2016年6月2日(木)
『バイオハザード アンブレラコア』先行プレイレビュー。白熱の対戦が展開する本格シューターの魅力に迫る
カプコンが6月23日に発売するPS4/PC用ソフト『バイオハザード アンブレラコア』をプレイしたレビューをお届けします。
『バイオハザード』の世界観をモチーフにした本格シューター『バイオハザード アンブレラコア』。プレイヤーがテクニックや戦略を競ったり、駆け引きを楽しんだりすることができる、eスポーツ的な作品となっています。
今回は3対3という、対戦プレイで判明した本作ならではの魅力について紹介します。
基本的な要素をおさらい
主な攻撃方法は銃火器による射撃と、斧のような“ゾンビバイル”を使った近接攻撃の2つ。射撃武器は威力や射程、命中率がそれぞれ異なっており、その中からメインアームとサブアームを選択することができます。
また、スコープやサイレンサー(サプレッサー)を装着することで、命中率を上げたり射撃時の音を弱めたりすることも可能。詳しくは後述しますが、本作では“音”が重要になるため、サイレンサーは重要なパーツになりそうです。
▲敵を倒す際の基本となる武装。武器によって有効射程が異なるため、距離に注意しながら攻撃をしかけよう。 |
ゾンビバイルは通常攻撃以外にも、チャージすることで威力を高めることが可能。こちらも種類が複数あり、威力は低いがチャージの効果時間が長い、威力に優れるがチャージの効果時間が短い、など性能にも差が。
メインアームとサブアーム、ゾンビバイルはボタンで切り替えながら使うことになるのですが、サブアームとゾンビバイルを装備すると左手でベイトシールドを構えるのがポイント。シールドで頭への射撃を防ぐことができるため、接近戦では非常に頼りになります。
他にはグレネードを使った広範囲攻撃も可能。グレネードは単純にダメージを与えるものから、煙幕を発生させるもの、後述する“ゾンビジャマー”の効果を無効化するものなど効果も多彩。本作では味方と固まって動くほうが戦いやすいため、広範囲に影響を与えるグレネードは相手の連携を崩す手段としても活やくしそうです。
▲相手のレーダーを狂わせるものや、付着した相手を確実に爆破するものなど、多彩なグレネードなどが確認できた。 |
本作の特徴となるのが“感染者”と“ゾンビジャマー”の存在。ステージ中にはゾンビが大量に徘徊していますが、プレイヤーは感染者から認識されなくなる“ゾンビジャマー”を装備しているため、ゾンビを始めとする感染者から襲われることはありません。
しかし、敵からの攻撃によりゾンビジャマーを破壊されてしまうと、途端にゾンビからも襲われてしまうことに。そのため極力ゾンビジャマーを壊されないように立ち回ることや、あえてゾンビジャマーだけ壊してゾンビに追撃させるなど他のシューターにはない駆け引きが楽しめます。
▲ゾンビだけではなく、ケルベロスやクロウなど、クリーチャーの種類も豊富。なお、ゾンビジャマーを破壊せずに敵を倒すと、その敵が装備していたゾンビジャマーを奪うことができる。 |
また、壁や遮蔽物を利用した“アナログカバー”によるアクションもポイントの1つ。アナログカバーを利用すると遮蔽物からのぞき込むように射撃を行うことができるのですが、この際身を乗り出す度合を調整することができます。
半身を乗り出して射撃を行えば命中率はアップしますが、当然被弾率も上がってしまいます。逆に頭と腕だけ出した射撃は安全ですが、命中率は低く威嚇にしかなりません。このあたりのシステムをどう利用するかで勝率がグッと変化しそうです。
▲壁や障害物だけではなく、窓をのぞき込んで射撃することも可能。 |
サバゲーを彷彿させる本格的なシューター
今回プレイしたのは3対3で行うマルチミッション。ラウンドごとにルールが変わり、それぞれミッション(お題)をクリアしたほうが勝利となります。ミッションには“敵プレイヤーを倒せ”のようなシンプルなものから、“ゾンビを倒してアイテムを集めろ”や“特定の場所をキープしろ”などさまざま。ミッションに応じて戦術や立ち回りを切り替えていく必要がありそうです。
