2016年6月8日(水)
男性目線の『アイナナ』プレイレポ【男性ライターが『アイドリッシュセブン』をやってみた。】第3回
みなさま、こんにちは。モンジェネおじさん改め、フリーライターの原 常樹です。男性アイドルたちの活動にスポットライトを当てた本格リズムゲーム『アイドリッシュセブン』(通称:アイナナ)。
・もうリリースから1年が経つのに今からアイナナを始めても大丈夫なの?
・男性でもアイナナを楽しめるのか?
──という二つの疑問を同時に解決してしまうべく、本企画では僕自身がそのサンプルのひとりとしてプレイを進めていきます。その目標は「アイナナの日(7月7日)までにストーリーの第一部をクリアすること」。
さて、さっそく近況を見ていきましょう。仕事にも関わらず、ライブパートが「やめられない、止まらない」状態になってしまって、すっかりそれ一辺倒のライブになってしまったのが前回。
いや、本当にアイナナのライブはおもしろいんですよ! 少し前に開催されていた『男子タルモノ全員集合!!』で、さまざまな曲の難易度の高い譜面(EXPERT)を遊んだことで、その気持ちは加速する一方です。いろいろな曲を演奏していてわかったんですが、アイナナは曲ごとの個性付けが強い。
たとえば、「恋のかけら」だったら単発ノーツの乱打が随所に盛り込まれていて小気味よく演奏できたり、「NATSU☆しようぜ」だったら繊細で的確なホールドを求められたり。ノーツの傾向からもその曲の“顔”が見えてくるので、ついつい音ゲーマー魂をそそられてしまう。
まだ企画の途中ではありますが、たとえ男子でもリズムゲームが好きなら遊ばないのはもったいない! ──こう断言したいと思います。
ドンドン自分が上手くなっていく達成感。そして、難しい譜面と神経をすり減らしたあとは、適度な難易度で気持ちよく演奏させてくれる『MONSTER GENERATiON』の海に還りたくなるんですよね……。なんという好循環。モンジェネはいいぞ!
とまぁ、イベントも含めたライブ活動に勤しむ日々のおかげで、ランクは40を突破しました。予告通りにストーリーを進めたいところですが、それより先に気になっていることがひとつ。
うちのアイドルの成長がそろそろ限界に達しそうです。
親愛度もMAX。まぁ、これだけ一緒にライブを駆け抜けてきたんだから当たり前でしょう。慣れ親しんだメンバーとこのまま活動を続けていくのもいいんですが、ゲーマー的にはもう少し戦力を育てたいという欲も湧いてきます。
……じゃあ、そろそろ大々的にやっちゃいましょうか。オーディションを。
というわけで、ステラストーンをつぎ込んで開催中のガシャを引いてみました。
このときはちょうど壮五くんの生誕記念オーディションの最中。正直まだストーリーが進んでいないので、彼がどういうキャラクターなのかはよく掴めていませんが、このタイミングになったのもひとつの縁。ぜひ彼にうちのアイドルグループの柱になってもらいたいと思います。
とりあえず、11人選考のレアオーディションを2巡(22人)やってみます! さて、どうなることやら──?
……はい。……なんと、出ちゃいました。SSRが。
連載の第1回で「ガシャの引きが良くない」と書きましたが、そんなことはなかったみたいです。いや、もしかしたら企画を盛り上げるために壮五くんが無理をしてきてくれたのかもしれない……。
そう考えると、不思議と彼の全身から天使のオーラがにじみ出ているような気がしてきました。まだ人となりは見えていないんですが、たしかに感じましたよ。優しさを。
壮五くんを中心にユニットを再編成。ここで、僕は「覚醒」という項目があることに初めて気づくわけです。
『覚醒』:アイドルに覚醒相手として“同じアイドル”を選ぶ(重ねる)ことで変化させる仕組みのシステム。覚醒すればカードの絵柄も変化し、パラメータも上がるのだとか。
覚醒をすることでレアリティも上昇。一部のアイドルはRが2枚でSRに、SRが2枚でSSRにと、わらしべ長者的な覚醒も用意されているみたいです。Rのアイドルにも強化の可能性が残されているというのは、単純にユーザーライクなシステムだなと感じました。
とはいえ、同じアイドルを揃えるのは大変そうですよね……。狙って出せる機会も少ないだろうし……。そんな機会も……いや、ちょっと待てよ?
あっ、うちには22人の壮五くんがいるんだった。
さすがに22人もいれば同じ絵柄のものもいっぱい。ここはもう目覚めてもらうっきゃありません。覚醒をするとレベルは1に下がってしまいますが、覚醒前からレベルが1であればとくにデメリットはありません(レベルが高いカードを覚醒させてもとくにボーナスはないので、育てる必要はナシ)。
そんなわけでアチラコチラで覚醒する壮五くん。気が付けば、SSRの輝きに彩られたこんなユニットが完成してしまいました! もはや、戦隊モノと言っても違和感がないでしょう。壮五ファイブ!
壮五くんで染めるのもいいのですが、ほかのアイドルの理解を深めるのも忘れてはなりません。もうひとりぐらい別のアイドルがいてもいいかな……? ということで、同時に開催されていた「MATSURI衣装」のガシャ選考にも挑戦してみます。
こちらは今までライブでコツコツとためたチケットを使う“こん身のひと引き”! 見たことのないハイポテンシャルなアイドルとの邂逅に期待がかかります! さぁ、いざ覚悟を決めて……。
──来てくれましたよ。またもや彼が! 壮五くんが!!!
