDIAのPC事業担当上級副社長、ジェフ・フィッシャー(Jeff Fisher)は、次のように述べています。

「PCは多くの人にゲーム用プラットフォームとして愛されていますが、NVIDIAの新しいPascal GPUアーキテクチャは、そのPCを新たな高みへと持ち上げることができます。そのPascalを初めて採用したゲーム用GPU、GeForce GTX 1080なら、パフォーマンスも効率も劇的に向上し、驚異的なリアリズムのゲームや真にイマーシブなVR体験が得られるのです。かつてないほどパワフルなゲーム用GPUで、NVIDIAにとっても最高傑作のひとつだと言えます」

■Pascal、5つの特長

 Pascalアーキテクチャは、VRなど、膨大なコンピューティングを必要とするテクノロジに対応できるようにと開発されたもので、5種類の革新的なテクノロジが投入されています。

【次世代GPUアーキテクチャ】

 Pascalは1ワットあたりのパフォーマンスが最高となるように設計されています。その結果、GTX 1080は、Maxwellアーキテクチャ採用のGPUに比べて電力効率が3倍に達しました。

【16nm FinFETプロセス】

 GTX 1080は、ゲーム用GPUとして初めて16nm FinFETプロセスを採用しました。このプロセスではトランジスタが小型化・高速化しますし、集積密度も高めることができます。こうして、72億個のトランジスタにより、パフォーマンスと効率を劇的に高めることに成功したのです。

【高度なメモリ】

 PascalベースのGPUは、8GBのMicron GDDR5Xメモリの能力を活用することに成功しました。メモリ・インターフェースは256ビットで10Gb/秒もの転送能力を誇ります。この結果、通常のGDDR5に比べ、有効メモリ帯域幅を1.7倍に高めることができました。

【すばらしい仕上がり】

 帯域幅と電力効率の向上により、GTX 1080は、わずか180ワットで過去最高のクロック・スピード“1700MHz以上”を達成しました。非同期計算も進歩し、効率とゲーム性能が高まりました。しかも、新しいGPU Boost 3テクノロジでは、高度なオーバクロッキングもサポートされています。

【革新的なゲーム・テクノロジ】

 NVIDIAは、開発からプレイ、シェアにいたるまで、さまざまな側面でゲームというものを変革しつつあります。新しいNVIDIA VRWorksソフトウェアには、ゲーム環境をかつてないほどイマーシブにできる機能が用意されています。Anselテクノロジでは、今までにないやり方で、ゲーム体験をシェアしたりゲーム世界を探検したりすることができます。

 Epic Games社の創業者兼CEO、ティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏は、次のように述べています。

「GTX 1080のパフォーマンスと機能には本当に驚いてしまいました。当社のゲーム、『Paragon』の映像はもともとオフラインでレンダリングすることを前提に作ってあるのですが、GTX 1080では、それをリアルタイムにレンダリングできてしまうので感動しました。今後、UE4とGTX 1080により、2DについてもVRについても、ゲームや自動車デザイン、建築関係のビジュアライゼーションなどの分野でどういうものが生みだされていくのか、とても楽しみです」

■VRWorks:新次元のVRプレゼンス

 ユーザが仮想世界に没頭できるようにと、新しいNVIDIA VRWorksソフトウェア開発キットでは、未だ誰も経験したことのないレベルの“VRプレゼンス”が提供されます。ユーザの視覚、聴覚、触覚と環境の物理的な挙動とを組み合わせ、仮想体験がリアルであると錯覚させるのです。

【2倍のVRグラフィックス性能】

 VRディスプレイは通常の2Dモニタと形状が異なりますが、新しいVRWorks Graphicsでは、そのようなVRディスプレイに最適なレンダリングをネイティブでおこなえる同時マルチプロジェクション機能がサポートされました。左目用と右目用の映像も、シングル・パスで同時にレンダリングすることができます。

【包み込むようなオーディオ】

 VRWorks Audioでは、NVIDIA OptiXレイトレーシング・エンジンを用いて音の伝達経路をリアルタイムに追跡し、仮想世界のサイズや形状、構成材質などをすべて反映させることができます。

【インタラクティブな触覚と物理演算】

 NVIDIA PhysXR for VRでは、手に持ったコントローラが仮想オブジェクトと干渉するとそれを検出し、視覚的にも触覚的にも物理的に正しい反応をゲーム・エンジンに出力させることができます。

 ユーザを取り囲む仮想世界の物理的挙動をモデル化することも可能で、爆発や手で水をはね飛ばす動きなど、あらゆる相互作用を現実であるかのように感じさせることができます。

 NVIDIAでは、これらのテクノロジを組み込んだVR FunhouseというVR体験を用意しています。

 CCP Games社のCEO、ヒルマー・ヴェイガー・ピーターソン(Hilmar Veigar Petursson)氏は、次のように述べています。

「当社の『EVE: Valkyrie』を遊ぶには、GeForce GTX 1080が最高です。一日も早くNVIDIAの新しいVRWorks機能を『Valkyrie』に組み込み、ゲームのビジュアルとパフォーマンスを新たな次元へ押し上げたいと思っています」

■Ansel:芸術的なゲームのシーンをキャプチャする

 NVIDIAは、ゲーム・キャプチャのパワフルなツール、Anselも発表しました。Anselを使うと、今までにないやり方でゲームの芸術的なシーンをキャプチャし、シェアすることができます。

 Anselでは、ゲームプレイをキャプチャする際、カメラを構える場所やその向きをゲーム世界で好きなように設定できます。画面解像度の32倍もの解像度でスクリーンショットがとれますし、好きなところにズームすることもできます。ズームで映像がぼける心配もありません。

 フォト・フィルタでリアルタイムにエフェクトをかけることも可能で、望むままの完璧なショットが得られます。360度の全天球で立体映像をキャプチャし、VRヘッドセットやGoogle Cardboardで楽しむこともできます。

(C) 2016 NVIDIA Corporation

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