▲お互いのチームでランダムに選ばれたターゲットを倒すと勝利となる“ターゲットハンター”。味方のターゲットを守るか、ターゲットをオトリに敵のターゲットを狙うかの判断が勝負の分かれ道。 |
プレイして感じたのは味方との連係の重要さ。本作では前述したベイトシールドやアナログカバーの存在があり、遠距離から敵を仕留めるのが難しいゲーム性になっています。また、射撃を行った時点で音が発生するため、倒しきれなかった場合、敵チームに自分の居場所を教えてしまうというデメリットも。
▲画面中央下にマップが表示。赤く円錐状に表示された場所が音の発生場所で、敵プレイヤーがなにかしらの行動を行ったことが分かる。 |
そのため、必然的にジリジリとした立ち回りから、接近戦で勝負することになるため、いかにして敵を先に見つけるかがポイント。本作のマップは死角が多く、アナログカバーによって隠れることもできるため、見つからないように動くことは比較的容易です。反面、敵を見つけるのに苦労するため、味方と固まって行動して近づく敵をいち早く発見する、といった立ち回りが基本になりそう。
▲アナログカバーで姿を隠しつつ、死角を味方とフォローしながら攻めるのが基本的な戦術となる。 |
反対に敵の陣形を崩すにはグレネードを使い、効果範囲外に逃げ出した敵を狙っていく、といった攻め方が有効。また、高低差のあるマップも多いので、上段から射撃で一斉に攻撃するのも手です。距離が離れていると致命傷を与えるのは難しいですが、上からの射撃だと背中に装備したゾンビジャマーを破壊しやすいため、その後の展開が有利になります。
▲屋根からの攻防戦。立ったままだと反撃を食らいやすいので、姿勢を低くして狙うのが基本です。 |
このように、攻めるにしても守るにしても味方との連係が基本。単独の力で勝利をつかむのは難しいため、味方と協力しながら立ち回りましょう。
▲タクティカルアイコンを利用して味方との意思疎通は不可欠。 |
歴代シリーズのステージやカスタマイズがアツい!
対戦の舞台となるのは歴代作品をモチーフにしたステージ。『バイオハザード2』に登場した“R.P.D.警察署内”はステージそのものが狭く、短期決戦になりがち。一方『バイオハザード5』をモチーフとした“キジュジュ自治区12区域”は集落ということもあり、ステージは広め。
ステージには、ゾンビやケルベロスに加えて、クロウなども登場することがあるため、戦闘中は上空にも注意が必要です。
▲三階層で構成された“南極基地”。ダクトを使って移動するなど、幅広い戦術を取ることが可能です。 |
コスチュームは装備のカラーリングの変更に加えて、ワッペンやデカールによるカスタマイズが可能。さらに、レオンやウェスカーなど、歴代のキャラクターのフェイスに変更することも。
ただしカスタマイズによっては敵に発見されやすくなることもあるため、自分の力量に応じたものを選びましょう。とくにカラーリングは目立つことが多いので。
▲フェイスを変更することで、いつもとは雰囲気が違ったプレイが楽しめる。 |
TPSというゲームデザインから相手との距離感をつかみやすく、近接攻撃やアナログカバーなど、エイムだけではないアクション性の高さが魅力の本作。遠距離から一方的に狙撃されるシーンが少ないため、エイムに自信のない人でも遊びやすい内容になっています。
入り組んだ地形をどう移動してどう攻めるかなど、サバイバルゲームとしての趣が強いのもポイント。味方との意思疎通や連係、マップの把握などをキッチリ行うことで、シューティングゲーム初心者でもある程度勝負になりそうですね。
シューティングゲームが好きな人はもちろん、『バイオハザード』ファンだけどシューティングゲームはちょっと……という人もぜひ挑戦してもらいたいタイトルです。
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データ
- ▼『バイオハザード アンブレラコア』ダウンロード版
- ■メーカー:カプコン
- ■対応機種:PC
- ■ジャンル:STG
- ■配信日:2016年6月23日
- ■価格:3,694円+税