そうまでして、うちのユニットに来たいということなのでしょうか……。
記事のオチにまで貢献してくれるあたりからも“救いのオーラ”を感じますし(ライターとして)、ちょうど覚醒もできる感じなのでタイミング的にもバッチリ。ここまで至れり尽くせりとなると、自然とストーリー内での彼の活躍に注目したくなるもの。……いやー、こういう推し方があってもいいですよね!
それでは、いよいよ本筋のストーリーを、第1部の2章「初ライブへの挑戦」から進めたいと思います。もうすっかりアイドルとしてライブしまくっているイメージの彼らですが(それが彼らの未来の姿と妄想するとしっくりくるのかな?)、まだ物語の中のIDOLiSH7は初ライブすら終えていません。お前がライブをやりすぎなんだよ……という話もありますが、そこはまぁ……。
何気ないやりとりも初々しくて和気あいあい。そして、アイドルたちの個性もドンドン掘り下げられていきます。こういうシーンだと、とくにナギ役の声優・江口拓也さんのカタコトの見事さには驚嘆させられます。
個人的には彼が「のっぽ」呼ばわりされているのが、(高身長をイジられがちな)江口さん自身とシンクロして見える部分があって、ついつい笑えてしまいました。
初ライブに向けて、フライヤー配りやサイト作りなど活動自体も順調そうです。しかし、順調そうに見せておいて、実際のライブ会場はガラガラという、アイナナ恒例の“上げて落とす展開”がここでも待っていました……。
それをどう乗り越えるのかと思いきや、乗り越える以前にそれを「失敗」とすら捉えない7人。「初ライブの集客の失敗」から来るトラブルというのは、アイドルをテーマにしたコンテンツでは必ずといっていいほど描かれるシチュエーションですが、この“アイドルの通過儀礼”ともいえる逆境をここまでポジティブに捉えるパターンは珍しいですね。これも彼らの強さの為せる業なのかも。
じゃあ、アイナナの世界のアイドルはみんなパーフェクトなのかというと、そうではありません。一方でブレイク中のアイドル・TRIGGERが不仲であるシーンを織り交ぜることで「アイドルは決して自然と仲良くなるものではない」ということも示唆している。まさか主人公ではないユニットのギクシャクを描くことで業界の難しさを表現するとはビックリでした。
そして、順風満帆そうに見えるIDOLiSH7のメンバーたちにもすぐにまた嵐がやってきます。そう、“上げて落とす”のがアイナナ。
陸くんがセンターに決まったあたりから、メンバー間に軋轢が表面化……。なんとIDOLiSH7はデビューする前に活動停止になってしまいます。
しかし苦境に追い込まれながらも、それぞれが自分がアイドルになろうとしたキッカケと向き合い、今回も少しずつ這い上がっていく。先ほどは“上げて落とす”のがアイナナと言いましたが、正確に言えば“上げて落として這い上がる”までが1セットなんですよね。
現時点の印象ではありますが、アイナナに一貫しているのは舗装されたサクセスストーリーではないように思えます。どちらかというと「歌いたい、踊りたい」というアイドルたちの想いが道を切り拓いていく様を見守るドラマ。それぞれにハードなドラマを匂わせながらも、彼らのポテンシャルや人間力をしっかりと描いているので「大変なことはあるけれど、きっと大丈夫だ」と感じさせてくれる。
描き方もシリアスになりすぎずにどこか明るさを残しているので、今のところは「この子、どうしてこんなことに……つらい……」みたいな感情にまでは至っていません。ただひたすらに応援したくなる。
──そう、彼らは自然と応援したくなる存在なんです。逆境に対して真っ直ぐに生きる、アイドルというよりも少年漫画の主人公のようなイメージ。そう考えれば、プレイヤーが男性であっても好感が持てるのは当然でしょう。
物語ではいよいよ、IDOLiSH7とTRIGGERのメンバーたちの運命が交錯していきます。第3~4章では視点が両者でそれぞれ頻繁に切り替わり、ザッピングに近い形で物語が進んでいくので、超えるべきユニットというよりは“もう一つのグループ”といった形でしょうか。このアイナナの2つのグループを交互に覗いていく並列視点はおもしろいですね。
IDOLiSH7とTRIGGERの見え方やプロ意識の違いもよくわかるし、TRIGGERのライブに行ったことでIDOLiSH7がいい意味で刺激を受けたというのも伝わってくる。でも、そこで受けた刺激が思わぬトラブルになって……というのも、群像劇のように両アイドルの立場をそれぞれ尊重しながら描いてきたからこその展開。
ついついタイトルから“7人の作品”なのかと思ってしまいがちですが、アイナナはTRIGGERも含めた“10人の作品”として物語が動いていくのでしょう。少なくとも現状はそんな印象です。
TRIGGERがメインに来たことで、ライブパートでは彼らの歌う「SECRET NIGHT」も解禁。モンジェネに比べると、セクシーで大人な空気が漂うユニット曲になっています。味わい深い。
そういえば、天くんの顔がどこかで見た記憶があるなぁと思ったら、すでに彼の親愛度はMAXでした(笑)。壮五くんもそうですが、こういう本筋とは関係ない部分でマネージャーを支えてくれているのがわかると愛着も深まるというものです。みんなまとめて応援したっていいじゃない!
──と、またひとり気になるアイドルが増えてしまいましたが、そんなこんなで今回の連載はここまで。また一週間、楽しみつつマネージャー業に励みたいと思います。
前回の記事はコチラ⇒男性目線の『アイナナ』プレイレポ【男性ライターが『アイドリッシュセブン』をやってみた。】第2回
(C)アイドリッシュセブン CD:Arina Tanemura